ブログパーツ

『エスター』

2010年03月30日
orphan-poster_convert_.jpg
真の“愛されガール”の姿を見よ! そして跪け!!

エスター、なんと甘美な響き。
北欧に咲く一輪の薔薇。
その棘は心を刺し、その香りは心を癒し、その眼差しは心を惑わす。
エスター、ひたすらに無上の愛を渇望し続けた少女。
エスター、ああ、エスター。

養親になってくれたのが、モーガン・フリーマンさんだったらよかったのにな!マジで!(もしくはウディ・アレンさん)

衝撃の朗報? 72歳のモーガン・フリーマン、45歳年下の孫娘と結婚!? - MovieWalker


(↑ガセだという節もあるそうです)
(↑ウディの方はガチ)


と言うわけで、去年観た方の間で話題騒然だった 『エスター』 を、遅ればせながら鑑賞しました。

エスターなんだこれ超SUGEEEEE!!
最近怖い映画が少なくなったとお嘆きの自分に、心ばかりの増強剤とばかりに借りてみたのですが、滋養がつくどころか超劇薬だったのでした。 バンザーイ!どうせ盛られるんならやっぱ劇薬だよね!

待望の赤ちゃんを死産という形で亡くし、失意のどん底だった夫婦が迎え入れた新たな家族。
それは、どこか寂しげで、でも芯が強そうで、不思議な魅力にあふれる少女・エスターだった・・・!

そんな彼女が家に到着してから去ってゆくまでの数週間を、くしゃみするもの躊躇われる様な緊張感でもって描いてゆく本作。
エスターが魅せる、他人を疑心暗鬼にさせる巧みな会話テクや、絶妙な間合いの自虐ネタ、心の中の触れられたくないトコロを的確に突いてくる心理攻撃がまぁ、見事な事と言ったら。
で、それらが功を奏し、災いが雪だるま式に膨れ上がってゴロゴロを悲鳴を上げながら暴走し、そして行き着くところまでノンストップで行き着いて爆発してしまう様は圧巻の一言です。

外見は幼い少女なのですが、劇中で披露するあーんな駆け引きやこーんな嫌がらせの数々は、手練手管に長けた女(メス)のまさにそれ。
いやー、勉強になりますなぁ! (するな)

異質な訪問者と家族の崩壊、という古今東西お馴染みな内容ではあるのですが、不穏な空気に満ちた導入部から、ひたすら続く悪夢のような中盤、そして斬新過ぎる真相が待ち構えるクライマックスまでが、非常にテンポよく、リズミカルに紡ぎだされる為、中だるみとは全く無縁な傑作ミステリーとなっております。
ほんとこれ、去年観ていたら間違いなく09年代ベストに入れてたのになぁ。
ちくそう! これだからかっぺ地域は! (※岡山では公開されませんでした)

まだご覧になっていない方は1食抜いてでも鑑賞されるコトをおすすめします。
衝撃真相なのに、オチがわかってからももう一度観直したくなること請け合いですよ!
あと、絶対鑑賞前にネタバレブログとか読まないようにして下さいね! 人生損してしまいますよ!(そこまで言うか)




では、以下ネタバレ。 (※未見の方は読まないで下さい)




そりゃ、うっぷんも溜まりますよねー!

愛を求め、愛に流離い、愛に弄ばれた33年間。
成長ホルモンの異常により、自らの意思とは裏腹に、ジュニアサイズで生きることを運命付けられたエスター。
愛撫に焦がれ、夜毎疼く発展途上ボディ。
でも、その外見が災いし、彼女の欲望は決して満たされることは無い。

33年間ノータッチ・ノーベッドインて! これを悲劇と言わずして何を悲劇というのか!
らめえ!もうエスター、魔法使いにらっひゃうお!(※一説によると、手付かずのまま30歳を過ぎると魔法使いになれるそうです)

「愛が欲しい」だの「愛されたい」だのと無いものねだりも甚だしい“自称・愛されガール”どもは、膝を屈してよく見ておくがいいですよ。
こうなる前に、愛を欲する側から与える側にシフトしなきゃダメだかんね!
愛されるよりも、愛したい本気(マジ)で!みたいな!
でないと、エスターみたいな不毛な“愛され地獄”に陥っちゃうよ!

で、そんな不毛なエスターですが、劇中の設定では、もともと精神を病んでおり、暴力性もあったとされているのですが、ホントにそうなのかなぁ、と思えてなりませんでした。
ホルモン異常は彼女のせいではないのに。 
周りの女子と同じように発育していかないのは彼女のせいではないのに。
心はどんどん大人になり、肌つやも無くなり、ほうれい線まで出始めたというのに。
なのに「子供にしか見えない」という理由で、性的アピールをスルーされてしまうなんて。
そりゃ歪むんじゃないですか? 心のひとつも歪んでしまいまさあ・・ねえ、旦那・・・。

もしエスターが、出生と同時にキチンとした医療を受けており、理解ある人々に出会えていたなら、こんな悲劇は生まれなかったかもしれないのになぁ。
形振り構わず、養父にお色気攻撃をしかけ、案の定拒絶されて怒りに燃えるエスターの姿を見ていたら、彼女の人生の裏側でこれまで流されてきたであろう数多の黒い涙が目に浮かび、思わず目頭が熱くなってしまいました。
ほんと、ウディ・アレンくらい男気のある養父に出会えたらよかったのにな!


で、ここまでエスターに感情移入してしまうのは、彼女を迎え入れる一家に対する違和感にも原因がありまして。
赤ちゃんを死産で亡くし、その代わりに養子を・・・という事なのですが、既に2人の子供に恵まれているのに、なぜそこまでして兄弟を増やしたかったの? 平成の大家族を目指してるの? 改編期に特番するの?
それに、その実子のうちの一人は聴力に障害を持っていて、手も目も人一倍かけてあげるべき存在。
なのに養子をとる意味が、どうしても理解出来ない。
なんなの? もしかしてそのお世話係にでもしようと思ってたとか?みたいな意地悪い感情まで首をもたげてくる始末。

死産の悪夢から立ち直れない母の気持ちはわかりますが、子供は何かの代わりじゃないんだかんね。
ま、そもそも旦那さんとは破綻してしまってた(旦那さんに対する信頼が無くなっている事は、冒頭の悪夢のシーンを見ても明々白々)みたいですので、あの離別は仕方ないのかなぁと思いますし、喪った赤ちゃんへの想いに関しても、エスターのお陰で見事に決別出来たようですので、終わりよければ全てよし、みたいな感じなのかもしれませんね!

よし、とりあえずエスターさんに感謝の意!


全ての女が持つ二面性を余す事無く表現した、エスター役のイザベル・ファーマン・齢13歳がとにかく素晴らしかったです。
あまりにエスターが憑依していた為、今後のキャリアに差し支えるのではないか(※リンダ・ブレアみたいに)と心配でたまりませんが、是非これに懲りずに色々な役にチャレンジしてもらいたいものです。
アガサとしては、ファーマン女史とエレン・ペイジ師匠とのがっぷり四つが、今一番見てみたい取り組みですね!

