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『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』

2013年07月04日
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あらすじ・・・
幼馴染の親友の花嫁介添え人(ブライズメイド)を務めることになった主人公が完全アウェイの中奮闘します。

女友達が結婚することになって微妙な心境に陥るキルスティン・ダンストさんのお話・・・、という程度の前情報だけで観る気満々になっていた『バチェロレッテ ―あの子が結婚するなんて!―』がWOWOWで放送されてる・・・!、という程度の認識で予約していたら実際録画されていたのは『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』でした。
という訳でキルスティンさんではなくクリステン・ウィグさん主演の『ブライズメイズ』を鑑賞しましたよ。
タイトルは「史上最悪」となっていますが、中身はその正反対。
意地っ張りで不器用な女性の本音が、珠玉の名台詞となってこれでもかと散りばめられている、「超超超最高」な作品だったので結果オーライですよ!

では、そんな台詞の一部をご紹介しながら作品の説明などをば・・・。


■ 「アレって直視できなくない?」

はい、もう一発目からシモですよね!

恋人とベッドの中で大運動会を開催している主人公・アニーの姿で幕を開ける本作。
速度といい角度といい、女体と会話しようという気がまるで感じられない自己中心的な腰振りをかますイケメンと、それでもなんとか表情を取り繕い彼との仲をキープしようとするアニーから、「ザ・どんづまり」という雰囲気がひしひしと伝わってくる名シーンに、早くも「これは傑作かもしれない」という予感が漂います。
そして、たのしくない夜遊びから帰宅したアニーが、親友・リリアンにぶっちゃけた一言が上記の台詞。「アレって直視できなくない?」。

もうね、わかる! わかりすぎて辛い!
こう言っちゃあなんですけど、性器ってグロいですよね!女性のも男性のも甲乙つけがたいぐらいエグい!気まずすぎてまじまじと眺められない!
なんでこんな形状にしたんや・・・ と責任者を呼び出して説教したい気持ちでいっぱいですよ、ぼかぁ!
ちなみにこの台詞と共にアニーが披露する「タマの顔面模写」はなんとも言えない味わいがあるので、ぜひ今をときめくキンタローさん辺りにでもチャレンジして頂きたい!キンなだけに!


■ 「かぶりつきでタマを見たいのよ!」

ええ、二発目もシモですよ! おちてこい!オレのところまでおちてこい!

長年付き合っていた彼氏にプロポーズされ、晴れて婚約の日を迎えたリリアン。
親友として「メイド・オブ・オナー(花嫁介添人のリーダー)」を拝命したアニーは、一緒に介添人をすることになったリリアンの知り合いを紹介されます。
この4人のメンバーが、とにかく個性豊かでおもしろい!
リリアンのいとこのリタは、生意気真っ盛りな3人の子を持つ平凡な主婦。
会社の同僚のベッカは、新婚ホヤホヤの世間知らずな若奥様。
リリアンの婚約者・ダグの妹であるメーガンは、態度も身体もLサイズ。
そして、ダグの上司の後妻で超お金持ちのヘレン。美人で物腰も上品だけど、あまりに世界が違いすぎる感じと、リリアンをガッツリ取り込もうとしている感じに、アニーは説明し難い反発心を抱いてしまいます。
まぁ、要は嫉妬ですよ!「女」として、「友達」としての嫉妬!

で、この4人に対し、リーダーとして仕切り能力を発揮しようとするアニーだったのですが、やることなすこと全て裏目に出てしまい、自己嫌悪に陥るばかり。
リリアンの為に独身お別れパーティを開くため、手近でお手頃なプランを提案するも、ヘレンが出した「わたしが飛行機代おごるからみんなでベガスに行きましょうよ」という金にモノ言わす案にあえなく撃沈。
「でもでも、わたし飛行機苦手だし・・・」と言い淀むアニーにリタが放った一言が「かぶりつきでタマを見たいのよ!」なのであります。

アニーとリリアンの「タマって直視出来なくない?」とは正反対の赤裸々発言ですが、日々の育児と家事に疲れ、気持ちが澱みに澱んだリタだからこその一言が激しく胸を揺さぶります。
もうね、わかる! わかりすぎて辛い!
タマは見たくないけど、ドニーさんの上腕筋群とか大胸筋とか見たくなりますものね!

被せるように放った「男のストリップを目に焼き付けといて、旦那としてる時思い出すんじゃい!」という台詞も、涙なしでは聞いていられませんでしたよ!


■ 「アニーだけが自腹でエコノミーなのよね」

そんなこんなで「仕切り役をとって代わられる」という屈辱を味わうこととなったアニー。
最後の抵抗として、自らのプライドを守るためとったのが「航空券代は自分で払う」という選択です。
いけすかないヘレンの金なんて、ビタ一文使わせてもらうもんか!という勇ましい女心。 

もうね、わかる! わかりすぎて辛い!
「あー、え、なに?みんなファーストクラスなんだー。いや、でもわたしもう自分でエコノミー買ったから大丈夫大丈夫。ていうか、なんつうの?むしろエコノミーに乗りたかったっつうの? そういうね、確固たる意志で買いましたから。ほら、じぶん自立した女性ですし」
と毅然とした態度で言ってはみたものの、「そうなんだー。じゃ、ごめんねー」とさっさと別行動を取られ、自分以外のメンバーが和気藹々としている様子を背に、心で泣いている感じがね・・・
で、結局心細いわ飛行機苦手だわで情緒不安定になり、ヘレンにもらった安定剤とお酒の効果で暴れまわってしまうという。
わかってる。 
子供じみた行動だということはわかっている。
でも、どうしても「航空券サンキューでーす!」とは言えないんですよ!わかってくださいよ!


