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『ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ』

2006年06月30日
ダコタ・ファニングは、いつも怯えている。
すみません。 私が観る時は、ですけど・・・。


彼女の代表作のうち、『(ショーン・ペンが余りにもあざとい予告編だった)I am Sam』 や 『(馬モノに興味が湧かなかった)夢駆ける馬ドリーマー』 を観ておらず、『コール』 『宇宙戦争』 『TAKEN』 での演技しか知らない私。


よって、“怯えさせたら全米一 ダコタ・ファニング”という印象が、私の中に焼き付いてしまったのです。


さて、今回の 『ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ』 でもダコたんは、見事全米トップの地位をキープする事が出来るのでしょうか。
しかしそれ以上に、なんと言っても今回の見所は大御所 ロバート・デ・ニーロとの競演です。


“演技派子役”界で独走を続けていたハーレイ・ジョエル・オスメントに引導を渡し、新たな女王として君臨しているダコたん。
子役トップの証として、デンゼル・ワシントンやトム様と言う大物との競演を果たしてきた彼女ですが、果たして元祖なりきり王のデ・ニーロと渡り合う事が出来るのでしょうか?


今作のあらすじは、

最愛の母が“謎の自殺”をしてしまったエミリー(ダコたん)は、その日以来父親にも心を閉ざし暗く無気力な日々を送っていました。
見かねた父親(デ・ニーロ)は、精神科医でもある自分が彼女を立ち直らせてみせよう!と、田舎に別荘を借りてそこで療養する事を決めます。
エミリーが慕っている、精神科医・キャサリンの反対をよそに引越ししてはみましたが、エミリーに色目を使う近所の大人たちの登場にやきもきする父親。
公園で出会ったエミリーと同じ歳くらいの女の子(とその叔母・エリザベス)に声を掛け、家に招いて“友達にならせる作戦”を立てますが、自分とエリザベスの交流が深まっただけで、作戦はあえなく失敗。
しかし相変わらず無気力なエミリーでしたが、ある日家の前の岩穴で“架空の友達・チャーリー”出会ってからと言うもの、以前よりは明るさを取り戻して行きます。
心を癒す為に、自分で作り上げた“架空の友達”だと思って静観していた父親でしたが、エミリーの態度に徐々に異変が生じ、何かに怯えるようになっていきます。
歩み寄ろうとしてくれるエリザベスを追い返し、陰気な絵を描き、“チャーリー”とのかくれんぼに熱中するエミリー。
そして家の中で起きる怪奇現象の数々。
ついには、懲りずに訪ねて来たエリザベスが、殺されると言う事態まで起きてしまいます。
犯人はエミリーなのでしょうか・・・?
そして“チャーリー”は本当に“架空の友達”なのでしょうか・・・?



・・・まあとにかく、何から言っていいか判らないほど アラばっかな本作。


それにしても『シックス・センス』以来、どうしてこうもビックリドッキリどんでん返しを狙う映画が増えたんでしょうね。
勿論、第2のアレを目指しているのでしょうが、どれもこれも無理やりさばっかりが目立って、本気でビックリドッキリするような映画にお目にかかったことがありません。
大体、M・ナイト・シャマラン本人が越えられないでいるようなハードルを、その辺の脚本家が簡単に越えられるはずが無かろうもん。

みんなそろそろ目を覚まそうよ。

岡山でいくら私が声高に叫ぼうとも遠くハリウッドまで届く筈も無く、今後も映画館(&民家)では観客達の
「あ~ぁ・・・またやっちゃったよ・・。」
というため息が聞こえるのでしょうね。


それはともかく、本作で一番空回りしているのはレストラン経営でもおなじみ ロバート・デ・ニーロ


ちゃっちゃとオチをばらすと、“チャーリー”がデ・ニーロだった訳なのですが、それは意外と早く判明します。

『シックス・センス』が成功したのは、「ブルース・ウィリスが実はアレだった」事が判ってから後が、非常にスマートだった事。
観客が「え゛えーーー!!」と思っているうちに回想シーンで畳みかけ、余韻が残る間に終了したのが大正解だった訳です。

ところがこの『暗闇のかくれんぼ』では、なんせ使っているのがオスカー常連俳優 ロバート・デ・ニーロ

ばれました。 

ワー。 

おしまい。


てな訳には行かないのです。

自分の中の別人格に気付き、慟哭するデ・ニーロ。
別人格に精神を支配され、暴走するデ・ニーロ。
嫌がる子供に、怖い顔でかくれんぼを強要するデ・ニーロ。
毎度おなじみデ・ニーロ・アプローチで今回なりきるのは・・・ やっぱりデ・ニーロ?


何だか新鮮味が感じられなくなってきたデ・ニーロ・アプローチが悪いのか、はたまたやる気が欠けているのか。
必死の形相で逃げ回るダコたんを追い回すデ・ニーロの、ゆるい事と言ったら・・・。


休日のデパートの屋上で見かける、孫を追いかけるおじいちゃん並みのユルさです。


「おーい、待ってくれー・・・。 わしゃもう疲れたよー。」
「おじいちゃんて、すぐ疲れるねー。あたしゃつまんないよ。」
「そう言わんでおくれ、アイスクリーム買ってあげるから」
「しょうがないね。今日のトコはそれで勘弁してあげるよ。」




って、まる子かよ!!

