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『バイオハザード:ザ・ファイナル』

2017年01月17日
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ポールが!やるだろうやろうだろうとは思っていたけど!案の定!やっぱりまた!シリーズ最大レベルで!盛大にやらかした!!


過去シリーズのおさらいはコチラで・・・
5分くらいででわかる『バイオハザード』のおはなし。(シリーズまとめ)


はい、というわけで、ついに、というかやっとその広げ過ぎた風呂敷が畳まれる運びとなった『ポールの嫁自慢』こと『バイオハザード』最新作を観てきましたよ。
15年という決して短くはない時間をかけ、アンブレラ社の支離滅裂な計画を幾度となく描くことで、現代社会が抱える闇やそう遠くない未来に訪れるかもしれないカタストロフィを容赦なくスクリーンに映し出してきた、SF映画界の旗手ポール・W・S・アンダーソン監督。
すみません、うそです。 速攻で謝っちゃいますが、「支離滅裂」からあとの文章はだいたいうそです。 
なんかね、最後ですし、ちょっと賢そうなこと書いてみようかなーと思っただけなんです。 でも、無駄ですよね。 だって、この映画ばかなんですもん。

この映画、すっげえばかなんですもん。
(最大級の賛辞)

「結局アンブレラ社は何がしたかったんだ」「どうやってゾンビ禍を収束させるつもりなのか」「シャワールームで目覚めたミラジョボの右肩についていた傷あとはなんだったのだ」という、(どうせ有耶無耶にされるだけなんだから)気にしていてもしょうがないけど、すっきり忘れてしまうには物語の肝の部分すぎてどうにも無視しきれない謎。
今回、一点を除いてそれらの謎はすべて解決しました。 残された一点については、「たぶんポールも忘れている」説を強く推していきたいと思いますが、さておき、とりあえずほとんどは解決しました。
『マッドマックス』のような世紀末アクションに、『ミスト』のような人間心理の脆さが生み出す恐怖に、ゾンビ映画の小汚さ絶望感。
数々の名作映画のエッセンスを散りばめつつポールが9か月かけて練り上げた回答は、観客の心の中に斬新な感情をかき立てるものでした。
そう、「か・・・過去シリーズとのつじつま、全部放棄しよった・・・!」という感情を!

「シリーズ5本分の前フリも、世界観も、ウィルスの設定も、あれもこれもぜーんぶ一旦忘れようぜ!な?いいだろ?!」と言わんばかりの豪傑な脚本でお送りした『バイオハザード:ザ・ファイナル』。
最後だからなんでもありだとでも思ったのかポールよ。
とにかく終わらせとけばいいんだよね、いう誘惑にかられたのかポールよ。
いや違う。 ポールは最終章を考えるにあたり、ある境地に達したのです。
「せっかくだから、美しい思い出を残しとこう」という、あふれんばかりの家族愛に。

要するに、今回のバイオハザードはこんな映画だったのでした。
ミラジョボ
うそだと思うでしょ?! まさかと思うでしょ?! 「これただのたのしそうな家族団らんじゃん」と思うでしょ?! だいじょうぶ、マジでだいたいこんな感じですから!

ここのとこ描写が少なかった「ゾンビの大群」を出し、絶望的な状況下においても勇猛果敢なサバイバーたちを出し、ゾンビいぬもわんさか出し、宿敵ウェスカーとの腐れ縁に終止符を打ち、お馴染みクレア・レッドフィールドの見せ場も用意し、アリスたちを「ハイブ」という最終章に相応しい舞台に誘えば、最低限すべきことは成し終えた、とばかりにあとはもう延々、
「うちの嫁どう?」
「今回も抜群に強いうちの嫁どう?」
「うちの嫁、老けてもいけるっしょ?」
「うちの嫁に世界がひれ伏すトコ、観たくない?」
「うちの嫁さいこうだけど、実はうちの娘もかわいいってっ知ってた?」
「てなわけで、うちの娘どう?」
「かわいいだけじゃなく演技もいけるクチのうちの娘、どう?」
「うちの嫁とうちの娘のツーショット、ガチでさいこうっしょ?」
というポールの家族自慢が続く『ザ・ファイナル』。 最後の最後にぶちかましてくれたポールに、どうして怒りなど湧こうものでしょうか。 
よくやった、ポール。 今までも「嫁のクローンがオリジナルの嫁と渋谷に殴り込み」といった、ある意味(ポールにとっては)夢のような画を世界中にお届けしてくれたけれど、今回は「自慢の嫁 博覧会」だけではなく愛する娘の成長アルバムまで劇中に盛り込むとは、ポールは親バカの鑑なのではないでしょうか。 まさか、全世界公開の映画で、自分ちのホームビデオを使っちゃうとは! 親バカ・オブ・ザ・ワールドの称号はぶっちぎりでポールに決まり!

ラクーンシティから始まったアリスの旅は、ネバダから渋谷、アラスカからラスベガス、そしてロシアのカムチャッカを経てついに出発点であり終着点でもあるハイブへ。
数奇な運命に踊らされ続けたアリスと、行き当たりばったりの展開に翻弄され続けたわたしたちは、15年という月日の中、それぞれが成長し、この壮絶に矛盾した物語をつべこべいわずあるがままに受け入れるようになりました。 
いろいろあったけど、おもしろかったです。
これで本当に最後なのかと思うと、ちょっぴり寂しい気もしますが、あのポールのことですから、きっとこれからもミラジョボさんの美しさや逞しさを余すことなく世界に知らしめるための布教活動に精を出されることでしょう。 ええ、もちろんそうでしょう。 
わたしとしては、「最終章とは言ったけど、最終回とは言ってない」としレッとした顔でポールがシリーズをリブート(もしくは再開)させる可能性を全く期待せずに、待たずにいようと思っております。 マジで。 待ってないから。 もうお腹いっぱいだから。 
なにはともあれ、ありがとうポール! おつかれミラジョボ! これからも家族なかよくね!!




(※ 以下ネタバレしています)

・ 「シリーズ最終章! すべての謎が明らかに!」と銘打っているにもかかわらず、過去のシリーズでやってきたことをほとんどスルーしているという大胆すぎる映画なので、なんとシリーズを一本も観ていなくてもなんとかなります! やったねポール!画期的!

・ なにせ、T-ウィルス誕生秘話からして、今回初出のエピソードになってますからね!  T-ウィルスを開発したのはジェームズ・マーカス教授! 理由は、娘が患っていたプロジェリアという難病を治療するため!
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(マジか・・・!)(画像はシリーズ2作目でT-ウィルスを作った張本人とされていたアシュフォード博士)

・ マーカス教授はシリーズ3作目でニチアサ怪人と化していたアイザックス博士と共に、アンブレラ社の設立に携わっていた、いわば創設者のひとりでもありまして、娘のために作った細胞再生ウィルスが世界中の病気の人々を救っていることにホクホク顔でした。 意識の高いお父さんでよかったですね。 しかし、順風満帆かに見えたアンブレラ社に、大きな問題が立ちはだかります。 ウィルスの副作用の発覚です。

・ ウィルスを使用した男の子が、ある日突然心拍停止となり、その直後アンデッドとしてよみがえるという症例がアンブレラ社に報告されました。 T-ウィルスは魔法の薬ではなかった。 悪魔の薬だったのです。 マーカス教授は問題を公にし、ウィルスの使用停止を訴えました。 意識が高いままのお父さんでよかったですね。 しかし、相棒のアイザックス博士は、マーカスとは別の方向に意識が高い人間だった。 悪魔のウィルスからアイザックス博士が読み取ったメッセージ。 それは「地球のゴミを一掃するチャンス」というもの。

・ 聖書とT-ウィルスを無理やり結び付け、自分が現代版「ノアの箱舟」を作るんだ、と息巻くアイザックス博士。 意識が高いようにも見えますが、じっさいは一部の富裕者層から「箱舟」の乗船料として巨額のおぜぜを受け取りたかっただけなのかもしれません。 めんどくさいおっさんです。

・ と、いうね! 今までおくびにも出してこなかった新設定を、最終章で突然ぶちこんでくるポールね! ええんか! それ出して来たら、過去のアリスの設定とかもぜんぶへんな感じになってまうけど、ええのんか!

