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映画ゼロ年代ベストテン (ホラー篇)

2009年11月30日
どうもこんにちは。
家庭内で新型インフルエンザが絶賛パンデミック中のアガサです。

いつも楽しく拝見させて頂いている超有名ブログ 男の魂に火をつけろ! 様で毎年行われているという 「映画ベストテン企画」 がとても楽しそうなので、シレっとした顔で参加させて頂こうと思います。

で、実はこの 「映画ゼロ年代ベストテン」 、超有名映画サイトの 破壊屋 様 でも 「ゼロ年代のベスト&ワースト映画投票」 という同じタイプの企画が開催予定なのですよね。
アガサはそちらにも参加させて頂くつもりだったので、どうせなら全く違うベストテンを2種類考えようかなぁ・・と思い、今回はホラーに絞ったランキングにしてみました。
男の魂に火をつけろ! 様の管理人さまの趣旨に反していたら、どうも申し訳ありません。



というわけでアガサのホラーベスト10

1位 ヒルズ・ハブ・アイズ(2007年アメリカ、アレクサンドル・アジャ監督、出演:アーロン・スタンフォード 他)
2位 ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年イギリス、エドガー・ライト監督、出演:サイモン・ペッグ 他)

3位 28日後...(2003年イギリス・オランダ・アメリカ、ダニー・ボイル監督、出演:キリアン・マーフィ 他)

4位 ホステル(2006年アメリカ、イーライ・ロス監督、出演:ジェイ・ヘルナンデス 他)

5位 SAW(2004年アメリカ・オーストラリア、ジェームズ・ワン監督、出演:リー・ワネル 他)

6位 屋敷女(2008フランス、 ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督、出演:ベアトリス・ダル 他)
7位 デビルズ・リジェクト(2006年アメリカ、ロブ・ゾンビ監督、出演:ビル・モーズリイ 他)

8位 片腕マシンガール(2008日本、井口昇監督、出演:八代みなせ 他)

9位 サスペリア・テルザ 最後の魔女(2009年イタリア・アメリカ、ダリオ・アルジェント監督、出演:アーシア・アルジェント 他)

10位 フレディVSジェイソン(2003年アメリカ、ロニー・ユー監督、出演:ロバート・イングランド 他)


あのですねぇ。
一言言わせて頂けるならば、「10本とか無理!!」(←ま、選びましたけどね)


破壊屋様にあった2000年以降の公開リストを参考に、思いつくままリストアップして愕然としたアガサ。
なんだこれ・・・。 
20本近くあるじゃねぇかコンニャロー!
ホラーだけで20本って・・・ 全ジャンルにしたら一体どうなってしまうのか・・・オエー(←プレッシャーのあまり吐いた)

で、なんとか10本におさめる為、同じ監督さんの作品はどちらか一方にするなどして減らした結果が上記の10作品という訳です。

たとえば、イーライ・ロス監督だと 『キャビン・フィーバー』 も捨てがたかった。
しかし 『ホステル』 が後世に与えた影響などを考えると、この結果になってしまうかなぁ・・と。
同じく、アジャ監督の場合、 『ハイテンション』 はどうしても入れたかったのですが、作品としての完成度の高さやとっつきやすさ(復讐、成長モノとしての)から言うと、賛否両論なオチの 『ハイテンション』 は分が悪いかと。
もちろんアガサは 『ハイテンション』 大好きなのですけどね! あのオチもひっくるめてね!
その 『ハイテンション』 と同じ、台頭激しいフランス産ホラーからは、悩んだ末に 『屋敷女』 を。
マーターズ』 の超越しすぎなオチよりも、もう少し身近に感じられる(※女性として、母として)というのが理由ですが、ここはホント難しい選択ですねぇ。

意外や意外、正統なゾンビモノが入っていないのも、あとで気付いて我ながらビックリでした。
バイオ・ハザード』 も 『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』 も 『ドーン・オブ・ザ・デッド』(ザック・スナイダー版) も 『ゾンビーノ』 も、どれもいい作品だと思うのですよ。
しかし、“ゾンビ”というテーマを、ゾンビではなく人間(感染者)を使って完璧に描ききった 『28日後...』 と 『28週後...』 があまりに素晴らしく、これを入れたらもうゾンビモノを入れるスペースが残らなかったという・・。
しかも、その 『28週後...』 も泣く泣く外しましたからねぇ。
色んな想いを一心に背負った 『28日後...』 には、今後とも頑張って頂きたい!(何をだよ)

ていうかなんで 『フレディVSジェイソン』 なんか入れちゃったんだろう!わし! 
バカバカ!わしのバカ!! (ま、切株エンターテイメントとして文句無い逸品なんですけどね)


上に挙げた以外で面白かった(記憶に残った)ホラーというと、
ウォーケン様の首なし姿が超かっこよかった 『スリーピー・ホロウ』 や、
面白切株の先駆けともいえる 『ファイナル・デスティネーション』 、
ドイツの正統派ホラー 『アナトミー』 や、
お尻の攻防戦と驚愕のラストが永遠に胸を焦がし続ける 『ドリームキャッチャー』 、
明らかに合成臭い霊体と、明らかにモノホン臭い電波男が本気で怖かった 『ノロイ』 、
ジョニデの嫁を使った、意外と弾けたエイリアン切株 『エイリアン VS ヴァネッサ・パラディ』 
などがありましたが、これらもバサバサと却下。
ほんと、きりが無いですよ。 
もう! せめてベスト20にして頂きたかった!
そんなアガサはファミレスで注文が決まらないタイプ! (←最近はもう、メニューを見ないようにしています)

今年の大傑作だった 『スペル』 も捨てがたかったですねぇ。
ま、もしかしたら全ジャンル方のベストテンに入れてしまうかもしれませんが。

それと、ダメな日本製ホラーの代表作と言われる 『オトシモノ』 も、あのオチのせいで大好きだったりしますので、結構悩みました。
こんな事で悩んでいるのなんて、きっと日本中で一人だけだと思いますよね。 はいはい、ダメ人間、ダメ人間。


という事で、結局沢山挙げてしまいましたが、アガサによる「ゼロ年代ホラーベストテン」、いかがでしたでしょうか。
ホラーが苦手、という方も、よろしかったらこのベストをちょこっと参考にして、ホラーデビューして頂けるとうれしいです。


そこの森ガール、悪いようにはしないからこっち側こいよ!(森ガールはこんなブログ見に来ないか)



では最後におまけとして、ゼロ年代のワーストをこそっと発表。

アガサのホラーワースト3

1位 バタリアン4 &5(2006アメリカ、エロリー・エルカイェム監督、出演:タールマン 他)

バーカ! バーカ!!

