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『ヘルレイザー 3』

2006年12月30日
 前作(2作目)のおさらい・・・ 
衝撃!チャタラーは美少年だった!!
1作目の生き残り・カースティが、地獄送りにされたであろう父親を助ける為、地獄入り。
1作目で男どもを血祭りに上げていた・ジュリアも、訳あって地獄入り。
1作目では最後まで皮無しだった・フランクは、めでたく皮付きで地獄入り。でも、皮があると誰なのか判らない。
1作目で華々しくデビューを飾った魔道士(セノバイト)たちの、超豪華・(人間時代の)お宝ピンナップ付き地獄映像。
見所満載のお正月特大号は、現在好評発売中! 


・・・こういうのって、何ヶ月か後に読むとサッパリ訳が判らなくなるんですよね・・・。
一応駄目押しで書いておこう!
コレを書いている今日は、12月30日!
お正月まで、あと1日!


このままで行くと、年越しが『ヘル・レイザー一挙上映』ですけど、・・なにか?  

自暴自棄な気分であらすじ・・・
前作で人間の心に目覚め、無事成仏していたかに思われていたピンヘッドは、実は2つに分かれていただけでした。

人間の清らかな心を持つ・エリオット(ピンヘッド)と、欲望と邪悪な心の塊・ピンヘッド(エリオット)
“悪そなヤツは大体トモダチ”ピンヘッドは、自分が封じ込められている石柱から抜け出し、復活を果たそうと、見るからに悪そうな裏社会の若き実力者・JPを誘惑し、人間の生き血を確保させるのでした。
一方、ピンヘッドの存在のせいで、なかなか成仏出来ないエリオットは、若く美しいTVリポーターのジョーイに目を付けます。
彼女が見ている夢の中に颯爽と現れたエリックは、お花畑の中で彼女にプロポーズ
じゃなかった、協力を仰ぎます。
何でもエリックは、夢の中では最強らしいので、ジョーイピンヘッドを自分の夢の中に連れ込む事さえ出来れば、ピンヘッドを退治出来ると言うのです。
しかし、キーとなるのは、彼女がたまたま手に入れていたパズルボックス
もし、それをピンヘッドが手に入れる事になると、反対にエリオットが退治されてしまうそうです。

そんな裏事情はさて置き、思惑通りの復活を遂げたピンヘッドは、復活の手助けをしてくれたJPJPの元カノ・ティナを魔道士業にスカウト。
他にもジョーイに密かな思いを寄せていたカメラマンや、クラブのDJも手塩にかけてリメイクし、立派な新・魔道士軍団の出来上がりです。
大変残念なのですが、今回チャタラーやフィーメールは登場しないようです。
苦楽を共にして来た仲間達だったのに・・・。
そして、新たに編成された魔道士軍団のビジュアルは、絶望的なセンスの無さなのであります(涙)。


エリックの指示を得て、ピンヘッドを誘い出そうとするジョーイ
しかし、逆に新・魔道士軍団に挟み討ちに遭い、絶体絶命です。
ここでパズルボックスを持っていた事を思い出したジョーイは、メチャクチャにパズルボックスをいじり倒し、何とか愉快な魔道士仲間を消し去る事に成功します。
全てが終わったと思ったジョーイでしたが、ピンヘッドに出し抜かれ、パズルボックスを奪われてしまいます。
エリック、絶体絶命!

しかし、実はそこはすでにジョーイの夢の中。
自称最強男・エリックとの死闘の末、二人の体は同化し、パズルボックスに再び封印されるのでした。


爆発2倍!
血糊も2倍!
死人の数も2バーイ2バーイ!!


と、書いてみて、今日びの若者は“高見山”も「丸八真綿の2バーイ2バーイ」も知らないだろうと言う事に気付きました。
・・・知らないおともだちは、お父さんやお母さんに聞いてみてネ!

とにかく、無意味な殺生や爆破がてんこ盛りだった今回。
いくら続編のさだめとは言え、ちとやり過ぎではないかと・・。
復活したピンヘッドは、クラブでドンちゃん騒ぎをしていた若者たちを皆殺し。
その数、100人は下らないでしょう。
新・魔道士軍団から必死に逃げるジョーイの周りで、街中が火に包まれます。
予算の掛け所、間違えたんじゃないですか?