・ 「アンブレラ社の一介の特殊部隊員かと思われていたアリスが、実はプロジェリア病を患っていたマーカス教授の娘のアリシアのクローンだった」とかいう新設定! 嫁だらけだったバイオハザードをさらに嫁まみれにするためだけの新設定の、このやらかした感ね! すげえよポール、おまえホントにすげえ男だよ・・・!!

・ ためしに、今回新たに加わったアンブレラ社の成り立ちを過去シリーズに当てはめてみましょうか。 
「マーカスの娘・アリシアは一旦ウィルスが効いて老化の進行が食い止められたものの、ふたたび発症して急激に老化し始めた」
→「アイザックス博士が独断で、難病の遺伝子だけを取り除き若い女性の状態にしたアリシアのクローンを作成」
→「クローンをアリスと名付け、なんとなくハイブの警備員に任命」
→「老アリシアはそのままアンブレラ社の大株主として会社に残り、アイザックス博士は念のため自分のクローンも数体作成」
→「オリジナルである自分は低温保存装置に入り、腹心の部下であるウェスカーにすべてを託し、満を持して箱舟計画を発動させる」
→「同じく低温保存済みのアンブレラ社幹部数千人を除いたすべての人類を滅ぼすため、アンブレラ社の警備を担当していたスペンスにT-ウィルスを拡散させる」
→「成り行きでアリスもハイブ行き」
→「アリスが思っていたよりも強かったおかげでハイブから脱出」
→「クローンのアイザックス博士が、せっかく生き残ったからという理由でアリスをとことん強化させる」
→「T-ウィルスによって世界の人口がバンバン減少する」
→「アンブレラ社の社員もバンバン減少する」
→「地球上の生き物がヒト以外もバンバン感染する」
→「クローン・アイザックス博士がゾンビを飼いならそうとして失敗する」
→「アンブレラ社の秘密基地がバンバン壊滅する」
→「ウェスカーがアリスみたいに強くなろうとした結果口から触手を出せるようになる」
→「ヒトがただゾンビになって静かに死んでゆくのではなく、あっちこっちを火の海にしながら死んでいったので、都市機能や文明が死んでゆく」
→「ヒトも地球も死んでゆく」
→「そんな中、絶対生き残るアリス」
→「強くなりすぎたのが原因と、アリスのウィルスを無効化させるウェスカー」
→「最後っぽさを演出するため、やっぱりもう一度強化させる」
→「でも本当は他の生存者たちと一緒に殺すつもりだったので、強化させたというのは嘘で、実は無効化されたままだった」
→「無効化されていても普通に強すぎて生き残るアリス」
→「なんどゾンビの中に放り込んでも生き残っちゃうのは、ウィルス云々のせいではなくアリスが自分をオリジナルだと思っている、その揺るぎないアイデンティティにあると考えたオリジナル・アイザックス博士が、アリスをハイブに呼び戻して彼女のオリジナルであるアリシアと対面させてガッカリさせる案を思いつく」
→「どっこい、アリスはたいしてガッカリしないし、アリシアも死にゆく自分の人生をアリスに託そうと決意を固めちゃって、何もかも裏目に出るオリジナル・アイザックス博士」
→「アリシアにアンブレラ社の幹部を皆殺しにされちゃうアイザックス博士」
→「自分のクローンに反撃されちゃうオリジナルのアイザックス博士」
→「なんだかんだで結局生き残るアリス」

・ (自分で書いててアレですけど)なんかもうやだ。

・ 要するに、「人類がT-ウィルスで滅びるのを10年ぐらいじっと待っていたら、自分のクローンが勝手に色んなプロジェクトを立ち上げてアリスを強化させちゃって、ウェスカーに仕切らせようと思ったらウェスカーも強くなりたがっちゃって、爆弾で一気に終わらせようと思ったらアリスに殴り込みかけられて死んじゃったアイザックス博士の壮大なしくじり人生」を描いていたのが本シリーズだったわけですね。 しくじりすぎだろ。 っていうかどこに勝算があったんだよ・・・

・ アンブレラ社の幹部の数千人も、「インフラはキレイに残したまま、T-ウィルスで人類だけを死滅させますので、そのあときれいになった地球で人生やり直しませんか?」ってアイザックス博士に持ち掛けられて「イイネ!」してる場合じゃないでしょうよ。 「で、おいくら万円?」って乗り気になってんじゃないですよ。 頭働かせないさいよ。 百歩譲って、奇跡的にインフラが無事だったとしても、ヒトが何億人も死んでるんですよ。 あっちこっちガイコツだらけだし、畑はボーボーだし、水は汚染されているし、動物も感染してるし、食料とかどうすんですよ。 何もかもいちから開墾ですよ。 いいか、おまえらのその世界にTOKIOはいないんだからな!!

・ ということで、ストーリーに関してはホントにもうきりがないのでおしまいにします。

・ ローラが予想以上にローラだったので、早々の退場はしょうがないと思う。 だって、画面に映るだけでローラなんだもん。 出ても出てなくても全く支障ない役割ではありましたが、セリフもあるし死に顔も2秒ぐらい映してもらえたし、もういう事ないですよね! よっ!ハリウッド女優!

・ ストーリーに関してはおしまいってさっき書きましたけど、前作のラストを経ての、今作冒頭のマンホールパカーはあんまりだと思います。 おい!マンホール! マンホール!おい!!

・ 馬の鼻先にニンジン戦法とばかりに、ゾンビの鼻先にぶらさげられたヒトを、死者たちが素直にテクテク追いかける姿がかわいかったですね。 すぐそばに新鮮なヒトがいても、装甲車に引っ張られる弱りかけのヒトの方についてっちゃうゾンビ。 走らされているのはヒトなのかゾンビなのか。 あ、どっちも人間だった。

・ ほとんどのシーンがやけくそみたいなノリで作られていてとてもたのしかったです。 今までもそうでしたが、今回はマジもんでやけくそですよ。 「最後」って人を追い込む奮い立たせる魔法の言葉なんだなぁ。

・ シリーズ4作目の頃だったか、来日したミラジョボさんが「まだまだずっと続けるよ!うちには娘もいるし、次世代にバトンタッチするまでやるよ!」と語っていた記憶がありまして。 今回残念ながらシリーズは一旦の終幕を迎えてしまいましたが、家族ネタ満載であった本作を観てみると、ミラジョボさんの目標はあながち未達成というわけでもないような気がしますので、ええと、その、なんだ、ミラさんよかったですね!!(←投げやり) 






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『パラノーマン ブライス・ホローの謎』

2013年11月14日
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(※ 以下ネタバレ)