2位 ハウス・オブ・ザ・デッド(2005年アメリカ・ドイツ・カナダ、ウーヴェ・ボル監督、出演:若者 他)

バーカ! このう○こたれ!!

3位 オーメン(2006年アメリカ、ジョン・ムーア監督、出演:ミア・ファロー 他)

ミア・ファローの存在だけが、いろんな意味で怖かったので、ギリギリ3位。
に、してもヒドイ。 ほんとにヒドイ映画です。
たまたま数字が揃う(※06年6月6日に公開されました)って理由だけで、ゴミみたいなリメイク作ってんじゃねえよ!バーカ! お前ほんとバーカ!!



ああ・・・ 全ジャンルのベストテン、選びきれるのかなぁ・・・(遠い目)



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『バッド・バイオロジー 狂った性器ども』 (DVDタイトルは「狂った♂♀ヤツらども」)

2009年11月27日
bad_biology_convert.jpg
★★★
割れ鍋に綴じ蓋。 もしくは運命の赤い糸。

あらすじ・・・
どうもこんにちは。
このブログを統治下においております、アガサと申します。
かれこれ4年近く、ホラーをメインに具にもつかない感想などを書き綴っている訳なんですけども、実はうちの世帯主さまというのが大のホラー嫌いでして、アガサが「切株」だ「臓物」だと雄たけびをあげながらパソコンに向かう姿を、いつも苦々しく見ているのですよね。という事で、チクリと批判を浴びる事もしばしばで、特に残酷な内容を細かく書いている時や、下品な単語を使っている時などのリアクションなどは、「人間やめろ」と言わんばかりの猛攻になる訳なのですよ。しかもこのブログ、リアル親戚も時々見てくれているとかいないとか。そりゃもう、余計に自主規制が重く圧し掛かってくる訳です。で、今回の作品なんかは、もうどうやって感想を書いたらいいのか途方に暮れてしまう様な内容でして、じゃあ書かなきゃいいじゃない、と言われるかもしれないのですが、・・まぁ、仰るとおりなんですが、それではブログをやっている意味など無い訳で。と言う事で、なんとかオブラートに包んで本作のあらすじを書くとするならば、
7つのクリスマスに似た語感の部位を持つ女性と、約61センチのテニスに似た語感の部位を持つ男性が織り成す、究極の結合劇。
という感じですかね。
ていうかゴメン、これがオレの精一杯。



となかんとか言いながら、にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  実生活では下ネタばっかり喋ってますが。


いきなりウザい自分語りで申し訳ありませんでした。
ま、斜め読みで済ませて頂けたらと。
あと、オブラートが薄すぎて包み込めてなかったら、素直にアイムソーリー。

と言う訳で、いまさらカマトト(←死語)ぶるつもりも無いですが、どうしてもダイレクトな単語は書けませんでした。アガサです。
これが噂の逆ネット弁慶です! そうでもないか! よし!どうでもいいから次いこう!


モンスターお兄ちゃんの童貞喪失物語『バスケットケース』(※感想)でお馴染み、フランク・ヘネンロッター監督が、16年の沈黙を破りついに第一線復帰!
と、世界中のスキモノ達を歓喜の渦で包み込んだ 『バッド・バイオロジー』 。
残念ながら、というか当然のごとく、岡山では公開されなかった本作が、めでたくDVDリリースされていたので、早速鑑賞してみました。


いやー先生!突き抜けた変態ってすばらしいですね!(ノ∀`)アチャー

「巨大な○ニスを持つ男」なんて設定は、さほど珍しいものではないと思うのですよ。 ま、男性機能の中で他に巨大化出来る部分もありませんしね。
で、問題は、それに対抗できる女性を仕立て上げるには、どこを強化すればいいのか、という事。
普通は(普通という言い方もおかしいですが)、まず胸を思い浮かべますよね。
いわゆるロケットおっぱい、的な。
ビックリ人間大集合、的な。 超デカいおっぱい。
ところが変態教授・ヘネンロッター先生は、そんな安易な発想はしないのですよね。
つまり、刀を納めるには、鞘を用意するしかない、と。
それも、超個性的な鞘を。

「そういえばさぁ、女性のナニって、受けた刺激を敏感にキャッチして「気持ちええのんが来たぞー」と体に伝達するアレがついてたよねぇ。
通常は一人一個しかついていないアレを、思い切って増やしてみたらどうよ?」
と、変態先生は考えたのですよ、きっと。
「そうさなぁ、新世紀のアダムとイヴの話な訳だから、聖書の7つの大罪にちなんで7つのアレで行くか!」 みたいにね。

まさに鬼才あらわる!!状態。
いやねー・・・、その発想はないですよね。
よっぽどの人でない限り、そこの数を増やそうとは思わないですよ。
しかもこれ、ホントにただ性感帯が増えただけで、別に害は無いという。
つまり、せっかくのオモシロ設定だと言うのに、増えた突起が闖入してきたブツを噛み砕くとか、そんなハードコアな展開など無いのです。
何その「あっさり感」。
あれか。 『キラーコンドーム』を全否定か。(←別に否定はしていない)