大体おじいちゃんじゃないし。


とにかく、デ・ニーロが父親に見えないと言う致命傷を、演技力でカバーしようという心意気も大して感じられず、“今をときめくダコたんとデ・ニーロの競演”という派手な看板につられて参加した、エリザベス・シュー(『インビジブル』) ファムケ・ヤンセン(『X-MEN』) エイミー・アービング(『キャリー』)もずいぶんな扱いです。


これらのアラを一人でカバーすべく、今回も目の下にクマを3重ぐらいに作って頑張っていたダコたん。


登場人物の台詞に、「何て可愛い女の子なんだ!」とかやたらと誉めちぎる台詞が多かったのも、デ・ニーロの演技がユルかったのも、豪華女優陣が殆ど殺され要員だったのも、やや強引に繰り返されるかくれんぼに、果たして深い意味があったのか?(人格が隠れていた、なんて直球じゃない事を祈りつつ)など、疑問は残りますが、それもみんなダコたんの魅力を引き立たせるスパイスなのです。


デ・ニーロが手加減していたどうか定かではではありませんが、結局ダコたんが圧倒的なクマの量でインパクト対決に勝利した今作。

ちなみに過去を振り返ってみると、どの作品でも共演の大人をくってきたと言われるダコたんですが、 『宇宙戦争』 ではインパクトに残るのはトム様の圧倒的な熱視線でした。

やはり天然のパワーの前には、天才の力も勝てないと言う事なのでしょうか・・・。
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『キャプテン・スーパーマーケット』

2006年06月29日
B級ホラーの金字塔、『死霊のはらわた』3部作もついに最終章、
『キャプテン・スーパーマーケット』の登場です。
20060630005502.jpg←注:こんなにムキムキじゃありません。



それにしても、こんなにツッコミがいのある題名が、他にあったでしょうか?
『死霊の盆踊り』くらいですか? 唯一対抗できるのは。
『死霊』はどこに行ったのよ?ってな話です。
原題で言っても、 『EVIL DEAD』 から 『ARMY OF DARKNESS』ですから、『EVIL』 はどこに行ったのよ?ってな・・  略

製作会社が変わったとか配給会社が変わったとか、何かそんな理由だったでしょうか?
うろ覚えではっきりは判りませんが、題名を観ただけでは何の映画なのかさっぱり判らない、でもB級だという事だけはイヤというほど伝わって来る、非常にナイスな邦題だと思います。
当時購読していた“ロードショー”の今月公開コーナーで題名を観て、それがまたかの有名な『死霊のはらわた』最終章だと知った時の衝撃と言ったら・・・。
少女心に 「そそられる題名だなぁ」 と思ったものでした。
・・・まぁでも、今まで観てなかった訳ですが。


で、前置きが長くなりましたが、いよいよ鑑賞開始です。


前作 『2』 のラストで、時空の裂け目に吸い込まれ中世で死霊退治のヒーローとなったアッシュ。
映画はいきなり、鎖に繋がれ囚人扱いのアッシュから始まります。

・・・ヒーローになった筈なのに・・・。

勿論、最終章がまんまと前作からの続きな訳がありません。
あくまで前作からのグレードアップ版なのです。


アッシュの回想と言う形で、しがないスーパーの店員アッシュ(だからキャプテン・スーパーマーケット・・・?!)と同僚で恋人のリンダが例の山小屋に不法侵入(ここは変更なし)し、例のテープを再生し、死霊に取り憑かれた片手を切断し、時空の裂け目に吸い込まれるくだりが紹介されます。

と、ここで私の目が釘付けになったのが3代目リンダ
なんと、今回リンダに扮しているのはブリジット・フォンダじゃありませんか!
『ルームメイト』『アサシン』『シングルス』などで、一番登り調子の頃に、こんな(?!)映画に出ていたなんて・・・。
しかもアッシュの永遠の恋人、リンダだなんて・・・。
てことはアレですか? 
死霊に取り憑かれて「キャハハ」と笑ったり、例のミラクルダイビングアタックをかましたり、首を抱えてタリラリラーなんて踊ったりするんですか?!
何て素晴らしい・・!!
もうアッシュの存在はそっちのけで、ワクワクテカテカしていた私だったのですが、残念ながら今回はリンダスペシャルはすべてカットされていました。

怖気づきやがったな・・・ブリジット・・・。


中世にタイムスリップしたアッシュですが、今回はタイミングよく死霊も現れず、敵軍の一味と勘違いされてあえなく捕虜となってしまいました。
まあそうじゃなきゃ、3作目は10分のショートムービーになってしまいますし・・・。

アーサー王の城に連行されたアッシュは、“死霊の巣くう穴に落とされる”という、これ以上ない程都合のいい処刑を言い渡され、穴に突き落とされます。
で、予想通り死霊を殴る蹴る。最後は賢者から放り込まれた愛用のチェーンソーと空中合体して、死霊にアッサリとどめを刺し、カメラに向ってキメのポーズ。


調子こいてます。


完全にコメディアンの顔になっているアッシュ=ブルース・キャンベル
もはやジム・キャリーと区別がつきません。


それもその筈、今回のタイトルは作中のクレジットによると


『Bruce Campbell VS Army Of Darkness』


つまり


『ブルース・キャンベル VS 暗黒の軍隊』



アッシュじゃないんかい! 爆



もはや役名ですら呼ばれない、堂々たる本名表記のふざけたタイトル。
やりたい放題の真髄を見ました。
よく製作会社からOKが出たものです。


で、本編もどんどんブルース・キャンベル=アッシュの独壇場と化して行きます。

死霊をやっつけたアッシュは、当然のように民衆から一目置かれる存在となり、さっきまで石を投げられていたのにハーレムで寛ぐ有様です。
ホントはヘタレの癖に。
自分を兄の敵と勘違いしていた街の娘・シーラに対しても、謝罪してきてるのに「あっちいけ」と追い払うアッシュ。
でも、余りに失礼な態度をとっていたらシーラにビンタをくらい、


