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「ラブリー・ボーン」 今、そこにある天国。(読感)

2010年02月27日
ええと、映画の方はいまひとつ乗り切れなかったのですが、いちおう比較と好奇心と出来心の為に原作も読んでみました。


ラブリー
【アリス・シーボルト さく、 イシイシノブ やく 】


一気に読みきってしまいましたよ!
なんだこりゃ。すごい読みやすいじゃないか。遠足のお供にぴったりですね!(アガサは今回の旅行中に読みました)
ただしかし、内容はちっとも遠足気分にマッチしませんが。


くわしいあらすじは映画の感想で。


まず、原作と構成が全く違っていてビックリしました。
映画をがっつりと盛り上げていたサスペンス要素は完全に鳴りを潜め、ひたすら淡々と綴られていくのは、現世の人々を見守るヒロイン・スージーの心模様。
ほとんど動揺する事もなく、まさしく第三者の視線で描かれる、スージーの死後の世界。
映画版では効果的に挟み込まれていた事件の数々(ボトルシップ割り、ハーヴェイとスージー父のテント作り、トウモロコシ畑での死闘など)も、かなり早い段階でサラリと語られていましたので、改めて映画版のまとめ方の上手さを痛感しました。

それから、酷い犯罪を行う中年男・ハーヴェイの印象も随分違っていました。
映画版では「異常性と正常性の間で若干の戸惑いも感じている中年男」という感じだったのですが、原作では完璧な異常者なのですよね。
生い立ちも少しだけ描かれているのですが、その不幸さ加減もかすむ程の異常っぷりです。
常に、か弱い女の子の甘美な味を求め、胸の内で舌なめずりをしているような、おぞましい変態男。それが原作でのハーヴェイ。
これはヤだなぁ。 トゥッチさんくらいの程よい変態の方が、身近に感じられていい。(変態が身近という言い方もヘンですが)


そして、一番違っていたのは、スージーの母・アビゲイルについて。
映画の中で、いきなり心の旅に出掛けてしまっていたアビゲイルに対し、かなりの違和感を覚えてしまったアガサなのですが、原作ではこのアビゲイルの人となりが、かなり鮮明に、痛々しいほどにリアルな感情で以って描かれていました。

映画版の冒頭でも、スージーの妊娠を知ったアビゲイルが、育児本を読み漁るシーンが映しこまれており、アガサはそれを観て、“アビゲイルという女性は何でも完璧さを求めてしまう人なんだろうなぁ”と思っていたのですが、実はアビゲイルは元々とても学のある女性だったのですね。

英語の修士号を持っていて、ゆくゆくは教師になる事も考えていた。
自分の力を知っていた女性。
自分の力を信じていた女性。

しかし、スージーとリンジーという年子の姉妹を育て上げながら、自分の力を再び解放する日を楽しみにしていた女性のもとに突然訪れたのは、新たな命の芽生えだったのです。

アビゲイルはきっと、目の前に「試合終了」と書かれた横断幕が垂れ下がったような気持ちになった事でしょうね。
そして、気持ちを無理やり切り替えて、ジェイムズ・ジョイスの分厚い本を育児書に持ち替えた。
あの育児書は、夢と希望と理想に包まれていたのではなかったのです。
後悔と、諦観と、少しばかりの失望に包まれていたのです。


そんなアビゲイルが、まだ純粋に誕生を願って、祝福して、人生の輝かしいスタートと思えていた頃生まれた第一子のスージーが、ある日突然この世から消えてしまった。
ほんの一部分を覗いて、体の大部分は見つからない。
「死んだ」と断定されているけれど、ハッキリとした確証もない。
ただとにかく、二度と戻ってこない。
このスージーの理不尽な消失によって、アビゲイルは自分の人生そのものを全否定された様な気持ちになったのではないでしょうか。
言い方は不謹慎ですが、もしこれが3番目に想定外に出来てしまった末息子だったなら、アビゲイルはここまで壊れてしまわなかったのではないか、と思います。
自分の人生をコントロールしてきた女性が、その操縦桿を無遠慮な第三者によって奪われてしまった時、その人生は果たしてどうなってしまうのか。
勿論、そこに待っているのは、見るも無残な迷走飛行でしょう。

その後のアビゲイルがとった行動は、全く以って感心できた行いではありません。

ひたすらに真犯人探しにのめり込む夫や、心に蓋をして挑戦的な態度をとる次女に囲まれ、母性を繋ぎ止めて置くことが出来なかったのも想像に容易い。
何か、どこか、自分でいられる所が欲しくて、いいとか悪いとかそういうのも全部関係なく、どぼーんと飛び込んでしまいたくなったのだと思う。きっと。

しかし、だからといって、大怪我をした夫が眠る病院の物陰で、別の男性に身を委ねるのはホント如何なものかと。
わかった、と。
百歩譲って現実逃避したくなるのはいいとしよう、ただ、別の場所でやれよ、と。
自分がされていやな事は、人にもしちゃダメって先生に言われませんでしたか、と。

なんや、もしかして例のあれ系か! 魔性のおんな系なのか!! 

怖いのう! 魔性のおんなはまっこと怖いのう!!