と言う訳で、今さら書くのもなんですが、本作はホラーではありません。
“すごい女性器とすごい男性器による命がけの性交渉の末に、珍妙な子孫が生まれる。”
と、一行で語れるラブファンタジーなのです。
が、それだけの内容にもかかわらず、ここまでワクワクさせてくれるヘネンロッター監督はやはり鬼才であり、突き抜けた変態なのではないでしょうか。
そして、そんな「変態の誘蛾灯」のような映画にどうしようもなく惹きつけられる我々もまた、変態候補生なのかもしれません。
ま、その境地は遥か彼方で、まだまだ手が届きそうもないですけどね!(※届きたいのかよ)

不幸な生い立ちの末に、究極の悦びを知るヒロインを演じるチャーリー・ダニエルソン。
出演作はこれ1作だけのようですが、地味だけど時々ハっとさせるような色香も感じさせ、とてもいい女優さんだと思いました。
ちょっとローラ・ダーンに似てたような・・・いや・・ゴメン・・こっちの方がもうちょっとかわいいか。(←失言)


大量のホルモン剤により異様に成長し、自我まで持ち始めた○ニスが、主人の体から分離してエロいちゃんねーを無差別夜這いするシーンが、まんま『バスケットケース』のベリアル兄ちゃんのそれで大爆笑。
床板や壁剤を打ち破って侵入してくる○ニスを、君は見たことがあるか?
ちなみに、オレは無い!
(あったら困る)

そんな常識ではあり得ないファンタジーワールドを一貫して描き続けるヘネンロッター先生は、「もしかして26年前から全く成長してないんじゃねえの?」 と突っ込みそうになりますが、ここは「最初から完成していたのだ」と言うべきでしょう。 さすがは先生!

題材が題材ですので、かなりの量のおっぱいだとかエロいシーンが盛り込まれていますが、なぜかそんなに扇情的ではない(むしろギャグ)ので、気軽に鑑賞出来るのではないでしょうか。
あ、これはあくまでアガサの意見ですので、もし男子の方が観て、興奮して寝られなくなったらごめんなさい。
ま、なんとか頑張って!(←まる投げ)

なお、本作では、特殊な体質のヒロインが性交渉の後すぐ奇形の赤ちゃんを出産してしまうというくだりが何度かあるのですが、その際彼女がとるのは「そんなのシラネ」とばかりにゴミ箱へポイ(もしくは放置)という、とても非人道的な対応ですので、そういうのが許せない方はクルっと回れ右される事をお勧めします。

不幸な生い立ちの為に、真実の愛から見放された女と男が、愛はさておき真実の快楽に辿り着くラストが感動を呼ぶ 『バッド・バイオロジー』 。
その感動を台無しにするチ○コ型クリーチャーの誕生も含めて、とても為にならない良い作品だと思いました。


最後に余談ですが、本作のDVDにはホラー秘宝レーベル作品でお馴染み、バタリアンズのコメンタリーが収録されておりまして、その中の井口監督の発言が実にふるっていたのですよね。
どんな発言かといいますと、
「これ(バッドバイオロジー)を観ていたら、自分が考えていた
“お尻から排泄された○○○がそのまま体と一体化しちゃってる可愛い女の子のお話”
というネタもアリなのかなぁ、と思った」
だと。

先生! ここにも突き抜けたド変態が!!。・゚・(ノ∀`)・゚・。ワチャー


いつの日か、国境や年齢を超えた変態頂上決戦が観られる事を、不安と期待を入り混ぜつつ待ちたいと思ったアガサなのでした。 ていうか、そっちのシモはアウトだと思いますので、やっぱり待ちません。 
正直すまん。 



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「粘膜蜥蜴」 今度は戦争だ! (読感)

2009年11月23日
本作を読み終わり、感想を書く為表紙の画像を検索しようとしたアガサ。

「・・・とかげ・・・  ん・・? ・・何蜥蜴だったっけ・・?」

さっき読んだタイトルがもう抜けたアガサ。 さっき泣いたカラスがもう笑った、みたいな?そんなライトな感じ?(どんなだよ)

で、確かドロドロした印象の単語だったよなぁ、と思いつつ「溶解蜥蜴」で検索。
が、それらしいものは何も出てこない。
仕方ないので前作のタイトルで検索。

はい、「溶解人間」ドーン!!

「溶解人間」
掃除夫が街の片隅で見つけたボロきれと得体のしれないドロドロの物体、それこそが「溶解人間」スティーブのなれの果ての姿であった。 路上の汚物がすっかり掃き清められた頃、土星に向け新たな探索船が発進したニュースに世界中は歓声につつまれていたの・・・  (きまぐれムービーシアター様より)



違うよね!ていうか、この光景前も見た!!(←前作の時もタイトル失念して溶解で検索した)

もうねぇ、なんというか、自分の記憶力のふがいなさに絶望ですよね。
いや、傍らにおいてる文庫本見ろよ、って話なんですけどね。

ちなみに前作と本作のタイトルはどちらも「粘膜」。
河童が頑張る「粘膜人間」と、爬虫類人間が頑張る「粘膜蜥蜴」になっております。

そもそも“粘膜”がついてる理由がいまいちわからな・・・  いやなんでもないです。


あらすじ・・・
第壱章 「屍体童子」
庶民の真樹夫と大吉は、大金持ちの雪麻呂の家に招待されてウハウハになるが、ちょっとしたアクシデントで大吉が死亡。
慌てた雪麻呂から「この後始末をしなければお前も殺す」と脅された真樹夫は、牛刀を片手に途方に暮れるが、そこに出兵中の兄・美樹夫の幻が現れ・・・。