「・・ホレたぜ・・・!」


なんじゃそら。


そんな、大人げない・調子もの・ヘタレと、ヒーローにあるまじき3拍子を揃えてしまったアッシュですが、自分が現代に帰る為には“死者の書”が必要だと賢者に諭され、“死者の書”の置き場である怪しげな墓場に、嫌々足を運ぶ事になります。
要するに自分の為なのですが、民衆には救世主のごとく格好つけて出発する所が、こすっからしっくて素敵です。


・・・ところで賢者は、墓場に置いてある事をどうやって知ったのでしょうか?

そもそも“死者の書”って誰が書いたのでしょうか?

使用言語は中世の共通語なのでしょうか?


思わず理性的なツッコミを入れてしまいそうな都合のいい展開ですが、理性が働くのを遮るかのようにまたまた始まるのが、


アッシュ改めブルース・キャンベル劇場


今度は、墓参りの途中で立ち寄った風車小屋が舞台です。

錯乱状態で小屋の鏡を割ってしまったアッシュ。
すると床に散らばった鏡のかけらの中から、なんとミニ・アッシュが飛び出します。
コロボックル大のアッシュが、総勢7人位は居るでしょうか。
大きいアッシュがちいちゃいアッシュと、“ドリフ大爆笑‘85”並みの小競り合い。
でも、結局ぜーんぶアッシュですから。
自分の分身を殺す事にすら、何の躊躇も感じていないアッシュが 冷静 なのか アレ なのかは一先ず置いておいて、ちいちゃいアッシュを片付けたと思ったら、今度はアッシュの体からもう一人のアッシュが分裂して出て来てしまいます。

つまりダブルアッシュ。

アッシュ対アッシュですか・・・。


何かもう、随分長い間ブルース・キャンベルしか観ていないような気がします。


この分身アッシュが、巡り巡って暗黒の軍隊のリーダーとなるので、タイトルは正確には 『ブルース・キャンベル VS ブルース・キャンベル』 になるんじゃないでしょうか。


それは後の話として、やっとこさ墓場に着いたアッシュ。
何故かフェイントの為に3冊(だから誰が用意したのさ?)置いてあった“死者の書”の中から、若手芸人並みの罰ゲームを味わいながら見事本物を見つけ出したアッシュですが、いざその本物を手に取ろうとした時、嫌な事を思い出します。


・・・そういや賢者が言ってたっけなぁ・・・

・・本を取る時は、必ず呪文を唱えるべし、って・・・。


何だっけなぁ・・・


あれだけ賢者が何度も「絶対に覚えてよ!」と言っていたのにも関わらず、案の定最後の部分を忘れてしまっていたアッシュ。


「クラトゥ・ベラタ・・・・ ネクタイ? いや違う、ニッケル? ネクター? 

確かNで始まる言葉だった筈・・・  

えーっと・・ えっと・・

ええい!  もういいや!

クラトゥ・ベラタ・ニクゴニョゴホッゴホン!  さあ言ったぞ!!」



大事な呪文を語尾でごまかすヒーロー。
英検の試験でも通らないような手で、死霊を騙せる訳無いじゃないの・・・。

数ある今作の見所の中でも、1・2を争う名シーンです。


そして、案の定呪文がテキトーだった為に地の底から死者達が蘇ってしまい、“死者の書”を持ち帰った先である、アーサー王の城目掛けて総攻撃を掛けてきます。


一世一代の大勝負に打って出ようとするアーサー王。
彼に詰め寄られたアッシュは、言うに事欠いて
「おれは“死者の書”取るのが仕事だったじゃん・・・。そしてそれはもう取って来たじゃん・・・」。


あぁ・・・この人やっぱりヘタレだったよ・・・。


これ以上ないほどドン引き状態のアーサー王&民衆の皆さん。


辞書の“ドン引き”の欄には、是非このカットをお載せ下さい。


一旦はヘタレで結構!いや、ヘタレ万歳!みたいな状態のアッシュでしたが、恋人のシーラが死霊にさらわれたと知ると、途端にやる気が充ちてきます。


さっきまで「俺知ーらない」と逃げ腰だったくせに、いつの間にか高台から民衆に演説なんかを始めています。
「皆の衆! 俺について来い!!」とか何とか調子のいい事をぬかすと、これまた沸き返る民衆達。

なんだこの盛り上がり。


一方、こちらもいつの間にか死霊軍団の指揮官として、骸骨相手に威張り散らしている分身アッシュ。
傍らには死霊化させたシーラをはべらせて、まさに我が世の春状態です。

どっちが主役なんだか判らなくなってきましたが、所詮どっちもブルース・キャンベルですから、この際細かい事は放っておきましょう。


死霊軍団とは言っても、殆どはお墓から蘇ってきた骸骨。
ストップモーションアニメを使って、いい感じにカクカクと攻めて来ますが、軽く剣で払われるだけでガラガラと崩れる始末です。
そんなこんなであんまり危機感を感じないまま、ほのぼのとした合戦が繰り広げられ、最後はやっぱりアッシュVSアッシュ。
本体と分身の一騎打ちの末、本体が見事勝利を収めます。


真のヒーローへと変貌を遂げたアッシュは、“死者の書”に載っていた《100年眠り薬》を賢者に作ってもらい、4滴飲むことで元の世界に戻る計画を立てます。

・・・いや、ただ寝ているんだったら歳も取るんじゃ・・略

そしてうっかり5滴飲んでしまったアッシュが、眠りの果てに辿り着いたのは大規模な戦争によって滅亡した後の、瓦礫だらけの未来都市だったのでした。
━ 完 ━


え゛ぇーーー?!


