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『カラオケ』

2007年04月30日
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世界でいちばん、史郎が好き!!

ゴールデンウィークだってなぁ・・・。
9連休だってなぁ・・・。
サービス業には黄金週間もへったくれも無いんだよ!!

ごきげんいかがですか。
さりげなく世帯主さまの気持ちを代弁してみました(X`masに続き2度目)、アガサです。
と言う訳で、世間のお祭りモードとは裏腹に、平日となんら変わりない生活を送るアガサなんざぁ今日も墓場で運動会ですよ。(←意味なし)

こんなやさぐれ気分の時はどうするか?
癒しですよ。い・や・し!!

愛しの佐野史郎さまがうーーんと昔に監督された『カラオケ』なる映画を、癒しを求めて初(!)鑑賞です。

あらすじ・・・
生まれ育った町で、平凡な毎日を送る児玉。
中学生の息子はただ今反抗期の真っ只中で、家族の誰ともろくに口も利かない生意気っぷり。
そんな児玉の高校時代の親友・林が、何と20歳も年下の人気アイドルと電撃結婚して、児玉たち同級生は色めき立つ。
丁度その頃、学生時代に児玉や林たちのマドンナだった水谷が、離婚調停中で町に出戻っていたからさあ大変。
新妻を連れて帰郷していた林を巻き込んでの、初恋あり、焼けぼっくいあり、援交あり、変態ありの、悲喜こもごもの同窓会が、賑やかに始まろうとしていました・・・。


このブログでも何度か書いておりますが、日常生活でも「佐野史郎が好き」「佐野史郎が好き」と、昼夜を問わず言い続けているアガサ。
それだけ言い放していてもちっとも危機感を抱かない我が家の世帯主さまは、よっぽどアガサを信頼しているのか、はたまた“史郎”と言う存在を全否定しているのか、さて、どっちなのでしょう。
ヘイヘイ、そこのダンナ。
史郎のフェロモンを見くびらない方が身の為だぜ!
うっかり触ると、

・・・やけどするゼ!!・・ゼ・・ゼ・・・

で、そんなアガサのアイドル・佐野史郎さまが、ひっそりとメガフォンを執っていた 『カラオケ』 。
俳優・佐野史郎の与えるイメージからは想像も付かない、とても穏やかな作品なんですよ!奥さん!!
ただ、ハッキリ言えるのですが、「観る人を選ぶ」映画だと言う事もコレ事実。

主要人物は全員40代。
子もあり、家庭もあり、責任ある仕事もあるいい大人たちが、同窓会を開くことで一気に学生時代にタイムスリップしてしまいます。
そこは学生闘争や高度成長やビートルズやグループサウンズで、若者たちが生に満ち溢れていた時代。
ギックリ腰や反抗期の息子に悩まされていた体はそのままに、気持ちだけは淡い恋に身をやつしていた時代に放り込まれ、中年たちは大いに心を揺さぶられる事になるのです。

学生時代の実らなかった恋・・・。
何故別れたのか判らない恋・・・。
そう言う切ない想いは、今も昔も変わらないモノだとは思いますが、この作品でそれらの思い出は、主に60年代サウンズによって彩られています。
従って、カルメン・マキを知っている人にはジーンと来るシーンも、知らない人にはサッパリでしょうし、終盤に映し出される安保闘争のシーンも、若い人には「だからなに?」程のモノかも知れません。

狭苦しいカラオケボックス一室で、いい年こいたオッサンやオバハンが懐メロに興じあい、「初キスがどう」だの「誰と誰が付き合っていた」だのと言う、しょーもない話にすったもんだする。

それだけの話に思われても仕方ないかもしれません。
実際それだけの話ですし。(←暴言)
それに舞台となるのがカラオケボックスと言うのも、野暮ったさ全開です。
今風のオサレなカラオケ屋じゃなく、昔ながらの閉鎖的で壁が薄そうでカーペットが汚れていそうなカラオケ屋です。
そこに集うメンバーがまた、段田安則・黒田福美・美保純・野口五郎・島崎俊郎・柴田理恵そして佐野史郎ですから。
最近の小じゃれた邦画には無い、モッサリ感がここにはありますね。

しかし、そんなタイトルの野暮ったさや、加齢臭たっぷりのメンバーや、“監督・佐野史郎”の看板のキワモノ感に惑わされて、この作品の良さを見過ごすなかれ!!