あらすじ・・・
幽霊となら談話できるけれど、生きた人間とは会話が成り立たない少年・ノーマンが、300年前に不幸な死を遂げたご先祖様と対話します。



■ 子どもたちの感想
おかあさん       「さあ、どうでしたか?パラノーマンは」
いもうとちゃん(小3) 「おもしろかった!」
おねいちゃん(小6)  「おもしろかった!」
はは 「どんなところがおもしろかったですか?」
小3 「あのね、トイレにおじさんがでてくるシーンがさいこうだった!」
小6 「ノーマンをいじめてた男の子が「オレの親友だ」って言ってるとこがおもしろかった!」
小3 「わたしもあそこおもしろかった!」
小6 「「脳みそたべられちゃう?」「君には無いから大丈夫だよ」っていうとこがおかしかった!」
小3 (思い出し笑いしながら激しく頷く)
はは 「ゾンビはどうでしたか?」
小3 「おじさんのいえにいったらゾンビがおいかけてくるシーンは、ちょっとこわかった」
小6 「わたしも、実はこわくて毛布にかくれちゃった・・」
はは 「ストーリーはいかがでしたか?」
小3 「えっとね、まじょのおんなのこがでてきたとき、ノーマンのいもうとだとおもった」
はは 「ああ、似ていたもんね」
小6 「全体的におもしろかった」
はは 「全体的って・・・ もうちょっと具体的におねがいします」
小6 「あのね、おかあさんは泣いてたでしょ? なんで泣いてたの?」
はは 「そうさのう・・・ とにかくアギーがかわいそうだったよね。 大人に責められて、理解してもらえなくて、まだ子どもなのに魔女として処刑されて・・。 それがつらかった。」
小6 「うーん、それはそうだと思うよね。 でも、わたしはね、悪い人は出てこなかったから、そこがよかったな」
はは 「えっ? 悪い人がいない?」
小6 「うん」
はは 「いじめっこは?」
小6 「ノーマンにかくれてたから」(※はは補足・要は弱い人間だから」という意味らしい)
はは 「お姉ちゃんは?」
小6 「途中で助けてくれたし」
はは 「アギーを裁いた人たちは?」
小6 「あれはよくないけど、でも、あの人たちもこわかったんだよね」
はは 「でも、殺しちゃうことはないよね?」
小6 「もちろんそうだけど・・。 でも、ジャンルダルクとか、魔女狩りってホントにあったんだもんね」(※はは補足・ちびっこは歴史好き)
小6 「あの人たちもゾンビにされたでしょ。 ホントは助けて欲しいのに、村人におそわれてかわいそうだと思った。」
はは 「そっか・・・。  アギーはどんな気持ちだったんだと思う?」
小6 「腹が立ってたと思う。 あと、かなしかったと思う。 復讐をやめたいけど、やり残したことがあるからやめられなかったんだと思う」
はは 「やり残したことって?」
小6 「誰かに「あなたは悪くないよ」って言ってもらいたかったんじゃないかな」

■ 300年の孤独
「周りの人たちと見えている世界が違う」ということから、恐れられ、忌み嫌われ、まだたった11歳だったにも関わらず「魔女狩り」に遭ってしまったアギー。
あまりに不条理で、あまりに残酷な現実を、「怒り」で受け止めるしなかったアギー。
そして、自分を裁いた人たちに対する憎悪の心は、煤のようにアギーにこびりついてゆき、美しかった心を覆い隠してしまう。

わたしは「憎しみ」が愚かなことだとは思いません。
ときにそれは、生きる支えになるのではないかと思うからです。
誰かに対する怒りや憤りは、哀しみを誤魔化し、感情をいう釜にくべられた薪のように心の中でごうごうと燃えつづけ、「自分」を走らせる原動力になるのではないかと。
同時に「自分」を激しく苦しめ疲弊もするのだけれど、自己嫌悪は抑止力ではなく、新たな燃料となって自分に降り注ぐ。
愚かではない。 ただ、とてもしんどい「憎しみ」。
本当はもう、おしまいにしたい。 
けれどもう、自分でも止まられない。
そんな風に心を引き裂かれ、もがき苦しむアギーの姿に、涙が止まりませんでした。

幼い娘を魔女として裁かれ、問答無用で処刑されたアギーの母親はきっと、ひっそりと埋葬された娘の亡骸の上で、彼女がすきだったおとぎ話を毎日読んであげていたのでしょう。
しかし、母親も亡くなり、おとぎ話を読み上げる声は、悼みではなく恐れを帯びるようになった。
母親以外の誰が、アギーの死を心から悲しんでくれたのか。
アギーの魂に優しい言葉をかけてくれたのか。
誰もいなかったのではないか。
そして、勝手なレッテルを貼られ、勝手に怯えられ、誤解されたままのアギーのもとに、やっと彼女を理解してくれる唯一の人間が現れます。
彼女の手を握り、あたたかな世界へと引き戻してくれる人間。
300年の孤独に、終止符を打ってくれる人間が。

本作を観て、アギーが受けた仕打ちがあまりにむごたらしい為、彼女が迎える結末に納得がいかない方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この作品が伝えたいことは、「報復」や「復讐」ではなく、「赦し」と「救済」なのではないかと思うのですよね。
長すぎる年月を苦しみと共に過ごしてきたアギーに必要だったのは、怒りへの同調ではなく、ただそっと寄り添い、身体をあずけ、安らかに眠らせてくれる人だったのではないでしょうか。


■ 世界を変えることはできないけれど
アギーの遠い子孫で、奇しくも彼女と同じ能力を持って生まれたノーマンもまた、その力ゆえ周囲の人間に敬遠され、からかわれ、忌み嫌われます。
アギーが残した呪いにより、ゾンビパニックに陥り暴徒と化した街の人によって、あまつさえ、アギーと同じ火あぶりの刑に処されそうにさえなる。
しかし、ノーマンの周りには、彼を助けようとする人間がいた。
ノーマンはその瞬間、はじめて自分が一人ではなかったことに気づくのです。

共通することが多ければ多いほど、人は絆を感じ、親睦を深め、信頼し、かばい合うようになるものです。
一方、「自分たちとは違う」ポイントを目にした瞬間、いとも簡単に疎外し、レッテルを貼り、見下し、なんだったら憎みさえする。
そういう目に遭ったとき人間は、自分を守るため「孤独」を選ぶことがあります。
「誰にもわかってもらえないなら、一人でいいや。」と割り切ってしまえば、生きるのが一気に楽になるからです。
そして、孤独に慣れてゆくと、いつの間にか周りにいた、もしかすると最初から傍にいてくれた人の存在すら、気づかないふりをするようになることがある。
「話したってどうせわかってもらないから」
「胸襟を開いたところで、結局去って行かれるかもしれないから」
一人なら傷つくこともないけれど、二人だと傷つけたり傷つけられたりするかもしれない。 
それがこわいのです。
失望させたくないし、したくない。 
だから気づかないふりをする。 
たしかにそうしていれば、そんなに傷つかずに生きて行けますよね。
生きて行けるのだけれど。

一番理想なのは、周囲の人たち(レッテルを貼ってきた人たち)が偏見を捨て、「自分とは違う」人間を受け入れてくれるようになることです。
それはもう、そうに決まってます。
心からそうあってほしい。
しかし、残念ですが世界は簡単には変わらない。
ブライス・ホローの住民たちが同じ過ちを繰り返しかけたように、時代は流れても、人の本質は変わらないのです。
そんな現実を踏まえて、本作は「でも、ちょっとね、もういちど周りを見てみようよ」と問いかけてくれる。
「自分たちとは違う世界を見ている(愛している)あなた」が、世の中全体で広く受け入れられたり理解してもらうことは難しいかもしれない。
けれど、「まわりとは違う世界が見えているあなた」を受け入れてくれる人は、きっといるよ。 と、優しく語りかけてくれるのです。
ノーマンの能力を「彼は変人なんかじゃないよ、死んだ人と話せるだけだよ」と、個性のほんのひとつとして自然に受け止めてくれたニールのような人が、きっといる。
あなたはそれに、気づくことができるはずだよ、と。
だいじょうぶ。 気づいてもいいんだよ、と。