唯一の見所と言えるのは、ピンヘッド(エリック)がほぼ出ずっぱりだった事。
柱の中から顔だけ突き出して、うら若き男女のイチャイチャモチャモチャを無表情でノゾキ見するピンヘッド。
ノゾキ、イクナイ!!
実はムッツリだったピンヘッド! 世界・不思議発見!!

“夢の中”と言うキーワードを全編に押し流したお陰で、もう一人の“自称・夢だけ番長”と限りなくゴッチャになってしまいました。
“容赦ない殺戮っぷり”は、もう一人の“最終兵器・彼氏”と紛らわしい事この上なしですし・・。

もう、シマシマセーターにすんのかホッケーマスクにすんのか、どっちなんだい!!

このシリーズの行方に、一抹の不安が過ぎった3作目でした。
そして果たして私は、この路線のまま新年を迎えていいものか、そこもまた不安になってきました。
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『ヘルレイザー 2』

2006年12月29日
 前作(1作目)のおさらい・・・ 
“扉を開けば、契約成立”
その強引な加入の手引きで、かねてから経営方針を疑問視する声が高かった《魔道士の会》
「そんなつもりで開けたんじゃなかったんです」
という言い訳に対し、
「そんなん言われましてもねぇ、開けたのはアナタ事実なんですから、当方としましてもコレ振り込んでいただくものは振り込んでいただかないと」
と、訳の判らない理屈で訳の判らない請求書を受け取る羽目になる、どっかの詐欺集団みたいな《魔道士の会》が、今回目を付けたのはカースティという少女。
つらい過去を背負うカースティに対し執拗に加入を迫る彼らは、以前に加入していたものの、無断で退会しようとしていたカースティの叔父・フランクを偶然発見。
無断退会の罰を存分に教え込ませるのですが、その間にカースティを逃してしまうのでした。


前作を観てから、結構時間が空いてしまいました。
でも、決して忘れてた訳じゃないんだよ・・ピンヘッドくん・・・。
君の事はいつだって、心の中に・・。
ピンヘッド・・フォーエバー・・・!
アホですか?
アホですね。

アホは承知で今回のあらすじ・・
前作の生き残り・カースティは、精神状態が不安定だった為に、とある病院に収容されていました。
凄惨な殺人現場のいきさつを刑事に聞かれるも、話す内容は「魔道士が・・」とか「パズルボックスが・・」とか、常軌を逸する事ばかりだった為、そのまま観察入院させられる事に。
みんなに“電波女”呼ばわりされたカースティは、それでも刑事に必死で「家にある、血のついたマットレスだけは直ぐ処分して!」と頼むのでした。
それを聞いていきり立っていたのは、誰あろう病院の責任者チャナード医師。
何を隠そう、彼は大のパズルボックスヲタだったのです。
警察から引き取ったマットレスを自宅に持ち帰り、自傷癖のある患者を早速マットレスの上に放置します。
勝手に自分を切り刻み始めた患者の血が、マットレスに染み込んだ途端、地獄の底からサックリ復活したのはジュリア
前作で、愛人だったズルむけフランクを復活させる為に尽力していた、80年代風悪女です。
復活を果たしたものの、やっぱりズルむけだったジュリアは、得意の流し目でチャナードを悩殺。
・・・悩殺される方もどうかと思いますが。
“オヤジ殺し”の異名は伊達じゃなかったジュリアにまんまと惚れ込み、ジュリアの皮復活の為に次々と患者を自宅に持ち帰るチャナード
前作で、ジュリアがあれだけ苦労していた生き血の確保を、あっさりとこなすチャナード。
やっぱり男は「先生」という肩書きが付くと、一気に権力とパワーの臭いが増すんですね。
女に「先生」が付いても、エロい臭いしかしないのに。


無事ジュリアを皮アリに戻した暴走特急・チャナードが次に取り掛かったのは、長年の夢である“パズルボックスを開ける事”。
その夢の為に、以前から病院に強制入院させていた、パズルマニアの少女・ティファニーを連れ出しますが、それを阻止しようと立ち上がった者がいました。
ジュリアの継娘、カースティです。
病院関係者の手引きで、チャナードの悪巧みを知ったカースティは、「これを機会に地獄に居るはずの父親を救出しよう」と言う密かな目的の元、チャナードの家に乗り込みます。
しかし、再会したジュリアにメタクソに殴られて気絶してしまった間に、パズルボックスは開かれ、チャナード&ジュリアの熟年カップルは、地獄巡りツアーに出発してしまいました。