第弐章 「蜥蜴地獄」
東南アジアのナムールに駐屯中の美樹夫に、ある重大任務が言い渡される。
それは、軍部にとって大事な金づるである下衆野郎・間宮を、チャラン村まで護衛するという危険な仕事だった。
有能な部下2人と共にジャングルの奥地にあるその村へ向かう美樹夫だったが、反日ゲリラや獰猛な動植物に行く手を阻まれ、やっとの事でたどり着いた村もまた既に、住民すべて皆殺しにされており、その死体は一様に陵辱の跡があったのだった。
そして、その犯人たちが現れたとき、美樹夫は想像を絶する恐怖を味わう事に・・・。

第参章 「童帝戦慄」
雪麻呂は従姉の魅和子を熱烈に愛していた。
魅和子は雪麻呂の人生の全てであり、何としてでもモノにしたいと願っていた。
しかし魅和子は、雪麻呂と同じように求婚してきた雪麻呂の従兄・清輔との間で心を決めかねており、悩んだ末、とうとう2人に最後の手段である「ガチンコ対決」を提案してくる。
つまり、雪麻呂と清輔で正々堂々と戦い、勝った方が魅和子と婚約出来るというのだ。
どんな手を使ってでも、魅和子の愛を勝ち取ろうと画策する雪麻呂と清輔の戦いは熾烈を極め、死人を出しながらもついに雪麻呂に軍配が上がるのだが、そこに意外な人物の横槍が入り・・・。



いろいろと、前作と共通した要素が散りばめられている本作。

第2次大戦っぽい戦争真っ只中のパラレル日本。
巨大な力を持つ性悪な少年。
異形のクリーチャー。
男と逃げた母。
怪しげな幻覚剤。

これらの素材を使って、前作同様、読んでいる人の神経を逆撫でするエグいストーリー展開が、テンポよく描かれます。
が、あまりに強烈だった前作(粘膜人間・感想)の印象が強かったせいか、今回は若干物足りなさを感じてしまいました。

圧倒的存在感とパワーを兼ね備えていた主人公・雷太に比べ、今回の主人公である雪麻呂は、少し小粒というか、小物なんですよね。
もちろん、とてつもなくイライラさせられる良キャラである事は間違いないのです。
政治家や軍部までも言いなりにさせられる様な、強大な権力を持つ父の威光を笠に着て、銃は持つわ、大人をグーパンチするわ、煙草は吸うわ、女は抱くわ、もう我儘し放題の雪麻呂。
12歳のガキのくせに、女中相手に性欲処理とか・・・ もしモモ太(※モモ太=前作に出てきた童貞河童)が聞いたら大変な事になりますよ。
たぶんタコ殴りの刑ですよ。 
もしくは羨まし過ぎて泣いちゃうんじゃないの、と。 
女体欲しさにさめざめ泣く童貞河童・・・うへえ!!(←想像しただけで鬱陶しい)

きちんと叱ってくれる大人がいなかったせいで、他人の気持ちを全く思いやる事の出来ない少年に育った雪麻呂と雷太は、生い立ちまでもが似ているものの、なんでも自分の拳で実際に痛みを伴いながら切り開く雷太に対し、雪麻呂が持っているのはあくまで「権力」なので、手下にやらせるとか、軍部の上層部に手回しするとか、恫喝するとか、とにかく卑怯極まりない。
愛する魅和子の為、ついに自身の拳で戦わざるを得なくなった時も、掴み掛かってきた相手に迷う事無く金的攻撃。
反則じゃん。

いや、命がけの勝負ですから、別に金的でもなんでもいいのですけどね。
終始この調子で卑怯な方法ばかり使うので、雷太に感じた様な魅力は感じられませんでした。
「悪いんだけど、なぜか惹かれる」みたいな。 そういう吸引力は。

この悪童・雪麻呂が同級生相手にかっこつけようとしたせいで、死人が出たり、それが生き返ったりと大騒動が繰り広げられるのが第壱章で、続く第弐章では貧乏な真樹夫の兄・美樹夫が未開の地で命がけの大冒険を体験することに。
この第弐章が実に面白く、強引に植民地化したアジアの田舎を舞台に、まじめな日本兵である美樹夫と彼を振り回す民間人・間宮、そして実直な部下たちの人間模様が、息もつかせぬスピードと適度なグロとをもって描かれてゆきます。
この作者さんは、人間のイヤなトコロを膨らませるのが本当にうまいのですよね。
間宮の下衆さ加減がハンパないお陰で、物語にぐいぐい引き込まれてしまいます。
そして、彼らに襲い掛かる反日ゲリラの姿無き攻撃。
もう、完全に気分はランボーです。

なんとかたどり着いた村での、ヘルビノ(爬虫類人間)との摩訶不思議なやりとりも、「食人族」っぽくて面白かったですねぇ。
因果応報なオチは、ちょっと大人しすぎる気がしましたが。

で、最後の第参章で、ここまでの登場人物が一堂に介し、ドロドロの愛憎劇が展開されるのですが、若干話がまとまりないかなぁ、と。
いろいろ広がった話がどう纏まるのかと、残りのページ数を見ながらハラハラしていたのですが、案の定最後がバタバタになってしまい、そこに至るまでの伏線をきちんと回収し、なおかつ溜飲の下がるオチだったかどうかと言うと、ちょっと肩透かしな感じが否めませんでしました。

(※以下盛大にネタバレ)







クライマックス、美樹夫や爬虫類人間の下男・富蔵を引き連れて、ナムールにあるヘルビノの集落にやってきた雪麻呂が知った、衝撃の真実。
それは、男と駆け落ちしたハズだった雪麻呂のお母さんは、実はマッドな外科医である夫(雪麻呂の父)に捕まり、罰として脳を富蔵に移植されていた!という事。
つまり、富蔵の中身はおかあさんだったのです! 
ま、そいつは確かに衝撃展開だけども!!
「おかあさん」として放った最後の一言で、なぜかしんみりしちゃうけども!!