わたしのような、気づこうとする勇気すら持てない人間にとっては、ほんとうに柔らかで心強いメッセージでしたよね。
あと、これは子どもたちにも伝えておきたいことでもあります。
あなたたちはひとりじゃないんだよ。
この世の中は、まだ絶望には値しないんだよ。あなたたちを理解してくれる人は、かならずいるんだよ。と。


■ ゾンビ!ゾンビ!ゾンビ!
とまぁ、くどくど書きましたが、わたしの心の柔らかい場所を直撃したストーリーはもとより、冒頭シーンから炸裂するゾンビ愛もまた超たまらない作品だったわけでして。
目覚まし時計からスリッパに至るまで、ありとあらゆるゾンビグッズに埋め尽くされたノーマンくんの部屋は、今いちばん住みたい場所ナンバー1に即決必至。
トラディショナルなのろのろゾンビと、彼ら以上に凶暴な(というか彼らはちっとも凶暴ではない)(もちろんそうに決まってる)人間たちの一方的すぎる攻防戦は、胸を焦がすこと請け合い。
ちなみに、わたしがいちばんグっときたのは、劇中劇であるB級ゾンビ映画の1シーンで、逃げる女の子が床に落ちている脳みそを踏んづけたときのグニュっと感の再現度です。
なんちゅうこだわりなんや・・!

ゾンビに限らず、とにかく全編通して物凄い繊細な所まで作りこまれており、死んだ人がいない世界(普通の人が見ている世界)から一転、死んだ人で溢れかえる世界(ノーマンが見ている世界)に切り替わる際の鮮やかさや、ストップモーションアニメとは思えないような凝った演出など、技術の進歩に驚嘆するとともに、気の遠くなるような作業を完遂された製作者のみなさんに心からの敬意を表したいと思います。
オレもう、アメリカの方角に足を向けて眠らないよ!

80年代ホラー、80年代アドベンチャーをこよなく愛する方必見の大傑作でした。

「チャンク」リスペクトな超かわいいニールくんをはじめ、ノーマンを取り囲む人たちも、ええ顔揃いの憎めないキャラクターばかりでしたよ!
ああ! もう全然言い足りない!
わたしは『パラノーマン』がだい、だい、だいすきです!!



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『ワールド・ウォーZ』

2013年09月19日
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「僕が魅力を感じたのは、この主人公が普通の男という点だ。 超人的な能力の持ち主でもないし、武芸の達人でも特殊部隊の出身でもないが、家族を守るためならどんなことでもする愛情深い父親なんだ」
                         ・・・ブラッド・ピットさん[主演・製作]談



あらすじ・・・
「それ」はある朝突然始まった。
いつものように朝ご飯の支度をし、娘たちを学校へと送るブラッド・ピット。 普通の父親ブラッド・ピット。
市内のメインストリートは渋滞、上空ではヘリが旋回。
その時、いち早く異常に気づき、通りの様子を見ようとしていたブラッド・ピットの真横を、一台の暴走トレイラーが猛獣のような唸り声を上げて通り抜ける。 押しつぶされてゆく車や人。 
間一髪で事故を回避したブラッド・ピット一家は、トレイラーが「作った」車道をうまく利用し、渋滞から抜け出すことに成功したものの、市街地はどこも「暴徒と化した」人間たちで埋め尽くされ、娘の薬を購入するため向かった街角のスーパーは、生活必需品を手に入れようと我さきにとなだれ込んだ「暴徒ではない」人間たちでひしめき合っていた。
一体ここで、何が起こっているのか。
そう、彼らの街は、世界は、今まさに「それ」に飲み込まれようとしていたのだ。
ゾンビ禍という「世界の終わり」に。

・・・という訳で、万事休す!な状況ではあったのですが、何を隠そうついこないだまでスゴ腕の国連調査員だったブラッド・ピットさんなもので、さっさと救出のヘリが手配され、一家全員まとめて避難所代わりの航空母艦で保護して貰い、美味しくはないけれど充分な食事を与えられます。その後、復職を求められたブラッド・ピットさんは、家族を人質にとるという軍のやり方に若干カチンときつつも、世界を救うためゾンビ禍の発生源を突き止める旅に出て、韓国のアメリカ軍基地では頼みの綱だったウィルス研究者を失ったり、謎のCIA職員から次なる手がかりをもらったり、襲いかかるゾンビから無傷で逃げ切ったり、イスラエルでは「国連職員」という印籠片手に特別待遇を受けたり、有力者に次なる手がかりをもらったり、襲いかかるゾンビから無傷で逃げ切ったり、ついでに自分の警護を担当していた美人兵士をゾンビ化から救ってみたり、丁度通りかかった民間機に乗せてもらったり、機内で発生したゾンビパニックには手榴弾で対処したり、機体に穴が開いたので不時着するしかなかった飛行機から奇跡的に生還したり、飛行機が落ちた場所が丁度次に向かおうとしていたWHOの研究機関の傍だったり、お腹に金属片が刺さっているけど徒歩でその研究機関に向かったり、不審者であるにも関わらず傷の治療を施してもらえたり、「国連職員」の印籠片手にWHOを懐柔したり、根拠はないけど思いついちゃったからやってみよう!みたいなノリでゾンビうごめく研究棟へ乗り込んだり、自信はないけどイチかバチかで摂取してみよう!みたいなノリで注射した病原菌がまんまとゾンビに効いたり、ペプシを飲んだり、ゾンビの前で海を割るモーゼの真似をしてみたりとなんやかんやしながら、ものの数日でゾンビ禍の対処法を見つけるのでした。



・・「主人公が普通の男」

・・

_人人人人人人人人人人人人_
> 「主人公が普通の男」!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄



・ 本作のいちばんの教訓は何だったのか。 それはもう、誰の目にも明々白々ではありますが、とりあえず書いておきましょう。 いいですか。一度しか書きませんよ。 「仕事中は携帯の電源を切ろう」

・ もうこれ、映画館のマナー動画で鷹の爪とかの代わりに上映しとけばいいのではないでしょうか。 ちょっと長いけどおすすめですよ。

・ わたしは三度の飯よりゾンビがすきなものですから、本作も非常に楽しみにしておりまして。 なんてたって史上最も大勢のゾンビが出るっていうじゃないですか。 そんなもん傑作に決まっとるわ。

・ で、先日やっとこさ鑑賞してきたのですが、なんというか・・・どうもねぇ・・ ええとですね・・・こんな風にいうとちょっと語弊があるかもしれませんが・・・  ・・いや、回りくどい言い方はよそう! イマイチだった!オレ、いまひとつノレなかったわ! ごめん、ブラピごめん!