■ 「たまには旦那なしで深夜テレビが見たいのよ・・」

またもやリタさんの名言です。
ベガスへと向かう飛行機の中、新婚真っ只中で夢見がちだったベッカは、辛酸をなめ尽くしたリタさんから夫婦生活のリアルを叩き込まれることに。
「学生時代に男と遊んでおく」ということの重要性。
夜の営みからキスだけが抜けさってゆくという残念現象。
「愛情はないけど性欲だけはある、それが夫婦」という生々しい忠告を前に「じゃ、じゃあその最中は何を考えているんですか・・?」と質問するベッカにリタさんが答えた一言は、あまりにあんまりすぎて、もうここには書けません! リアルすぎてオレには書けないよ!

このくだりでのリタさんの台詞ですが、世界中の夫のみなさんが心の備忘録にメモしておいて損はないと思いますので、興味のある男性は泣きながらご鑑賞ください!マジで!


■ 「翼の上に植民地時代の女が!」

言わずと知れた『トワイライトゾーン』のエピソード「2万フィートの戦慄」のパロディです。
さいこうです。


■ 「あなたは私のことなんて何も知らないし、私にあなたの助けなんて必要ない」

さてさて、結婚式の準備に奔走する一方、偶然の出会いから「これは!」という人と一夜を過ごすこととなったアニー。
お相手のネイサンはおまわりさんで、アニーの弱いトコロや悩んでいるトコロを理解しようとしてくれる、とても優しい人。
しかも、朝チュン時にはコーヒーまで淹れておいてくれるという気配り名人で、アニーが今まで一度も出会ったことのない誠実なタイプでした。
どう考えても「やっと会えたね!」と言うべき人なのですよ。
年齢もいい塩梅だし、安心してつきあっていける人に違いないのですよ。
でも、言えないのです。
素直に胸襟を開いて甘えることが出来ないのです。
だって、この年になるまでひとりで必死に生きてきたから。 
ヤリ逃げ&都合のいい女扱いしようとする男たちに傷つけられないよう、「強がり」という鎧で必死に自分を守ってきたから。

もうね、わかる! わかりすぎて辛い!
パっと出の男に「きみのホントの気持ち、わかってるよ」なんて言われたかないのですよ! 
そんな浅くねえし! 
オレ、そんな単純じゃねえし!
まだまだ見せてない部分、山ほどあるし!! 同情なんてされたくもねえし!
おやじ!ホッピー一丁!大ジョッキで!


■ 「彼は親切で、優しくて・・・、それで私ね、大急ぎで逃げてきちゃったんだ」

物凄く自分のことをわかってくれている人なのに、それを認めることが出来ず、胸に飛び込むことも出来ず、毒を吐いて立ち去るしかなかったアニーが、リリアンの留守電に残した本音がこの言葉です。
優しさが痛いほどわかるからこそ、ワーって逃げてしまったアニーの、どうにもならない不器用さに、頷きすぎてムチウチ必至です。

わかりすぎて、辛すぎて、もうオレは泣いたよ! 赤鬼かアガサかっていうぐらい泣いたよ!!

ちなみに、留守電の最後に「これ聞いたら電話してほしいな・・」と残したものの、リリアンからの返信はなし!
いいよいいよ!もう友情なんて信じないよ! だったらいっそのこと、ひと思いにとどめを刺しておくれよリリアン!


■ 「悪口を言うんなら私のいない時にしてよ!」

「どちらがリリアンの親友として相応しいのか」と、火花を散らし合うアニーとヘレン。
リリアンはそんなふたりの現状に気づいていないわけではありませんでした。
彼女としては、付き合いの長いアニーも、最近知り合ったとは言え親身になって手助けをしてくれるヘレンも、どちらも大切な友達であり、自分が好きになった友達同士、できれば仲良くなってもらいたいと思っていたのです。
そりゃまぁ、ヘレンのブルジョワっぷりは、以前の自分ならアニーと一緒になって「ケッ」と鼻で笑っていたタイプではありますが。
しかし、そんなリリアンの気持ちも知らず、堅くなにヘレンを拒み、敵意を剥き出しにしてきたアニー。
ついには、うまくいかない仕事や恋愛のムカムカの相乗効果もあり、リリアンの婚前パーティで来賓を前に大暴走してしまいます。
そこでキレたリリアンが放った一言が、「悪口を言うんなら私のいない時にしてよ!」。

もうね、「やっとれんわ!」ってことですよ!
「おまえらわしの気も知らんと好き勝手しよってからに!」と。
両方の性格を知っているリリアンにしてみれば、これ以上イラつくことはなかったでしょうね。
「冷静になって、思い込みを捨てて話してみれば、きっと仲良くなれるタイプなのに・・・なにやっとんじゃぁぁぁ!」と言いたくもなるでしょうよ。 わかる。わかるよ。

・・まぁね・・・ アニー寄りの目線でみれば、「だったら最初っから間に入って取り持ってよ・・・」という話でもあるのですけどね・・・ フフ・・(遠い目)


■ 「自分を哀れむな」
■ 「自分の不幸を周囲のせいにするな」
■ 「問題の答えは自分の中にあるんだ」


リリアンと大喧嘩してしまい、ネイサンからも愛想を尽かされてしまったアニーは、すべてを失い(失ったような気になり)自宅に閉じこもってしまうのですが、そんな彼女の救世主となったのは、他ならぬダグの妹メーガンでありまして。
本気で誰かと交わろうともせず、勝手にやさぐれ、人生に失望していたアニーにぶつけたこの台詞は、彼女の心だけではなく、鑑賞していた私の心をも大きく突き動かしました。

人生なんて、うまくいかないものです。
理想と現実はしょっちゅう反発し合い、絡み合うと思えば解けてしまうのが常です。
しかし、だからといって「どうせ・・」と捨て鉢になる必要なんてない。
「理不尽な人生に振り回される可哀想な私」に酔っていても、事態は何も変わらないのですよ。
自分を変えることができるのは、自分しかいない。
ダメなトコロもイイ線いってるトコロも、全部正面から受け止めよう。

「人生は痛い。 でも、それが人生なんだ。 さあ、戦えよ!」
というメーガンの言葉は、すべての女性に贈られた力強い声援のようで(もちろん、男性にとっても同じだと思いますが)、なんかもう、師匠と呼びたいです! 師匠!かっけーッス、師匠!