一足遅れで地獄に到着したカースティの前に現れたのは、お馴染み魔道士軍団
「なんだかんだ言っても、やって欲しいんだろ~?究極の快楽を。」
と、しつこく付きまとうピンヘッドたちを振り切り、父親を探し回るカースティでしたが、やっと探し当てた声の先に居たのはセクハラ叔父さんのフランクでした。
前作で魔道士の元を逃げ出したフランクは、地獄に連れ戻された上、彼にとっては一番過酷な罰“女絶ち”を与えられていた為、身内を相手に欲望を満たそうと企んでいたのです。
しかし、貞操の危機にあったカースティを助けたのは、以外にも天敵・ジュリア
すっかり“地獄”のトリコになっていたジュリアは、地獄内での更なる地位向上の為、男たちを地獄を掌るリバイアサンとやらに捧げる作戦を立てていたのです。

チャナードもまた、リバイアサンに献上されていたのですが、彼の中の醜い欲望がスカウトの対象となり、見事new魔道士として生まれ変わっていました。
忘れかけていた目的“ティファニー奪還”を思い出し、偶然そのティファニーと再会したカースティ
新人魔道士・チャナードに追い回されて逃げ込んだ部屋に居たのは、先輩魔道士・ピンヘッド他3名でした。
馬鹿の一つ覚えのように「究極の快楽」を迫るピンヘッドたちに、カースティは一枚の写真を突きつけます。
チャナードの部屋のヲタファイルの中から抜き取っていたその写真は、なんとピンヘッドがまだ人間だった頃の写真。
その写真を見て、自分達が清らかな人間だった事を思い出したピンヘッドたちは、カースティを援護すべく立ち上がるのですが、毒気の抜けた魔道士は力も抜けてしまうのか、はたまた最初からヘタレだったのか、魔道士・チャナードの一撃で全滅してしまうのでした。

頼みの綱のピンヘッドが、すがすがしい顔で成仏してしまったカースティとティファニーは、魔道士・チャナードに追い詰められますが、自分の触手が床に刺さって抜けなくなった魔道士・チャナードを出し抜き、葬り去る事に成功。
無事、地獄からも生還するのでした。


前作で、そのインパクト大な外見にそぐわない活躍の無さだった、
ピンヘッド(頭じゅう釘だらけ)
フィメール(紅一点)
チャタラー(中島朋子似の口元が印象的)
バターボール(ただのデブ)
ですが、今回も結局ヘタレの上塗りで終わってしまいました。

いつになったら、魔道士の底力を見せてくれるのか?
それとも、これが彼らの精一杯なのでしょうか?
その点は次回に繰り越すとして、今回第2作目の見所は、なんと言っても地獄
ジュリア復活とかチャナード暴走とか、おいしいネタは数ありますが、壮大なスケールで描かれる地獄の風景は、とっても迷路でとっても悪夢でとってもロマンチックが止まりません。

よりディープな魔道士の世界を堪能出来る、幻想的な一本でした。
勿論、グロも1作目に負けない大放出で、実に優等生な続編と言えるのではないでしょうか。
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『嫌われ松子の一生』

2006年12月28日
20061226005521.jpg   オールスター


あなたは覚えていますか? “渋谷系”なる音楽を・・!
カーディガンズ、ピチカートファイヴ、フリッパーズ・ギター、ラヴ・タンバリンズ、スパイラル・ライフ、そしてカジ・ヒデキ・・・!
当時のロゴは、“カジ”の後ろが火がボーボーになっていたカジヒデキ
田舎の中学生のようだったカジヒデキ
彼は今でも半ズボンなんでしょうか?
今でも「カローラⅡに乗って~」と口ずさめる私は、果たしてマニアなのでしょうか?