ここまでのお気楽さとは打って変わって、なんて果てしなく望みのないラスト・・・!
ブラックなバッドエンディングは嫌いではないのですが、もちっと明るいエンディングは無かったのかい・・サム・ライミさんよ・・・。


そう思っていたら、なんとこれは監督のオリジナル・エンディングで、劇場公開時は全く違ったラストだったそうです。

特典映像で観る事が出来ました。

DVD万歳!!


もう一つのラストで、アッシュは晴れて現代に戻り、送検される事も無く普段どおりにスーパー勤務をしています。
同僚の女性といい雰囲気になったその時、背後からまたもや死霊が襲い掛かります。
「俺のスーパーに手出しはさせねぇ!」
いや、あなたのスーパーでは無いんですが。
死霊をぶちのめしたアッシュは、同僚の女性の腰に手を回しキメポーズ。

・・・うーん。 (汗)


どちらのエンディングが好きかと聞かれたら、やっぱり劇場公開バージョンの方ですかね・・・。
能天気なアッシュが、最後までバカっぽいキメ台詞を見せてくれますし・・・。
何と言っても、そっちのエンディングじゃないと、『キャプテン・スーパーマーケット』の邦題が無意味になってしまいますし。


噂によると、『死霊のはらわた』のリメイクを作るとか続きを作るとか・・・。

どっちでもいいですが、その時はくれぐれもブルース・キャンベル以外をキャスティングしないようにお願いしたいです。

それにしても、素敵な『死霊のはらわた』シリーズを観終わって、もうすっかりお腹いっぱいです。


もちろんブルース・キャンベルで。
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『死霊のはらわた2』

2006年06月27日
映画史に燦然と輝く傑作B級ホラー 『死霊のはらわた』 を観た訳ですが、熱意や創意工夫は「なるほど」と肯けるモノはあったものの、“出来のいいホラー”の域は出ていなかったような気持ちがありました。
それはひとえに、主人公アッシュに対する物足りなさ・・・。


ホラーファンの間では、知らない者はいないとも言われるアッシュ
2003年の『フレディVSジェイソン』にまで、出演を噂されていた程のカリスマ・ヒーローだった筈なのに・・・
ヘタレだし・・・。
どっから見ても、くりぃむしちゅーの有田にしか見えないし・・・。


しかし、続く 『死霊のはらわた2』 で、そんな浅はかな考えは全て吹き飛ばされたのでありました!


前作では、無事朝日を迎える事が出来、死霊との闘いを制したかに思われたアッシュが森からハイスピードで忍び寄ってきた“邪悪なモノ”に襲われる所で映画は終了しました。

今回はその続きからなのか?

アッシュは生き延びる事が出来るのか?


そんな期待がバカらしくなるほど、『2』と銘打っているくせに『1』とは何にも繋がっていなかった今作。
いや、関係ない訳では無いんだけど・・・。


言ってみれば、『1』を血もグロも特殊効果もスケールアップさせて、そしてなにより
何もかも吹っ切れたのが今作でした。


前作と同じように、ドライブを楽しむ2人。
・・・って、ふ・ふたり?!
いきなりの人員削減で迎えるオープニング。
予算増えた筈なのに・・・。
そして、前作と同じ山小屋に到着する2人。
しかし特に予約とかしていた訳でも無さそうです。
・・・て事は
不法侵入?!

さすがは伝説の男、アッシュ。 
法を破る時も、実に正々堂々としています。
他人の別荘に堂々と入り込んで、飲み食いするわピアノは弾くわ(アッシュ)それにあわせて踊り始めるわ(恋人リンダ)書斎を荒らすわ、やってる事はマルっきり押し入り強盗なのに、いい感じを醸し出している2人。
しかし、そんな2人の蜜月も長くは続きません。
と言うか、かなり端折って進むストーリー。
書斎にあった“死者の書”を斜め読みしながら、傍らにあったテープレコーダーをいじると例のアレが流れ始め、リンダはサッサと死霊に取り憑かれ、テンパッたアッシュがリンダを穴に埋めようとすると、『1』での名シーンリンダのミラクルダイビングアタックもきっちり再現。
アッシュがリンダの首を飛ばせば、蘇ったリンダは自分の首を持ってステキなダンスを披露します。
・・・さっきの不自然なピアノ&ダンスシーンは、この前フリだったんですね。
ストップモーションアニメで繰り広げられる、首なしリンダの優雅な踊りは、まるで『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』です。
って、前回も言いましたね、これ。

古きよき時代の特殊撮影を呑気に堪能していましたが、チョット待って?
リンダが死んじゃったら、山小屋にはアッシュ一人。
ホラー映画が、ほぼ冒頭の時点で生き残り一人で、どうやって話を繋ぐんでしょう?