・ もちろん、空前絶後のゾンビ禍シーンはどれも迫力満点だったのですよ。 組体操みたくひとりひとりが重なって壁を越えるトコロなんて、なにわ小吉先生のマンガみたいでおもしろかったですし。 でもね、「おもしろいなー」と思うと同時に、「ああ、これじゃなかったんだ」とも思ってしまったのですよね。 わたしが求めていたのは、これじゃなかったんだ、と。

・ あまりに数が多すぎたのかもしれませんし、あまりにひとりひとりが小さすぎて「人間」として感じられなかったこともあるかもしれません。 ウジャウジャーっと集まるゾンビのみなさんには、悲壮感も絶望感も痛みもなくて、そこにはただ、コンピュータで増やされた「コマ」に対する、「わあ、多いな」というあっけらかんとした感想があるだけで。 なので、冒頭のフィラデルフィア壊滅シーンも、中盤のイスラエル崩壊シーンも、ものすごく冷静な気持ちで観てしまったのです。 心がザワザワとざわめくことも、ギュウッと締め付けられることもなかった。

・ 「ゾンビによる世界崩壊」を、間接的ではなく直接的に描いてもらえたのはものすごくよかったのですが、実際観てみてわかりました。 一部の土地や街や人々が崩壊してゆくさまだけで、絶望は伝わるんだ。 数は多くなくてもいいんだ。 ていうか、多いと薄っぺらく感じてしまうんだ。

・ これはあくまでわたしの好みの問題ですし、なにはともあれ、大手の制作会社が巨額の予算を投じてこのようなスケールの大きいゾンビ映画が作ってくれるということは有難いにも程が有ると思います。 聞くところによると、本作は3部作として企画されており、既に続編の製作準備にも着手しているとかしていないとか・・・。 実現するといいですね!

・ あとね、主人公だから生き延びて当然とばかりにサクサク世界旅行しちゃうブラッド・ピットさんが、どうしても「普通」に見えなかったというのも大きかったかもしれませんね。 いくらなんでも「普通じゃなさすぎる」じゃん! 「普通」の概念変えちゃうナツかもね!

・ もうね、モデルさんにね、「美貌の秘訣は?」って聞いた時に「えー普通のお手入れしかしていませんよー」って言われた時のごとき釈然としなさですからね! 「普通」って言いながら毎日水4リットルとか飲んでたりするんだもん! っていうか普通ってなに?先生、もうぼくにはなにが「普通」でなにが「普通でない」のかわかりません!  

・ そもそも、オープニングシーンで子どもたちに「あさごはんパンケーキがいい!」と言われた後、ブラッド・ピットさんがキッチンに立っている時点でガツンとやられましたし。 「ああ、自分で焼いちゃうタイプのアレか・・」みたいな。 「“おーいおかあさん、パンケーキだってさー”とか言わないアレなのか・・」って。 これ日本のご家庭の大多数の場合ですと、下手したら「朝からパンケーキやだなーオレだけ味噌汁とごはんにしてよ」ぐらい飛び出すパターンですからね。 いいなー! ブラッド・ピットさんちの「普通」いいなー!

・ まあね、SFですし、フィクションですし、百歩譲って主人公ならではの不死身のパワーはいいとしましょうよ。 「パンケーキ焼いてくれるいい夫」も大いに結構。 ただ、ゾンビ対策法を見つけるまでがあっさりし過ぎなのはちょっとどうなんですか、って話なのですよ。 努力と根性だけでなんとかなるのなら苦労はしないよ、と。 世界がめちゃくちゃに荒らされてゆく反面、ブラッド・ピットさん一家だけは何のダメージも受けない。 「ああ、彼らは特別なんだなー」としか思えませんて。

・ 主人公が世界のあちこちを旅し、ゆく先々で物分りのいい人に出会えて、都合のいい展開だけが待ち構えていて、ほとんど苦労せずにハッピーエンドを迎える、という流れだけみると、同じくプランBエンターテインメント製作の『食べて、祈って、恋をして』みたいだなー。 ・・とまでオレは言う。 まぁ、それぐらいの軽い気持ちで観ればいいのかもしれませんし。

・ それにしても、“ゾンビは自らの「ゾンビウィルス」を増やすにあたり、イキのいい宿主だけを選ぶ習性があるため、致死性の病原菌を持つ人間は華麗にスルーする”という設定は非常に斬新な一方、「アレ・・・?じゃあ病院には生存者がいっぱいいるの?」という疑問がぶくぶくと湧き上がってきましたね。 「どこまでの病気ならスルーされるのか?」とかね。 糖尿病は? 痛風は? 足を引きずっていた在韓アメリカ兵は何の病気だったの? ていうか痛風なの? おせーてブラピ先生!

・ 韓国から入った「ゾンビ」という第一報がアメリカ本国でスルーされたのは、受け取った担当者がアレだったんじゃね? 「ゾンビと感染者は違う!」っていうアレだったんじゃね? 「28日後・・は感染者!ロメロはゾンビ!別モノなの!」っていちいち言うタイプの! 

・ ちなみにわたしもそのタイプでごわす!

・ わざわざヘリ飛ばしてまで連れてきたブラッド・ピットさんを調査員として出張させるだけさせておいて、途中経過報告に全くこだわらない国連事務次長。 絶対仕事できないタイプだろ!

・ とはいえ、いつもの「ちわっす!ワールドポリス・アメリカっす!」ではなく、一応「国際連合」を表に出した点はよかったと思います。 ま、仕事はできてなかったですけど。

・ すきな要素はたくさんあったはずなのに、いざ観てみるとノレない・・という状態は、『ゾンビランド』を観た時のそれに似ているかもしれません。 うまく説明できませんが。

・ 成す術なく広がってゆく感染の恐ろしさなら『コンテイジョン』の方がゾっとするし、「人間らしさを失ってゆく」という意味で感染者と非感染者の境が曖昧になってゆく様なら『28日後・・・』という傑作がある。 では本作の存在意義というか、見所は何なのか・・というと「とりあえずすげえいっぱいゾンビ出しとくわ!」に尽きるのかなぁ、と思った次第です。 

・ 重い病気を持っている人はゾンビ化しないけれど、結局病で亡くなってしまう、というのがものすごくつらかったです。 「ゾンビ化しない」というスペシャルポイントは、命そのものを救ってくれるわけではない。 ゾンビになろうとなるまいと、結局待ち受けている運命は同じなのか。 健康な人を「病気」にしてしまう「偽装ワクチン」の存在が、とても残酷なモノに思えてしまったわたしです。

・ ブラッド・ピットさんが手当たりしだい、試験管やサンプルなんかを空き缶に詰め込むシーンのガサツさ加減がよかったです。 あそこで「あかん・・・アイツ・・・エボラウィルス持ってきよったで・・・!!」つってなっていたら超おもしろかったのになぁ。





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『バイオハザードV リトリビューション』

2012年09月15日
アリス_convert_20120915001507
(※あんな嫁いいな!増えたらいいな!)

前作までの感想
第1作『バイオハザード』 の感想
第2作『バイオハザードⅡ アポカリプス』 の感想
第3作『バイオハザードⅢ』 の感想
第4作『バイオハザードIV アフターライフ』 の感想


ポールが、壮絶に、やらかした!

はい。というわけで、「バイオハザード」と書いて「嫁自慢」と読む例のシリーズ最新作を観てきましたよ。
足掛け10年で描き続けてきた史上最強の女子・アリスの活躍もいよいよ佳境に入り、というか、そもそもずっと佳境の手前くらいで止まっていたものがやっと動き出してくれたというか、いやちょっと待てよ、じゃあ今まではまだ佳境に入っていた訳じゃなかったってコトなの?! ちょっとぉ!まじめにやってよアンダーソン!