そして、映画ではかなり早めだったアビゲイルの遁走そのものも、原作ではかなり遅めとなっております。
つまり、残された家族を襲う、様々な事柄が全て終わった後での遁走。
驚くべきことに、勇敢な妹が、恐ろしい犯人の家から証拠品を盗んで帰った時も、アビゲイルはその紙を見ようともしないのです。
もうこの時点で、アビゲイルの心はサーモン家からの離脱を始めていたのかもしれませんね。
なんという哀しい女。


ごくごく幸せに生きていた一家を突如襲う不幸な出来事に対し、誰もが誰も、一致団結して立ち向かっていける訳では無いと思います。
子はかすがいと言いますが、苦難はかすがいにならない場合も多々あるのです。
ですから、アビゲイルのような反応をしてしまう人を責める事は出来ませんし、彼女には彼女なりの傷の癒し方、人生の立ち直し方があるのだとは思います。

でも、出来ればその時、怒りを感じて欲しかった。
同じ母として、女性として、守るものを持つ親として、アビゲイルにたぎるような怒りを感じて欲しかった。
その怒りを燃料に、操縦桿を無くしてもなお飛び続けて欲しかったのです。
だってまだ、彼女には大切な子供が2人も残っていたのだから。



それと、アガサが映画を観て感じていた違和感の正体を、原作を読んでいて見つけたような気がしたのですが、それがこの一文。

「私の死が生み出した出来事の数々はただ単にいくつかの骨だったのかもしれない。 それはいつの日か、いつかは全く予想ができないけれど、完全な身体になっていくのかもしれない。 そんな奇跡のような身体になって、わたしは何かを理解する。そのために支払った対価がわたしの命だったということだったのだろう
(「ラブリー・ボーン」より。 太字はアガサによる強調)

言いたい事はわかるけど、そのために支払った対価ってトコだけは納得いかねえな!
命が喪われてしまってから、それをなんとか乗り越えて、結果その先に奇跡のような骨の集合体(改めて結ばれた新たな家族の形)が完成するんでしょ。
なんかこれだと、「殺されちゃうけど、崇高な魂になる為の過程だから気にすんなよ」みたいに感じてしまうんだけど。(※かなり意訳だという事はわかってますよ)
だいたい、「死を恐れるな」みたいな事が言いたいのはわかるけど、だからって何も悪いことしてない14歳の女の子が変態に嬲り殺しにされるいわれはないと思う。
気にするよ! その死に方だと気にしちゃうって!絶対!!

こういうやけに清清しいところ、前向きなところが、アガサの肌に合わないんですよね。
まぁ、こういう考え方もあるんだなぁ、という事で。


他にも、“天国”の描き方もかなり映画とは違っていたのですが、“文字”と“映像”という異なる表現方法の差をよく感じる事が出来て、とても面白かったです。
原作ではほとんど現世と変わらなかったりもするんですよね。
あと、映画の中で異質だった「アイドル雑誌の表紙を飾るシーン」が、原作にもあるシーンだったり・・・。意外!

人にはみんなそれぞれ違う“天国”があるという点では同じなのですけどね。


そうだなぁ。
私だったら、どんな天国を願うだろうか。


あったかくて、
パソコンが使えて、
映画が観られて、
ゾンビや切株の話が出来るお友達がいて、
かわいい子供たちや家族がいて、
ときどき涙がでたり、
でも笑顔でいられるような場所。


そうか。

今いるここが、わたしにとって天国なのかもしれないな。


と言う訳で、みなさんも、いつまでも末永く、お幸せに。


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「うそつきス〇オにしかえし」・鬼才ふたたび!

2010年02月19日
※ 今回の記事も親馬鹿スピリット全開となっておりますので、そういうのが苦手な方はくれぐれもご注意ください ※



衝撃のデビューからはや1ヶ月。
我が家のちびっこ(小2)が、またもや「おかあさん、まんが書いたから見て~」と分厚いらくがき帳を持ってきたのですが、その内容があまりに予想外だったので、思い切ってご紹介させて頂く事にしました。

ちなみに、今回のマンガはかなり長編で、しかも絵が荒れ放題でしたので、抜粋した形でご紹介させて頂きます。
重ねて言いますが、ホントに荒れてます。

と言うわけですので、「おまえんちのガキんちょの落書きなんてどうでもいいよ!」という方は、どうぞこのまま回れ右して下さいますようお願い致します。


では、(某国民的猫型ロボットにクリソツなキャラクターが出てくる)摩訶不思議マンガ『うそつきスネオにしかえし』、はじまりはじまり~!



ドラえもん1
「うそつきスネオにしかえし」


ドラえもん2
「ねえドラえもん、ドラやきが大セールだって。1万円くれたらむりょうけんあげる!」
「えっほんと!」

(※ドラえもんの頭上にあるのはビックリマークです。 コックさんの帽子に似ていますが、あくまでビックリマークです。


ドラえもん3
「ドラやき大セールは?」
「そんなのやってません」
「うそだよーん、 べー」
グシャ!