ちなみに、せっかく訪ねてきてくれたメーガンを前に「私には友達なんてひとりもいないんだわ・・」とグチグチ言うアニーに向かい「友達を前によくそんなこと言えたな!」と、堂々友達宣言をするメーガンの精神力も超憧れッス! 
もしも私だったら「(ああ・・私は友達認定されてなかったんだ・・・そっか・・そうだよね・・エヘヘ・・)」と心の中で号泣するのがやっとですよ! やっぱ師匠すげえよ!!


■ 「私には女友達がいないの・・・」

いよいよ結婚式、という中、形相を変えてアニーの家に駆け込んできたヘレン。
彼女曰く、突然リリアンが姿をくらませてしまったとのこと。
まぁ、普通に考えたらマリッジブルーだろうとは思うのですが、何不自由なく育ち結婚したヘレンにはそのような発想はなかったでしょうし、結婚経験のないアニーは言うまでもありません。
ということで、万策尽きたふたりは、国家権力に頼ろうとネイサンの元に向かうのですが、その道すがらヘレンが涙ながらに告白したのがこの一言だったのですよね。

何もかも完璧に見えたヘレン。
だからこそ、初めて会った時から心の中でチっと舌打ちし、「絶対おまえとだけは友達になんないんだかんねー!」と反発してきたアニーだったのですが、正直すぎる打ち明けばなしに、思わず意地の悪い笑みを浮かべてしまいました。
それは、そこはかとなく意地悪ではあったのですが、ふたりの間にそびえ立っていた(というかふたりが妙なプライドからせっせと積み上げてきた)壁が崩れたしるしであり、「へえ・・・あんたもナナって言うんだ・・」的融和の瞬間だったのであります。

もしかしたら、いや、きっとヘレンも、どうやって友達を作ったらいいかわからない、不器用な女性だったのですよ。
ホントはみんなと仲良くなりたくてしょうがなかった。
太っ腹だったのも、嫌味とか恩を着せようとかそういうのではなく、育ちの良さが出ていただけ。
でも、そういうのを悪い方に解釈する人は多いし、何より猛烈に僻まれるものです。
ゆえにヘレンは、上っ面の友達はいても、誰かに本音でぶつかることなど出来なかったし、ぶつかってきてくれる人もいなかった。 
アニーとヘレンは、実はとても似ているタイプだったのです。

もうね、わかる! わかりすぎて辛いんですよ!
もういいよ・・何も言わなくていいよ・・ あんたもこっち側だったんだよね・・ ・・ねえ、今日からあんたのこと、ハチって呼んでも、いい・・?


■ 「人は変わらない。 ちょっとずつ成長してるだけで、根っこの部分は変わらないのよ」

高校生の頃、友情は永遠だと思っていました。
部活で苦楽を共にし、家族同然の絆で結ばれた仲間たち。
ですが、卒業し、それぞれが進学や就職や結婚という別々の道を進み始めた瞬間から、ほんの少し、その絆の結び目がやわらなくなってゆくのを感じ始めました。
新しい環境、新しい仲間との出会い。
それでも私にとって本当に心許せる友達は彼女たちだけだ、と思っていたし、お互い同じだと思っていた。 
そして、そう思っていたのは自分だけだったのだと、彼女たちの結婚披露宴で思い知らされた。

今振り返れば、なぜあんなにも頑なだったのだろう、と恥ずかしくもあり、情けなくもあるのですが、「親友」だった花嫁と、彼女の周りでにこやかにピースサインを決める見知らぬ女の子達はとてもキラキラしていて、私はなんだかもう無性に「無理だ・・・」と思ってしまったのですよね。
「ああ、彼女たちはもう変わってしまった。 新しい友達を得て、私の手の届かないところへ行ってしまった」、と。
なんてバカだったのでしょうか。
その輪の中に「やっほー!」と入ればいいものを、勝手に失望して、勝手に自分を哀れんで、「いいよ、別に、私ひとりでも平気だから」とやさぐれていた私は、なんてバカだったのでしょう。
もちろん、彼女たちがそうであったように、その時私の周りにも、新しい環境で巡り合えた大切な友達がいてくれたというのに。
メーガンのような友達が。

そんな、変わったと思っていた(決めつけていた)友達と、先日久しぶりに食事に行きました。
数年ぶりに会った彼女たちは、全然変わっていませんでした。
ちょっとずつ成長して、大人になって、でもちっとも変わっていなかった。
答えはいつだって、私の中にあったのです。

今でも私は友達を作るのが苦手で、というか、どうやったら友達になれるのか、友達を名乗ってもいいものか、そこらへんのさじ加減がさっぱり判断出来ないのですが、壁を作るも壊すも自分次第なのだよなぁ・・ということはわかってきた気がします。 飛び込むも尻込みするも自分次第なのだ、ということも。

アニーとヘレンは私だった。
そんな彼女たちがちょっとだけ成長し、新しい一歩を踏み出すラストは、さいこうに爽快で、さいこうに胸が震えて、エンドクレジットが流れた瞬間、本作は私にとってかけがえのない宝物のような映画となったのでした。
繰り返されるシモネタや、女性たちによる体を張ったギャグに腰が引けてしまう方もいるでしょうし、とことん合わないわーという方もいらっしゃるでしょうが、私の中では文句なしの傑作でしたよ!




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『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』

2012年04月23日
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あらすじ・・・
飽食と欺瞞の時代に警鐘を鳴らす社会派サバイバルアクションドラマの先駆者、それがわたしです。

詳細・・・

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(血まみれというか、なんか赤いヤツまみれです)

ある日、平凡な主婦が惨たらしい姿で発見されました。
凶器は発見されず、死因もはっきりしない変死体。
一体何が彼女を死に至らしめたのか?
事件を解き明かすヒントはどこにあるのか・・・?

トマト2_convert_20120422150743
(ペロリ)(こ・・これは・・ リコピン・・?!)