そんな自問自答はさて置き、当時の若者たちは、ジャケットもオシャレ・サウンドもオシャレ・アーティストのファッションもオシャレ、オシャレオシャレのオサレ地獄に夢中になっていたものでした。

そんな“渋谷系”も全盛期を過ぎ、下火になりつつあった頃、最後の起爆剤として投下されたのがボニー・ピンク、略してボニピン
渋谷系北欧支店を支え続けた男、トーレ・ヨハンソンが満を持して世に放った最強ロックシンガーです。
予測の付かない複雑なメロディラインと、澄んだ歌声、ショッキングピンクのショートボブで、一気にオリーヴ少女のハートを鷲掴みにしたボニピン
私も大好きでした。

そんなボニピンが、久しぶりに表舞台に出て来たという。
どうやら歌もヒットしているらしい。
「どれどれ・・・」と歌番組を見ましたら、
・・・だ・誰?このキャバ嬢・・
違う・・・ 
私が知っていた中世的な魅力のボニピンは、こんなケバい艶女(アデージョ)じゃない・・!
ちょっと見ない間に、オリーヴ少女は大人の階段を登って、新宿一のキャバ嬢になっていたんですね・・・。
そんなボニピンが、一流トルコ嬢に扮した『嫌われ松子の一生』。
後味の悪さは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』並みです。

あらすじ・・
平凡な(筈だった)中学校教師・川尻松子の、
 盗難の濡れ衣を着せられ退職→家出
 同棲相手からのDV→相手が自殺
 不倫相手をストーキング→破局
 人気トルコ嬢になり→裏切ったヒモを殺害
 自殺を止めてくれた理髪店主と同棲→逮捕・投獄
 出所後美容師に→教え子と再会・同棲
 教え子はヤクザだった為投獄→出所を出迎えるが捨てられる
 自暴自棄になり引きこもり&過食→通りすがりの中学生にリンチに遭い、死亡
と言う、とっても濃い人生を振り返る、とっても明るいミュージカル。


やたらとどぎつい色調と、画面を彩る原色の花々、CGでヒラヒラと舞い踊る蝶や花びら、突如始まる陽気なミュージカル・シーン。
それらがこの、どん底ストーリーをすくい上げているのかと思いきや全然そんな事は無く、どこまで行ってもツイてない、どこまで行っても男運の無い、どこまで行っても不幸続きの松子の姿にコチラの気分もどん底です。

病弱な妹が居た為、幼い頃から両親の愛情に飢えていた松子。
成長してからも、“男”無しでは自分の存在理由が見出せないのは、そのせいなのでしょうか。
ロクデナシに尽くしては、たかられる・殴られる・捨てられる。
そしてまた新たなロクデナシへ・・。
非モテから見ると、「ふざけんじゃねぇコンチクショー」と言いたくなるような優良物件・松子ですので、本気で探せばもっといい相手が見つけられると思うのですが、わざわざガラクタばっかり捕まえてしまいます。
「いい女ほどダメ男を掴んでしまう」という恋愛暗黒法則を、体を張って証明してくれる松子。

よい子のみんなは絶対マネしちゃダメだよ!

物語の中で、「人生の価値って、人に何をしてもらったかじゃなく、人に何をしてあげたかで決まるんだよね」
という台詞があり、監督はこの台詞が気に入っていたのか(原作でも肝だったのか)、作中何度か繰り返されます。
しかし、私は「してあげる」と言う言葉が好きではありません。
「してあげる」「作ってあげる」「買ってあげる」・・。
“あげる”と言う言葉の裏には、常に表裏一体で“見返り”の影がチラつくように思えるからです。
「こんなにしてあげたんだから、私もしてもらえるハズ」
そう思うじゃないですか、普通。
で、見返りが無いから腹が立つ。
松子の献身的で盲目的な愛も、その裏に「これだけすれば私も愛されるハズ」という気持ちがあったのでしょう。
だから、男たちに裏切られる度に
「(あんなにしてあげたのに)どうして・・・!?」
と打ちのめされる松子。
ロクデナシな男たちの中でただ一人、ヤクザの元教え子だけは、松子の献身的な愛こそが“神の愛”だと、“自分を救ってくれる”のだと気付きますが、結局松子の愛に向き合うのではなく、愛ゆえに身を引く事を選びます。
・・・ダメじゃん。
しかもグーで殴るか?別れ際に。


自分の中に“愛されたい”という飢えがあった為に、その飢えを埋める為にダメ男を愛した松子。
最後の最後まで、その男たちからは愛を与えて貰える事がなかった彼女の飢えを満たしてくれたのは、結局家族の愛だけだったというのは、何とも悲しい結末ですね。
でも言い換えれば、家族からの愛で彼女自身が救われる事が出来たのですから、ハッピーエンドといえばそうなのかも知れませんが。