ミラ_convert_20120914220842
(※ペラっとした布っきれ一枚で、見えるか見えないかの限界に挑戦する嫁)

とはいえ、劇場に足を運び続けているこちらとしては、実はもうとっくにご存知だったりしますので、むしろ「やっと佳境に入ってくれてありがとう!」と声を大にして言いたいくらいなんですよね。
その上パンフレットを見ていたら「次で終わるよ!」と閉会宣言までしてくれているじゃないですか。
マジで? そんな事言いながら5年後ぐらいにリブートすんじゃないの? なんて意地悪な事を思ってみたりもしますが、ともかくポールいわく「終わりの始まり」的位置づけだったらしい本作。
過去のキャラクターや原作ゲームの人気キャラなどをわんさか盛り込んで、ちょっとしたバイオ祭りのような様相を呈しており、観続けてきたファンにとってはたまらない内容となっていたのでした。

jill2.jpg Jill-Valentine_convert_20120915002452.jpg
(※ みんなだいすきジル・バレンタインも大復活! ・・・ってアレ・・ジルさんってこんなだっけ・・・・)

エイダ
(※ イメージ的にはこちらがジルさんだと言われる方がしっくりきます)(※ ちなみにこの方はエイダ・ウォンさん)

シリーズ2作目でファンを虜にしたものの、その後まったく姿を現さなかったジルさんは、原作ゲームの設定を踏襲しめっきり老け込んだ姿「洗脳された」状態で再登板。
まあね、まあね、ジルさんは「死亡」していませんでしたからね、何も問題はありませんよね、雰囲気は激変しましたけどね!

michelle_convert_20120915004608.jpg
(※ そうそう、ミシェルさんもね、三白眼が緑の芝生によく映えるわー  ・・って死んでませんでしたっけ!1作目で!

なあんてビックリした体で紹介しちゃいましたけども、そもそも3作目の段階で「アンブレラ社のクローン技術は世界一ィィィイ!」と開き直られていましたので、全部想定の範囲内ですよ。過去に死んでいようと死んでいまいと関係ない。関係ないからホントに。ホントに。怒ってないですよ。・・・怒ってませんってば!!

ワンさん
(※ という事で、同じく1作目からサイコロステーキ隊長も再登板。)

ルーサー_convert_20120914235256
(※ こちらは前作から引き続き出演の、バスケットの人ことルーサーさん。 ひとつの作品に似たようなハゲをツーペアで仕込むとか、アンダーソンってばハードル高い事するよね!)(※時々見分けがつきませんでした)

リオン
(※ おまえ誰やねん!)

今回はなんと、原作ゲームの超人気キャラであるレオン・ケネディさんも満を持しての登場・・・ ・・と思いきや、絶妙におっさん臭いわ大した活躍はしないわで、正直わしはこんなレオン見とうなかった!

ウェスカー_convert_20120915011424
(※ オレっすか? ウェスカー!)

もちろん、バイオハザードのいちばん悪いヤツことウェスカーさんも、CGなのか実写なのか判別しにくいご尊顔を披露。 ていうか、金髪でサングラスだったらもう、その人がウェスカーさんって事でいいんじゃないかという気がしてきました。 
もしも次回作辺りで中の人が竹内力になっていても、誰も気づかないと思います。
もしもの話ですけどね。 もしもというか、願望ね。 そんで、エンディングテーマも竹内力にしちゃいなよもう!

1作目でT-ウィルス撒き散らして以降、ずっとのんきに研究を続けてきたアンブレラ社。
みんなその真意を知りたくて、アンブレラ社は正味の話、何をどうしたいのかを知りたくて、きっとアリスもそこんトコをハッキリさせたくて闘ってきた訳ですが、今回ついに明らかとなったその真実。
蓋を開けてみれば「ああ・・・うん・・まあそうなんだろうけども・・・」くらいのリアクションしか出来ない真実ではありましたが、広げすぎて端っこの方がビロンビロンになってしまった風呂敷をポール・アンダーソン監督がどう畳んでくれるのか、貧乏な家のカルピスみたいにシャバシャバの味だった本作の汚名をうまいこと返上してくれるのか否か、早くもちょこっと心待ちにしている私がいます。

いや、汚名ってサクっと書いちゃいましたけど、きらいじゃないですよ!ぼくは! 
きらいだったら今まで飽きずに観続けてこないもん!
ていうかむしろ好きですよ! ポールとならおいしいお酒が飲めそうな気がします!

ただし、過去シリーズの早い時点で飽きた方には全くおすすめ出来ませんので、そういう方は出来れば我々をそっとしておいてあげてください。 
よいこのみんなは、文句を言う為に観るのとか悪趣味だからやめようね!アガサからのお願い!

という事で、いつものように(嫁とバイオシリーズへの)愛情あふれる、ほほえましい作品だった『バイオハザードV リトリビューション』。
来たるべき「すべての終わり」まで見届ける覚悟のある方は是非劇場へ。
なお、3D効果は(武器が何度か飛んでくる程度で)ほとんど実感できませんでしたので、もしもご鑑賞される場合は2Dでも充分かと思いますヨ。



(※ 以下ネタバレ)


■ 『バイオハザードV リトリビューション』のすきだった点
・ なんだかんだ言っても、ゲームのキャラがスクリーンを闊歩する姿は観ていて気持ちがいいものですなぁ
・ 特にエイダの再現率はすばらしい
・ カルロスも再登板!(しかもアリスの旦那さま役)
・ チェーンソーおじさんも登場!
・ 鎌みたいなのを持ったアリスと竹やりみたいなのを持ったジルの一騎打ち
・ スーパースロー映像で飛んだり跳ねたりする嫁。
・ 意識が朦朧としている時特有の「アワワ・・・」演技をこれでもかと披露する嫁。
・ 出会って5秒で即母性を発揮する嫁。
・ オスプレイ墜ちてるじゃん!
・ 細菌兵器の宣伝の為に作られた「世界」をT-ウィルスがすさまじい勢いで飲み込んでゆく情景が、とても絶望的でとてもよかったです
・ いたずらに大きい事で有名なパンフレットも、今回は過去シリーズの丁寧な解説本となっていて非常にありがたかったですよ
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(※ 左がバイオのパンフ。右は一般的なサイズ。 よっ!収納泣かせ!)

■ 『バイオハザードV リトリビューション』のすきではなかった点
・ ウェスカーがなんとなくええ人っぽい!
・ おい!クレアとクリスどこ行った!
・ アンブレラ社っていくつ支店持ってるの
・ オスプレイ墜ちてるじゃん・・・
・ クローンを量産しすぎて、人の命の重みが全く感じられなくなってしまった
・ 当然「生死をかけた闘い」にも説得力が無くなってしまった
・ 世界の名だたる都市を舞台に派手な事をしているのに、ものすごいスタジオ感(まぁスタジオなんだけど)

■ 『バイオハザードV リトリビューション』まとめ
・ 「アリスはT-ウィルスに対する抗体を持った特殊体質みたいだよ!」→「丈夫そうだからもっとキツい菌を植えてみるよ!」→「強くなりすぎたよ!」→「薬で中和させるよ!」→「やっぱ強い方がいいからもっかい菌を植えるよ!」 ウェスカーはアレか!アホの子か!!
・ 前作のおしまいの辺りまでは、たしかアンブレラ社でひみつの研究に携わっていたはずのウェスカーが、アリスがアンブレラ社に捕まってちょこっと寝てる間に、アンブレラ社から寝返って、レジスタント組織を作って、エイダやレオンに指令を下して、アリス奪還の段取りを整えるとか・・・ アリスが寝すぎたのかウェスカーの仕事が早すぎるのかさあどっち!
・ 「アリスのアグレッシブすぎる細胞に治療薬のヒントが隠されている」という事はかなり最初の頃からわかっていた筈なので、本来だったら「めんどくさいから人類みんな絶滅な!」とか言わずさっさとアリスに協力を仰いでお薬の開発を進めていればよかったんですよね。 「アリス計画」ってのも、結局「アリスをとことん強くしたい」計画なのか「アリスをつかって人類を救いたい」計画なのかよくわかりませんでしたし・・・
・ でも、開発のキモであるはずのアシュフォード博士もアイザックス博士も死んじゃって、もうあたまがいい人残ってないんですよね・・・残ってるのは脳筋タイプばっか・・・じゃあしょうがないか・・・
・ あれ・・でも2作目の時点で、治療薬完成してませんでしたっけ・・・前作の途中でもアリスに中和剤注射してたし・・・ レッドクイーンはアレか!アホの子か!!