(※ドラえもんの足元で踏みにじられる無料券で、彼の怒りを余す事無く表現してしまう。
早くも天才たるゆえんが見え隠れしてしまってますね!)



そして、腹黒いスネオに次々と騙されてしまうお友達。
のび太くんも、「1万円くれたら100円玉あげる」という誘い文句にまんまと乗っかってしまいます。
しかし、その100円玉は紙で作った偽物だったのです!

ドラえもん4
「それ、だますための紙だったのさ!」
「くそー!」
ギュ!


怒って当然だけど、そもそも100円玉貰う為に1万払うお前もどうかと思う。


そして、紅一点のしずかちゃん。
彼女もまた、スネオの毒牙に・・・。

ドラえもん5
「何だろ?」
「ねぇしずかちゃん、モデルガールズぼしゅうちゅうだってー。1000円くれたらもうしこみけんあげる」
「あらほんと!」


(※「モデルガールズ」がなんとなくツボです。 あと、何気にしずかちゃんだけ巻き上げられるのが1000円になってんのな! レディーファースト!)

それはともかく、しずかちゃんの目が若干キ〇ガイっぽくなっている点が、気になるようなならないようなお母さんです。


ドラえもん6
「モデルもうしこみにきました」
「そんなのやってません」
「だまされたよーん」


(※このスネオの顔、物凄くイラっとします。)


かくして3人は、にっくきスネオに復讐しかえしをする計画を立てる事に。


ドラえもん7
「そうだ!」
「あのねひそひそ・・・」
「へぇ」


いきいきとした表情で悪巧みをする3人組。  
ただ、それぞれの空想コマの中が、
ドラえもん7.1
明らかにハンマーだったり
ドラえもん7.3
なんとなく首チョンパっぽい感じだったりするのですが・・・。

この方向性で、果たして大丈夫なんでしょうか? おしえて!ももあ先生!


ドラえもん8
「スネオのおどろくかおがみたいよ!」
「おもしろそう!」
「よしやろう!」


だ か ら し ず ち ゃ ん の 目 !!

どんどんキ〇ガイ方面へと舵を切るしずちゃんはさておき、計画は着々と進んでゆきます。
3人は郊外に遊園地を建設。(←たぶんドラえもんが出した)
そこにスネオを招待します。
何も知らず、目的地へ向かって車を走らせるスネオ。

ドラえもん9
「行こう!」

お前wwそのサングラスwwww


到着したスネオを、満面の笑みで迎える復讐の鬼たち。

ドラえもん10
「ようこそ!」
「楽しんでねー!」
「何のりたい?」
「ぼくゆうれいやしきがいい」


(※真っ先に幽霊屋敷をチョイスする、センス・オブ・ワンダーなスネちゃま。)


ドラえもん11
「よういは?」
「いいわよ!」
「うらめしやー」
「ギャー!」


(※幽霊に変装してスネオを脅かすしずちゃん。 かわいいなぁ!)


いやぁ、「復讐の鬼」だなんて言ってゴメンね!
そうですよねぇ、所詮子供の仕返しですものね。
そんな手荒い事をする訳がないよ!

アガサは、すっかり安心していました。

・・・そう・・、

この次のページをめくる、その瞬間までは・・・




ドラえもんa
ズボカーン
「わ!」


ハ ン マ ー & 流 血 !

どらもん12
ドス!
(おもたい)
ジジジ


尚 且 つ 、 重 り を つ け て 穴 !! 

ドラえもんb
ボカーン!!

そ し て 爆 破 !!!

なにこの鬼畜なコンビネーション!
完全に殺る気じゃん!



あんまりと言えばあんまりなバイオレンス展開に、アガサ絶句。
そして世帯主さまも絶句。
ちがうから! オレが教えたんじゃないから!こんな非道なやり口!



かくして、こっぴどくヤラれたスネオは、3人に謝罪する事になるのですが、
ドラえもん13
「もううそなんかつかないでよ!」
「あっネズミだ!のび太のテストも!」
(ムカ!)


全然懲りてないんでやんの。

説教喰らっているそばから、人を食ったようなウソを吐くスネオ。
マジ歪みねえ。


そしてなんとスネオはこの後とんでもない行動に!


ドラえもん15
(ポケットからだしたおふろのしゃしん)
じー
「あー!」



そうです、なんとスネオはポケットの中に隠し持っていたしずちゃんの入浴フォトを取り出し、そこに写った裸体とリアルなしずちゃんとを見比べていたのですて完全に変態だよね!コレ!

母さん・・・、この冬我が家では、ちびっこが変態マンガを描き始めたわけで・・・。・゚・(ノД`)・゚・。




と言う訳で、「キ〇ガイ」「鬼畜」「変態」と、もっとも小2に相応しくないキーワードが揃い踏みしてしまった、ももあ先生の問題作『うそつきスネオにしかえし』 。
ま、アレだ。
もしもこのまま、こういった路線を突き進んでいくようだったら、可愛いクセにエグいマンガも描ける「しょこたん」みたいなおにゃのこになればいいか!
色々と突っ込みましたが、表情豊かなキャラやしっかりとしたストーリー展開は見事だと思いますしね!
いやぁ! やっぱりうちのちびっこは天才だな!!