だけれども、それを踏まえると、今まで読んできた雪麻呂と富蔵との珍妙なやりとりがあまりに無茶苦茶になってしまい、素直に「ほほう!そんな新事実が!」と思えないのですよ。
自分の息子がどこぞの女相手に性欲処理しているのを、枕元でデンデン太鼓を叩いて応援とかしちゃってましたからねぇ。
それも、
「フレフレぼっちゃん! ナイスボーイの憎いやつ! イケイケぼっちゃん!モダンボーイの洒落たやつ!」
くらいの声援ならまだしも
「カチカチ (ピー)! ビンビン (ピー)! 雪麻呂ぼっちゃん日本一!」(※自主規制の為ピー音入り)
て。
で、その後も行為を終えた息子に自信を与える為に、言葉を尽くして息子のムスコを褒め称えるという念の入りよう。
「ぼっちゃんの (ピー) は太くて長くて艶があって最高でやんすよ! (ピー) した時の反り立ち具合なんかも (ピー) で (ピー) に・・」
ってねえよ!!(ノ`Д)ノ:・'∵:.┻┻

もうねぇ、ヤダ!
こんなおかあちゃんヤダ!!

 
いくら諸事情の為、自分の正体を隠して接しているとはいえ、12歳の息子に掛ける言葉じゃないですよね。
おまえ・・、もうちょっと・・ほら・・だから、なんか色々さぁ・・・・まぁ、とにかくちゃんとしろよ!! 
ていうかちゃんとしてあげて!お願い!!


最後まで読んだ後で、もういちどザっと読み直す(おかあちゃんと息子の会話として読む)と、また新たな衝撃が走ること請け合いの、ある意味斬新な小説だったのかもしれません。

うそです。


という事で、先にも書いたように若干物足りなさを感じたり、行間に張り詰める緊張感や勢いもやや弱いような気はしますが、思わず胸焼けを起こしてしまいそうなグロシーンや、全く感情移入出来ないいけ好かない登場人物などが、この作家さん独特の表現によって非常に魅力的に描かれていますので、まぁまぁ楽しめるのではないでしょうか。
前作と比べる事自体、間違っていますしね。(←ここまでの文章を全否定)


とりあえず、デビュー以来2作続けて“少年”を主役に持ってくるという、無類の少年好きな作者さんが、次回でどんな物語を紡ぐのか、非常に気になるトコロであります。
ちがうちがう、ヘンな意味でなくて。

あと、次はどんな粘膜になるのかも気になるトコロであります。

思い切って、「胃粘膜」なんかどうでしょうかね。

うそです。


※ちなみに無事探し当てた画像はこちら
ねんまく
「粘膜!粘膜!」と唱えながら、書店へGO!

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『イングロリアス・バスターズ』

2009年11月22日
inglourious_basterds.jpg
★★★★☆
鬼畜VS鬼畜。

あらすじ・・・
第1章「ナチ占領下のフランスで」
ナチス親衛隊のハンス・ランダ大佐は、今日もきびきび仕事をこなす。
今回訪れたのは、丘の上の一軒屋。 
酪農業を営むラパディットさん一家です。
「こんにちは~。 ちょっとお邪魔しますよ~」 「は、は、はい、ど、どうも」

・・・あやしい。
どう見てもあやしいですよね。
それもその筈、実はラパディットさん、フランス人のくせにユダヤ人を匿っているらしいんです。
しかし、優れた探偵としての才能をも持つランダ大佐には、すべてお見通しなのです。
という事で、あっという間にラパディットさんから自供を引き出し、軒下のユダヤ人は皆殺し。
少女を一人見逃してやりましたが、ま、それはランダ大佐の器の大きさって事で。
かっこいいですよね。 ランダ大佐。


第2章「名誉なき野郎ども」
圧倒的乱暴さで、ヨーロッパ全土を統治下に置こうとふんばるナチスドイツ。
しかし、最近とあるアメリカ人特殊部隊がそんなナチスに揺さぶりをかけてきているのです。
彼らの名は“バスターズ”。
ナチスのメンバーを人間と見なさず、ありとあらゆる残忍な手口で殺しまくる、非道な集団です。
なんでも殺しの締めとして、必ず頭の皮を剥ぐとか剥がないとか。
おっかないですね。 “バスターズ”って。

あ、ランダ大佐はたぶんどこかでユダヤ人を殺してます。 出てきませんけど、間違いないです。
ホントできる男ですよね。 ランダ大佐。


第3章「パリにおけるドイツの宵」
第1章でランダ大佐に見逃してもらっていた少女ですが、今ではすっかり大きくなって、パリで映画館を営んでいます。
なにもそんな目立つトコロで働かなくても、と思うのですが、ま、仕方ないですね。
どこに出しても恥ずかしくない身分証明書を持っていたお陰で、堂々と商売していた彼女なのですが、ある日映画好きの若き兵士に見初められてしまいます。
兵士はペーペーの下っ端だと思いきや、連合軍兵士を300人以上も殺した英雄でした。
おまけに空気の読めない童貞でした。
女心を知らない童貞兵士は、自分で主演したプロパガンダ映画のプレミア試写会を、彼女の劇場で行う事を上層部に掛け合っていました。 
喜ぶとでも思ったのでしょうか。 
さすがの童貞クオリティですね。
ユダヤ人の彼女にとっては迷惑千万な申し出だったものの、よく考えたら皆殺しにされた家族の復讐ができるいい機会なので受けることにしました。

もちろんラブラブな彼氏と相談の上ですよ。

あちゃー。 お気の毒ー。

そうそう、ランダ大佐ですが、ちゃっかりパリに戻ってきて、上層部の護衛を任されています。
さすがに彼女があの時の少女だと言う事までは気づきませんでしたが、そんなのわかりっこないですよ。 
いまや完全にメスですからね。
どんまいどんまい。 ランダ大佐。


第4章「プレミア作戦」
ナチスの上層部が大集合して、新作プロパガンダ映画の試写会を開く事は、連合軍にも知れ渡っていました。
もちろんこんな好機を逃すはずも無く、連合軍は“バスターズ”とドイツ人人気女優スパイを使って、映画館の爆破作戦を行う事に。
フランスの奥地で落ち合う段取りだったイギリス人中尉と“バスターズ”たちだったのですが、運悪く、待ち合わせのお店でナチスがパーティを開いていたからさあ大変。
あっという間に正体がばれ、激しい銃撃戦の末イギリス人中尉やドイツ系“バスターズ”は死亡。
なんとかドイツ人女優は生き残ったものの、プレミア上映会に同行出来るメンバーはドイツ語が話せない“バスターズ”のみ。

果たして“バスターズ”は無事任務を遂行することが出来るのでしょうか?!