そうです。 
実は、アメリカ政府が極秘に開発していた巨大トマトが何らかの突然変異を起こし、人を襲い始めたのです。
何が「実は」なのかよくわかりませんが。

トマト3_convert_20120422150848
(こんな部屋しか空いてなくてすみませんねぇ)

という訳で、巨大トマト開発の責任者である農務省のえらいひとや軍のえらいひと、あと科学者や大統領補佐官などが膝を突き合わせて対策会議を開く事になりました。
突き合わせすぎだから。 膝とかもう、そういうレベルじゃなくなってるから。 接近戦すぎて、あとひと押しで接吻さわぎだから。

トマト4_convert_20120422150927
(対トマト戦の最終兵器は彼氏)

何一つ有意義な意見が出されない中、時間だけがいたずらに過ぎてゆく会議室。
しかし、アメリカの優秀な科学者たちは、銃もミサイルも除草剤も何も効かないトマトども相手に、ただ手をこまねいていたわけではありません。
半分人間・半分アンドロイドのスーパーメカ人間を秘密裏に開発していたのです!

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(その名はブルース)

リコピン野郎どもを粛清する為の最後の切り札・ブルースくん。
おおよそ無敵なんじゃねーの、と思われたのですが、片脚だけを強化し終えた所で開発費が底をついてしまったので、まぁ、なんというか、使えるか使えないかと言ったら圧倒的に使えないですよね。

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(われわれの目の前に、信じられないような光景が!)

ここまでは割とアブラートに包んだ恐怖表現しか出てこなかった為、レイティング関係も安心な内容だったのですが、「お遊びはここまでだ!」とばかりに牙をむき出して来たジョン・デ・ベロ監督。
容赦なく人間に襲い掛かり、その血肉をむさぼり食うトマトたちに背筋が凍ります。
色んな意味で凍ります。
かんけいないですが、ジョンデベロという文字列をじーっと見つめていたらジョン・テヘペロに見えてきた不思議。

トマト13_convert_20120422150538
(テヘペロ☆彡)

ちなみにこちらがジョン・デ・ベロ監督のご尊顔。
盲目の警察官役でスクリーンデビューを果たしていました。
まあね、出たがりますよね、カントクなんて生き物はたいがいね。

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(バキュンバキューン!)(キャータチケテー!)

トマト6_convert_20120422150944
(ジョーズっぽいのもあるよ!)

凶暴なトマトの進撃は留まる所を知らず、海水浴を楽しむものにまでその魔手を伸ばしてきます。
まるでプカーと浮かび上がっているかのように女体に押し迫る赤い悪魔。
ここでポイント。  トマトが水に浮かぶのは完熟度が足りない為であり、程よく熟して糖度も上がったモノは水に沈むそうですので、今度おやさいを購入される際はぜひ参考にしてみてくださいね。

次回、「トマトで作る簡単アンチエンジングレシピ」おたのしみに!

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(「家庭用トマトが超デッカくなっちゃった件に関する報告書」みたいなニュアンスのアレ)

何の話でしたっけ。 そうそう、トマトね。トマトがこわいっていう話ね。

科学者によるスーパーメカ人間計画が頓挫してしまい、政府のえらいひとは報告書をもとに別口の調査会を行います。

トマト8_convert_20120422151001
(「極秘! えらいひと限定!マスコミは特にダメ!」みたいなニュアンスのアレ)

一部の人間だけが知り得るはずの情報などというものは、いつの時代も「流出するもの」と相場が決まっています。
ということで、トマト報告書もその一部がなんらかのルートを経て新聞社の手に渡ってしまいました。ヤバーい超ヤバーい。

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(※ 本作のヒロインです)

ところが、あいにく新聞社では腕利きの記者が全員出払っており、残っていたのは芸能関連ゴシップ記事担当の新人記者ロワス・フェアチャイルド女史のみ。
ところで、これ役名の表記は『スーパーマン』のヒロイン・ロイスと同じ「Lois」になっており、劇中にはギリギリアウトなスーパーマンもカメオ出演していたのですが、字幕では「ロワス」になっていたのですよねー。なんだろう、大人の事情の匂いがぷんぷんするぜ!

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(生みの親に襲いかかる完熟トマト)

マスコミが動き始める中、一連の騒動の隠蔽活動に奔走していた農務省の人間の上にもついにトマトのジューシーな果肉が降り注ぎ始めます。
親の因果が子に報い・・・。 危険な生き物を作り出してしまった親のエゴが、見事に結実した瞬間でした。ト マ ト な だ け に 。 
でもこれ、画づらだけ見てると完全にトマトの方がヤラれてますよね。潰れちゃってるし。したたっちゃってるし。

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(せいふがはなったたたかいのエキスパート・その1)

打つ手の全てが徒労に終わり、残るは絶望だけかと思われた時、政府の特別対策室が満を持してスーパーエージェントを野に解き放ちました。
今までも数多の危機をこっそり救ってきた、アメリカ希望の星。
豊満バディがチャームポイントの元水泳メダリスト、片時も酸素ボンベを口から離さないスキューバダイビングの達人、どんな歴史上の有名人のコスプレでも瞬時にこなしてしまう変装の名人、背中から出しっぱなしのパラシュートと興奮したら振り回す日本刀がおちゃめな大尉の4人です。 ええとね、ええとね、水関係多くね?

元水泳選手のグレタさんは、たぶんトマト野郎をおびき寄せる為に森でピクニックを楽しみます。たぶんですが。 もしくはお腹がすいちゃったのかも。
ステロイドという名のシリアルというか錠剤というか、まぁ、言ってみれば軽食ですよ軽食。それをぼりぼり貪り喰らうグレタさん。打倒ギャル曽根。

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(ただいま本領発揮期間中!)

そこにのこのこと現れたナス科ナス属の多年生植物。
ステロイドという名のアレで腹バンバンなグレタさんは、思う存分その凶暴な本能をむき出しに。蜂のように刺し、蟻のように運べ・・じゃなかった、穴子のように・・・ ちがうな・・なんでしたっけ・・・まぁいっか。
しかし、たった一人で闘うグレタさんに対し、迫り来る多年生植物はあまりに大きく多い。
奮闘虚しく、荒野に散ってしまったグレタさんの純情に幸あれ・・・!