ちなみに、スネオとしずちゃんは、この後数回同じやりとり(盗み見→コラー!)を繰り返し、途中でスネオが簀巻きにされたり、と、とても愉快なシーンもあったのでした。
ホント、ももあ先生は容赦ないなぁ!



で、最後のコマはこちら。
ドラえもん18
(※後ろ手に縛られたスネオがしずちゃんのスカートの中を覗き見てニヤリと笑う、心躍る風景。)


「すきなものだけでいいです」は、ももあ先生の独創性をとことん応援します!


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『ドゥームズデイ』

2010年02月16日
20080824-doomsday-poster-3-big_convert_.jpg
タンクトップの姉ちゃんが出てくる映画に、まず間違いはない。

※ 少し前から、感想の★マークを中止しています。 というか、あまりにも参考になっていないという事実(ゼロ年代ベストも星の数と必ずしも比例していない)に気付きましたので、たぶんもうやめます。 めんごめんご!


あらすじ・・・
父の元を飛び出してから、もう何年経っただろうか。
理想の国作りを目指した父の影を追うように、ぼくもそれなりに頑張ってきたこの数年間。
いつか、その何もかもは崩れ落ちてしまうのだよ、と、あの日飛び出した僕に教えてあげたい。
あの壁と父は、ある意味正しかったんだよ、と。

僕が生まれた時からあったあの壁は、世界の端っこなのだと教えられてきた幼少時代。
最初に疑いを持ったのは15の頃。
僕の問いかけに対して父は頑なに、「壁の向こうには何も無い」と短い嘘を繋げた。
僕はそれを無視した。
忠実な息子の代わりなら捨てるほど居るなんて言ってたくせに、どうして今、父の横に誰一人いないのだろう。

独り善がりな愛情と抑圧された生活に別れを告げた僕もまた、気付くと父と同じ道を歩んでいた。
異議を唱えるものには死を。
愛を与えてくれたものには肉を。
壁の向こうに思いを馳せつつ、日々の衣食住を確保する事にただただ没頭。

何で大それた事が出来ると信じてたのだろう、僕は。
灰色の檻が立ち並ぶこの街には、鼻先をくすぐる牛舎の香りも、父も、クライド川もない。

念願かなって、壁の向こう側の存在が証明出来た今、父の忠告は“愛する人の死”として現実になった。
あこがれ続けた壁の向こう側には、世にも恐ろしい女が居た。ただそれだけだった。


と言う訳でお父さん、今更我が儘など言えた義理ではない事はわかっているけれど、いきり立った髪型を何とかするから、明日のグラスゴー駅に最後でも来て貰えないでしょうか?
妹も一緒に待ってます。

あなたの息子、ソルより。

ドゥーム
(追伸: 友達も一緒ですけど、いいですか?)


ちなみにソルくん、フェイバリットソングは林檎ちゃんの「幸福論(悦楽編)」なんだそうです。  もちろん冗談です。
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一度観たならば好きにならずにはいられない、超世紀末救世主伝説『ドゥームズデイ』。
アガサなんか、観る前から好きでしたもんね!
だって、モヒカンの群れに殴りこむ、タンクトップのチャンネーですよ?
キライになる要素が見当たらないじゃないですか! 
ヒャッハー!ここは通さねハズさねぇぜ!

「映画史を変えた名作」、「興行記録を塗りかえた傑作」(『アバター』とか『タイタニック』みたいな)と呼ばれる事はないでしょうし、「キネマ旬報ベストテン」みたいな格調高いランキングには絶対選ばれないでしょうが、アガサは本来“映画”が持つべき特性を“娯楽”だとするならば、本作ほど“映画”らしい映画はないのではないかと思うわけです。


改めて書くも、本編のストーリーはいたって簡単。
イギリスの北半分・スコットランドはグラスゴーに於いて、凶悪な感染力を持つウィルスが発生。
感染の拡大を恐れたイギリス政府はグラスゴーを隔離すべく、ぐるりととり囲む壁を築き、「あとは野となれ山となれ作戦」を決行。
しかしその十数年後、なんと再びウィルスがロンドンで復活。
時を同じくして、壊滅したと思っていたグラスゴーの人々が生き延びていた事を知った(知ってたけど放っておいた)政府高官が、ウィルスの特効薬を求めて、すご腕の女性特殊工作員をグラスゴーに派遣するのだが、なんとそこはヒャッハーな街と化していたのだ!

というお話。
とりあえず「ヒャッハーな街」で基本設定の9割が伝わってしまうところが素晴らしいですよね!(伝わってますよね?)