いやぁ、やっぱ男がまるで役に立たなくて女がめっぽう強い映画はおもしろいなぁ!
最高でした!

     ♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →   にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

『映画 プリキュアオールスターズDX2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!』

2010年03月27日
precure2.jpg
“嬲られ”の春休み全国ロードショー!

参考感想・・・
映画 YES!プリキュア5GOGO お菓子の国のハッピーバースディ♪(2008年秋)
プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の大集合!(2009年春)
映画 フレッシュプリキュア! おもちゃの国は秘密がいっぱい!?(2009年秋)



春(オールスターズ)に秋(単独)の告知を、秋(単独)に春(オールスターズ)の告知を、という汚い大人のやりくちもすっかり定着し、半年前から映画館を再訪する事を約束させられていた親御さんたちが、なんとなくアンニュイになるこの季節。みなさま如何お過ごしでしょうか。

というわけで、気乗りしないながらもちびっこたちを引き連れて行って来ました、プリキュア映画最新作。
今回も、昨年に引き続きオールスター勢ぞろいのドリームマッチとなっております。
聞いて驚くなかれ、今回は総勢17人の女子中学生が、悪い大人に嬲られ、甚振られる壮絶な物語となっております。

ついにエグザイルをも超えたか・・・ ふふふ・・・もう、覚えようという気すら湧かぬよ・・・。

ま、とりあえずプリキュアの設定については過去に何度か説明した部分もありますし、要するに「得体の知れないUMAにいい様にこき使われる女子中学生」という事ですのでひとまず置いておいて、今回はプリキュアシリーズの肝でもあります、そのUMAについてざっくりご紹介したいと思います。


「プリキュア・シリーズ」 の華麗なる未確認動物の世界!

ぷ15
シプレさん
ただ今好評放送中の「ハートキャッチプリキュア」に出演中の人気UMA。
主人公の証のピンク衣装を身に纏うつぼみちゃんに寄生中。
気分がのると排泄欲が湧きます。 そして、それは止められません。

ぷ16
コフレさん
シプレさんと同じく、「ハートキャッチプリキュア」の名物UMA。
主人公を食ってしまっていると評判の、ブルーの衣装でお馴染みえりかちゃんとは、つかず離れずの憎い関係(なか)。
こちらも所構わずノンストップ排泄。 肥溜め壷がマストアイテム。

ぷ1
タルトさん
1期前の「フレッシュプリキュア」に出演。 えせ関西弁行為が鼻につく、えせフェレット。 股にしっぽを挟むのがクセ。

ぷ2
シフォンさん
「フレッシュプリキュア」メンバー。 通称「ソウルヘッド」。またの名を「無限のメモリー」。 結局何のメモリーだったのかはよくわからない。

ぷ3
シロップさん
2期前の「Yes! プリキュア5 gogo」に登場。 気分次第で怪鳥になったりヒトになったりする、自称運び屋。 イケメンキャラのくせに今ひとつ人気が出なかったのは、怪鳥になった時の姿に違和感があり過ぎたからだろうと予想。

ぷ4
ナッツさん
2期前の「Yes! プリキュア5 gogo」、3期前の「Yes! プリキュア5」に登場。 基本UMAだが時々ヒトになり、中学生に作らせた雑貨を高値で転売して生計をたてていたりする。 

ぷ5
ココさん
「Yes! プリキュア5 gogo」と「Yes! プリキュア5」通して、中学生の女子生徒にちょっかいを出し続けたまっすぐな男。 一時期、ホームレスのような生活を送っていた為、見かねた教え子が住居を提供した。

ぷ6
ミルクさん
「Yes! プリキュア5」ではUMAとして、「Yes! プリキュア5 gogo」では進化しヒトとして、ココさんとナッツさんにご奉仕していた。 ちなみに、ヒト形態下においてミルキィローズに変身する事が出来る。 

ぷ7
フープさん
4期前の「ふたりはプリキュア Splash Star」に登場。 髭男爵のヒグチくんスタイル。 しりに玉。

ぷ8
チョッピさん
「ふたりはプリキュア Splash Star」の妖獣。 

ぷ9
ムープさん
「Splash Star」のおばけ。 しりに玉。

ぷ10
フラッピさん
「S S」の変身グッズ。 ていうかホントは携帯電話。
  
ぷ11
ポルンさん
5期前の「ふたりはプリキュア Max Heart」と6期前の「ふたりはプリキュア」に登場。 耳が大福。

ぷ12
ルルンさん
「Max Heart」の変身セット。 ほお袋妖怪。

ぷ13
メップルさん
まんじゅう。

ぷ14
ミップルさん
たれぱんだ。


・ ・ ・

・ ・


びしい


そりゃねぇ、もうわかるわけ無いですって。
プリキュアが17人、ってことは、淫獣だってそれ相応の数いるって事ですよ。
試しにざっと数えてみたら、16匹もいるんでやんの。 マジ見分けつかねー。 
実は、これ以外にも「Max Heart」には“ハーティエル”という別の枠の妖精さんまでいるらしいのですが、よいこのみんなは数えちゃだめだよ! 心が折れるからね!

ま、こういう輩が常にウロウロしている、という事で。
では、それらを参考にして頂いた上で、本編の感想行ってみましょう。



『映画 プリキュアオールスターズDX2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!』 のここが凄い!

・ シプレとコフレが謎の地図を残して家出する。
・ 地図を頼りに、ずんだもちとぼうしパンが出掛けてみると、昨日まで海だったその場所には巨大な遊園地が。
・ どうやらUMAたちが一日で建築したらしい。 おまえら、そんな力あるんならプリキュア必要ないじゃん。
・ 入り口でお客さんにクリスタルミラクルライトを配っていたシプレとコフレ。
・ ペット相棒を見つけ、安心して涙を流すぼうしパン。
・ 沢山の一般人に堂々と喋りかけているUMAの存在ほど、安心と程遠い存在は無いと思うのだが。
・ ミルクさんがライト配布担当を代わってくれたので、ずんだもちたちとパーク内を散策するシプレとコフレ。
・ ちなみにミルクさんは大衆の面前で堂々のヒト→UMA変換。 
・ そしてそれを見ても全く動じない一般ピープル。
・ あくまで「ぬいぐるみだよ!」と言い張っていたテレビシリーズでの設定全否定。

・ この不思議なパークの原動力は、園の中央に設置してあるレインボージュエルが持つミラクルパワーなのだ。
・ ちなみに、「レインボージュエル」とは千年にいちど貝の中から生まれる奇跡の宝石らしい。
・ ちなみに、ジュエルは未完成状態。
・ ん? じゃまだパワー無いんじゃねえの?
・ 「こまけぇこたぁいいんだよ」(東映アニメーション・社訓)