極彩色のミュージカルナンバーや、豪華出演者の皆さん、中谷美紀の美しさや、心を打つ「まげてのばして」に惑わされてはいけません。
こも作品の非情さは、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のそれに匹敵しているのです。多分確信犯的に。

そんな凄惨ミュージカルだった『嫌われ松子・・』ですが、ラストシーンで、生前誰からも「おかえり」と言われる事のなかった松子を、天国の入り口で彼女の妹が出迎えてくれます。
「お姉ちゃん、おかえり。」
「・・ただいま。」

そう応える松子の表情はとても幸せそうで、男に裏切られ、愛に飢え続けた人生がやっと満たされた瞬間に思えて、涙がこぼれました。

この救いが、監督の持つ優しさなんでしょうね。
・・ラースは確実に絶対零度の男でしょうが。

ちなみにボニピンは歌っていただけでした。
“渋谷系”からは程遠い姿でしたが、彼女の持つロックな魂はそのままだったような気がしました。








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『恋は邪魔者』

2006年12月24日
イヴだイヴだってなぁ・・・

サービス業にイヴもへったくれも無いんだよ!!

うちの世帯主さまの気持ちを、さりげなく代弁してみました。アガサです。

そんな一部の働きマンをよそに、世間はすっかりメリー・クリスマス。
あちらこちらで「メリー、メリー」と囁き合う恋人達にお勧めしたい、2大スター競演のラヴコメディ 『恋は邪魔者』 。
本当に邪魔者だらけの一本だったのでした。

あらすじ・・・
新進女流作家バーバラ・ノヴァク(レニー・ゼルウィガー)は、著書『恋は邪魔者』が大ベストセラーになり、一躍時の人に。
「女性に恋は不要」と説く、この本のあおりをモロに受けたのは、名うてのプレイボーイのキャッチャー・ブロック(ユアン・マクレガー)。
モテ男の絶頂から、一気に非モテへと転落してしまったキャッチャーは、モテ男の沽券に掛けて著者バーバラの陥落に乗り出します。

何も知らないバーバラはまんまとキャッチャーの手練手管にはまり、仕掛けたキャッチャーもまた、徐々にバーバラの事が気になり始めてしまいます。

2人の恋の行方は一体・・・?


画面を彩る、60年代風なワードローブの数々にウットリ。
ポップな色調の舞台美術は、オシャレな雑誌から抜け出たよう。
主役2人のコミカルな演技合戦も楽しい、ロマンチック・ラヴ・コメディ。

さて、これだけ映画的魅力に満ち溢れた本作の、どこに邪魔者が潜んでいたのかと言うと、
 2大トップスターのキャスティング。 
  (ノリノリの熱演は、×2になるとちょっとクドい)
 ウィットに富んだ台詞の応酬。
  (ノリノリの熱演は、何故だか観ているうちにだんだん居心地が悪くなってくる)
 オシャレでサプライズなハッピー・エンディング。
  (ノリノリの熱演なのに、観終わってみるとこれまた何とも形容しがたい居心地の悪さ。)


つまり、ユアン・マクレガーとレニ・ゼルウィガーと言う2人の芸達者が、張り切ってラブコメを体現しようとすればするほど、その不自然さが際立ってくるのです。
結果、観ている方は何とも言えない、不完全燃焼な気持ちに襲われてしまうのです。

しかし、「金返せ」と言う程つまらなかった訳でもありません。
画面を観ているだけで楽しい、セットや衣装。
いじり様ではいくらでも面白くなり得る設定。
主演二人の楽しさが感じられる演技合戦。
それらは“観た時間の無駄”とまでは言う気になれない良さがありました。
ただ、それ故に余計観ていて、なんだか座り心地の悪いくモゾモゾしてしまう様なヘマが目に付くのです。

まず“希代の大プレイボーイ”役のユアンが、新橋付近のサラリーマンにしか見えません。
女たちを虜にする“悩殺スマイル”も、IQが悪そうなマヌケ顔にしか見えませんし、今をときめく“メガネ男子”というトレンドを押さえた黒縁メガネを掛けていても、エルビス・コステロ風と言うよりはとろサーモンのボケ担当にしか見えません。  20061224163938.gif  ←参考資料