でね、先程からヒャッハー、ヒャッハーって何がヒャッハーなのかっつったら、要するに住民ほぼ全てがモヒカンな訳ですよ。
モヒカンて!
頭皮の70パーセントがネイキッドて!
もうねぇ、冬の頭頂部は寒くないのか、と。
何が君たちをそうさせたのか、と。
リーダーであるソル君の嗜好が影響しているのは間違いないと思うのですが、何も全員見習わなくてもいいではないか。
一人くらい、「兄貴ィ、自分モヒカンじゃなくて水嶋ヒロみたいなカーリーヘアの方がいいっス!」と切り出すツワモノが居てもよさそうなものではないもじゃか。
そうすれば、もしかしたらヒャッハーな街はイケメンパラダイスになっていたかもしれないもじゃ。
もじゃメンパラダイスのみんなは、奥さん想いのもじゃもじゃとしたナイスガイ揃いなんじゃもじゃ。


という事で、ここまで読んで頂いて薄々感づかれた方もいらっしゃるかもしれませんが、鑑賞してから1ヶ月近く経ってしまうと、書こうと思っていた事が霧散してしまうので、みんなも気をつけようね!(←霧のように消えてしまったらしい)


いや、違うんですよ。
面白かったんですよ。
ただ、頭に浮かんだ事を書いてたメモがどっか行っちゃった、と。 グッバイマイロンリネス、と。
もうこうなったら手の施しようがねえわな! そりゃ「もじゃメンパラダイス」とか書いてまうわ! まっことスマン!!

と言う訳で、この際メモの事はすっぱり忘れて、いまだ記憶に新しい点をいくつかピックアップしてみます。


・ ミディアムレアなこんがり肉
ヒャッハーな皆さんが日々の食事をどうしているのかというと、どうやら弱くなってきた人間を捕食している模様。
まぁ・・ね、政府からはとうの昔に見放されていますから、自分たちの蛋白源は己で確保するしかないですよね。
で、特命を帯びて潜入した特殊チームのメンバーも、当然おいしく料理される運命にある訳で、運悪く捕まった隊員が名コック・ソルさんの指示のもとミディアムレアに焼き上げられてしまいます。
ミディアムレアに・・・
ミディ・・

・・黒焦げじゃねえかYO!!(ノ`Д)ノ:・'∵:.┻┻


ウェルダン状態を全力で走り抜け、貴重な蛋白源はどう見ても炭。
とーこーろーがー、切り分けてみると、うっすらピンクな層も見えるという絶妙な焼き加減に仕上がっているではありませんか。
この辺が、ソルさんの料理人としての人気の秘訣なのかもしれませんね。
よっ! 美味しん坊主!

・ バランスが大事
そんな火加減の達人・ソルさんは、自分たちのコミュニティをひっちゃかめっちゃかにした女性工作員(ヒロイン)を追いかけて、街中を駆け回る事になるのですが、まぁとにかく持久力が無いのですよね。
乗り物に乗っていれば問題ないものの、全力疾走を強いられるとたちまち息があがるソルさん(と仲間たち)。
まったくもう! おまえら肉ばっか食ってるからそうなるんだよ! 
焼肉屋さんのたまねぎは、焦がす為だけにあるんじゃないんだかんね!
(※ピーマンも同じく)

・ 村長さんに、オレはなる!
地図上から抹殺されたグラスゴーで、以来10数年間、粛々と自分の使命を全うしていたウィルス研究家・ケイン博士。
その使命とは、生き残った人々をまとめあげる事。
とりあえず、荒廃した都心を離れ、みんなで田舎に引き上げて、おあつらえ向きの古城を拠点にした新しい村作りに奔走してきたケイン博士。
形から入るタイプなので、みんなの村民コスチュームも完璧です。
一番こだわったのは、処刑人のコス。 この縫製の立体感は、是非間近でじっくり見てもらいたい。

・・・え? 「信頼してた政府に見捨てられて、ホントは寂しかったんでしょ」?
ないない! んな訳ない! 見捨てられてって言うか、むしろこっちから見捨てたって感じ?
あの壁のお陰で、おれら全員快適夢空間!みたいな?

そんな風に、精一杯ヒロインに嘯くケイン博士の唇を、アガサはそっと塞ぐのであった。(←なんだこれ)

・ 目玉が不衛生
幼い頃の怪我がもとで、今は義眼を使用しているヒロイン。
高性能カメラが仕込んである目玉は、敵陣に転がして様子を探ったり、いざという時の証拠VTRを撮影したりと大活躍。
で、使い終わったら眼窩へGOなのですが、洗わないのですよね、目玉。
お姉さん! それさっき、床ゴロゴロしてたやつ!
洗わな! アイボンでジャバジャバせな!

そうそう、「セカイカメラでエアタグ貼り放題」って ア イ ホ ン !(←投げやりになっている訳ではない)

・ タトゥがかっこいい
タモさんゴメンナサーイ!   

・・じゃなくてこっちの方。
doomsday_convert_20100216012149.jpg
(※ソルくんの恋人)
顔に彫るの痛かっただろうなぁ! 
どことなくオリエンタルな文様がステキすぎますね。

・ 黒の乗手あらわる
『マッドマックス』から『ロード・オブ・ザ・リング』へ。その振り幅が心地よい。

・ 車が早い
超はやい。

・ タンクトップ
着やせして見えますが、二の腕には細心の注意が必要です。


ちがうちがう。 全然投げやりじゃないから。


とまぁ、ざっと挙げればこんな感じなのですが、とにかく全編通して、シビれるような女体の神秘を堪能する事が出来る傑作アウトロー・ムービーですので、日々のストレスに押し潰されそうな方や、なんとなく気分が晴れない方は、是非一度ご覧頂ければと思います。
ここではほとんど触れていませんが、滅法強いヒロインの活躍もマジ見所?みたいな。
悲劇の生い立ちを抱えたヒロインが新世界の王になる(←オチなので反転)ラストは拍手喝さいモノですよ!