・ そんな貴重なジュエルを内臓する貝を、ノーガードで園に放置するUMAたち。
・ 案の定、園に乱入してくる悪い人たち。
・ ずんだもちとぼうしパンのスーパー変身タイム。
・ それを見ていた前期メンバーのトレパン・軍手・おかか・ペヤングが、負けじとスーパー変身タイム。
・ 「わ・・わたしたちの他にもプリキュアがいただなんて・・・」
・ いや、お前のばあちゃんも元プリキュアじゃん。(※ハートキャッチプリキュアにおける設定)

・ 騒ぎを聞きつけてその他のプリキュアたちも大集結。
・ ただし、昔の人なので変身シーンは割愛。(※無印、MH、SS、5の皆さん)
・ 非現実成人が非現実青少年をフルボッコにする、“スーパー嬲られタイム”。
・ 「ボスに「貝の置き場所だけ調べて来い」って言われたでしょ、で、場所はわかったでしょ。 じゃ帰ろっか」と言ってホントに帰ってしまう悪い人たち。
・ 典型的なダメ社員のパターン。
・ とりあえず私服に戻って17人できゃははうふふするプリキュアメンバー。
・ どうでもいいが、かれんさんの私服センスが相変わらず超越し過ぎな件。
・ 折り返してやってきたボスに、ジュエルも貝も採られてしまうプリキュアたち。
・ 悪い人たちのスーパー恫喝タイム。
・ 悪い人の作画が怖すぎる件。
・ スーパー変身タイム。(2回目)(※昔の人は再び割愛)
・ スーパー嬲られタイム。(2回目)
・ 千年に一度のすごいジュエルの力で、すごい強くなってるすごい悪い人。
・ 苦戦しているプリキュアを、会場内のちびっこがライトを振って応援するタイム、通称“スーパー点灯タイム”開始。
・ 劇場の現実未就学児の行動に合わせて、スクリーンの中でも非現実成人や非現実青少年たちがライトを振って激励タイム。
・ 海岸線をぎっしりと埋め尽くすライトの灯火。
・ あいつら(UMA)何人にライト配ってたんだよ。
・ みんなの応援のおかげで、プリキュアたちに羽がはえたよ!
・ 恒例のスーパー説教とごり押しパワーでプリキュア大勝利。
・ 戻ってきた貝をふたたび遊園地に放置して、次の千年を気長に待つなんてぶっちゃけありえなーい!でも、今回は勝利出来たから絶好調なり!よーし、千年後も頑張ってレインボージュエルを守っちゃうことにけってーい!そしたらみんなで幸せゲットだよ! なんて展開だったら、堪忍袋の緒も切れるっちゅうねん。(※下線:歴代ヒロインの決めセリフ)

・ 特報・「ハートキャッチプリキュア・ザ・ムービー」、今秋ロードショー。


ま た 半 年 後 か よ 。

今回の鑑賞後、今までずっと一緒にプリキュアツアーを敢行してきたおともだちのうち3名が、次回秋季大会への参加辞退を表明いたしました。

まぁ・・・ね・・・ 「もういいや」って・・思う子もいるよ・・ね・・・うん・・・。

子供たちは彼らなりに、大人の階段をのぼり始めるきっかけを探しているのかもしれませんね。
(※ちなみにうちのちびっこは「次は秋か!」と興奮していました)


そんな胸キュンな卒業エピソードはさておき。
上記のあらすじ、もしかすると「なんか大雑把だなぁ」と感じられた方がいらっしゃるかもしれませんが、それもその筈です。 だってオレ、途中で舟こいでたもんね!(←自慢げ)(←ダメ人間)

なんつーの? 言ってみれば磐石な作りな訳じゃない?水戸黄門的な、勧善懲悪な世界っていうの?要は歴代のプリキュアが一箇所に集まって、たまたまそこに着ていた悪いヤツをやっつけておしまい、みたいな。全世代向けな安心設計。その安心感が心地よくって心地よくって、あと、シネコンの椅子も心地よくって心地よくって、ま、ぶっちゃけ前日夜中の2時半くらいまで起きてたっていうのも影響してなくはないっていうかいやぁー、寝不足ってこわいわ!

と言う訳で、かぶりつきで超真剣に鑑賞された方が読まれた場合「こんな筋じゃねえ!」と思われるかもしれませんが、ま、いらっしゃいませんよねー。まさかそんな、「えりかたんハァハァ」みたいなねー。まさかのまさかですよね。
いや、いいと思いますけどね。 アガサも正直、今期のダークプリキュアさまにはテンションが最初からクライマックスですので。

昨年のオールスターズに比べると、無駄に長かった変身シーンも潔く割愛され(※そのキャラのファンには残念な展開だったでしょうが)テンポがよくなっていますし、それぞれが協力する過程や設定もより自然だったような気がします。
また、かなり無理やりな“クリスタルジュエル”の存在。
「大切ココ~」「大事メポ~」「とられたら大変ラピ~」などと淫獣どもが前フリしていた割には、いざ盗られてもそんなに問題じゃなかったり、結局取り返す訳でもなく、なんとなく気付いたら元の場所に戻っていた。 と、いかにも大人の都合の象徴のようなジュエルも、肝心の子供たちが気にしていなかったようですので、ま、いんじゃねえの。(←投げやり)

過去の登場キャラ(敵、味方含めて)を総動員したキャストも見ごたえ充分。
「Max Heart」の後半戦からプリキュアデビューし、本格的にはまったのが「SS」だった我が家にとっては、「SS」の素敵キャラ・満&薫がそこそこ出てきただけでも感涙モノでした。
あと、アガサが大好きなブンビーさんもセリフつきで出てくれたしなぁ。前列で見ていたちびっこが、瞬間振り返り「おかあさん!ブンビーさんだよ!」と教えてくれた程に、その大好き具合は計り知れなかったので、喜びもひとしおでした。
出来ればもうちょっと、敵キャラと絡んでくれたら完璧だったと思います。 


そして、やはり今回の一番のみどころは、エンディングのオールスター主題歌メドレーだったのではないでしょうか。
3D仕立てで歌って踊る歴代プリキュアさん。
その懐かしい主題歌を身にまとい、きらめく宝石のごとくステージ上で輝き、弾けまくる皆さんの姿を見ていて、思わず涙腺が緩んだのは私だけではないはずです。
違うもん、ちびっこも「なつかしかった~」って言ってたもん。 一緒に大合唱してたもん。痛(イタ)主婦じゃないもん。

いやぁ、ホント最高でした。

最後になりましたが、UMAが運営する遊園地の施設が、えげつないくらいUMAキャラ一色となっているのを見て、これぞ「バンダイの真骨頂」、つまり、「ありとあらゆるタイプのキャラクター商品でお子様をがんじがらめにし、果てしない購買欲で廃人同様にしてしまう」というマーケティング戦略そのものであると感じたのですが、これもきっと、前作に引き続く“東アニによる地味なスポンサー批判”なのでしょうね。

やるなぁ・・東アニ。 あんた、漢(おとこ)だよ!