郷愁を誘う美しい湖畔の風景をバックに、平凡な大人たちが学生時代さながら「好きだった人に肩が触れただけ」で顔を赤らめ、「好きだった人が違う誰かを見つめていた」だけで口を尖らせ、拗ねたり妬いたり焦がれたりして、そしてまた、現実の日々へと戻ってゆく・・・。

私たちは誰もが、今の生活に少なからず不満を抱え、逃げ場のない焦燥感に苛まれながら暮らしている事と思います。
「このままでいいのだろうか・・・」
「あの時こうしていたらどうなっていただろう・・・」
そんな風に、昔を振り返り、ほんの少し胸を締め付けられながら暮らしている私たちは、この作品を観た時きっと、登場人物の一人一人に共感している筈です。

現実からはそう簡単に逃避出来ないし、生活もそう簡単に捨てる事など出来ません。
この作品の登場人物たちも、ささやかな同窓会によって学生当時の熱い想いを甦らせるものの、どうなる訳でもなく、またいつもと同じ朝を迎えます。
しかし、たった一晩だけの「青春のやり直し」は、きっと彼らの心にちょっぴり残り、人生を見つ直す為のちょっぴりな糧になってゆくのではないでしょうか。

佐野史郎監督は、大人気ない大人たちのみっともない「やり直し」を、派手な盛り上がりや大袈裟な泣きのシーンに頼る事無く、温かい目線でのんびりと描いてくれました。

“小津安二郎好き”の面目躍如だね! やったね史郎!!

そして、そんな穏やかな作中に、さりげなく放り込まれた変態が一匹・・・。
玉袋筋太郎扮するゲイのストーカーが、主人公の生意気盛りな息子を付け回すエピソードが、本筋とあまり関係なく展開するのですが、実は作中でそのくだりが一番面白かったりします。
若干中途半端に終わってしまうエピソードだったのが、非常に消化不良かつ勿体無いのですが、お陰でちょっとまとも過ぎだった本作のキワモノっぽさが一気に跳ね上がり、史郎への愛も5割り増しです。
やっぱりアンタ、こっち側の人だったんだね・・

ステキな史郎のステキにこじんまりとしたいい作品ですので、何かの拍子にご覧になっても損は無いと思います。
特に、30代・40代以上の方には結構グっとくるやりとりに満ち溢れていますので、そちらの方にはさらにお奨めです。

さて、たっぷり癒しのパワーを貰ったので、アガサは残りのゴールデンウィークとやらを無事乗り切る事が出来そうですよ~。
次はまた血糊方面に復帰しようかな・・・。
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『ローズ・イン・タイドランド』

2007年04月29日
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よろしかったら、ここらで一押しいかがですか? 

あらすじ・・・
元ロックスターで今はジャンキーの父と、これまた骨の髄まで薬漬けの母を持つ、ジェライザ=ローズ・11歳。
ある日、とうとう母がドラッグの過剰摂取で他界。
やけっぱちの父と向かった荒野に建つ祖母の家。
しかし、その祖母もとっくの昔に他界。
廃墟と化した家で、とりあえず新生活を始めた父娘でしたが、何と引越し早々、肝心要の父までが過剰摂取で他界。
身内が全て他界してしまい、天涯孤独のローズは、そんな事実を信じたくなかったのか、はたまた信じていなかったのか・・・?
ともかく、親友の“首だけバービー4人衆”と共に、父親は「眠っているだけ」という事にした上で、ローズの孤独な新生活がスタートします。

話し相手は“首だけバービー”だけ。
食事は余り物のピーナツ・バターだけ。
と言う極限生活の最中、ローズは衝撃の隣人と遭遇します。
昔、蜂に刺された為に片目を失い今は精神が壊れ気味のデルと、その弟・ディケンズです。
ディケンズは、年齢はそこそこ行っていますが、幼少期に受けた転換の手術の影響で知能が10歳程度しかありません。
ダブルで精神が壊れ気味の隣人でしたが、ローズの精神もどっちかと言うと壊れ気味でしたので、そこはそれノープロブレム
どれだけデルに邪険にされようと、ディケンズと会話が噛み合わなかろうと、ローズは(自分に都合のいいように)脳内補完するので、幸せいっぱい夢いっぱい。
おまけに、知能レベルが大して変わらないディケンズとは、何だか微妙な恋モードまで盛り上がってきて、まさにローズはこの世の春でした。
しかし、「眠ったまま」の筈だった父から腐乱臭が漂い始め、それをデルに知られた事で、事態は一気に急転します。
実はデルと父は、昔恋人同士だったのです・・・!

絡み合う人間関係・・・。
その関係を繋ぎ合わせ、ローズは無事幸せを掴む事が出来るのでしょうか・・・?


マズイっすよ!

マズイっすよねぇ!!


小児性愛の臭いが、プンプンしやがるっすよ!!
そうだそうだ、おまわりさん呼ばなきゃ!

おまわりさーん、ここっすよー!!
逮捕するなら今っすよー!!