まぁ、多少のグロもなくはないのですが、見終わった頃にはきっとこの破天荒なワンダーランドに魅了されている事間違いなし。
あなたもアガサと一緒に、映画界に誕生していた新たなるヒロインを讃えようではありませんか。 SAY!ヒャッハー!


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つらいのはきみだけじゃない。

2010年02月14日

バレンタインか。
バレンタインなんだな。

この時期になると、男の人たちは落ち着かない気持ちになるらしい。
彼女がいない人や、普段女性との関わり合いが無い人などは、寂しさを漂わせながらやさぐれてみせるという。

でも、不安な夜を抱えているのはきみだけじゃない。
女の子にとっても、バレンタインは必ずしもドッキドキの胸キュンイベントとは限らないのだ。

やさぐれている人たちのつぶやきを見ていて、いつも浮かぶ疑問がある。
「じゃあ、あなたはチョコを持ってこられたらいつでも大歓迎なの? それが全く眼中にない女の子からでも?」



アガサの学生時代は、それはもう見るも無残な敗戦の日々で、告白の連敗記録を悪戯に更新しつづけるしかない状態だった。
そう、告白はしていたのだ。
なぜなら、容姿に自信はなかったものの、あたって砕けろ精神だけは人一倍持っていたから。

そんなアガサ、高校1年の晩冬。
チョコを持って訪れたのは、2つ上の先輩の家。
言葉を交わした事も無い、学園祭で同じチームだった事しか共通点も無い先輩に、アガサは猛烈に恋をしていた。
直接交流が無いので、家は住所録と軽い尾行で突き止めた。


“ストーカー”という言葉が無い時代に生まれて、心からよかったと思う。


突然鳴らされるチャイム。
「はーい」と出てきた家人に、「あのすみません私〇〇高校1年〇組のアガサと申しますけど〇〇先輩いらっしゃいますか」と息継ぎ無しに告げるアガサ。
相手に考える隙を与えない。 それが今日のポイントだ。
「は、はい・・」と困惑の表情と浮かべながら、ドアの向こうに消えてゆく家人。
1秒、2秒・・・ 心の中でカウントしながら待つアガサ。
しかし、30秒経っても1分経っても、意中の彼の人は出てこない。



間違いない。
野郎、迷ってやがる。





隙を与えないも何も、完全に途切れてしまったアガサのミッション。
きっと家人からの伝言を聞いた先輩は、「アガサ・・・って誰・・?」と自分の中の“後輩リスト”に検索をかけてるに違いない。
そして、「検索条件に一致する名前はありません」というメッセージを前に、出るべきか出ざるべきか考えているのだ。
もしかしたら、窓からそっと、庭先を見下ろしてしまったかもしれない。
そこに佇む冴えない女の子の姿を、既に見てしまっているのかもしれない。

このミッションは失敗だ・・・。
ええい、いっその事このまま帰ってしまうか?

鳴り止まぬ心臓に押しつぶされそうになり、踵を返そうとしたその時、ドアが開き彼の人が現われた。
その表情は、微妙だ。

「突然にすみません」
「ああ・・・」
「私1年〇組の」
「ああ・・」
「よかったらこれ」
「ああ・・・」

返ってくるのは、気の抜けた「ああ」ばかり。
ボキャブラリー少ねえなぁ!
なんや、お前は「ああ星人」か!(※昭和的ギャグ)
もっと前に前に出て行かないと、いつまでたってもひな壇芸人から抜け出せないよ!(※抜け出さない)


結果として、チョコは受け取ってくれた。
ただ、そこには何の感情も起こらない、儀式的な受け渡し作業が行われたのみ。
ベルトコンベアーの上を流れるチョコのように。
私からあなたへ。 あなたから私へ。 

あ、「あなたから私へ」は無いか。
この年もホワイトデー来なかったもんね、オレんちだけ!


この話のどこが悲しいかというと、この風景が、アガサのほぼ想定どおりの出来事だったという事と、ほぼ同じ展開が毎年繰り広げられていた事実。
中学に始まり高校卒業までの6年間。
ストーカーの腕にも磨きがかかりますな!