と思っていたら、ここからこそがアッシュが伝説と言われる証ともいえる、
アッシュ劇場の始まりだったのですね。


山小屋にある剥製の鹿や、本棚や、電気スタンド等と格闘したと思ったら、今度はアッシュの片手に取り憑いた死霊とのパントマイムによる死闘が始まります。

・・・何度も言うようですが、予算・・増えたんですよね?

アッシュに襲い掛かる、アッシュの片手。
暑苦しさはルー大柴並みの顔を自由自在に操り、必死に片手と格闘するアッシュ。
演技も暑苦しい事が判明しました。
ついには厄介な片手を切り落として、勝利の雄叫びを上げるアッシュでしたが、なんと今度はその手が部屋中を逃げ回り、打倒アッシュに奔走します。
て、これぜーんぶアッシュの一人芝居。
『ジーナと5つの青いつぼ』の北島マヤばりの独壇場です。


アッシュがそんな愉快な一人芝居を繰り広げている頃、山小屋の持ち主の娘であるアニーが、これまた愉快な仲間達を引き連れて山小屋を目指していました。
どうやら、遠方で発掘作業に勤しんでいたアニーは、一足先に小屋に帰った両親(考古学博士)に、自分が発見した“死者の書”の続きの部分を見せる為に帰国したようです。


暖炉にくべられて一巻の終わりとなった『1』よりは、扱いが重要アイテム化されているらしい“死者の書”。
やっぱりねぇ・・・あんなにステキな造形なんだから、しっかり使わないと・・・。


何とか小屋に辿り着いた愉快な仲間達。
メンツが揃った所で、やっとホラーらしい血みどろの展開が始まりそうです。
片手と格闘して、いっぱいいっぱいのアッシュは、小屋の扉をノックした愉快な仲間・その1にいきなり発砲します。
不法侵入に、殺人未遂ですか・・・。
漢ですねー・・。


当然のごとく身柄を確保されて、地下室に追いやられるアッシュ。
主人公にあるまじき情けなさですが、いいんでしょうか?
最初はアッシュを不審者扱い(不審者なんですが)していたアニー達ですが、父親の博士が残したテープを聴き、地下に死霊化した母親が残っている事を知り、やっとアッシュを解放します。


不法侵入の癖に、何故だかメンバーの中で一番偉そうなアッシュ。
次々と死霊に取り憑かれる仲間達と対決するにあたって、何を考えたか無くなった片手の変わりにチェーンソーを装着します。


出ました! チェーンソー。  
出ましたね。
出ました。



これがあの、片手チェーンソー人間の由来なんですね。
人造人間並みの改造を、山小屋の物置部屋で日曜大工程度にやってのけるアッシュ。
そしてカメラに向って一言。
いかすぜ!!


おかしいです。

もう全てがおかしいです。


しかし、チェーンソーを装着した割には大して強くならない所が、これまたステキ過ぎます。


結局最後に頼るのは、アッシュ劇場を前にまたもやおざなりにされていた“死者の書”の続きの部分。
死霊を時空の裂け目に送り飛ばす》呪文に全てを託します。


てことは、アッシュはする事がないと言う事。
だって“死者の書”の字、読めないし。

読めないくせに、アニーには偉そうに「早く読め!」と命令するアッシュ。

典型的な亭主関白タイプです。
でも許してあげましょうね。 それくらいしかする事ないんだもん。


瀕死の状態で呪文を言い終えるアニー。

・・・「ありがとう」ぐらい言おうよ、アッシュ。

自分の彼女以外には、とことん冷たい男のようです。
小屋の外に現れた時空の裂け目に、身の回りの物がどんどん吸い込まれて行くのを見て、勝ち組のような顔をしていたアッシュでしたが、予想外の吸引力になす術は無く、哀れ時空の彼方に飛ばされてしまいます。


ホラーのはずだったのに・・・。

いきなりの急展開。

in中世。


甲冑に身を包んだ兵士達に囲まれて、茫然自失のアッシュ。
普通なら速攻確保される所ですが、丁度襲い掛かってきた死霊を上手いこと退治したお陰で、兵士の態度はガラッと変わります。
「救い主が現れた!」 「天使の使いがやってきた!」
C-3POを前にしたイウォークばりに、ヤンヤヤンヤのお祭り騒ぎです。

ヘタレのアッシュが、ヒーローになった瞬間でした。

めでたしめでたし。


いささか唐突なラストのようですが、途中“死者の書”に《片手に変な武器を付けた天使が現れて、死霊の群れから民衆を救う》と書かれてありましたし、全てはサム・ライミの計算通りなのでしょう。
・・やな計算ですが。


次回完結編、 『キャプテン・スーパーマーケット』!
『スーパーマーケット』?! 中世なのに?!
と言うか、3作目にして『死霊の・・』うんぬん関係ないタイトルとはこれいかに。
果たしてアッシュは無事、現代に帰れることが出来るのでしょうか?
帰ったところで、不法侵入と殺人未遂で送検されるのは目に見えていますが。
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『死霊のはらわた』

2006年06月25日
青きサムライ達が、遥かドイツの地で繰り広げる熱戦に日本列島が眠れぬ夜を過ごしていた時、別の事由で眠れぬ夜を迎えていた女が一人・・・。

その事由とは・・・
『死霊のはらわた』全3部作一挙上映!!in我が家

トリノオリンピックに日本が沸いていた時には、延々オスカーの受賞予想を。
久々の大型連休になった今年のゴールデンウィークには、『リビング・デッド』と 『悪魔のいけにえ』 3部作を。
そしてW杯決勝T進出を掛けた大一番には、『死霊のはらわた』3部作で祭りを開催していた私は、いわゆる一つのあまのじゃくと言うヤツなのでしょうか?