すみません、動揺の余り、「っす」だらけになってしまいました。

この『ローズ・イン・タイドランド』、何でもステキなファンタジー文学が元ネタなんだそうなのですが、そちらもこんなに際どいキーワード満載なのでしょうか?

薬物中毒」「育児放棄」「児童虐待」「小児性愛」「死体愛好」などなど・・・マジックワードの大連発で、観ているコチラはまるで地雷だらけの荒野を歩く竹内海南江のような気持ちになってしまって世界ふしぎ発見!!(←意味なし)

その一歩を、踏み出しかけては引き戻し、また踏み出しかけては引き戻し、と、「これ以上移したらマズイっすよ」と言うカットの寸前で踏み止まられる際どいシーンたち。

ダメだよ。
それ以上進んで地雷(映倫)を踏んだりした日にゃあ、公開禁止だよ。
『ロスト・イン・ラ・マンチャ』の二の舞だよ。

と、思わずアドバイスしたくなるような、ギリギリのシーンがどこまでも続きます。

「いくら知能レベルは10歳程度だっつっても、この歳の差まマズイでしょ」と言うキスシーンが、1度ならず2度3度4度5度・・・。
私も決して、モラルがどうとかこうとか言う小うるさい観客では無い(寛容な客)のつもりなのですが、このキスシーンには、その影にうごめくオヤジのロリコン魂が見え隠れするのですよねぇ。

ええい! この変態め!!
と一思いに言ってしまえたなら、そんなに気が楽になるだろうか。
ねぇ、言ってもイイかなぁ?テリー・ギリアムさん。

この作品のマジックワードたちを、より危険に魅せているのが、主人公のローズを演じる、ジョデル・フェルランドの無邪気な妖艶さです。
ジャンキーの両親にテキトーに育てられたローズは、「性」と言うもののなんたるかも知らずに、本能のままにディケンズと恋に落ちます。
いや、本当はそれは恋などではなく、ただのごっこ遊びでしかなかったのかもしれません。
しかし、おつむの足りないディケンズを、むしろ年上の姉御のようにリードするローズは、僅かに伏せた睫と言い、さりげなく顎にあてた指先と言い、若手フェロモン女優ナンバー1のスカーレット・ヨハンソンに匹敵するような色香を、端々に漂わせています。

ローズの約3倍歳を重ねているアガサなのに、どうやっても太刀打ち出来ない妖艶さです。
自分の色香は、いったいどこに置いて来てしまったんだろう・・・と、アガサの失はれたフェロモンに思いを馳せてしまいました。
そうか・・・。
元々の含有量の違いか・・・。


フェロモンはさておき、他にその首をベッドサイドにさらされ、ローズに指で弾かれるバービー達の異様さだとか、ディケンズの悪意無き悪戯による大列車事故とか、なんとも居心地の悪い悪夢を観ている様な、非常に気分の悪い作品でした。
日本はともかく、よくこんなもの(←失言)が欧米で公開出来ましたね。
それとも外国の方には、コレがファンタジー(もしくは淡い恋)に観えたのでしょうか。
不思議です。
世の中には、まだまだ不思議がいっぱいなんですね。
と言う訳で、やっぱり世界ふしぎ発見!!

ちなみに、ラストは微妙にハッピーエンドですので、後味は意外と悪くありませんでした。
画面の1シーン1シーンも、素晴らしく完成された絵画のようで、美術好きな方には「たまらん」かもしれませんね。

世の男性諸君の皆さんの方々はコレを観てどんな感想を持たれるのか、ちょいちょい気になったアガサでした。
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『ハンニバル・ライジング』

2007年04月26日
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よろしかったら、ここらで一押しいかがですか? 

何とアガサの今年初・映画館でございます。
記念すべき、劇場鑑賞第1本目が『ハンニバル・ライジング』・・・。
本当は、先週レイトショーでやっていた『プレスリーVSミイラ男』の方が、数百倍観たかった・・(モゴモゴ) いや、そちらも面白そうだったのですが、結局こちらを観に行く事が出来ました。
まぁ、いずれにしても、敵に不足なし!!
今回もネタバレ全開レビューで、お送りしたいと思います。

あらすじ・・・
貴族の血を引く、レクター家の皆さんがおりました。
平和に、何不自由なく暮していた一家でしたが、第2次大戦の余波によるドイツ軍やソビエト軍の乱暴狼藉を避ける為、森の中の別荘に避難します。
しかし、そこにも間もなく戦火が飛び火し、頼もしい父も優しい母も巻き添えになって死んでしまいました。
幼い妹・ミーシャと共に、残り僅かな食料を分け合っていた兄・ハンニバルでしたが、ある日薄汚いドイツ軍の残党が押し寄せ、幼い兄妹は捕虜になってしまいます。
厳しさを増す冬の寒さと、一向に収まらない戦火のせいで、薄汚いドイツ軍たちは餓えに喘いでいました。
そしてついに、奴らは踏み越えてはいけない一線を、軽々と踏み越えてしまうのです・・・。