という事で、また秋ごろちびっこたちとワイワイ言いながら劇場に向かうのを楽しみにしつつ、そして、それがいつか卒業の日を迎えてしまうのか、はたまた案外高校くらいになっても続いちゃうのか、といった色んな想いを抱きつつ、今回の感想はおしまいに。


(※ あらすじの中の人物表記ですが、キャラ設定をご存じない方には混乱を招く原因となると判断した為、アガサが適当なあだ名をつけてみました。 ずんだもちやトレパン、ペヤングが誰なのか、あなたもレッツ予想!)

(※ 余計に混乱してしまってたら、どうもすみません)

     ♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →   にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

『アメリカン・クライム 』

2010年03月23日
an-american-crime_convert_.jpg
アナザー・サイド・オブ・「隣の家の少女」。

あらすじ・・・
6人の子供を女手ひとつで育てるガートルードは36歳。 まだまだ女盛り。
彼氏は11歳年下のアンディ。 典型的なろくでなしのイケメン。
生活費を入れてくれる訳でもなく、ただ金の無心と性欲の解消にだけ彼女の家を訪れるアンディを、しかし、拒むことの出来ないガートルード。
収入はもっぱらアイロンがけの内職と長女のバイト代で、当然の如く慢性的な貧乏生活。
そんなある日、ガートルードは日曜参拝で偶然出会った姉妹を預かる事に。
2ヶ月ほどの託児アルバイト。 
報酬は週20ドル。 
願ってもない収入のあてに、ガートルードは安堵のため息をもらす。

姉妹を迎えての新生活は、何もかも、順調に運んでいたはずだった。

姉妹の両親から届くべき20ドルが、たった一日遅れてしまったその日までは。



びっくりするくらい にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  ズベ公ばっかり出てくる映画でしたよ


ただいま話題沸騰中の 『隣の家の少女』 ですが、幸か不幸か岡山では公開が未定なようですので、もうひとつのガルネクこと 『アメリカン・クライム』 を借りてみました。
いやねぇ、『隣の家の~』も本当は、未公開&DVDスルー扱いくらいだろうと思っていたですよ。 
まさか公開されるとはねぇ。 
今回の決定には、昨今のフランス産(エグい)ホラーの台頭が影響している事は、まず間違いないでしょうね。
じゃなかったら、製作から3年も経って公開とか、ないない! 大人の事情かキングレコードの暴走錯乱以外ありえない!

ま、それはさておき。

ご存知の方も多いでしょうが、実はこの2作品とも、実際に起こった事件(参考:殺人博物館~ガートルード・バニシェフスキー)をベースに作られておりまして、ケッチャムの方はそれを基にしたフィクション、こちらの方は裁判記録の一部をダイアローグに使うなど、実録モノっぽさを全開に押し出した作りになっております。
どちらも、大筋は同じで、
「鬼ババアに預けられた薄幸の美少女姉妹が壮絶な虐待に遭う」
という、あんまり楽しくないお話なのですが、未見の『隣の家の~』はさておき、本作はかなり鬼ババア目線の語り口となっているのですよね。

16際の頃、若気の至りで出産した長女を筆頭に、暴力夫との間やその他の男との間に産みもうんだりその数6人。
子供はかわいい、でも、貧乏は底なし。
引き出しを開けても、小銭一枚転がっておらず、財布の中には1ドル札が数枚しかないという惨状。
貧乏こわい。 貧乏つらい。
おまけに喘息もちで、きちんとした職にもつけないガートルード。
まさにストレスの牢獄のような毎日。

そんな彼女が藁にもすがる思いで手に入れた託児のアルバイト。
6人も8人も変わりゃしねぇよ! とばかりに始めたものの、生活は相変わらずキュウキュウとし、ろくでなしの彼氏にせびられれば、やっぱり無い袖を振らずにもいられない。
だって、彼氏ほしいもん。
ストレスだらけの日々だから、自分に失望しっぱなしの人生だから、せめて束の間の“モテ”にすがらずにはいられないんだもん。
でも、“モテ”じゃあお腹はふくれないんだもん。

食い扶持が増えた事により、以前にもまして綱渡り感が高まった、ガートルードの生活。
もう、頼みの綱は例の20ドルだけという、極限状態。
そんな時、届くはずの日に届けられなかった20ドル。
必死に摑まっていた糸が、プツリと切れてしまったガートルード。

こういった切ない背景が、扮するキャサリン・キーナーの絶妙な薄幸顔と相俟って、見る者の心を猛烈な勢いで追い込んでいきます。

だからって、虐待してもいい訳がない。
だからって、よその子供を殺していい訳がない。
もちろん、それはそうなのですが、あまりにキャサリン・キーナーの演技が達者な為(もしくは製作者のさじ加減の為)、物凄くやりきれない気持ちになってしまいました。

人は、自分一人の力では、悪魔にはなれないのだ、と思います。
「虐待を受けた子供が成長して、同じように虐待する親になってしまった」という話を本当によく聞きますが、誰かに影響を与えようと思えば小さいに越したことは無く、物事の善悪を身に付ける幼少期に植えつけられた異様な価値観を、一体どうすれば改善することが出来るというのか。
もしかしたら、ガートルードも虐待を受けて育ったのかもしれない。
だとしたら、本当の悪魔はガートルードの親なのでしょうか。
でも、その親もまた幼少期に虐待を受けていたとしたら?

糸が切れてしまい、思わず激情にまかせて姉妹に手をあげてしまったガートルード。
超えてはいけない一線を越えてしまった事で、堰が切れたように暴力にすがるようになってしまったガートルード。
そして、そんな彼女を制する者が、どこにもいないのという不幸な現実。
泣き叫ぶ少女の声を聞きながら「面倒ごとには関わらない方がいい」と無視し続けた隣人。
明らかに間違った事と知りながら、ガートルードに嘘八百を並べ立てた彼女の長女。
お母さんが怖いが為に、真実から目をそらした娘たち。
危うい精神状態になっていると気付いているくせに、ガートルードを放っておいた恋人。
異様な光景を「大人公認」という言葉だけで受け入れて、通報するどころか加担して楽しんでいた近所の子供たち。

ガートルードの周りには見事なまでに、彼女の狂気を見守ったり助長する人たちしか存在しておらず、それらが彼女を完璧な悪魔に育ててしまったのではないか、と思えてしかたありませんでした。
また、暴力の合間に、自分の犯してしまっている最低の行為を恥じて、泣くんだよなぁ、ガートルード(=キャサリン・キーナー)が・・・。

ここまで加害者よりに作るか?というくらい、“ガートルード=気の毒”路線で攻めてきた本作。
実際のガートルードがどんな人物だったのかは知るよしもありませんし、本当は、どこに出しても恥ずかしくないようなクソビッチだったのかもしれませんが、少なくとも本作のガートルードには“怒り”よりも“同情”、“憎しみ”より“憐憫”が先に浮かんでしまい、そしてまた、実際の虐待事件や暴力事件が抱えている闇もこんな風に、割り切れない事情を沢山併せ持っているんだろうなぁ、と想像してしまい、つらくてたまりませんでした。