一方レニーにしても、カラフルな衣装が裏目に出て、もともとのマンガ顔がもはや笑える顔にまで見えてしまいます。
また、ラストにシャマラン君もびっくりの大どんでん返し(レニーの打ち明け話)があるのですが、そこに至るまでの演出がマズイせいで、
まあ、そうだったの?! レニーったらデキル女ね~!
というよりは
え~・・・?またまたそんなぁ・・ホントに思ってた?
と、年末に入って特番に出倒しては荒稼ぎしている細○数子に対するのと、同じくらいの不信感を持ってしまう始末。

そしてラストシーン。
愛する伴侶を得た2人は、夢と希望と共に大空に羽ばたきます。

たとえ話ではないですよ。
ホントに羽ばたいちゃってます。


“脱力”と言うのは、こういうのを言うのでしょうね。
勉強させて貰いました。

脱力のとどめは、エンドロールで突如始まる二人のオンステージ。
全盛期のルミ子と賢也のショーを見た人は、こんな気持ちを感じていたのでしょうか。
歌も上手いし息もピッタリ。なのにビミョー。
ステキ! と言えなくも無い。でもビミョー。

こんな事なら、もっと非の打ち所の無い位の“ダメ映画”を観た方が、スッキリ出来たかもしれませんね。
鑑賞後数日間は、ユアンの希代のまぬけ顔が目に焼きついて離れない事請け合いです。

まぁ、クリスマスと言うと気合入れまくって『タイタニック』とか観ちゃう人も居るかも知れませんが、これくらいの脱力映画を観るくらいが丁度いいのではないでしょうか。
「珍品を観てしまった・・」と言う変な連帯感で結ばれるかもしれませんし。



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『レジェンド 光と闇の伝説』

2006年12月22日
20061217231833.jpg  トムさま、当時33歳


リドリー・スコット。
その徹底した映像美へのこだわりから、人は彼を光と影の魔術師と呼びます。
希代のスター俳優・トム・クルーズを主役に作り上げたファンタジー大作『レジェンド』で、リドリーは一体どのような魔術を私達に魅せてくれるのでしょうか・・!

“劇的ビフォアーアフター”か!?

今にも所ジョージが出て来そうな書き出しをしてしまいましたが、本作にはジョージも藤田弓子も出て来ません。
言うまでも無いことですが、ナレーションもサザエさんではありません。
そもそも、何ヶ月も前に放送終了した番組名を挙げる自分自身、どうなのかと思いますし。

それはさて置き、最初にハッキリお断りしておきますが、この作品はファンタジーに興味が無い方には全く楽しめないと思われます。
それ位、首尾一貫して総天然色オールファンタジーになっているのです。

あらすじ・・
時は昔・・、トムさまがまだ未婚で、ピチピチしていた頃。
サイエントロジーに入信していたかどうかはわかりませんが、まだ奇行のキの字も目立っていなかった頃。
世界は美しい光に満ち、森の中ではエルフやニンフが舞い踊っていました。
そんなある日、闇の世界を掌る魔王(パッと見阿藤快)は、我が力を最強のモノにする為、地上の番人(番馬?)・ユニコーンの角を取ってくるよう手下の小鬼に命じます。
ユニコーンが出没するのは、純真な心を持つ乙女のいる所・・。
小鬼達が森で待っていると、案の定純真なが現れます。
“純真な姫”は、ファンタジー映画の定説通り 好奇心旺盛 おてんば 食欲旺盛 ただし髪型はかた焼きソバ と言うやっかいそうな姫です。
はいつものようにお城を抜け出し、森の中で恋人のジャック(トムさま)と逢引していました。
ジャックは動物の言葉を解する不思議な能力を持ち、森の中に住んでいたのです。

・・・現代風に言うと、ホームレスですね。

ジャックユニコーンを見せてポイントを稼ぐ作戦に出ます。
しかし、がその純真な心でユニコーンと触れ合ったその時、後を付けていた小鬼の放った毒矢がユニコーンに突き刺さり、ユニコーンは森の奥へと逃げ去ります。
そうとは知らないジャックは、ユニコーン作戦が功を制し、との結婚の約束を勝ち取りますが、最終テストとして川に投げ込んだ指輪を取ってくる事を命じられます。
躊躇する事無く川に飛び込んだジャックでしたが、丁度その時小鬼がユニコーンの角を切り落とし、世界は雪に覆われてしまったのです。