時は流れて8年後。
すっかり大柄に成長したハンニバルは、ソビエトの戦争孤児収容所から脱走し、フランスにいる筈の叔父の家を訪ねます。
しかし、頼みの綱の叔父は既に他界。
ハンニバルを受け入れてくれたのは、美しき未亡人のレディ・ムラサキだったのでした。
教養もあり、武術の素養もあり、生け花などもたしなむ、スーパー未亡人レディ・ムラサキから、ありとあらゆる帝王学を叩き込まれ、ハンニバルはどんどん逞しく育って行きます。
しかし、そんなハンニバルも8年前自分の身に起きた、愛するミーシャとの別れの瞬間だけは思い出すことが出来ず、漠然とした悪夢に夜な夜なうなされる毎日でした。
うなされついでに、ムカついた市場の肉屋を3枚おろしにするハンニバル。
別に大したきっかけは無かったのですが、どうやら猟奇な自分に目覚めたようです。
しかも、冷静沈着でスカした態度をとっている割には、肝心の死体の始末をレディ・ムラサキに手伝って貰う有様。

どうした!
それでも世界で最も邪悪な一族の末裔か?!
(一族全員邪悪だった訳ではない)

年齢不詳の顔つきをしたハンニバルも、聞くところによると史上最年少で医大に入学したらしく、大好きな死体いじり大好きな死体スケッチ大好きな死体収集大好きな死体装飾やその他モロモロ大好きな死体関係に余念が無いご様子。
その一方、忙しい学業の合間を縫って、自分の悪夢の根源である森の中の別荘を再訪し、そこで愛するミーシャを奪った憎っくき奴らの認識票を見つけたハンニバル。
敵の本名を手に入れて、いよいよ復讐開始です。

まずは丁度その別荘に、ハンニバルの様子を探りに来ていた《悪党1》を捕らえ、仲間の情報を聞き出した後、首カット&調理開始。
て、もう食べるんかーーーーい!!!
早急過ぎやしませんか?
もうメインディッシュですか?
・・・えげつない食欲ですね。(汗)

小腹がいっぱいになった後はフランスに戻り、レディ・ムラサキの制止の声にも耳を貸さず、ひたすら復讐の日々に邁進するハンニバル。
《悪党2》、《悪党3》をも仕留め、いよいよ悪党のリーダー・グルータスの元に向かいます。
実は、ハンニバルの凶行を阻止する為、一足早くレディ・ムラサキを拉致していたグルータスでしたが、怒ったハンニバルの力を甘く見ていたせいで、あっという間に切り刻まれる羽目に。
虫の息のグルータスを、慈悲の心で助けるよう示唆するレディ・ムラサキ。
しかし、復讐心に燃えるハンニバルは、8年越しの宿敵を前に怒りで我を忘れているのか、全く聞く耳を持ちません。
と言うか、今回レディ・ムラサキは何度ハンニバルに物申してみても、のれんに腕押し、豆腐にかすがい、ぬかに釘。
各地では、ムラサキ夫人の必要性に疑問の声が多数寄せられています!!
それでは呼んでみましょう、

現場の長谷川さーん!!

・・・長谷川さんて誰やねん!!
(←若干ヤケ気味)


フラレ気分でアイウォンチューのレディ・ムラサキは、「アンタとはもうようやっていかんわ!」とばかりにハンニバルを捨てて、警察に出頭。
置き去りにされた為に、何となくフラレた感じになってしまったハンニバルも、「失恋の痛みはドカ食いで晴らす」とばかりにグルータスの頬肉に喰らい付くのでした。

それから数ヵ月後。
遥かカナダの地で、剥製屋を営んでいた《悪党5》の元を、一人の若者が訪ねていました。
若者の名はハンニバル。
怪物はついに海を渡り、その栄華を極める事になるのです・・・。


まずは一言言わせて頂きますね。
トマス・ハリスもアンソニー・ホプキンスもディノ・デ・ラウレンティスも、
みんなもうそろそろ、ハンニバルから距離置いた方がいいと思うよ。

『羊たちの沈黙』が余りに素晴らしく、その中のレクター博士が余りに魅力的だったのが、全ての悪夢の始まりでした。
“こんな美味しいキャラクターを、このまま放っておく手は無い”と言う、汚い大人たちの陰謀が渦巻き、続編が作られ、さらに過去に映画化された作品まで作り直し、それでも飽き足らず今度はレクター(怪物)誕生秘話まで・・・。

もう、いいんじゃないのですか?