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『バイオハザードIV アフターライフ』

2010年09月11日
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第1作 の感想
第2作 の感想
第3作 の感想


※ まことに申し訳ありませんが、ネタバレを回避しようとする姿勢が全く見られない、あらすじのようなあらすじでないようなシロモノが以下始まりますので、未見の方はくれぐれもご注意下さい。



ゴールデン街を腹を減らして歩いていたオレは、人気の少ない脇道に一人の老人が入って行くのを目にした。
いかにも頼りなさ気にゆっくりとした足取りを見せる老人。これなら楽にやれそうだ。
老人の背後にすすと歩み寄り、横をすり抜ける間際に老人の懐を手で掠め取る。
オレの真上にあったビルの谷間の灰色の空と、熱せられたアスファルトの地面がその位置を変えた瞬間と、枯れた木の枝を踏みつけたような寂しい音が鳴り響いのは、同時の事だった。
その刹那、オレの体に、電流のように激しい痛みが駆け抜け、脂汗の隙間から見上げた老人の顔には、完全な無が張り付いていた。
“相手を誤った”。 そう思ったオレだったが、こうなったらもう引くことなど出来ない。ひたすらに、折れたわき腹の痛みをこらえ、恐怖を隠しながら老人を無言で睨みつける。
数秒か数分か数時間か、気が遠くなるような長い間のあと、老人はふと頬を緩め、「儂から盗もうとはいい度胸だな、小童」とささやいた。 オレは「盗もうとしたんじゃねえ。借りようとしただけだ」と答えながらも、老人を見据え続けた。
「おもしろい小童じゃのう」。 黄色く変色した歯を見せる老人。 「名はなんというのじゃ」。
「ウェスカー・・。  アルバート・ウェスカーだ。」
それが、オレと会長との出逢いだった。



・・・あ、ごめんごめん!  社内報に載せる自分史の原稿下書きしてたら夢中になっちゃってた!会長にスカウトされてからアンブレラ社のトップに登りつめるまでを私小説風に書きたかったんだけどなー! やっぱ難しいわ! 
てことで、今回の社内報の特集記事はアンブレラ社の物知り議長ことオレ、アルバート・ウェスカーが、みんなの疑問・質問にどんどん答えて行っちゃう『オレっすか?!ウェスカー!』のコーナーに変更しようとお・も・い・ま・す!
じゃ早速ヒーウィーゴー!

・ 「東京の地下に極秘裏に建設されていたアンブレラ社東京本部」って、いつの間にそんなものを掘っていたのですか?
ジャパンのみんなは気づいてなかったと思うけど、結構前から掘ってたよ! 湾岸署の刑事と同じ名前の人が都知事だった頃から掘ってたよ!

・ 地球上がほぼ絶滅状態なのに、アンブレラの社員は何をこそこそ活動していたのですか?
「こそこそ」て!地味に嫌味ワード盛り込んでくるよねー! でもね、コレいい質問! 絶滅状態だからこそ、どうしたら究極の生物を生み出すことが出来るのかを研究してるんだよね。たゆまぬ努力と飽くなき探究心、それがアンブレラ社のモットーです!

・ アリスはなぜアンブレラ社の地下社屋に攻め込んできたのですか?
そもそもね、アリスってうちのラクーンシティ本社に勤めてた派遣社員だったのね。で、まぁ色々あって、自分の人生が狂っちゃったのはアンブレラ社のせいだ!って逆恨みしちゃってさぁ。 それで事あるごとにアンブレラ社を潰そうとちょっかい入れてきてるってわけ。

・ アリスを使って人体実験していたのでは?
人体実験っていうか、おためしプログラム?的な? おかげで予想以上の成果を目にする事が出来たよね!超能力はちょっと行き過ぎだけど!

・ どうしてあんなに沢山アリスのクローンを作ってしまったのですか?
ほんとにね! 誰だよあんなに増やさせたの! あ!オレっすか!ウェスカー!!

・ せっかく生き残っていた社員を皆殺しにされましたが、今後アンブレラ社はどうやって活動して行くのでしょうか?
そうなんだよねー! ジャキーンって日本刀で斬り殺すわ、ババーンって超能力で吹き飛ばすわでさぁ! っていうか、だったら最初から吹き飛ばせばいいじゃん! 大人気ないわ!アリスおまえコノヤロー! で、今後のアンブレラ社なんだけど、まだまだ世界中の地下に支社が沢山あるからドンウォーリー!センスのないふとっちょはドン小西! 

・ アンブレラ社の制服が気になったのですが・・
気付いた?!背中に“アンブレラ社”ってニホンゴで書いてあるあのだっさい制服の存在に気付いちゃった?! せめてアルファベットにして欲しかったよね!いちおう外資系なんだし! ちなみにデザインは、そうあの人!ドン小西!

・ 議長は飛行機で東京を脱出していらっしゃいましたが、ついてきたアリスに墜落させられましたよね? あの惨事からどうやって生き延びることが出来たのですか?
実はオレ、ちょっと前に自分自身にTウィルス注射したんだよね! だから、落下する飛行機から飛び降りるなんてお茶の子さいさいな位のスーパーパワーを持ってたわけ!

・ アリスも無事だったようですが、それはなぜなのでしょうか?
あれは不思議だったよね! オレとは逆に、Tウィルスを中和させる薬打ったのに、全然無傷なんだもんあいつ! ビフォーもアフターも劇的にパワフルなんだもん! なんということでしょう! 奥さん、なんということでしょう!
マジレスすると、大人の事情です。

・ アリスはどうしてアラスカを目指したのでしょうか?
ん?前回の3作目観てなかった? アラスカにね、アンデッドに感染していない生存者の為の安息の地があるんじゃねえの的な、そういう思い込みで行動してたみたいだよ! 情弱だよね!

・ アリスは延々自分撮りをしていましたが、アレは何の為だったのでしょうか?
誰かに会ったら脅威の美肌を見せびらかそうと思ってたんじゃねえの! ちなみにこのテープは、その後の展開に全く絡んできません! ポールこの野郎!嫁だいすきっ子!!

・ アリスに襲い掛かっていた北京原人みたいな人影は何者だったのでしょうか?
言っちゃった!  Who are you?って言っちゃったよこの人! 前作にも出てたクレア・レッドフィールドさんでしょ!失礼だなぁまったく! って、クレア・レッドフィールドって誰だよバカヤロダンカンこのやろう!

・ クレアさんと一緒に行動していたほかの皆さんはどこに行ってしまったのでしょうか?
船だよね!

・ 結局、アルカディアとは何だったのでしょうか?
船だよね!

・ 頭頂部に毛が2本だけのご主人を持つ奥様の名前は?
フネだよね! っていうか、ふえてるよね!毛が! 2本あるのは海平!ヘイ・ブラザー!

・ 刑務所にいたクレアの兄は、何故牢獄に閉じ込められていたのでしょうか?
プリズンがブレイクするトコロが見たかったから!

・ 刑務所に突如現われた、顔から触手が出るタイプのアンデッドたちは何者だったのでしょうか?
顔から触手が出なさそうで出そうで少し出るアンデッド!