裁判の最中、虐待に加わっていた子供たちが証言するシーン。
「誰かに命令されましたか?」
「されていません」
「なのに暴力をふるった?」
「はい」
「どうしてそんな事を?」
「わかりません」

全ての子供が口を揃え、困惑した表情で返す「わかりません」の言葉。
それは紛れも無い事実なんだろうと思い、それが恐ろしくてたまりませんでした。
わからない。 けど、気付いたらやっていた。
ガートルードが、子供たちの奥深くに植えつけてしまったかもしれない“異様な価値観”が、この何年か先に再び頭をもたげなかった事を祈るばかりです。


被害者の少女役のエレン・ペイジ師匠による渾身の演技もすばらしかったですし、完全に精神を病んでしまった加害者はもとより、被害者の魂もまた、死してもなお救われてはいない、という、悲壮感漂うラストも心に深く突き刺さりました。
悲惨な虐待の直接表現がほぼ無い事や、虐待に遭っている少女の顔や体がキレイすぎる事、虐待がエスカレートしてゆく様が強引すぎる事など、やや不満を感じる点もなくはないのですが、加害者側に重きを置いたことによって、より問題の根深さを痛感する事が出来ましたし、エグい直接表現が無くても、充分“恐怖”も“痛み”も“絶望”も伝わってきますので、鑑賞後の気分はバッチリ最低ですよ。 
うん、もうオレ、ケッチャムの方観なくてもいいよ。


それと、実は本作と『隣の家の少女』にはとても大きな相違点がありまして。
『隣の家の~』では鬼ババアの子供は息子3人なのですが、本作では5人の娘+息子となっており、この家族構成のおかげで、虐待スイッチのポイントがかなり変わってきているのです。
ガートルードの家には、ほとんど女性しかいない為、そこには常にピリピリとした空気が漂っています。
「誰がプリンセス(一等賞)なのか?」、という、女性が複数いた時必ず芽生え始める感情。
心の中で優越をつける。
友情を嫉妬心がいとも簡単に超えてしまう。
男が絡むと最悪のこじれ方をする。
たった一度の言葉のチョイスミスが、一生消えないしこりとなって残ってしまう。

人間関係はこわい。 でも、そこが女だらけの場だともっとこわいんだかんね!マジで!(←色んな思い出が脳裏をよぎっている)

「隣の家の~」を読んでから、もう数年が経つので、本作を踏まえて改めて読んでみると、また違った発見があるのかもしれませんが、どうやっても読み直す気ににはなれませんので、もし最近「隣の家の~」を読んだり鑑賞された方がいらしたら、是非一度見比べてみてはいかがでしょうか。 

     ♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →   にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

『シャーロック・ホームズ』

2010年03月19日
SherlockHolmes_convert_.jpg
もういい・・・皆まで云うな。


『シャーロック・ホームズ』著作権者が激怒!続編でホームズとワトソンの“ゲイ疑惑”に触れたら映画化の権利を剥奪 - シネマトゥデイ


数ヶ月前、このような記事を見かけました。
正直言って、著作権者のアンドレアたんが何をそんなにいきり立っているのかさっぱりわからない。

健全な男男が2人、一つ屋根の下で暮らす。 

・・・状況説明として、これ以上何が必要だというのか。

な、アンドレア。 お 前 に も わ か る な ?


あらすじ・・・
なんかロンドンで連続女性殺人事件が起きて、黒魔術みたいなのがあって、その犯人が捕まって、処刑されて、でも生き返ったっぽくて、そしたらまた関係者が殺され始めて、ドカーンボカーンってなって、ワトソンが「危なーい!」とかなって、ジャーってなって、チュイーンって迫ってきて、裸になって、ほんで『ALWAYS 三丁目の夕日』みたいになって、おしまい。


 にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

もうね、冒頭にも書いたのですが、ホームズとワトソンの関係がね。
いや、ヘンな意味じゃなくて、ホント、見たまんまな意味でね。
見たまんまな意味で、白飯三杯はいけちゃうよね。

大胆で聡明で色っぽくて繊細な、ロバート・ダウニー・Jrのホームズ。
誠実で色っぽくて包容力がある、ジュード・ロウのワトソン。
ぶつかりあう、2人の肌と肌。
絡み合う、視線と視線。
ダウニーさんの豊富な下まつげの一本一本から溢れ出す、ワトソンへの想い。
そして、婚約者との新生活の準備を進めながらも、危なげな相棒から目が離せないジュード・ロウ。

もういい。 皆まで云うな。
お前らの気持ち、しかと受け取ったぞ!!
(発信されていたかどうかは別として)

という事で、新生ホームズの冒険談は、アガサにとって夢のようなひとときで、まさしく夢のようだったのでした。 違う違う、寝てませんからね。 そういう“夢”じゃなくて。 いや、ホント寝てないって。 大人はヤだねー。すぐそう言ううがった見方をするもんマジで。


これはあくまでアガサの考え方なのですが、そもそもサー・アーサー・コナン・ドイルの原作自体、完全な“本格推理小説”とは言い難いのではないかなぁ、と。
もちろん、唸ってしまうようなトリック(「フランシス・カーファックス姫の失踪」や「ブルース・パーティントン設計書」の死体のトリックなど)や、現場に残された小さな物的証拠からその場の状況を導き出すホームズ先生の冴え渡る推理は楽しいのですが、半分くらいは「え?」みたいな話もありますからねぇ。
婚約した若いギャルに愛想をつかされない為に謎のクスリをオーバードーズして、サル化してしまう老教授のお話とか、
殺人事件の犯人がクラゲだったお話とか、
ヘビが牛乳で飼いならされちゃうお話とか、
痴話喧嘩がこじれる話とか、
痴話ケンカがこじれる話とか、
あとは痴話が刃傷沙汰になる話とか。

そういうチワチワとしたお話も面白く読めてしまうのは、ひとえにホームズ先生のスマートな立ち振る舞いと、ワトソンとのウィットに富んだ会話、ヴィクトリア朝時代の光と影が残酷なほど美しく対比する風景、そして、わかりやすく且つ斬新なストーリー展開にあるのでないかと思うのです。

で、それを踏まえて本編を観ると、なんだよ、全然いつものホームズじゃん!と、そうなる訳なのですよね。

むしろ、なんでみんなホームズに本格的な謎解きを求めるのか、と。
時代はビクトリアだよ、と。
もうねぇ、壁に「RACHE」って書いてあるの見て
「むむ!これははんにんが“レイチェル”ってかこうとしたにちがいない!」
って息巻いてたら、ホームズ先生に
「あのねぇ・・クスクス・・“RACHE”はドイツ語で ・・ブッ・・ “復讐”って意味ですよ・・ プークスクス・・」
って豆知識を披露されたレストレイド刑事の気持ちにもなってやれよ、と。(←「緋色の研究」より)
やたらと「謎の吹き矢」とか「謎の毒薬」とか「謎の秘密結社」が出てきてこそ、ぼくらが愛したホームズなのではないですか。