やればやるほど、オリジナルに傷が付く。 と言う定説を見事に立証する続編の数々。
ハンニバルがブヨブヨと肥え、オリジナルのクラリスが脱退しても尚、撮り続けられたその作品群は、決して『羊たちの沈黙』を越える事は出来ず、むしろオリジナルのファンにフラストレーション(こんな筈じゃなかったのに・・・と言う)を与えてくれたのでした。
そしてついに、原作者自身がペンを執り、みんなが知りたかった“ハンニバル・カニバル”のルーツを辿る事に・・・。

え?知らなくてもよかった?
またまたぁ。ホントは知りたかったのでしょう?
そうだと言ってくれ。・゚・(*ノД`*)・゚・。

みんなの心からの希望に応えて、原作者が用意してくれた回答によると、
可愛げのない肉食オヤジ・ハンニバルは、実は幼い頃目の前で、愛する妹を飢えた鬼畜ヤロウたちに喰われると言う体験をしていたそうな。
この作品に出て来るミーシャの可愛い事と言ったら、キグルミのお2人がただのタラコに見えてくる程です。
おーい、そのタラコ邪魔だからどっか除けてくれ。
てなものです。
しかし、その可愛さがより、その後のミーシャに襲い掛かる残酷すぎる運命を際立たせ、それは到底直視できるようなシロモノではありませんでした。
さすがに直接表現は出て来ませんでしたが、本気で怯えるミーシャの泣き顔を見ただけで、私は胸が苦しくて耐えられませんでした。
何の罪も無い、まだ誰かの庇護の下でないと生きても行かれないような幼子が、どうしてこんなむごい目に遭わないければならなかったのか・・・。

原作では、前作『ハンニバル』の時点でそういった(幼い妹が喰われた)記載がありましたし、今作の原作でもそれは、事細かに描かれていました。
しかし、文章で読むのと、実際に眼で“天使の様に儚げで可愛らしい少女”が、屈強の男たちに手首を掴まれて、もがきながら連れ出されるシーンを観るのとでは、私の心の受け入れモードはかなり開きがあったようですね。
もうとにかく、つらくて観ていられませんでした。

そして、そんな悲惨な過去を経た為に、ハンニバル・レクターくんが豹変したと言う内容のはずなのに、肝心なレクターくんの変化が今ひとつ判りづらい。
だって青年になってからは、いきなりエンジン全開なんですもの。
何の躊躇も無く、汚い口を叩いた肉屋を処刑。
警察相手に丁々発止の受け答えをして、その後も常に相手の先を行く知能プレーで、憎い悪党どもを殺しまくっては、ちょいちょいお肉を頂戴する。
Q・ 憎い敵たちが妹の肉を喰らった事を知っていながら、どうして自分まで人の肉を食べる事が出来るのか・・?
A. えーっと・・、何となく美味しそうだったから。

そんな感じなのです。

復讐”“見せしめ”といった意味もあるのでしょうが、この作品だけを観ると“元々好きだったから”のように思えて仕方ありませんでした。
それは、原作を読んだ時にも感じた事でもあります。
怪物は、生まれもっての怪物だったのです。 ・・・きっと。

かくして、レクターありきの物語は、過去(少年期)をさらけ出し、噂によるとさらにその後の物語(青年期?)まで、原作者や製作者の視野に入れられて、まだまだ続いて行きそうです。
正直、『羊たちの沈黙』だけで終わっていたら、(レクターは)どんなにか神憑った存在で居たのだろうか・・・と思わずにはいられない、縁縁続くカーテンコールの様なレクター・シリーズですが、それでも結局、また観てしまうのだと思います。

やはり、レクターと言う希代の怪物が発する怪しい魅力からは、誰も離れる事が出来ないのかもしれませんね。

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『イーオン・フラックス』

2007年04月23日
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ゴメン、シサンドラ。 ・・・私も正直、その「足→手」交換はどうかと思う。


先日観た『トゥモロー・ワールド』に引き続き本作でも、人類へのウィルスアタックの設定は、残り3~4年に・・。

アガサが40才の大台に突入するのを待たずに、全人類の99%は死滅してしまうのですね。(あくまで設定上
と言う事は、その先の50才での“夫婦50割引”も、そのまた先の60才での“シニア割引”も、夢のまた夢って訳ですか・・。

アガサが現役高校生の頃には、“高校生友情プライス”制度も無かった事だし・・。

何だよ何だよ!!アガサに割引制度は、テコでも使わせねぇってのかい?!
そうそう水曜日にばっかり、映画なんて行けないんだよ!