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(たたかいのエキスパート・その2)

スキューバの人は公園の噴水でダイビングを楽しんでいましたのでさておき、変装の名人であるサムさんは、トメイトゥに変装し敵陣に潜入することに。
ちなみにこの斬新なコスチュームがのちのレディガガに多大な影響を与えたであろう事は、完全にアガサの妄想ではあるものの、なんというか、絶対無いとは限らないですよね、ほら、可能性の話としてね。夢は捨てたらおしまいやでー。

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(破壊行為の限りを尽くす緑黄色野菜)

しかし、野蛮なトマトどもにはエキスパートたちのスーパースキルすらも歯が立たず、ついには軍隊との壮絶な市街戦が幕を開けてしまいます。
トマトによる略奪、トマトによる焼き討ち、トマトによるレイプ、トマトによる・・・え?・・レイ・・ええっ?

あと、そろそろ展開が読めてきたと思いますが、終始こんな感じです。 ヒトが何かする→トマトに負ける→ヒトが次の手を打つ→トマトに負ける の繰り返しです。 裏切りもどんでん返しもないので安心してご覧いただけますよ。

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(トマトは安全ですよ ・・・アレに比べればね!)

万策尽きた政府は、もうこうなったら逆にトマトを受け入れてもらう方向にシフトしようとばかりに、大手広告代理店に情報操作を依頼。
トマトはこわくない。 トマトはみんなのともだち。 たしかにトマトにも危険性は無くはないですよ、それは認めますよ、でも、でもね、じゃあ聞きますけど、交通事故や成人病で年間どれだけの人が亡くなっていますか?って話じゃないですか。 トマトがわるいって言うんなら、車の販売も禁止すべきだと思うねオレは!
それに、原発に比べてもぜんぜん安全だし安いし、なによりおいしいもんね!これ大事!

って、マスコミが取り上げた途端にトマトの印象がよくなったと報告されています。ホントですよ。ウソだけどあながち絵空事とも言い切れないですよ。

情報操作に一定の効果はあったものの、現実問題としてトマトによる大量殺戮は繰り広げられ続けている訳で、つまりもう、どん詰りだったアメリカ本土。
そんな時、当初から捜査を続けていた捜査員・ディクソンさんがひょんなことから重大な事に気付きました。
トマトの弱点についてです。

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(トマト、侵入)

生き残った人々をスタジアムに集め、トマトをおびき寄せるディクソンさん。
まんまと現れたトマトの顔には、こころなしか慢心の笑みが浮かんでいるようです。

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(ワーーっつって)

巨大トマトに包囲された人々の頭上から、全米ヒットチャートナンバー1ソング「思春期の恋」が大音量で鳴り響いたその時、歴史は動きました。
音程外しまくりのペラい歌がトマトの神経を蝕み、巨大だった体が一斉に一般的なサイズに戻り始めたのです。
逃げ惑うトマトたち。
人間の猛攻撃が始まります。

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(※ 使用されたトマトは この後スタッフがおいしくいただきました)(たぶん)

精彩を欠いたトマトはなすすべなく粉砕されてゆき、人類滅亡という最悪のシナリオはなんとか回避されたのでした。
よかったねーほんとよかったよー(棒読み)

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(ト・・トマトが進化している・・だと・・?!)

しかし、喜びもつかの間、ディクソン捜査官の前に巨大な赤い影が立ちふさがります。
もっさい音楽を聞かされて骨抜きになったはずなのに、一体なぜ・・?!
と思ったら、そのトマトの耳にはなんとヘッドフォンが・・・  ・・え?・・ヘッド・・?・・みみ・・?

・・・

・・


  ∧_∧
 ( ・ω・)__.._______
 ( ⊃ //       /  
 と____(∠_______/    よっこらせ・・と



  <⌒/⌒`ヽ、____
  </     ヽ    /
  ∠______/      キョウモツカレタナー・・


総括・・・

ゆるい映画だとか、B級ならぬZ級映画の代表作だとか、眠気を誘うバカ映画だとか色々評されている本作ですが、その実態は、危機管理能力に欠けた政府に対する批判、有事に際し隠蔽工作に奔走するしか脳のない役人、国とマスコミとのズブズブな関係、「ジャーナリズム」の名のもとに繰り返される人権蹂躙などを鋭く切り取り、カリカチュアライズされた登場人物と共に描いた社会派ドラマなんじゃねぇの。 そう言っておけばなんとかなるんじゃねぇの。

一見普通にしか見えないものの、心の眼でみつめてみればなんとなく凶暴に見えてこない事もないトマトたちが、人間のまわりをコロコロと転がるお話は、いうまでもなくコメディ以外の何ものでもない(真面目に作っているけれどコメディに見えるのではなく、作る方もコメディのつもりで作っているという意味で)のですが、出てくるギャグのひとつひとつが壮絶に空回りしており、本気でお布団を敷こうと思った瞬間が私にもありました。
ただ、見慣れてくると可笑しくなってくるというか、「しょうがねーなー」という大らかな気持ちになってきますので、憎めない作品だなぁ・・とも思います。 ホント楽しそうなんですよねぇ。

突如ミュージカル風になったり、画面の下に映画のスポンサーである家具屋さんのセール情報が流されるなど、初監督作とは思えないほど余裕に満ち溢れた作風に、改めてアメリカの作品層の奥深さを感じさせられました。

ようするに、キライじゃないよ!こういうの!