シルクハットと黒いスーツに身を包んだ紳士が、石畳を颯爽と闊歩する姿。
軽快な音を路地に響かせ走り抜ける馬車。
カメラがパンすると、そこに映し出される「ベーカー街221B」の文字。
それを大画面で観られただけで、充分満足してしまったアガサだったのでした。
で、しかもそこに、フェロモン過多なワトソンと、それをねっとりうっとりとした目つきで見つめるホームズがいる。
なんだよ! おまえらこれ以上なにが必要なんだよ!(※ゆがんでいる事はわかっているのでそおっとしておいてあげてください)

ただ、上記のとおり、設定や映像には概ね満足だったアガサなのですが、ちょっと物申したい点もいくつかありまして。

まず、上映時間が長すぎる。
魅力的なキャストを揃えたので、ねっとりと時間をかけたプレイ状況説明をしたいのはわかりますが、この話で2時間超はキツいです。
派手な爆発や破壊を盛り込んでいるにも関わらず、ものすごくテンポが悪く、間延びした印象を受けてしまうのは勿体無い。
テレビもブルーレイじゃないと勿体無い。(←とくに意味はない)
そう考えると、『ヤング・シャーロック』は1時間半超で上手にまとめてたなぁ、と。 似たようなトンデモ展開なのにな!


次に、悪い人役が地味。
誰かに似てるんだよなー・・誰だろなー・・・ホント、絶対誰かに似てるんだよ・・
と思ってたら、アンディ・ガルシアでした。って気付いた時には本編終わってました。 ちょう地味ーマジうけるー。

それから、まさかの「SAW」っぽい装置登場。
途中でヒロインがある装置に縛り付けられて危機一髪!みたいなくだりがあるのですが、その装置というのが、
「フックに吊るされたブタの死骸が一体ずつスライドさせられて、その先にある電動カッターで縦割りにされる」
という仕掛けで、もうめちゃくちゃジグソウっぽい。ていうか即座に『SAW3』を思い出した己が憎い。

そしてなにより、「あのひと」こと「アイリーネ・アドラー」に華が無い。

ちがうの。 キレイなの。 そりゃ女優さんだから、もちろんキレイなの。
でも、「アイリーネ・アドラー」はシャーロック・ホームズにとって特別なんですよ。
美しくて、頭の回転が速くて、賢くて、ユーモアのセンスもあって、男気もあって、儚いところもある。
だからこそ、並みの女には一ミクロンも関心を抱かないホームズも、彼女にだけは一目を置き、敬意を表するのです。

間違っても、こんな出来損ないの峰不二子みたいな女泥棒じゃないんですよ! “あのひと”は! (※峰不二子を侮辱する意味では決してない) 

もうここは、“原作厨乙”とか言われても構わない。
オレはどこまでも理想のアイリーネ・アドラーを追い続ける。
たとえそれが、荊の道であっても・・・。(←ごめん、オレちょっとウザい)


ということで、若干不満も残るのですが、ダウニーさんとM字ハゲという相性バツグンな黄金コンビの誕生は大いにめでたい事でもありますし、トンデモっぽいストーリーの脇で原作のニュアンスもきっちり残してあったり(壁に撃ち込まれたヴィクトリア女王のイニシャルや、ハドソン夫人との丁々発止なやりとり、結婚を控えてのワトソンとの微妙な距離感などなど)、続編に出る気まんまんのモリアーティ教授の存在も楽しみな事この上ないですので、製作されるであろう第2弾を色んな思惑を抱きつつ楽しみに待ちたいと思います。

その時は是非、ベイカー街遊撃隊(※)にもご登場頂けると、さらにアガサが興奮しますからね!
(※ ホームズ先生が手下に使っているストリートキッドたち)



最後に余談・その1
本編の最後に、とある人物の殺害を実行したのがモリアーティ教授だったという事が明かされ、ホームズが闘志を顕にするというシーンがあるのですが、これってもちかして「恐怖の谷」(※ホームズシリーズの長編小説)のエピローグに対するリスペクトなのだろうか。  こんなの見せられたらおばちゃんうふふってなっちゃうよ、うふふって。

余談・その2
ワトソンの婚約者としてメアリー・モースタン嬢が紹介されるシーンがあるのですが、ホームズが彼女を知らないなんておかしいでしょ! せっかくモースタン嬢を登場させたんだから、そこは繋げて欲しかったなぁ。 こんなの見せられたらおばちゃんわちゃーって言っちゃうよ。 わちゃーって。
(※原作に於いて、モースタン嬢とワトソンとの出会いのきっかけは、ホームズが手がけた「四人の署名」事件なのです)

余談・その3
今回、「ホームズが武闘派なのがおかしい」という声もちらほら聞こえますが、原作小説でもホームズは腕に覚えアリな人なのですよ。
有名な“バリツ”(※モリアーティ教授ともみ合いになって死にそうになった時、日本の格闘術・バリツを駆使して助かった、というくだりがある)はもちろん、鉄製の火かき棒を捻じ曲げたり(※「まだらの紐」)、ボクシングでごろつきをノックアウトしたり(※「あやしい自転車乗り」、拳でモノを語る事も無くはないのです。 と言う訳で、いいぞ! 次ももっとやれ!




     ♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →   にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

『(500)日のサマー』

2010年03月14日
five_hundred_days_of_summer_xlg_convert_.jpg
運命じゃない人。



あらすじ・・・
*月*日。 グリーティングカードの会社に就職決まった。 新しい生活。 たのしみ!

*月*日。 会社の懇親会でカラオケ。 新しい友達が出来た! 何日か前に、エレベーターで一緒になった人。 そういえば、ザ・スミスの曲を聴いてるのが聞こえたものだから、つい話しかけちゃったんだった:-)  色々話し込んでるうちに、なんでだか恋人の話になっちゃって、わたしが「愛なんて信じてない」って言ったら「真実の愛はあるよ!」なんて言われて、なんだかドキっとしてしまった。 おもしろい人だったなぁ。 同じフロアだから、また会えるかな? 名前は、・・・トム?

*月*日。 仕事にだいぶ慣れてきた。 この前の晩から、なんだかトムのことが頭の隅に引っかかってる感じ。 うー・・・なんだろう・・・。 

*月*日。 今日、コピーをしに行ったらトムに会った。 すごくドキドキしてしまって、トムの方を見たら、彼もドキドキしてるみたいに見えて、気がついたらキスしちゃってた! やばいかもしれない!

*月*日。 トムと9フロアもエレベーターで話し込んじゃった:-D 彼と話してるとなんだか楽しい。 どうしよう。

*月*日。 IKEAに行きたいって言ったら、トムがついてきてくれた。 一緒にいると、気持ちがどんどんハイになってしまって、つい恋人同士みたいなことをしたくなる。 でも、前みたいな気持ちの行き違いはもうイヤだから、ハッキリ「真剣につきあうつもりはないんだけど、いい?」って聞いてみた。 そうしたら、トムはすごく優しく笑って、「いいよ、気軽な関係でいよう」って! よかった! 彼となら、うまくやっていけそうな気がする。

*月*日。 トムがお気に入りの場所を紹介してくれた。 ビルが生き物みたいに立ち並んでいて、とっても不思議な場所。 建築のことはよくわからないけど、彼がとっても楽しそうで、私も嬉しかった。 そうか、彼は建築家になるのが夢だったんだ・・・。 でも、なんで諦めちゃったんだろう・・・?