コ ン チ ク シ ョ ー!!(`Д´#)ノ


・ ・ ・ 

・ ・
 

。・゚・(*ノД`*)・゚・。ショー・・ショー・・・ショー・・・・

・・気を取り直しまして、
まぁ確かに、最近のニュースやなんかを見ていると、50年と言わず残り20年くらいで、僕らの地球は一気呵成に沈んで行くんじゃないかと言う気もしないではないのですが、それにしてもここ最近の近未来モノは、設定に容赦が無いですよね。
きっともっと、この地球が抱える切実な問題に耳を傾けよ。と言う事なんでしょう。
でも一番耳を傾けて貰わないといけないのは、合衆国大統領なのではないかと思いますが。

どうでしょう、その辺り一転集中攻撃と言う事で、ホワイトハウス内のテレビを『トゥモロー・ワールド』で電波ジャックしてみると言うのは。
それじゃあ色気が足りないので、ブッシュが喰い付かない?
では、この『イーオン・フラックス』ならいかがでしょう?
オスカー女優シャーリーズ・セロンが、全編ほぼ全身タイツで繰り広げる大熱演に、大統領も副大統領も補佐官も事務官も、みーんなテレビの前に釘付け間違いなし!

・・とまぁ、そんな経緯から作られた(うそです) 『イーオン・フラックス』 を鑑賞しました。

あらすじ・・・
2011年、世界はウィルスにより全人口の99%を失っていました。
その後、トレヴァー・グッドチャイルドという科学者が発明した治療薬のお陰で生き残った人々は、ブレーニャという最後の都市へ移り住み、以後400年に渡り、平和に暮していました・・・。表面上は。

2415年、やんわりとした独裁政治を続けるグッドチャイルド家に対抗する反政府組織・モニカンは、ついにグッドチャイルド家のリーダー・トレヴァーのお命を頂戴する計画に着手します。
特命を受けたのは、モニカンの中でも一番のやり手であるイーオン。
政府施設への侵入に成功し、見事トレヴァーの目の前に銃を突きつけたイーオンでしたが、その瞬間奇妙な感覚に襲われます。
・・・私はこの人を知っている・・。
そして、トレヴァーもまた、イーオンの顔を見て驚愕の表情を浮かべます。

2人の間には、一体どんな謎が隠されているのでしょうか・・?
そして、最後の理想郷・ブレーニャが抱える秘密とは・・・?


何を隠そう、強い女好きで(友人からは)有名なアガサですので、この作品を観終わった直後はイーオンの真似をしたくてウズウズしてしまいました。
でも、私が真似したらすなわちそれは犯罪行為なんですよね。
この“イーオン特別仕様・全身タイツ”で一歩屋外に踏み出したら、その時点で速攻逮捕・送検です。
罪名は「迷惑防止条例違反」になると思われます。
すみませんが、このブログを読んで下さっている方で腕利きの弁護士さんがいらっしゃいましたら、早急にご一報下さいますようお願い申し上げます。

・・・というか、これはシャーリーズ・セロンだから何とか成立した一本であって、他の誰かだったら間違いなくキワモノ転落でしたね。
いや、シャーリーズでさえところどころでは微妙な箇所もありましたから。

この作品の中で、“最後の楽園”とされているブレーニャは、何故か和風(アジア風)の装飾品に満ち溢れており、もしかしたらブレーニャがあるのは、日本(だった場所)の中と言う裏設定があったのかもしれませんね。

・・・だからだったのでしょうか?
イーオンの後姿に、ワカメちゃん(サザエさん)を感じたのは・・。
・・・だからだったのでしょうか?
イーオンの部屋着に、東野幸治(放課後電磁波クラブ)を感じたのは・・。

うん・・違うよね、きっと。

まぁ、ひがしのりはさて置き、世界の恋人シャーリーズを以ってしても、限りなくキワモノに近かったイーオンの服装。
これをイヤだと言わなかったシャーリーズは、自身の役者根性を無駄に消費している様な気がしてなりません。
同じく、念願のオスカーを手にした直後に、変なネコのコスプレで変なVFXアクションに挑戦して、自ら演技派の看板をドブに投げ入れたハル・ベリーの背中を、よく見て考えて欲しいところです。

衣装(タイツ)問題はそれくらいにしておき、肝心のストーリーのオチはと言いますと、
2011年に人類を救ったトレヴァーとその弟は、原因不明の世界的不妊が続いていた為、以来400年に渡りクローン技術で以って人類を存続させ続けていた。
しかし、トレヴァーのあくなき研究心が実を結び、400年目にして見事自然妊娠の発生に成功。
ところが、クローン技術によって、永遠に自分であり続けられる事に固執する小ズルイ弟が、“自然妊娠派”の兄・トレヴァー抹殺を計画。
クローン再生する前の人生で、実はラブラブ夫婦だったイーオンとトレヴァーは意気投合し、ウザイ弟をやっつけてめでたしめでたし。