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『バス男』 (ナポレオン・ダイナマイト)

2008年07月15日
ナポ5
※撮影後は、スタッフが責任をもって平らげました。

ちょっと地雷が続いたので、心の清涼剤を投入すべく、あるお方にお借りしたバスおとk・・(モゴモゴ゙)じゃなかった、 『ナポレオン☆ダイナマイト』 を鑑賞いたしました。
○○さん、見事なユンケル黄帝液をありがとうございました!(←清涼剤から強壮剤に変わっとるで)


あらすじ・・・
○月×日。 32歳にしてニート且つ引きこもりの兄貴は、今日もPCの前でチャット漬け。 お前、働けよ。
○月△日。 一家の大黒柱であるおばあちゃんが、砂丘でモトクロス中に骨折。オレらの面倒をみる為に、筋肉バカの叔父さんがやって来る。正直UZEEEE。
○月×日。 学校に新しく転校生がやって来た。早速友情が芽生えた。なんていうか、必然じゃなく偶然。
○月□日。 筋肉バカの叔父さんが、マルチな商売の方法で稼いだお金でタイムマシーンを買って来た。そんな、タイムマシーンだなんて、そんなモンが実在する訳が・・ 訳が・・・ ここにこうやって装着するの?なになに、若干それらしい作りにはなってるんじゃあqwせdrftgyふじこって、電気ビリビリてなったわ!ボケエ!!知っとったわ!タイムマシーンなんかあるかぁ!ドアホ!!

○月☆日。 校内ダンスパーティの日が近づいてきた。親友のペドロはいつの間にか誘っていた写真屋の娘・デビーと行く予定らしい。・・・欝だ。
○月×日。 ペドロのアドバイスに従い、得意のイラストをあしらえた申し込みレターをクラスの女子に渡してみた。叔父さんの裏工作が功を制し、無事オッケーを貰ったオレは勝ち組。
○月※日。 パーティ当日。超イカすスーツも手に入れて、あとは彼女を華麗にエスコートするだけ・・・と思ったら、会場に着いた途端フラレてしまったオレは負けてない。負けてやったフリをしているだけ。

○月△日。 兄貴がチャット相手に実際に逢う事になったらしい。おかまが来ればいいのに。
○月○日。 むしゃくしゃしたので、ダンスビデオを見て踊りまくった。おかまが来ればいいのに。
○月×日。 おかまみたいな美人が来た。

○月□日。 ペドロが生徒会の会長選に立候補した。勿論オレは全力で彼を応援する。なぜかって?なんか面白そうだからそれが友情ってもんだろ☆
○月*日。 ペドロが会長選の相手候補のクオリティの高さに絶望して、頭を丸めてしまった。デビーと協議の結果、彼にワッサワサのかつらを装着してやった。 なぜかって?なんかおもしr(以下略)
○月☆日。 いよいよ選挙当日。 どう考えても不利な状況の中、果たしてペドロは会長選を制する事が出来るのだろうか?
そして、兄貴の恋は実るのだろうか?
あと、叔父さんはそろそろ出て行ってくれないだろうか?
それはそうと、おばあちゃんはいつ帰ってくるのだろう?
どうでもいいけど、デビーってちょっと可愛いと思う。


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もう、改めて言う事でもないのですが、ホントに面白い作品です。
あちこちのサイト様で大絶賛されていますが、なるほど納得の出来映えです。
まだご覧になっていない方は、晩御飯をモスからマックに変えてでも是非ご鑑賞頂きたい逸品です。
アガサの本年度絶賛ランキングで言うと、 『HOT FUZZ』 の次にランクインするくらいの地味な傑作です。
例えるならk(長くなりそうなので省略)

童顔なんだか老け顔なんだかよく判らない、主人公のナポレオン・ダイナマイト君。
ヴァーチャル嫁に夢中の兄。
過去の栄光から抜け出せない叔父。
髭の高校生・ペドロ。
可愛いくせに非モテの苦学生・デビー。
この作品に出てくる登場人物は、その殆どが傍から見ると“負け組”に分類されるであろう人々です。
しかし、一般的な映画で見かける“負け組”と決定的に違う点があり、そこが本作の一番の魅力でもある。
その点とは、“積☆極☆性”!

「ネガティブ」「自虐的」「責任転嫁」「根性なし」「勝てる気がしねぇ」 と、いわゆる“負け組”にありがちな常識は、彼らには無い。
彼らにあるのは、純粋な前向き思考。ただそれだけ。

わかり易い例を挙げるならば、
「楽しかったあの頃に戻りてぇなぁ」→「よし、戻ってみっか!」→「タイムマシーン買ってきたお♪」
てなテイスト。 VIVA!低脳!!じゃなかった前向き思考!

一見何のとりえも無さそうな彼らが、実に躊躇無く大胆な決断を下したり、申し出をしてみたり、商売っ気を発揮してみたりする様は、心が晴れる事間違いなしなのです。
特に、クライマックスの会長選におけるナポレオン君の隠れた才能発揮シーンは、映画史に残る名シーンだと言い切りたい。 いや、ダメならいいんだけど。(←あっさり)

いやぁ、まさか爆発直後のネズミ男みたいなナポレオン君が、ジャミロクワイに見えてくるだなんて・・ねぇ・・

・・・

あれ・・ おかしいなぁ・・ 

母さん・・・ ・・涙が止まりませ・・ ・゚・(つ∀`)・゚・アハハ

そしてラストで怒涛のごとく押し寄せてくる、メガハッピーエンドの嵐。
あっちでもこっちでも咲き乱れる、幸せのチェーンリアクションに、「映画を観る幸せとは、こういう事なのだ」と改めて思い知らされたアガサ。
比べる事は適切ではないかもしれませんが、 『ジュノ』 よりも 『リトル・ミス・サンシャイン』 よりも、鑑賞後の満足度は高いのではないでしょうか。(あくまでアガサ基準)

エンドクレジットの後に登場するヘンテコなおまけも含めて、本当に楽しい作品でした。
あ、あと、オープニングも最高にステキで、思わず真似してみたくなっちゃうこと請け合いです。
「映画の出来はオープニングで決まる」伝説は、まだまだ死んじゃいねぇんだぜ!(´▽`)b

よおし、充電も出来た事だし、また地雷でも借りてくっか! ・・てな! (→で、本文一行目に戻る)
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『チーム★アメリカ/ワールドポリス』

2007年12月10日
チーム
『パールハーバー』はクソだね。ホンマごめん。

最近、立て続けに血みどろ指数の強いモノ(ソウ&ケッチャム)を摂取したので、息抜きのつもりで借りて参りました 『チームアメリカ ワールドポリス』 。
蓋を開けてみると、こちらも見事に血みどろ映画でした。
どうもありがとうございました。

あらすじ・・・
今日も、世界の某国で蛮人相手に大活躍するは、我らがチームアメリカ。
世界の治安は彼らにお任せ!
にっくきテロリストも、知能指数の低いターバン野郎も、たちどころに抹殺!
それが頼れる兄貴・チームアメリカなのだ!!
え?  チームアメリカの爆撃のせいで、世界遺産が壊れたって?