*月*日。 毎日がピクニックみたい! トムといるとワクワクする! 彼の笑顔を見ると、なんだか何でも許して貰えてる気がして落ち着く。 ずっとこんな風に、たのしく過ごせたらいいな・・・。

*月*日。 今日初めてトムを部屋に入れた。 どうしよう・・ってずっと思っていたんだけど、彼は今までの人とは違うような気がする。 お願いだから、もう少しこのままでいさせて。 ああ・・・どうかトムがヘンな事を言い出しませんように。

*月*日。 トムとドライブ。 最近トムの様子がおかしい気がする・・・。 今日も車の中で「ぼくらの関係って・・」って言い始めて、どうしようかと思った。 やっぱり彼もそういう事言い始めちゃうのかな・・・:-(

*月*日。 愛ってなんだろう。 つきあうってなんだろう。 「一緒にいる」ってことは、絶対「誰かのもの」ってことじゃなきゃだめなの? わたしはわたしのままでいられないの? わからない・・・。わからないよ・・・。

*月*日。 今日、2人でバーに行ってた時、鬱陶しい酔っ払いに絡まれたんだけど、信じられない事に、トムがその人に殴りかかって怪我をしてしまった。 わたしを守ろうとしてくれたんだろうとは思うけど、なんかもう、無性にイライラした。 嬉しくなかった訳じゃないのに・・・。 でも、殴って欲しかった訳でもないの。 混乱してしまったので、自分がどうして欲しかったのか落ち着いて考えようとしたら、彼が部屋までついてきちゃって、ますますイライラが募ってしまった。 前はわたしの心を読んでくれてたみたいだったのに、最近のトムは見向きすらしてくれない感じ・・・。 なんでこうなっちゃうのかな・・・。

*月*日。 この前は仲直りしたけど、やっぱりギクシャクしてしまう。 もう、トムの笑顔に何も感じなくなってしまった。 

*月*日。 一緒にいると、疲れる。

*月*日。 やっぱりトムに自分の気持ちを伝えた方がいいのかな・・。こんな関係、続けてても意味がないんじゃないだろうか。 傷つけるような言葉を吐き散らかしてしまう前に、終わりにした方がいいのかも・・・。 どうしよう・・・。

*月*日。 昨日、トムに「もう会わない」って言った。 『卒業』を一緒に観てた時、自分の中でハッキリ答えがでてしまったから。 このまま一緒にいても、ハッピーエンドにはならない、って。  彼は、今までの誰とも違うと思ったのにな・・・。もしかしたら彼だけは、違うのかもって・・・。 彼には理解してもらえないかもしれないけど、とにかくわたしの気持ちは伝えたから、もうおしまいにしようと思う。 彼には感謝してる。 いままでありがとう。

*月*日。 今日、辞表を提出した。 なにもかも捨てなきゃ。 引きずってちゃ、彼にも悪いもの。

*月*日。 トムが前に言っていた、「真実の愛」について考えていたけど、やっぱり答えは出ない。 あれから会ってないけど、どうしてるんだろう・・。 あんまり落ち込まないでいてくれたらいいんだけど・・・。

*月*日。 アルバイトでも始めようかな。 角のデリ、バイト募集してたっけ・・・?

*月*日。 今でも信じられない。 家に帰ってからも、しばらく頭がぼおっとしてる。 わたし、運命の人に出会っちゃったの?! 

*月*日。 知りあいの結婚式に出席する為列車に乗ったら、なんとそこにトムも乗っていた。 トムも出るんだったんだ。 ちょっとビックリ=)  前、会社に送ったメールに返事をくれなかったので、怒ってるんだろうと思ってたけど、前みたいに楽しく話しが出来てよかった。  結婚式のパーティでもずっと一緒に飲んでいて、ダンスもして、本当に嬉しかった。 付き合い始めた頃は、こんな感じだったんだよなぁ。 今度うちで開くパーティにも誘ってみたけど、来てくれるかな・・・?

*月*日。 彼にプロポーズされた! 気がついたら「YES」って言ってた! さいこうの気分!

*月*日。 なんだかわからない間に、結婚式の準備が進んでるって感じ。 そうなんだ。 わたしもうすぐ結婚するんだ:-))  あんなに「結婚」や「恋人」っていう形に違和感を抱いてたのに、今はすごく自然に過ごすことが出来ている。 ほんと不思議。

*月*日。 今日から彼の妻。 奥さん。 なんだかくすぐったい感じ;)

*月*日。 今日、久しぶりに、トムが昔教えてくれた場所に行ってみた。 そうしたら、なんとトムと再会した。 なんという偶然! トムはわたしの左手を見て、ちょっと哀しそうな顔をしていた。 ああ・・彼はまだ想ってくれていたんだなぁ、別れた理由について全然納得なんてしてくれていなかったんだなぁ、と思った。 わたしの中で、トムは今でもちょっと特別な存在なんだ、って、言いたかったけど言わなかった。 それを言っても何も始まらないし、そもそもわたしの中では完全に終わってるんだし。 代わりにわたしは、「あなたが言ってた事は本当だった。 真実の恋も運命の赤い糸もあった。 ただ、あなたが相手ではなかったけれど」って言った。  もう、これ以上何も付け加えることなんてない。 
ああ、どうかトムも、新しい、ステキな、運命の恋と出会えますように! 


※ と、いうお話を、男子目線で描いた物語です。

ご縁がなかったという事で。  にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  って納得できるかぁぁぁぁ!!!


アガサが20代になりたての頃。
友人と一緒に飲みに行った席で、ある男の子に出会った。
すごくかっこよくて、なんかオシャレで、物憂げな表情にドキドキしっぱなしだったわたし。
でも、どう考えても自分には高望みすぎる相手だったので、勝負する気も起こらなかった。
ところが帰り際、「楽しかったね~。」と声をかけると、「また今度会える?」と聞かれた。
心臓が口から飛び出るかと思った。

それから何度か2人で映画や食事に行き、何度目かのドライブの帰り際、彼はわたしの目をジっと見つめ、何かを語りかける代わりにキスをくれた。
わたしは恋を勝ちとったと思い、天にも昇る気持ちだった。
その後も、まぁ、色々な出来事を経験し、そのわずか1ヵ月後、彼からの連絡は消えうせた。

鳴らせども鳴らせども折り返されないポケベル。
なぜか急増する彼の残業。
これはいかん、と思い、仕事終わりを待って食事にさそったが、うどんを一杯食べて即解散となったあの日。

えーと・・・、わたしたち、付き合ってたんじゃなかったんだっけ? ・・あれ?もしかして、付き合ってなかったんだったとか? いや、まさかそんな事は・・ ほらほら、いーつのー事ーだかー思い出してごーらんー、あんなことーこんなことーあったでしょー? あーったよねー?無いとは言わせーないー
なんてのんきに歌ってる場合では勿論無く、気がついたらわたしの恋は完全に自然消滅させられていた。

これが俗に言う、“やり逃げ”である。


とまぁこんな風に、己の醜い過去を穿り返して、思わず自分語りしてしまいたくなるような、ほろ苦く甘酸っぱい恋愛映画 『(500)日のサマー』 を観て来ました。
余談ですが、世の中の男子のみんな、やり逃げはよくないぞ!