という事だそうなのですが、思わせぶりな回想シーンがチョイチョイ入ってきたり、グッドチャイルド兄弟の中途半端な支配者っぷりが目障りだったり、登場人物が度々瞬間移動(としか思えない行動)をしてみたり、“モニカン”の司令塔・ハンドラーの正体が結局よく判らなかったりと、(製作者側が)雰囲気だけで乗り切ろうとしているフシが見受けられます。

そんなこんなで、観終わってもなんだかスッキリしない・・と言うそこのアナタ!
要するに、
「クローンな俺が、大好きだぜ!!」
と言うロックな弟が、生まれ来る赤子を殺しまくると言うダミアンも真っ青の鬼畜な大殺戮を繰り広げる近未来ホラー。
だったのだ、と思ってはいかがでしょう?

・・・少しスッキリしてきましたか?

この作品、実は
クローン化してまで生きながらえる事が、果たして本当の人類の歩みと言えるのだろうか?
定められた生涯を全うしてその後淘汰してゆくなら、それが人類の歩むべき道なのではないか?

と言う、今現在の私達の行く末をも考えさせられるような、真面目なメッセージを含んだ良作になる筈ハズだったのだと思うのですが、生憎チャーリーズ・セロンの全身タイツ効果の威力が抜群すぎて、観終わっても「チャ-リーズ、ええ体やったなぁ」と言う直球勝負のメッセージしか残りませんでした。
これでは、折角ホワイトハウスで流しても、
「イーオンのタイツ・・ええですなぁ」
「せやなぁ、たまらんなぁ」

と、ブッシュとチェイニーがオヤジトークで盛り上がる為のネタにしかなりません。

人類の未来をも示唆する壮大な話が、アホ兄弟による女がらみの内輪もめというスケールの小さい話に終わってしまった・・・。
勿体無い事です。

勿体無いと言えば、イーオンのパートナーであるシサンドラの扱いも、随分勿体無かったですね。
“足の先が手”という、美味しさ満点の見た目を活かして、さぞかし大活躍・・・ なんだと思っていたのですが、物語の途中から池に沈められたシサンドラさんは、結局ラスト近くまでそのままの状態で、プカプカしていました。
まぁ、それも美味しいと言えば美味しいのでしょうが、あくまで芸人的なオイシサですよね・・・。

でも、キライじゃない・・・
キライじゃないよ・・ アンタの事・・!
チャーリズ・セロンの思わぬ強敵・シサンドラさんの勇姿を、どうか忘れないで頂いたい・・。そんな切なる思いでいっぱいになったアガサだったのでした。
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『ツールボックス・マーダー』

2007年04月22日
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2回落ちました。(夢の世界へ)


あらすじ・・・
元教師のネルは、インターンの夫スティーブンと共に、古びたホテルに引っ越して来ました。
そのホテルは昔、ラスマンと言う金持ちが若き俳優の卵たちの為に立てた、由緒あるホテルでしたが、今ではただのボロいビル。
新規のお客さん獲得に向けて、ただ今全館改装の真っ只中です。

改装中の特典として、格安で部屋を借りたネルたちでしたが、引越し早々から身の回りで怪現象が相次ぎます。
消える住人・・・。
どこからともなく聞こえるトンカチの音・・・。
壁の隙間に隠されていた、見知らぬ誰かの歯・・・。
ホテルのあちこちに描かれている、奇妙なマーク・・・。

このホテルには、一体どんな秘密が隠されているのでしょうか・・・?
そして、ネルたちの運命やいかに・・?



全国の“血に飢えたお友達”の心の友である、『悪魔のいけにえ』。
かの作品が、あんなにグロテスクで、あんなに不快で、あんなにキレまくっていたのは、スタッフやキャストの力が最高に噛み合って成し得た、いわゆる一つの奇跡だったのかもしれませんね。
あの作品より後にも先にも、あれ程人の気持ちを不安にさせるホラー作品にはお目にかかっていない事から考えても、やはりそうなのかもしれません。
あるいは、私たちが期待しすぎているのでしょうか・・。
アレを越える作品が、もしかしたら存在するかも、と・・・。
特に、産みの親トビー・フーパーなら尚のこと、本気を出したらどエライ事になるかも、と・・・。