とはぐれてしまったジャックは、焚き火のほとりで凍てついた体を暖めていました。
するとそこに、森に巣食う魑魅魍魎 妖精たちが現れます。
その中の一人、ガンプの出したナゾナゾを解いたジャックは、無事妖精たちの仲間入り。
森の異状の原因を探るべく、ガンプたちとユニコーンの元に出かけたジャックは、角を失い動かなくなった雄のユニコーンと、その周りを悲しげに徘徊する雌ユニコーンに遭遇します。
自分とが小鬼を導いてしまっていた事を知ったジャックは、自らが戦士となり、角を奪還する事を決意します。
奪還野朗Aチームの編成は、ジャック、ガンプ(子供サイズ)、ブラウン・トム(ホビットサイズ)、スクリュー・ボール(ホビットサイズ)、ウーナ(米粒サイズ)の5人組。
この中にいるとトムが必要以上に大きく見えると言うから、特殊効果の力って偉大ですよね。
・・・え?

特殊効果じゃない??!! 

一方、浮かれている小鬼達に、まだ一匹ユニコーンが残っている事を告げに来た阿藤快
なんだかやたらと
「日の光が私の天敵・・!」
と自分の弱点を吹聴していますが、もしや彼は自殺願望を抱いているのでしょうか?

慌てた小鬼達に、ユニコーンを奪われたジャックたちは、阿藤快のいる悪の城へと向かいます。
戦士になるに当たって、トムさまが身に付けた金の鎧。
どうしてなのか、上着部分しかありません。
従って、トムさまの膝小僧、略してトム小僧が丸出しで、目のやり場に困ってしまいます。

城の地下を探索していたジャックたちはたまたま阿藤快の弱点を聞きつけ、これを利用しない筈も無く、地上の光を地下に反射させてあのアゴを倒す計画を立てます。
自分の部屋の扉を全開で、またまた「太陽は我が天敵・・」発言をしていた魔王。
・・やっぱり自殺願望?

一方その頃阿藤快は、囚われの身だったに一目惚れをしてしまい、彼女を妃に迎えるべくアプローチの真っ最中。
あやかしの術でを洗脳し、真っ黒な衣装に着替えさせ、何とか彼女をその気にさせようと必死です。
その間ジャックは地下の調理場(の様なところ)から、日光の反射に使う大皿をくすねて城の通路にズラリと並べる事に成功し、後は日が沈むまでに旧芸名阿藤海に光を当てるだけです。
魔王の棲家のわりには、手下が圧倒的に少ないお城。
通路も広間もガラガラです。
やっぱり自殺願・・・ (略)

ユニコーンを仕留めようと現れた赤い阿藤快
光の反射が間に合わなかった為、とりあえず斬ってかかるジャックに、手下が少ないので自ら討って掛かります。
死闘の果て、何とか届いた日の光に当たった「なんだかなー」でお馴染み阿藤快は、宇宙の彼方に吹き飛ばされてしまいました。
無事ユニコーンを奪還したジャックは、正気に戻ったと末永く幸せに暮したのでした。


めでたしめでたし・・って、う・宇宙?!

度肝を抜かれるような衝撃のラストは、『シックスセンス』以来かもしれません。
嘘です。
しかし、『サイン』以来かもしれません。
あながち嘘でもありません。

殺すつもりだった姫に発情してしまい、手を変え品を変えて口説きまくる魔王はどこか、『ロビン・フッド(ケヴィン・コスナー版)』のアラン・リックマンに共通するモノがあり、涙を誘います。
トム小僧を惜しみなく晒して走り回るトムは、まだどこか幼さをも感じ、現在のキワモノ感は微塵感じない色男っぷりを堪能させてくれました。
とは言え、アップになると若干眼に怪しい光を感じるのは、気のせいだけではないでしょうが。

色とりどりの花びら、シャボン玉、羽毛、そして雪・・。
常に画面の上に流れる様々な欠片たち。
その中で戯れる妖精たちの情景は、とても美しく、とても幻想的で、さすがは光と影の貴公子・リドリー・スコットだなー、と感動しました。

・・・貴公子じゃありませんでしたっけ?
・・まぁどっちゃでもいいですが。

ストーリーは若干お子様じみていなくもないのですが、小鬼や妖精の造形は古典的でありながら、まるで童話の挿絵から抜け出たように完璧で、ファンタジーへの橋渡しは万全です。
トムも意外とさっぱり味で、好青年(ただしホームレス)を無難に演じていると思います。
ファンタジーに抵抗の無い方なら、どなたでも楽しめる一本なのではないでしょうか。




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