いやぁ、それはともかく、サマー可愛いですよね! 
なんだろう、全身から滲み出てくるコケティッシュな魅力っていうの? もう、何から何までシャレオツなオーラで包まれている訳ですよ。 こりゃ好きになるわ。 ていうか、オレも好きになっちゃったもん。(←問題発言)

問答無用に可愛いのだけれど、決してゴージャスな美人というわけではない。
髪だって、非の打ち所無くバッチリ決まっている訳ではない。
ただ、ふんわりとした後れ毛やちょっと広がり気味なサイドも、どこまでも自然体なのでそれはそれで魅力的。 
そう、サマーは決して「天パー」などとは呼ばれない。 あえて言うなら「くせっ毛」と、愛着を込めて呼ばれる無造作ヘアーなのだ。
そんなサマーは、初めてみんなと行ったカラオケでの選曲も実にそつがない。
自分の順番がきたらすんなりとマイクをとり、歌い始める曲はオシャレで耳心地のいいポップスだ。 
きわめて自然。 なおかつオシャレ男子の心も鷲づかみ。
イヤミになるほど「えーあたし歌えないしー」と謙遜し、その割にはちゃっかり松田聖子の「抱いて・・・」を入れて熱唱する様なヘマはしないサマーなのだ。

もちろん服装だって、普段からガーリッシュなオシャレクローズをカジュアルに着こなしている。
部屋に目を向けると、そこではむせ返るようなハイセンス雑貨に目にする事となる。
カウンターの上にさりげなく飾られたモールの先で、クルクルとまわる折鶴。
どうだいこの際どさ。 折鶴て。 タヒチのみんなに届け!オレのこの思い! 
しかし、一歩間違えたらキワモノ日本描写になりそうなこの素材も、サマーの部屋に置いてあることで、断然その輝きを増すのです。
ジャパニーズ・オリガミ、オッシャレ~! ほんま、サマーはんの感性には敵いまへんなぁ!

そして、何より脅威なのは、このようなサマーの生き様が全て作られたモノではないと言う事。
つまり、男ごころをくすぐるサマーのライフスタイルは、計算づくな訳ではなく、生まれもってのセンスによって構築されているのだと言う事なのです。
まさにセンスの塊。 負けじゃ・・・なにから何まで完敗じゃよ・・。

トムが夢中になってしまうのも、どこかの誰かがデリで思わず声をかけてしまうのも頷けるような、特別な女の子・サマー。
アガサも出来ることなら、サマーのようになりたかった。
さよう、あの時の松田聖子はたしかに失敗であった。

しかし、サマーは会う者の心を虜にし、悪戯にかき回すだけの小悪魔女子なわけでは無いのです。
自分の中の正義が「NO」と判断を下したら、躊躇する事無く別れを告げるだけの潔さも持っている。
別れは時としてつらいけれど、馴れ合いの関係もまた時に、人生に深い傷を残す。
その事を知っているサマーなので、自分に想いを残しているであろうトムに、これ以上ないほどきっぱりと、容赦の無い言葉を発するのです。
「私も運命の相手はいると思う。 ただ、その相手はあなたじゃない」 と。
なんという殺傷能力。 なんという斬れ味。
ご覧あれトム殿。 今宵の斬鉄剣は一味違うぞい。

一見、残酷な程冷徹に思えるサマーのトムに対する態度は、裏を返せばサマーの誠実さの表れなのです、きっと。

で、ですね。 本作は、「運命の恋」なんてない。 という、ウルトラ現実主義なサマーと、「運命の恋」に取り憑かれる夢見る小坊主・トムの500日を描いていたと見せかけていたのですが、実は、サマーも最初から、「運命の恋」というものを信じていたのではないかと思うのです。

「赤い糸で結ばれた相手」が、どこかにいるのでは、と思っているから、「その相手ではないっぽい」トムと、なし崩しで付き合うことが出来なかった。
本当に「運命」を信じていないんだったら、少なくとも今までの彼氏よりはウマが合うトムと、とりあえずなんとか付き合っていっていたのではないでしょうか。
でもサマーはキッパリ別れる事を選択した。
だって、「運命の人」が、どこか別のトコロにいるかもしれないから。

“馴れ合い”に溺れる事無く、果敢に「赤い糸」を手繰り寄せて生きてきたサマーが、偶然ランチに立ち寄ったデリで「その人」に出会ったのは、偶然ではなく必然。 愛の探求者・サマーが「運命」を手中におさめた、まさに完全勝利の瞬間だったのではないでしょうか。

サマーがトムに送った、斬れ味鋭い最後の一言は、「だからあなたも運命の人に出会えるはず」という、精一杯のエールだったのではないかと思います。
こういうエールに耳を閉ざし、いつまでも「なんでオレじゃだめだったんだ・・・ オレにはあいつ以上の女なんていないのに・・・」とぐちゃぐちゃ言ってるような殿方には新しい出会いも恋も無いんだという事、しかと肝に銘じるがいい!(←なぜか偉そう)
「草食」だのなんだのと、自分に都合のいい単語にしがみついてないで、もっと恋愛に果敢に踏み込んで行ったほうがいいと思うアガサなのですよ。


ま、実際のトコロは、こっぴどくフラレてエールを送られたからと言って、そうそう新しい出会いが転がり込むなんて事無いんですけどね! ァ '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、(←鬼畜発言)


とても見も蓋もない、ごくごくありふれた恋のお話だった本作。
アガサの心に、一生残るだろう名作だと思いました。
あり得ないほどの希望に満ちたラストは、恋に疲れたあなたに、優しい救いの手を差し伸べてくれる事と思いますので、全国のサマ子やサマ男やトム子やトム男にも、とにかくおすすめの逸品です。

必見。


あと、これは余計なお世話なのですが、「運命の人」を果敢に追い求めるサマーですので、今回結婚したのは、やっぱり「その人」じゃなかったのかも・・と、どこかで我に返る瞬間も無きにしも非ずだと思うのですよね。
と言う訳で、『10年後のサマー』や『50歳のサマー』という感じに、壮年になって甘いもすっぱいも噛み分けたトムと数度の結婚を経たサマーの熟年恋愛絵巻も充分あり得る事を予想しつつ、今回の感想は終了に。

がんばれトム! 長期的な展望でがんばれ!


     ♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →   にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

 | HOME | Next »

※当ブログで使用しているイラスト等の著作権は、全てはアガサにありますので、転載、二次加工、再配布の際は一言ご連絡下さいませ。