そう言った先入観(と言うか期待感)を除外すれば、トビー・フーパー監督最新作の『ツールボックス・マーダー』も、そんなに酷い出来ではないと思います。
少々テンポはゆるいですが、趣向を凝らしたマーダー・ショーは、昔ながらの職人さんの手業がキラリと光り、見応え充分グロさ満載です。
ポーの怪奇小説を読むような、ジワリとした恐怖溢れるストーリーと、おぞましい宿命を背負った殺人鬼の謎は、きっと観ている者の心に深い余韻を残す事でしょう・・。


・・・と、こんな感じでキレイに終わろうかと思いましたが、やっぱりそれでは済まされんのですわい!
だってヌルいんだもん!!(展開が)

あまりの展開のヌルさから睡魔に負けてしまったアガサは、2度までも巻き戻しの屈辱を味わってしまいました。

物語のあちこちに意味ありげに差し出されるエピソードが、見事なまでに消化不良。
ホテルに巣食う怪人・ラスマンの正体も、早い時点で判ってしまい、その後のミスリードに期待を掛けるものの結局何のヒネリも無く、そのままズバリ、怪人でした!! ・・テヘ!!って・・

何がテヘじゃい!!

突如現れては、核心を突くセリフを吐く登場人物たち。
ラスマンの秘められた過去や、ホテルの秘められた内部構造などを、次々とヒロインに耳打ちしてくれます。

秘められてないな・・こりゃ。

ヒロイン・ネルはそれらの有力情報を片手に、家主に内緒で“ネルの建もの探訪”開始です。
ほほぅ、この隠れ拷問部屋は、ご主人がお一人で改装なさった?
こだわりの階段スペースは、段を上らずとも手すりを蔦って這い上がれる親切設計なんだそう・・
ぉほーぅ! ・・これは気持ちよさそうなルーフですねぇ。ロッキングチェアが特にイイ!
このミイラ化した室内装飾の数々は、さぞかし手間がかかった事でしょうねぇ・・

なんなら今度一度、渡辺篤史さんにも来て貰おうか?

オチを思いっきりハッキリ書きますと、
黒魔術に凝っていたラスマンが、ホテル中に書き記したマークは魔術に使うもので、全部集めると呪文になるのだ!
ラスマンは地道な日曜大工でホテルの中に2重構造の隠し部屋を作り、そこでさらって来たホテルの住人を、魔術のいけにえに使っていたのだ!
ちなみにラスマンは、謎の病原菌に侵されているせいで不死身になってしまい、死にたくても死ねない可哀想なご老人でもあるのだ!

と言う事なのですが、
全部集めると呪文になるのだ!→全部集めたかどうかハッキリしない。集めていたとしても、何の呪文だか判らない。
魔術のいけにえに使っていたのだ!→さらって来る住人の数、多すぎ。殺し方も派手過ぎ。警官、気付かな過ぎ。
謎の病原菌に侵されているせいで→メイキングで言及されているだけの“裏設定”。本編では、ラスマンが何やら注射をしているシーンがあるものの、説明不足でなんのことやらサッパリ。

おまけに、最後に抜き打ちでラスマンに襲われたネルが、咄嗟に掲げた腕に魔術のマークを描いていたお陰で、九死に一生を得るシーンがあるのですが、ネルがメモ代わりで腕にたまたま描いていたマークにどんな意味があったのかが判らないままなので、ラスマンがそのマークを見て何故怯えたのかも、皆目検討が付きません。

何もかもが良く判らないまま、不死身のラスマンがひっそりと闇の中に消えて行くエンディング。
イヤイヤご主人!Σ(゚ロ゚;)
・・そんな消えて行かれてもねぇ。
・・・わたくしどもと致しましても、・・ねぇ・・。


続編作りたいったって、そうはこのアガサの問屋が手形の不渡りで取引停止処分になり民事再生法の適用を求めて裁判所に申し立てを行い・・
・・要は問屋が卸さないって事だわよ!!(ゼェゼェ)

この作品、そんなにヒットしたとも思えませんし、そもそも昔のカルト作品のリメイクだそうですから、もう2度と大工怪人・ラスマンにお目にかかる事は無いかと思います。
せっかく、殺しのバリエーションも豊富で、フットワークも軽く、テレポーテーション能力も完備していて、その上DIYが得意、と才能溢れる怪人だったのに、これっきりと言うのは少し惜しい気もしますが・・。
まぁ、これくらいレベルの怪人なら、今後も他の作品でボチボチ出現してくれるでしょうし。
所詮、怪人の代わりなんてごまんと居るんだよ!!と言う事ですね。
雇用問題というのは、どこの世界に於いても厳しいものです。

怖い怖い。
まんじゅう怖い。

おあとがよろしいようで・・。
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