・・え? ・・・ランダ大佐?
あー、えっとね、さすがは名探偵ランダだけあって、銃撃戦の跡からドイツ人女優が絡んでいる事を推理し、そこに“バスターズ”が噛んでいる事まで探り当ててしまいました。
マジ半端ないですよね。 ランダ大佐。
もうあれだ。 抱いてホールドオンミー。


第5章「巨大な顔の逆襲」
時は来る。
プレミア試写会の日が、ついにやってきたのです。
童貞兵士は、彼女をモノに出来る事を期待して。
ナチスの上層部は、ヒトラーに満足して貰える事を祈って。
“バスターズ”は暗殺作戦が成功する事を確信して。
彼女は復讐が果たされる事を願って。
ヒトラーは面白い映画が観れる事を楽しみにして。
そして、ランダ大佐は、ある思惑を胸に秘めて。

様々な想いが小さな映画館に集まった時、はたして歴史はどう変わるのでしょうか・・・。
そして、ランダ大佐の思惑とは・・・。


よろしかったら にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  押してプッシュオンミー。



早速で恐縮ですが、以下ネタバレです。





今まで、ナチスが題材の映画はそこそこ観てきたものの、鑑賞後にどこか煮え切らないというか、モヤモヤするというか、歯切れの悪さを感じていた。
その理由はきっと、
「どれだけ映画の中の登場人物が頑張っても、ヒトラーは暗殺されないし、戦争も簡単には終わらない」
という事実がわかってしまっているからだろうと思う。
そして、きっとタランティーノもそう感じたのだろうと思う。

で、「だったらヒトラーぶっ殺せばいいじゃん」と。

そうかぁ・・・

そうだよね!!(゚∀゚)ナットク!

と言う訳で、今までに無い爽快さを味わうことの出来る傑作映画 『イングロリアス・バスターズ』 を鑑賞して来ました。
悪いナチスのやつらが沢山ぶっころされて、とっても痛快な作品です。

地球の歴史上、ここまで問答無用に「殺されてもよさそうな人たち」はいないですよね。
あまりにむごい事を行った連中だから、あまりに人道に反した事を行った連中だから、みんな心置きなく叩くことが出来る。
もちろん映画の中の“バスターズ”たちも、そんな世論を背に受けやりたい放題し放題。
「ユダヤ」というだけで、人間扱いせずに虫けらのごとく抹殺したナチスと、
「ナチス」というだけで、老いも若きも上官も新人もなぶり殺しにする“バスターズ”。

ほんと、ここらへんのタランティ-ノの容赦ないさじ加減ときたら、安っぽい感情移入や同情心を台無しにしてくれて最高だと思います。
復讐も野望も無為な殺戮も、大きな爆発と共に塵となって吹き飛んでしまう儚いもの。
“暴力”は、マジでやるものじゃないんだよ、と。
シャレでやるもんでしょ、と。
タランティーノにそう笑われているようで、とても心地よかったです。


個性あふれるキャストも最高だった本作。

終始ウケグチで、無骨だったりぶこつだったり時にブコツなアメリカン中尉を演じたブラット・ピットが素晴らしい。
バカっぽいのは演技なんですよね。 ていうかなんでウケグチ? 
アンジェリーナさん、おたくの旦那さん、アゴ出てますよ、アゴ。
基本的に天邪鬼なアガサなのですが、このブラピは好きにならずにはいられませんね。
首に掻っ切られたあとがあったり、謎な過去を匂わしているのも魅力的。

みんな大好きイーライ兄貴も、自身の生い立ちを最大限に反映させた魂の演技を披露しています。
兄貴にヒトラーを蜂の巣にさせたのは、とても大きな意味がありますね。
タンランティーノの師弟愛(友情)も強く感じさせた、いいシーンだったと思います。
「ユダヤの熊」としてバット片手に登場するシーンの異常にテンションが高まる演出も、タランティーノなりの愛の表れだったのではないでしょうか。
ていうか引っ張りすぎじゃね?(※そこがいいんですけどね)

そして何より本作の一番の目玉はランダ大佐。
ちっちゃな体におっきな能力を兼ね備えているランダ大佐が、近年稀に見る好キャラクターなのです。
別に残忍な性格を持ち合わせているでもない、ユダヤが憎くてかなわないわけでもない、ヒトラーに心酔しているのでもない。
ただ自分の能力を信じ、その高さに酔っているだけのランダ大佐。
なので、ナチスが危うくなったら即座に鞍替えを決意するランダ大佐。
なんて潔いんだランダ大佐。
なんと連合軍に、ナチス上層部の暗殺を黙認する事と引き換えに、自分の命はもとより、地位の保証や年金の保証、終戦の立役者としての勲章、土地つき一軒家などなど、思いつく限りの安心材料を要求。

ちいさ!!(人としての器が)


いや、やろうとしている事(ナチスの壊滅)は大きいんですけどね。
スケールの大きい小ささとでも言うのでしょうか。 ようわからんな。

もう、このランダ大佐のキャラクターが完成した時点で、本作の成功は保障されたも同然だったのではないでしょうか。
それくらい面白くて、狭量で、非情で、有能なランダ大佐。
ティム・ロスが喜びそうなこの役を演じたのはクリストフ・ヴァルツさん。
まったく知らない俳優さんでしたが、今後はしっかり注意して観てゆこうと思います。