うん、あの・・あれだ ・ ・  気にすんな。

ある日、チームアメリカは新たな悪の枢軸を発見した。
北にある某国の独裁者が、大掛かりなテロを画策しているらしいのだ。
早速、新人メンバー・ゲイリーと共にかの国を叩こうとした彼らでしたが、今までのちょいオーバーだった治安維持行為がマスコミの標的となってしまった。
その上、ハリウッドの自称モラリストの連中が国民を扇動して、大掛かりな反対デモが勃発。
もともと役者だったゲイリーは、憧れだったハリウッドの演技派たちが次々にチームアメリカを批判するのを目にし、すっかり意気消沈。

ポッキリと出端をくじかれてしまったゲイリーを残し、他のメンバーたちは一路北の独裁者が待つかの国へ。
しかし、そこで彼らを待ち受けていたのは予想もしなかった面々だったのです。

果たしてゲイリーはやる気を取り戻す事ができるのでしょうか?
そして、我らが正義の守り神・チームアメリカは、世界をテロの恐怖から救う事が出来るのでしょうか?


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未だかつて、ここまでエロい映画が存在したでしょうか・・・人形のね。
『サウスパーク』 の製作者(トレイ・パーカー&マット・ストーン)が、平面には飽きたし、役者はなんのかんの煩いので、人形で作ってみた(らしい)本作。
何から何まで “アンチハリウッド” に終始した本作は、派手なぶっ壊しシーンのみならず、不必要なエロシーンまできっちりと再現してくれています。

わぁ、お母さん!エロだよ! すごいエロ!!

と、いたいけな小学生が観てしまうとトラウマ(もしくは開眼)必至なんじゃないかと思われるような、濃密かつアクロバティックなベッドシーン。

しかも、そのエロシーンの取っ掛かりとなるキスシーンは完全に「口と口とがズレた状態」と言う、拙い人形さばき。
で、「ま、人形だし仕方ないか」 と思わせておいた直後の、完璧な合体(エロ)シーンな訳です。

監督の、そこはかとない悪意を感じます。

映画の本筋となるのは、明らかにブッシュ批判。
頼まれてもいないのに他所の国に出かけていき、
「やあやあ我こそは、世界の治安を維持する世界警察さまだぁ!」
と破壊の限りを尽くし、テロの種をバラ蒔いて去ってゆく。

そんなアメリカの“ホントにあった怖い話”をベースにしつつ、政治家はもちろんの事、日頃から反戦運動に情熱を捧げているハリウッドセレブまでも、ありとあらゆる偉い人をこてんぱんにいてこましてくれる所が、見境無くって実にイイ!

共和党も民主党も戦争賛成派も反対派も、なんか偉そうに言ってるヤツなんて馬鹿ばっかりだ!
という大いなる中二病映画。て事で、どうすか?

さて、なんと言ってもこの映画の見所は、そんな中二病の捌け口に使われてしまった有名俳優の皆さんなのですが、これがまた中東のテロリストよりも北の独裁者よりも凄まじい肉体破壊の憂き目にあってしまいます。
ジョージ・クルーニーリブ・タイラーは手榴弾で爆死、
イーサン・ホークは臓物をばら撒き、
ジャニーン・ガロファロは脳髄をぶちまけ、
ダニー・グローバーショーン・ペンは猛獣(ネコちゃん)に喰い散らかされ、
スーザン・サランドンはベランダから突き落とされ、肉の詰まった袋と成り果て、
ヘレン・ハントは日本刀で胴体真っ二つ、
サミュエル・L・ジャクソンはとび蹴りで頭をカチ割られ、
マット・デイモンは首の骨をへし折られ、
ティム・ロビンスは火あぶりにされる。

あぁ・・、これ実写で観たかったなぁ・・。

そして、名だたるオスカー受賞者・ノミネート者の中でも、最もコケにされ重要な役を与えられていたのが、アレック・ボールドウィン
“世界的名優”アレックは、俳優組合の代表として北の独裁者のパーティに出席。
スピーチに失敗した揚句、マシンガンで頭をこっぱ微塵に吹き飛ばされる羽目に。
しかもその決定的シーンは、3方向からのカメラショットが使われるという念の入り様。

そんなにお嫌いですか?アレックの事・・・。゚(゚´Д`゚)゚。

世界平和を求めるが為に、同じく世界平和に尽力するチームアメリカを殺そうとする俳優組合。
追い求めるモノは同じはずなのに、その目的を達成する為に殺し合うとは、なんと矛盾しているのでしょうか。
しかし、その矛盾が今の世界の有り様。
自分が信じる正義と、隣人が思う正義が違えば、そこには必ず“確執”の2文字が浮んでしまうのですね。哀しい事ですが。

頭の先から尻尾の先まで、悪意と毒と青臭い反抗心と人間愛に満ちた本作。
寛容な気持で全てを笑い飛ばせる態度が最も求められる映画ですが、もしも笑い飛ばせず不快な気持ちになってしまっても大丈夫。
それ(不快にさせる事)が、トレイ&マットの狙いでしょうから。

で、アガサはどうなんだ? というと不快どころか愉快この上なしでしたが、何か?(←何故か逆ギレ)

最後に、本作ではドス黒い歌詞に彩られた、痛快なオリジナルソング(によるミュージカルシーン)の数々も見所の一つ。
チームアメリカを讃える、「ファ○ク!イエー!アメリカ!」に始まり、
ゲイリーが仲間を救うために立ち上がると時に唄われる「モンタージュ」、
そして傷心のゲイリーが口ずさむ、「パールハーバーはクソだ」などなど名曲が揃い踏み。