世帯主様に聞くと、B型だから。と即答されそうですが・・・。

まあ、そんな些細な事は置いておいて、『リビング・デッド』『悪魔のいけにえ』と来たら、もう外す訳にはいかんでしょう。

B級ホラーの伝説的名作、『死霊のはらわた』ですよー!


今やすっかり 『スパイダーマン』の監督として定着している、サム・ライミのオリジンです。
彼とのデートで『スパイダーマン』を観に行って、「面白かった~」なんていちゃついていたオサレな婦女子が観たら、さぞかしドン引きする事でしょうね。

もう、ばりばりスプラッターですよ!
胸張って行きましょう!

定説その1 ホラーは若者達が羽目を外す場所に舞い降りる。
夏のバカンスに山奥のコテージを借りた若者5人が、一目でポンコツと判るようなオンボロ車でやって来ます。
今にも落ちそうなつり橋を渡って、無事予約のコテージに到着した一行。
中を探索してみると、その小屋の地下には“死者の書”という、とってもゴアな装丁が施してあるイラスト集や、自称・博士が色々吹き込んだらしいテープレコーダーが置き去りにされていました。

ホラー映画に於いて、ウンザリするほど多く見られる“若者数人が人里離れたコテージで・・・”と言う、このシチュエーション。
実際のアメリカでも、夏になったら男女5人くらいで泊まりに出掛ける風習があるのでしょうか?
しかも2×2のカップルとかではなく、大概一人おミソが付いて来ます。
「いやらしいことだけが目的じゃないんだよ~」と言う体外的なメッセージなのでしょうか?
それにしては必ず、おミソそっちのけでイチャイチャし始めるようですが・・・。
おミソは「私いらんじゃん」とは思わないのでしょうか?
空気が読めないと言うのは、時に幸せな事なのかも知れません・・・。
案の定、おミソそっちのけでイチャイチャしている2カップル。
しかし肝心のおミソ自身も、趣味の写生をしたり、一人コックリさんを楽しんだりと、結構バカンスを満喫しているご様子なので安心です。

定説その2 ホラーは余計な事しぃの存在が必須条件。
ところが、好奇心に駆られた男子がテープを再生してみると、なんとそれには死者を蘇らせる呪文が“試しに”吹き込まれていたのです。
自称・博士は、何を考えて“試しに”声を吹き込んだりしたのでしょうか。
友人の結婚式で歌うはめになって、練習がてら自分の歌声をテープに吹き込んでそれを再生した時、初めて死について考えた私には、到底理解できません・・・。

定説その3 ホラーは普通逃げない所に逃げてこそ本領を発揮する。
お茶目な自称・博士と、ホラーの定説通り(周りが止める声に耳を貸さない)の行動のお陰で、森に潜んでいた何かが目を覚まし、若者達に襲い掛かります。
一番最初に犠牲になったのは、おミソの“主人公・姉”。
他のカポーがイチャついている間に、いち早く周囲の異変に気付いた姉は、一目散に森の中に逃げ出します。

はい、出ました。
小屋の中なら仲間達がいるのに、何故か悲鳴をフルボリュームで森に逃げ込む姉。
そしてその悲鳴に気付かないカポー達。

定説その4 ホラーは最初の犠牲者こそが一番肝心。
森に逃げ込んだ姉に襲い掛かったのは、森の木々たち。
蔦を絡ませ、手足の自由を奪い、やる事は一つ。
セクハラです。

『インビジブル』で透明人間になった鼻ソケット(ケヴィン・ベーコン)が一番にやった事、それもセクハラ。
お前らみんなセクハラか・・・。
そんなにセクハラが好きか? 結婚したいか?

定説その5 ホラーでは卑怯な奴には必ず天罰が下る。
死霊に取り付かれた姉は何とか地下室に閉じ込めたが、親友の恋人は死霊に取り付かれた為にやむ無く葬り去り、自分の恋人も足に傷を負ってしまった主人公・アッシュ。
残された3人で、何とか事態からの脱却を図ろうとしますが、親友はアッサリ「お前の恋人なんだから、お前が何とかしろ!俺は一人で小屋を出る!」と卑怯者発言。
一旦小屋を出ますが、結局「森に怖いのがデター」と、幼児並みの言い訳をしながら息も絶え絶えにアッシュの元に駆け戻ります。

ここまで堂々と友達を裏切る発言を、しかも本人に向って吐ける親友Sはある意味勇気があると思います。
学校でやったら、間違いなく次の日上履きを隠されるでしょう。

と、ここまでは割りと定説どおりに進んだ『死霊のはらわた』ですが、この辺りからサム・ライミの才能をひしひと感じさせてくれる、ゴアで笑えて泣ける無法地帯状態になります。

無法地帯その1 最強戸棚伝説
主人公・アッシュを何度も下敷きにする戸棚。
その戸棚と決死の脱出劇を繰り広げるアッシュ。 コントですか?