ということで、先にも書いたように、まったく史実には沿わない創作劇なのですが、悪いやつが情け容赦なく殺されて、最後は別の悪いやつが高笑いをするという、とても現実的な素晴らしい作品でした。

タランティーノはホント外さない人だなぁ。

最高の2時間32分を、ありがとうございました!( ´∀`)



追記:
そういえば、本作の予告でブロンドの女の人が頬に赤い線を引くシーンがあって、アガサはそれを見ててっきりゲリラ作戦か何かのペイントなんだと思っていたのですが、本編を見てみてたらその赤い線はのちに薄くぼかされてチークになったようです。
ていうか元の線引きすぎじゃね?(女子のみんなはこんなに引いてるの?チーク?)
やはり普段からお化粧しないと、疎くなってダメねぇ。 と、心にも無いつぶやきを漏らしつつ劇場をあとにしたアガサなのでした。
すっぴんばんざい。



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『スペル』

2009年11月17日
スペル
★★★★☆
ジューシーばばあVS崖っぷちアラフォー女子の仁義なき戦い。


あらすじ・・・
あたし、クリスティン。
田舎の農家で生まれ育ったものの、今は街中の銀行で融資審査を担当してる頑張りやさん。
いいトコの坊ちゃんの彼とは超いいカンジで、結婚の二文字も見え始めた・・・みたいな?
彼のご両親にバカにされない為にも、狡すっからいアジア系同僚との出世争いには絶対負けたくない!と日夜努力を続けるあたしなのれす!
で、今日も元気に融資のご相談・・と思って出社したあたしですが、なんとその同僚が上司にバスケの特等席チケットをプレゼントしているじゃないですか!
てめえアジア人!汚ねえゴマすりやってんじゃねえぞ!
なあんてね! ウソウソ!
でもあたしちょっとピンチ?みたいな?
ここはなんとしても、「あたしも出来る女なんだゾ☆」というのを上司にアピールしなきゃですよね!
と言う訳で、早速目の前にいたおばあちゃんを丁寧応対。

「どうも奥様ご機嫌いかがですか~?
いやぁ、そのお召し物とっても上品でお似合いですわ~。 で、今日は何のご相談で?
・・・あぁ・・・ローンの延長ですか・・・。」
いきなりテンションだだ下がりのあたし。
というのもこのおばあちゃん、もう2回も支払いを延期してあげてるんですよね。
それでも一応上司に確認してあげましたけど、ま、答えは当然“延長不可”になっちゃいますよね~。
ですよね~。
ちょっと良心は咎めたものの、厳しい決断も出来る女だってトコを見せないと出世に響くので、心を鬼にしておばあちゃんに最後通牒を通告したあたし。
ところがなんと、このおばあちゃん、「金は待てねえ」と告げた瞬間態度が一変。
泣いたり賺したり、あの手この手で不可能を可能にすべく奮闘するじゃないですか。
最初は同情心から温厚に対応していたあたしですけど、さすがにちょっとウザいっていうか、我慢の限界っていうか。
おいばばあ!家が無くなるとかユルい事言ってんじゃねえぞ。 借りたものは返す。そんな簡単なことができない人間はクズです!(キリッ
と、「夜逃げ屋本舗」の大竹しのぶばりに啖呵をきってみたのですが、そしたら今度はキレまくるおばあちゃん。
身の危険を感じた為、仕方なく綜合警備保障のみなさんを呼んだところ、
「わしに恥をかかせたな~ このメス豚め~」
と捨て台詞まで吐く始末。
うぜぇんだよばばあ! ていうか、さっき飴ちゃんごっそりくすねてたクセに偉そうな事言ってんじゃねえよ!この貧乏ばばあ! しみったれ!!
て、心にも無いことを言いそうにもなりますよね~。 マジ無いですけどね~。

で、まぁひと悶着あったものの、毅然とした態度が上司にも高評価を得ましたし、これで昇進は頂いたも同然!同然!
なあんて気楽に構えつつ残業を済ませ、意気揚々と地下駐車場に向かったあたしは、そこで信じられない仕打ちを受ける羽目に。
なんと、どっから侵入したのやら、車の後部座席に鎮座増しましていた昼間のおばあちゃんが、容赦ないガチンコ攻撃を仕掛けてきて、その上あたしに「地獄に堕ちろ!」と呪いをかけたのれす!

「呪い」て! どんだけスピリチュアルな攻撃やねん!
ていうかちょっと待ったらんかい!
なんでわしが呪われなあかんねん! 呪うんやったらわしちゃうやんけ! 企業全体呪わなあかんのちゃうんけ!
ていうか、そもそもの問題は、銭に対して甲斐性が無さ過ぎるおのれ自身やろが! この業つくばばあ!

みたいなね。
ちょっといきがってみたりなんかしてね。
で、まあ、半信半疑で家に帰ったんですけど、そしたらまぁ出ちゃいましたよねー、悪魔が。モワモワーって出ましたから。
ていうかヤギなんですもん。 形とか完全にヤギなんですもん。
さっきのマジモンの呪いだったんじゃん! マジへこむわー!

いやね、ですからあたしは最初から申し上げているように、奥様のローンに関しては非常に前向きな意見を持っていたのですよ。
それなのに、あのバカ上司が「アウトの方向で」だなんて言いましてね。
もう全然あたしの意見とか、聞く耳持たないみたいな。
「きょう耳日曜~」みたいな感じで。
ホント参っちゃいますよね~。
だから、ここはなんとか呪いを解く方向で・・・ って、いやご婦人! そこの老婦人!!ばばあ!! あーうそうそ!!なあんちゃって!

ああ・・・。
けっこん・・・ したかったなぁ・・・!!。・゚・(ノД`)・゚・。


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結論 : 私も地獄に連れてって!