♪ パールハーバーはクソだね キミを失った僕以上にクソだ
  マイコー・ベイは よくも映画を撮り続けられるもんだ
  パールハーバーはクソだよ 本当にゴメンなさい ♪


・ ・ ・ うん、わしもそう思う。 
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『最終絶叫計画4』

2007年08月11日
20070810235218.jpg  
『デスノート(原作)』ネタにつき、未読の方にはメッキリ優しくないイラストになっております。(→すみません)
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夏バテ気味なアガサが、やる気の感じられないペースで只今開催中の『呪怨』祭り。
今やジャパニーズ・ホラーの代名詞となった、その 『呪怨』 なのですが、劇中に於いてのトシオ&カヤコ・パフォーマンスと言えば、一歩間違えばギャグにしか感じられない、かなり微妙なライン上にあったりします。きっとそうです。

そう思っていたある日、風の噂で聞いた所に依ると、何とハリウッドのお笑いバカたちが 『呪怨』をネタにコントを作ってしまった言うではないですか。
そのお笑いバカたちとは・・・
デヴィッド・ザッカー & ジム・エイブラハムズ!

そうです!
アメリカ映画史の片隅で、細々と続けられている 『最終絶叫計画』シリーズの最新作は、何とズバリ 『呪怨』 が槍玉に挙げられていたのです!!
勿論、堂々劇場未公開です!!
それがどうした! 文句があるか!!
(何故か逆ギレ)

と言う訳で、脱力系パロディ映画 『最封絶叫計画4』 。
『呪怨』祭りの一環として、細々とレビュー!レビュー!レビウ!!

あらすじ・・・
お馴染みシンディが、今回訪れたのは謎の日本風家屋。
そこは、不気味な人影や髪の毛が度々出現している、いわゆる一つの幽霊屋敷でした。
その幽霊屋敷の隣家に住む男やもめのトムは、ある日見かけたシンディに一目惚れ。
バツイチ同士の2人は直ぐに意気投合し、熱い視線を交し合うのですが、そんな時、激しい落雷と共に地球の地層深くから宇宙生命体が覚醒してしまいます。
その生命体は、謎の熱光線で人々を焼き尽くし、地球の全てを侵略しようとしていました。
困ったシンディの前に現れた謎の白塗り少年は、「ある人物こそ全ての解決法を知っている」とシンディに告げるのですが・・・。

果たして白塗り少年の正体は・・・?
そして地球の未来は・・・?


これぞ漢道(おとこみちと書いてデヴィッド・ザッカー)!

そんなベッタベタな笑いに包まれた 『最終絶叫計画4』 。
ぶちまけたバヤリースが半渇き状態の床の様にベッタベタです。

笑える人は本当に映画が好きな人か、あるいは恐ろしく心が広い人なのではないかと思われる本シリーズ。
どうまかり間違っても、「はねとび」や「オリキュン」などが好きな女子高生のツボにははまらない笑いの属性は、今回もバッチリ健在です。
ですのでまぁ、未公開の憂き目にもさしたる驚きを感じません。(むしろ当然の成り行き)

でも、やっぱり私は好きなんですよねぇ・・・
・・・このまったりとした、わ・ら・い +.゚(*´∀`)゚+.゚キャハ!


シリーズ1作目・2作目を監督していたウェイアンズ兄弟から、メガフォンを引き継いだデヴィッド・ザッカー
説明不要のお笑い王、キングオブキングとはまさにこの方の事を言うのでしょうねぇ。
『フライング・ハイ』 『殺したい女』 『裸の銃を持つ男』 など、コメディ映画史に燦然と輝くアホな作品(←※ホメ言葉)を数多く送り出したザッカー監督。
前作『最“狂”絶叫計画』(3作目)では、旧友を引き連れてやりたい放題していましたが、今回もまたもや馴染みの方々と共にくっだらない笑い(←※ホメ言葉)を連発していて、さすがとしか言い様がありません。

槍玉に挙げられているのは、 前述の『呪怨』『トムの宇宙戦争』『ビレッジ』『ソウ』『ブロークバック・マウンテン』『ミリオンダラー・ベイビー』などなど・・・。

で、前作で散々貞子(サマラ?)ネタで引っ張っていましたので、今回もトシオ&カヤコに期待をしていたのですが、残念ながらトシオモドキがちょっぴり登場するだけで、御大カヤコの登板はありませんでした。
まぁねぇ・・・アメリカの方々には、貞子と見分けがつきませんものねぇ・・・。
そしてトシオネタが早々に切り上げられる理由のもう一つは、『宇宙戦争』にあるのではないかと思いまして、リアル・トムでも充分抱腹絶倒だった『宇宙戦争』を、クレイグ・ビアーコさんとやらがザッカー監督の全幅の信頼の元、メタクソ徹底的に破壊してくれているのが非常に心地よいのですコレが。

そりゃもう、トシオモドキなんかに時間を割いてはいられませんでしょうよ。

この偽トム、ラストでは史実に基づいた“ソファーでジャンプ事件”まで再現してくれていまして、それがまた面白い事と言ったら・・・
完全に、そこに至るまでの本編を吹き飛ばす程のインパクトです。

って、いいんですか? それで・・・

ちなみにこのDVD、特典映像として“削除シーン集”が入っています。
これがまた凄まじいシーンの応酬でして、
「これは確かに要らないシーンだよなぁ・・・カットして正解だったなぁ・・・」
としみじみ実感できる、堂々たるダダすべりっぷり。

でもって、そんな寒々しいシーン集を自虐的にコメンタリーするザッカー監督。
「これはヒドイ」「もうやめてくれ」とか何とか言いながらも、実に楽しそうに解説しているのですよねぇ・・・。

・・・ホント、ステキなおっちゃんです

シリーズがいつまで続くかは判りませんが、こういう漢(おとこ)気溢れる作品は是非終わらせないで欲しいものですね。
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