無法地帯その2 恋人に手玉に取られる主人公
死霊に取り付かれた最愛の恋人・リンダを、倒す為にはバラバラにしないといけないアッシュ。
意を決してリンダに銃を向けると、アラ不思議。
元の姿に戻ったリンダが「助けてアッシュ・・・」と哀願しているじゃありませんか。
必ず最後に愛は勝つ!そうガッツポーズをとったアッシュですが、油断した瞬間また豹変して高笑いのリンダ。
愛を逆手にとって、「やれるもんならやってみナー」とあくまで強気の姿勢です。
こんな性悪な死霊は観た事がありません。
手を下そうとする度に元の美しい姿に戻るリンダを、チキンのアッシュは庭に埋めてお茶を濁す事にしますが、必死に穴を掘るアッシュの背後から豹変リンダがダイビングアタック!
さて、各国審判の採点は!?
10.0!!

死霊にあるまじき、背筋の伸びた美しいダイビングジャンプでアッシュに飛び掛るリンダに、絶体絶命のアッシュ!
と、思いましたが手にしていたスコップで迷う事無くリンダの首を跳ね飛ばし、アッシュの勝利。
リンダの斬られた体からは、半端じゃない量の血がジャバー
・・・コントじゃない・・・ですよね?

無法地帯その3 山小屋の中でスプラッター祭り開催中(会期・夜明けまで)
他のメンバーが次々と死霊化行く中、死霊に噛み付かれても襲われても、何故か一人だけ死霊化しないアッシュ。
ヘタレですが、さすがは主役です。
友人Sと姉の死霊2体と、壮絶スプラッター祭りが始まります。
若き映画人達の、情熱に溢れるスプラッター映像をご覧あれ!
刺す、斬る、かじる、あらゆる手を使って死霊との壮絶バトルが展開します。
そしてラストは、今ではみる事の無くなったストップモーション・アニメで、死霊がグログロドロドロに溶けて行きます。
それがまた新鮮で、かつどこか愛らしい・・・。
『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』で、体の蟲達が流れ落ちるウギー・ブギーのさまに、どこか通ずる物を感じます。


全編通してグロが多い作品でしたが、それと同じくらい全編に漂うコミカルな雰囲気のせいで、
ホラー?コメディ? ま、どっちでもいいや!
という、爽やかな五月晴れのような気持ちになれました。(嘘です)

あくまでスプラッターですので、苦手な人にはこれっぱかしもお勧めできませんが、創意工夫に溢れたスプラッターコメディの先駆けとして、はたまたヒットメイカーサム・ライミの礎として、今回鑑賞して良かったナー・・・と思いました。

ちなみにアッシュは、諸悪の根源である“死者の書”を焼き払い、無事朝日を迎える事が出来るのですが、ギリギリで森に残っていた“邪悪なモノ”に襲われる所で、映画は終わります。
後味悪いとも取れるこのラストですが、ちゃっかり『死霊のはらわた2』へと続いています。

ヘタレのアッシュは、生き延びる事が出来るのでしょうか?

次回、『死霊のはらわた2』をお送りします。
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『シン・シティ』

2006年06月24日
ロバート・ロドリゲス
かつてはハリウッドで最も旬だった男。

メキシコからハリウッドに名刺代わりに叩き付けた『エル・マリアッチ』。 
見事映画の都に招かれて作った、フェロモンで窒息状態の続編 『デスペラード』。 
代官山のお洒落ギャル達もこぞって観に行った(であろう) 『フォー・ルームス』。 
前半クライム・ムービー後半スプラッター・ホラーという、前代未聞のカルト映画 『フロム・ダスク・ティル・ドーン』。
撮る映画は次々とヒット。
マニアにも歓迎され、尚且つオサレなデートムービーとしても成立しているという、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだったロバート・ロドリゲスの雲行きが、何だか怪しくなってきた 『パラサイト』。
そして 『スパイ・キッズ』 をシリーズ化した時には、「もう終わったな・・・」と思わざるを得なかったものでした。

それがそれが・・・!
見事に生還です。

朋友のタランティーノが、 『キル・ビル』 で気を吐いているのを目の当たりにして、やっと目が覚めたのでしょうか。

アメコミの映画化モノで、ここまでクールな映像は今まで無かったんじゃないかという、ドラマチックなカット割り。
猟奇的なオヤジたちの純愛ストーリーが、血にまみれて綴られています。

まず1人目はミッキー・ローク(マーヴ役)
主演・ミッキーローク って、これ笑う所じゃないですよ。
『ナイン・ハーフ』 はもう20年も前ですか・・・。
猫パンチだ何て言っても、20代以下の人には判らないのかも知れませんね。
昔いたんですよ~・・・そんな人が。 
猫ひろしじゃないですよ~。

一世一代のオイシイ役どころを手に入れて、ミッキー・ロークが会心の演技を魅せています。

醜い容姿と恐ろしげな巨体(まるでフランケン・シュタイン)から、女性と愛し合ったことの無かったマーヴ。
それがなぜか、美しい女性・ゴールディに誘われ夢のような一時を過ごします。
ところが目覚めると、横で眠っていたハズのゴールディは殺されており、容疑は自分に着せられていました。
生涯でただ一人の恋人の復讐の為に、街を牛耳る権力に立ち向かうマーヴ・・・。

見た目の殆どを特殊メイクで覆われているにもかかわらず、立派にミッキー・ローク臭を残しているのがアッパレです。
そして、なんと言ってもかっこいい!!!
圧倒的な強さで、街のチンピラどもをなぎ倒す・ぶちのめす・拷問する。
車に轢かれようが、銃で撃たれようが大した痛手を受けません。