呪いをかけたら、きっちり3日間は経過観察で勘弁してくれるという、結構マメな性格の悪魔ラミア。
いざその時がくると、割れた地べたの亀裂からワシャワシャと手が出てきて、呪いの対象者を引きずり込むのですよね。
で、その手と一緒に、いかにも煉獄の炎っぽい火が、チロチロはみ出てたりして。
もうね、アガサとしては、これが気になってしょうがない訳ですよ。
そのワシャワシャ&チロチロの下は、一体どんな仕組みになっているんだ、と。
引っ張り込まれた地べたのその先には、どんな魅惑の世界が待ち受けているんだ、と。

ま、地獄なんですけどね。

ていうか、「亀裂」ってなんか卑猥な漢字ですよね。


違うんですよ。 書くこと(ネタ)がないとか、そういうんじゃないんですよ。 だからもうちょっとだけ聞いて。 プリーズ。


あちらこちらのサイト様やブログ様で、大絶賛の嵐を巻き起こしている 『スペル』 。
遅ればせながら、アガサもその輪に参加させて頂きたいと思っているのですが、ホントこれ聞きしに勝る傑作ですよ! 未見のみなさん!
どれくらい傑作かというと、もしこれをピーター・ジャクソンが観たら、羨ましさと悔しさの余りお酒に溺れ、挙句イアン・マッケランと一夜限りの関係を持ってしまうんじゃないかというくらいの傑作具合。 
うそです。(※羨ましがるであろう点はホント)

出世作 『死霊のはらわた』 を思い起こさせるような遊び心の数々(宙ぶらりんになる悪魔やハンカチとの格闘シーンなどww)や、直球勝負のストーリーがとても面白かった本作。
その後の展開の殆どを読み取らせてしまうような、ケレン味たっぷりのオープニングクレジットも心憎い限りだったり。
だいたい、悪魔の所業を現す演出が「窓に映るヤギっぽい影」だとかもう、いつの時代の特撮やねん、と。 
NHK教育で夕方やってた人形劇か、と。(←プリンプリン的なアレ)
そんな風に思わずほっこりとした気分にさせつつ、しっかりえげつないシーンも挟み込んでくる、このバランス感覚の素晴らしさ。
お話自体が淡白ですから、小ネタはクド過ぎるくらいが丁度いいのですよね。
さすがはサム・ライミ、わかってらっしゃる!

で、そのバランス感覚はキャラクターの人物描写でも遺憾なく発揮されています。
コンプレックスを克服し、なんとか成功を手に入れようともがき続けるヒロインに対し、いかにも理不尽なクレームを言いそうな小汚いヴァーさんが登場。
生まれてこの方一度もお手入れした事ないような爪で机をトントンしたり、
「おばあちゃん、お口くしゃい!」と孫が号泣しそうな入れ歯をパカパカ言わせたり、
何かにつけてゲロを撒き散らしたり、と、とにかく好感度最悪のおばあちゃん。
あまりに印象が悪いので、観客は心置きなくヒロインに感情移入できるのですが、このヒロインがまた、呪われた途端あっという間にやりすぎ武闘派に大変身。
小汚いとはいえ圧倒的年齢差のご老体を、ホッチキスで刺すわ、ものさしで刺すわ、スコップで刺すわ、なんぼ程刺すねんと突っ込みたくなるような物理的攻撃。
そして同時に「地獄へ堕ちるのはお前じゃ!このクソビッチ!」「死にぞこない!」「飴ちゃんどろぼう!」とメンタル面への攻撃も怠らない抜かりのなさ。

延々と続く、汁気たっぷりなジューシーばばあとなりふり構わぬアラフォーの戦いは、正直どっちもどっちというか、ホントは仲いいんじゃないの?というか・・。
トムとジェリーみたいな微笑ましさすら感じてしまうのですよね。 
特に駐車場のバトル、納屋でのバトル、墓場でのバトルのえげつなさは最高だと思います。
いいぞ!もっとやれ!ヽ(・∀・)ノ


「天使(いい魔法使い)がみすぼらしい姿になり、一般人の人間性をテストする」
というのは、御伽噺では割とよく耳にするパターンだと思うのですが、本作は相手が悪魔だっただけで、本筋はまさにこの御伽噺そのものだったのではないかと。
おばあちゃんの見た目や老廃物に惑わされ、自身の欲も作用した結果、助けを求める哀れな老人を無慈悲に切り捨ててしまったヒロインが恐ろしい呪いをかけられたのは、仕方ないと言えば仕方ないのかもしれません。

で、そんなヒロインがイビリにイビリぬかれた挙句にやっと自分の非を認め、心から反省したのを見計らってから地獄に引きずり込むラミアは、なんというか、ホントに仕事が細かいというか、念が入っているというか。
ヒロインが用意した目先の生贄に惑わされず、霊媒師に「コラー」とどやされても怯むことなく、「こうと決めたら最後まで徹底して」とばかりに呪いを成し遂げる、一本筋の通ったトコロは、尊敬に値しますね。

ま、その筋では有名な悪魔のクセに、ジプシーの使いっぱしりみたいな仕事をしているのはどうかと思いますが。
ていうかなに? ジプシーってそんなに強いの? なんかマズい事握られてるとか?
“すきなものだけでいいです” は、上級悪魔ラミアがもっと自分自身の意思を尊重出来るよう、心からお祈り申し上げます!
目指せ! 一本立ち!(※ひとりの悪魔としての)

過激な残酷描写こそ無いものの、「コレなら倫理的に大丈夫っしょ!」とばかりに放出される、おびただしい量の吐しゃ物やウジ虫が痛快な事この上ないですし、情け容赦ないラストも実に素晴らしいと思います。
やりすぎでギャグでしかなかった攻防戦も、最後にヒロインの彼氏が流した驚愕と絶望の涙で、教訓としての役割をきちんと取り戻しましたし、とにかくサム・ライミの腕にぶっぷりと酔いしれる事が出来る2時間弱なのではないでしょうか。

アガサは大満足です!
こういう作品に出会えるから、映画はやめられないんだなぁ!!



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