・ アリスたちが刑務所にいる事を、議長はいつごろからご存知だったのですか?
けっこうガチでストーキングしてたからね! 答えは最初からです!東京から逃げた辺りから!

・ きもちわるいですね
お前もアンデッドにしてやろうか!

・ アリスの遺伝子が欲しかったはずなのに、どうして刑務所にサイレントヒルの三角頭を送り込んだのですか?
サンレントヒルじゃないから! 全然パクってないから! アリスなら巨人をも倒せるって、オレ、信じてたから!

・ でも三角頭を倒したのはクレアでしたよね?
うん! あれ見てクレアもストーキングしようって決めたんだ、オレ!

・ きしょくわるいですね
ゾンビ犬のえさにしてやろうか!

・ アルカディアに生存者を集めて、何の実験をしていたのですか?
がんばろうぜーっていう実験!

・ 本当にアリスに中和剤を打っていたのですか?なんだかとても強かったように思えましたが
オレがナイフで刺した時、あいたたー!って顔してたじゃん! 強いからって痛みを感じてないわけじゃないんだよ!心の中はいつだって土砂降りなんだよ! でも、やまない雨は無いんだよ!

・ ・・よくわからないのですが?
最近胸が苦しくて夜寝付けません。

・ ・・・恋ですか?
鮒です!
これは何がおもしろいかっていうと、恋のこいを鯉にかけて鮒で返したって言うこのとんちの鋭さね!

・ 結局今回もアリスにしてやられた訳ですが、今後のアンブレラ社の展望をお聞かせ願えますか?
とんちで世界のてっぺんを取ります!


ね! あらすじのようであらすじじゃなかったでしょ! にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  終始こんな感じのブログです!

と言う事で、久しぶりに3Dで飛び出す映画を観て来ました。
さすがは“飛び出させること”を前提で作られているだけあって、色んなものがちょいちょい飛び出してくる面白おかしい作品だったと思います。
ただ、あらすじはホントに無きが如しですので、文字通り目に飛び込んでくる映像を味わいながら、あとはミラ・ジョヴォヴィッチの美肌効果とか、サムライソード捌きとか、大岡裁きとか、そういうものをつまみに楽しんでいくしかないのかなぁ・・と。
いやもうホントに無いんですよ。内容が。 すっからかんのかんなのです。たぶん、2週間も過ぎると映画の進行表が頭の中から消え去ると思われます。 ちなみにアガサは先行上映を観ていたので、現時点で1週間経過。 ギリギリです。常に綱渡りのブログ更新となっております。


アガサはゲームというものをほとんどやった事が無いのですが、数少ない“クリア経験”のうちのひとつが、何を隠そう「バイオハザード5」でして。 (あとはドラクエが数本とFFが数本のみ)
ですので、過去の映画版『バイオハザード』はさておき、ゲーム版「5」の要素がたっぷりだった今回の映画版は、見覚えのあるキャラやシーンがあちらこちらに出てきて、とても楽しく観る事が出来たのでした。
そっくりさんショーと化した対ウェスカー戦とか、顔から触手が出てくる村民(マジニと言うらしいです)とか、巨大な斧を持った処刑人とか。
この処刑人がめちゃのくちゃに強くてですね・・・撃てども撃てども全く歯が立たず、悪戯にエリア内を逃げ回り、見当違いな場所に手榴弾を投げ、ひたすらにヘリコプターが拾いに来てくれる事を待ち続ける日々・・・嗚呼・・懐かしいなぁ・・。シェバ!「カマーン」じゃねえよ!こっちフォローしに来いよ!シェバ!死んでんじゃねえよ!シェバァァァ・・・

が、故に、もしも自分がゲーム未経験だったなら、どれだけ本作はフラストレーションの溜まる作品であっただろと想像してしまうのですよね。
前作まではかろうじてアンデッド(いわゆるゾンビ)だった人々が、いきなり顔パカーってなってブシュルシュシューってなって、なんなの?進化系なの?ゾロアがゾロアークになっちゃうみたいなものなの? みたいに困惑させれられて。
そもそもウェスカーってなんなん、と。
前作にちょこっと出てきた様な気もするけれど、今までどこの部署で何をしてきた人なん? なんで突然ラスボス扱いなん?と。聞いてへん、うち聞いてへんよ?と、意地悪な小姑を演じる富士真奈美の如き形相で詰め寄りたくなるのではないでしょうか。 もしもゲーム未経験だったなら。

と言う訳で、なんとかストーリーを紡いでいた前作までとは明らかに違い、「かっこいいおれの嫁をフィルムに焼き付けたい」という欲求とか「あの娘ぼくが落ちかけの飛行機ダンクシュート決めるみたいに引っ張り戻したらどんな顔するだろう」という画が撮りたいだけちゃうん?とか、とにかく“まずかっこいいシーンありき”な作品づくりになり過ぎている本作は、映画としてはホントだめな部類なんじゃないかと思いました。
超能力とかクローンとか無かったコトにしようとしても、そうは問屋が下ろさないんだからね!
せっかく、気合の入った3Dで産後の肥立ちがバツグンによい嫁をとっぷり映し出そうというのだから、もうちょっとストーリーも前のめりになれるような起伏のあるモノにして欲しかったです。ほんと勿体無いよポールこの野郎!

自分たちが開発した細菌兵器で、自分たちの会社に大ダメージを与え、その後の危機管理が甘すぎたせいで世界の人口を激減させ、歩く死体だらけの世の中にし、地下に潜ったり船で航行したりしながら、なお究極の生物の開発に余念が無いアンブレラ社。
抑圧させるべき相手も、ものを売りつけるべき相手も、蓄えるべきお金も、何もない世界の頂点に君臨して、一体なにが面白いんだろう・・と思わずにはいられないのですが、きっと世界征服ってそういうものなんでしょうね。
そんで、世界にたった一人残ってしまった時に初めて泣くんだよ。
ウェスカーは、ドン小西の広く温かい背中を思って泣けばいいよ。どんどん防虫すればいいよ。(※何を言いたかったのかわからなくなってきた)
まぁとにかく、さすがのポールも広げすぎた風呂敷を別の方法で有耶無耶にすべく、次回は前日談に戻る算段を始めているようですので、バイオハザード・ファンのみなさんは、気長にシリーズの展開を待ってみられては如何でしょうか。 なんか一説によると、シリーズ12作目か13作目あたりからミラジョボの娘にバトンタッチさせる計画まであるらしいですので・・っていうかそれもうおまえんちのハンディカムでやれよ。




-追記-

・ 渋谷の交差点を舞台にしたオープニングシ-ン。とっても美しくて引き込まれました。

・ タイトル文字に雨粒が落ちて跳ねる演出イイ!

・ 「地面を埋め尽くす程のアンデッドたちを、飛行機でミンチにする」 という痛快なシーンにほくそえんだよ。

・ バスケの選手っていう設定が活かされたのが初登場シーンだけって、ものすごく設計ミスだと思うなぁ。 設定説明があってから、のちに来るべき危機一髪シーンでダンクする方が活きると思うよ。素人考えだけど。(案の定その後大した活躍もない)

・ 処刑人が斧投げるシーンがラストアクションヒーローみたいでかっこよかったよ。 初めて3D映画観てて「うぉい!」って身を捩っちゃったよ。ちょっと照れくさかったよ。

・ クレアの記憶って、結局戻ったの?

・ クレアの兄って、結局何しにきたの?

・ ギロリさんが別人すぎてわからなかったよ。

・ よく考えたら、ギロリさんになんの思い入れもなかったよ、ぼく。


このままアンデッド(ゾンビ)を蔑ろにするようだったら、次からは劇場に行きませんからね!



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