にっくき敵を演じるのは、 『指輪物語』 のフロド役で世界の人気者になった、THE・ホビット事 イライジャ・ウッド
いい子だったフロドの反動からか、『指輪』以降は変態街道まっしぐらな役選びの様に思えるのは、私の気のせいでしょうか?
今回の敵ケヴィン役は、変態人生の集大成とも言えるような、キング・オブ・ド変態です。
娼婦を殺して食事に使用して、残した首を壁にデコレイティングするんですよ。
アンソニー・ホプキンスだって、そこまではしません。(いや、やりたがるかもしれないけど)

X-MENに出てきてもおかしくないような俊敏な動きと鋭い爪で、マーヴに痛手を負わせます。

2人目はクライヴ・オーウェン(ドワイト役)
オヤジ揃いの出演者の中では、一人中途半端なオヤジ・・・?っぷりで、浮いている感は否めません。
若くも無いけど中年でもない。
ブサイクでもないけど男前でもない。
そんな中途半端なキャラ同様、彼のシークエンスも若干手ぬるさを感じます。
ただし女達の活躍は、問題無しです。

過去に罪を犯し街を追われたドワイトは、整形する事で再び街に帰ってきます。
そこでは、ボンテージファッションに身を包んだ、カモシカのような足のセクシー美女軍団が警官と協定を結び、自警集団として街を取り仕切っていました。
地獄の女囚コマンド達(囚ではないか)のリーダーが、ドワイトの元カノで、今でもお互い未練たらたらの二人。
ふとしたことで自警をやりすぎ、悪徳警官を血祭りに上げてしまった女囚コマンド達。
このままでは警官との協定がくずれ、女達の街が荒らされてしまう。
そこでドワイトはこっそり悪徳警官の死体を僻地の抗に捨てに行くのですが・・・。

殺される悪徳警官役が、ベニチオ・デル・トロ
いまだかつてこんなベニチオ・デル・トロを観た事があったでしょうか?!
便器に顔を突っ込まれ、手裏剣で手首をちょん切られ、お尻に手裏剣を突き刺され、額に銃身を埋め込まれ、首をぱっくりカットされた上、上機嫌でタバコをふかすベニチオ・デル・トロ。オスカー俳優。38歳。

ステキです。
文句なしでステキです。

そしてその仕打ちの殆どを担当した、デヴォン・青木の勇姿と言ったら・・!
もう言う事なし!
比べちゃなんですが、 『キル・ビルVol.1』 の栗山千明がただのお人形さんに見えます。
こちらも無表情のお人形さんなのですが、使い方が上手いお陰でサニー千葉より強く見えます。
トリニティを劇場で観た時以来で、アクションのキメポーズを真似したくなりました。20060624015753.jpg←これ

タランティーノはさぞかし悔しがった事でしょう。


そして3人目は御大 ブルース・ウィリス(ハーティガン役)

退職を数時間後に控えた身でありながら、“権力者の息子”という事を楯に、悪事の限りを尽くす変態バカ息子を追い詰めたハーティガン刑事。
11歳の少女を犠牲にしようとしていた変態バカ息子から、少女を何とか救い出し自らも深手を負ったハーティガンは、父親の権力者によって変態バカ息子の犯した罪を着せられ、8年間独房に閉じ込められる事になります。
その間、変わらず恩人のハーティガンに手紙を送り続けてくれた少女・ナンシー。
ところがある日、ナンシーからの手紙はパッタリと途絶え、代わりに独房に投げ込まれたのはナンシーのものと思われる切断された指・・・。
人生を捨てかけていたハーティガンは、ナンシーを助ける為再び街に戻るのですが・・・。

要するに、ロリコン中年とファザコン少女の純愛と言う事でしょうか?(すみません、野暮な言い方で)
ハーティガンのそれは、時に父性、時に異性、そして正義の心、ただそれだけです。
ナンシーの思いも、幼い時に命を救ってくれた人への感謝、憧れ、それを愛情と勘違いしているのか思い込んでいるのか・・・。
どちらにせよ、ハーティガンとしてはどうしても受け入れる事の出来ない愛なのです。
それをきちんと拒絶するハーティガンの、なんと漢な事でしょう!

孫みたいな相手と恋に落ちる映画を作り続ける、ハリウッドの爺さんプロデューサー達よ!よく見るがいい!!

とにかくハードボイルドです。
ブルース・ウィリスもとっても渋くて、何だかかっこよく思えてきました。
先日テレビで、デーヴ・スペクターが 「ブルース・ウィーリス(デーヴはこう言う)が、今付き合っているモデルに二股掛けられて、必死になっている」 と言っていましたが、そんな彼女にはこの作品を見せるべきだと思いました。

・・・あ、もう見せているんですか?

じゃあ、しょうがないですね。

それにしても、こういうB級ポップカルチャー映画に出る時のブルース・ウィリスの輝きと言ったら、他の出演作を抜きん出ていますね。

白黒画面に部分的にカラーを配した映像は、まさにアメコミの世界そのもので、完成された世界観をそのままスクリーンに映し出しているのですから、どのカットも申し分ない出来に仕上がっています。

ロバート・ロドリゲスの本分も存分に混ぜ込んであり、バイオレンスもたっぷりなので、いたいけな女の子には入り込みにくいかもしれません。
私はその点、申し分ないお年頃ですので充分に堪能させてもらいました。

タランティーノと一緒に撮ったというスプラッター・ホラーが、無事日本で公開される事を祈ります。






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