つまり何が言いたいのかと言うと、チョコレイト騒動の影で苦い思いをしているのはきみだけじゃない、という事。
男子から相手にされない部類の女の子もまた、「明らかに喜んで貰えそうに無いけれど、やっぱりあげてみたい」という葛藤に悩まされているのだという事。
渡しに行った時の、相手の嬉しくなさそうな表情で、どれだけの女の子が傷つき、後悔し、涙を流していたかという事。


という訳で、もしも今日、あなたに家のチャイムが突然鳴り響き、見た事もない女の子がチョコを持って佇んでいたら、精一杯優しく接してあげて欲しい。
もしもそれが、佐々木希じゃなかったとしても。
しいて言えば、オアシズの大久保さんタイプだったとしても。


誰も来なかった人は、アガサと一緒に空前絶後の盛り上がりを見せるオリンピックでも楽しみましょう。
がんばれにっぽん。(棒読み)


それではみなさん、よい2月14日を!
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『シェラ・デ・コブレの幽霊』

2010年02月11日
試写版を見たテレビ局幹部が、あまりの怖さに嘔吐(おうと)した。
怖すぎて本国(アメリカ)ではお蔵入りになった。
多くの映画ファンの間で「生涯のトラウマになった」と語り継がれている。



などなど、
「そんなに自分を追い込まなくてもいいんだよ」と優しく肩を抱きしめてあげたくなるような高いハードル設定で最近話題を集めている、伝説のホラー映画 『シェラ・デ・コブレの幽霊』 を、ご厚意で鑑賞させて頂ける事になり、先日神戸まで日帰り旅行して参りました。


で、実はその前に、ちびっこを預かって貰う為実家に電話したアガサ。
アガサ  「あのねぇ・・・ 申し訳ないんだけど、ちょっと神戸まで映画を観に行きたいので、半日程ちびっこ預かって貰えないかなぁ・・」
アガサ母 「何? 何の映画?」
アガサ  「あの・・・ホラーなんだけど・・(←小声になる)  『シェラ・デ・コブレの幽霊』 って言う・・」
アガサ母 「え?! もしかしてアレ?! 探偵ナイトスクープでやってたやつ?!」


ナイトスクープSUGEEEEE!! 


ホラーをは無縁の、というか、ホラーに難色を示しがちな我が母が、“ナイトスクープ”効果で託児一発OK。(※いや、そうでなくても普段から快く引き受けてくれるのですけどね)
恐るべし、探偵ナイトスクープ。

昨年『マーターズ』を観に東京に行こうとした時なんて、そりゃもう苦労しましたからね!
「あのねぇ・・・ フランスの・・・ゴニョゴニョ・・ 話題の・・・ モゴモゴ」みたいなね!
内容? 言えない言えない! 「拷問&監禁=最終解脱」とか、真人間のママンに言えるかコノヤロー!! 


ま、それはさておき。
そんなこんなでめでたく鑑賞出来た 『シェラ・デ・コブレの幽霊』 。
そもそもは、ジョゼフ・ステファノという脚本家(代表作・『サイコ』)さんがアメリカのテレビ向けに作ったSF&ホラーシリーズのパイロット版でして、前述の通り、試写の段階で怖さのあまり体調を崩す人が続出した為、結局未放送のままお蔵入りになってしまったという、いわくつきの作品なのですね。
でその後、製作した会社は倒産、ジョゼフさんも他界、と、著作権がどこにあるかすらわからない状態のまま、巡り巡って、現在の所有者・添野知生さんのトコロに辿り着いたという訳なのです。
つまり、今回鑑賞させていただけるのは、劇場公開されていない、まっさらな状態のフィルムだと。
(※1967年に一度だけテレ朝系で放送された事があるそうです)

まっさらな状態・・・

劇場公開されていない状態・・・

・・・


ドバーン2 コピー

公開されていないという事は、字幕もまだ無い。
少し考えればすぐわかる、当たり前な結論。
しかし、アガサがそのことに気付いたのは、映画が始まった数秒後の事だったという。

地球のみんな! オラにちょっとだけ語学力をわけてくれ!。・゚・(つД`)・゚・。


という事で、アガサが動揺を隠しつつも、心許ない語学力をなんとか総動員して、
「若く、理想に燃える女教師だった女は、その昔、赴任していたシェラ・デ・コブレという村でなんかの罠にはめられて愛する夫を喪ってしまった。
数十年語、女は成長した娘を憎き敵の家に嫁がせ、仇を討つ事に成功。
ついでに、そいつの息子(娘の夫)にも、毎晩無言電話(ただし泣き声アリ)をかけまくり、精神的なダメージを与えるという地味な嫌がらせを続けていたのだったが、そこにモノホンの幽霊が現われ始めて・・・。」

という、金田一少年も真っ青の因縁話だと解釈していた『シェラ・デ・コブレ』だったのですが、鑑賞後に添野さんから頂いていた解説を拝見してビックリ。

あらすじ、全然違うんでやんの。


これは一本とられましたね!
ほら、アガサもね、長年映画を観てるのから、幾許かのヒアリングは出来るつもりだったんですよね。基本、字幕無しでもなんとかなる、みたいな。ただ、今回の映画は昔の作品だからさぁ、言い回しが聞き慣れないっていうの?日本語で言ったら「超ウケる」が「片腹痛いわ」になってるみたいな感じじゃないですか?若干わかりづらいですよね。いや、そもそもセリフの量も結構多かったってい・・すみません、字幕ナメててすみません。
いやー、字幕って大事だよね! 今日ほどなっちを欲した瞬間は無い!


で、上記のあらすじはホントに笑えるくらいピントのズレた内容(※実際は「女教師」の「お」の字も出てきません)(追記:出てきてたみたいです。やったぜオレ!)でして、本当のあらすじはと言うと
怪奇現象(夜中の無言電話)が頻発する屋敷に呼ばれた心霊研究家・オライオンが、怪しい家政婦の奇行や恐ろしい形相の幽霊などに悩まされながら、事件の真相を解く。
という、とてもシンプルなお話だったのでした。
50分という短い上映時間の中に、パンチの効いた恐怖描写とううむと唸ってしまうような謎解きが詰め込まれており、思わずぐいぐいと惹きこまれてしまいます。(英語が理解しきれなくても、です)
「怖くて吐いた」とか、「途中退場」とか、そんなやたらと扇情的な宣伝文句が“賛辞”というより“褒め殺し”に思えるくらい、その恐怖レベルは至って普通ですなのですが、しかし、その「普通」が40年も前に完成されていたという事実は、何より驚かざるを得ない点ですし、素直に感服すべきなのではないでしょうか。

恐怖の根源って、きっと昔も今も変わらないのですよね。
灯りがあるところには暗闇がある。
文字通りの暗闇から、心の中の暗闇まで。人は常に、その中にいるものに怯え、逃れようとする。
でも、どれだけ灯りをともしても、闇が完全に消えてしまう事などありえない。
鬱々とした地下室の扉の影や、罪悪感の影に潜む“恐怖”は、現代の観客をも充分に震え上がらせてくれるのではないでしょうか。

耳障りな不協和音で観るものの不安を煽ったり、いきなりドアがバチーンと開いたり、不気味な幽霊がじりじりと迫ってくるなど、ストレートな恐怖描写の数々も、決して古臭い事はなく、事実、先日観た『パラノーマル・アクティビティ』も脅かし方自体は本作と同じなのですよね。
結局、基本が一番恐ろしいという事なのだ。
「大きい音で驚かすばっかして卑怯だぞ!」とか、文句言ってごめんね、アジャ。(※『ミラーズ』感想にて)


あと、先ほど「普通」と言ってしまった恐怖レベルなのですが、実は、幽霊のビジュアルだけは全然普通どころじゃなかったのでさあ大変。
この時代にこの顔かよ! と手にイヤな汗を握ってしまうようなエグいビジュアル。
どこかで観たことあるなぁ、と考えた結果、導き出されたのは『死霊のはらわた』のお姉さん・シェリルだったのでした。

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参考資料・シェリル(※怖い顔なので小さいサイズにしています)

なに、このおとなげない怖さ!

もうねぇ、今だからこそ「おぬしやるな!」くらいで済みますけど(済まないか)40年前のみなさんにこの顔見せちゃダメでしょ!
「蓄音機ちょうイカス!」とイケイケゴーゴーになっている皆さんのトコに、「えーなにそのおっきい機械ーマジうけるー」みたいなテンションでiPod nanoを持っていくようなものですよ!

いやいやいや、ちょっと待ってやれよ、と。
これが彼らの精一杯なんだぞ、と。
白い布被ってPeek a boo!て頑張ってた彼らの気持ちも、少しは考えてやれよ、と。
この時代にあって、あまりにハイレベルすぎる幽霊のビジュアルは、今回一番印象深い点だったのでした。
ま、確かに、これみたら嘔吐しちゃうかもね!(40年前の人だと)


本作は、シリーズ化も念頭に於いて作られていた為、ハドソン夫人的ポジションの家政婦さんが登場したり、他の話に繋がりそうな絵画が出てきたりして、なんだかとっても勿体無い気持ちになってしまいましたねぇ。
主演のマーティン・ランドーもとても男前で、いかにも頼りになるオーラがビシビシ漂っていました。
犯人の動きを、俯瞰からカットなしで捉えるといった素敵シーンとかも・・・いやぁ、グっときたなぁ!


今回はかなり限られた上映でしたし、今後の展開がどうなるのかわかりませんが、所有者の添野さんもDVD化を目指していらっしゃるという事ですので、なんとか近いうちに、沢山の方が観る事が出来るようになる事を願ってやみません。
最後になりましたが、貴重な機会を与えてくださったホラー映画向上委員会MebiusRingのみなさま、本当にありがとうございました!



おまけ・・・
今回、特別上映という事で、アメリカのテレビシリーズ「Monsters」(50年代くらいの作品でしょうか・・?)という作品も一緒に観ることの出来たのですが、これがまた非常に面白かったです。
フランケン父さん、ヴァンパイラ(妖怪人間ベラ?)母さん、吸血鬼じいちゃん、怪物くん、親戚の娘(←この辺曖昧)のモンスター一家が織り成すどたばたコメディだったのですが、太りすぎたフランケン父さんが同窓会に行きたいが為にダイエット大作戦を敢行するという、ベッタベタな内容が逆に新鮮で、とってもほんわかした気持ちになりました。
ジェリー・ルイスっぽい笑い(時代的にはまさにその線なんだろうなぁ)は、やはりいつの時代でも変わらず楽しめるのですよね!
これまた貴重なフィルムを鑑賞させて頂く事ができて、本当に幸せなひとときでした!
スタッフの皆様に、重ねて御礼申し上げます。
また機会がありましたら是非!げへへ!


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