『新ゾンビ』
2008年12月02日

茶目っ気たっぷりな邦題は、勿論配給会社の遊び心です。
生まれもっての寒がり小僧・アガサです。こんにちは。
あんまり寒いので、家の中でマフラーをしている自分を客観的に見た時、ちょっぴり切ない気分になりました。
「さっさと暖房つけろ」という、心温まるお話だったとさ。とっぱらりんのぷう。
さてさて、先日ドイツ産切株映画 『ハウス・オブ・ブラッド』 の記事で 『新ゾンビ』 について言及しましたところ、なんと親切な某方がソフトをレンタルして下さいました。
紫の腹の人といい、今回の方といい、過去に貸して下さったその他の皆さんといい、ホント切株好きはいい人ばっかりだなぁ。
切株好きはいい人が多いんですよ。
も一回言っとこ。 切株好きはいい人が多いんだぞこんちくしょう!(世間に向けて猛烈アピール)
と言う訳で、ドイツのやんちゃ野郎ことオラフ・イッテンバッハの出世作(かどうかは知らないけれど)、『新ゾンビ』 をありがたく鑑賞いたしましたので、皆様にもおすそ分け致しますよ☆
そこの貴様、いらないとか言うな。
漢(おとこ)は黙って、切株!
あらすじ・・・
歯医者が嫌いな青年がおりました。
青年は、歯医者の帰りに自転車で転びました。
転んで気絶した拍子に、夢をみました。
回想・その1
1293、バイエリッシュ山脈。
雪原でゾンビっぽいヴァーさんに出会ってどんどこしょ。
家に帰った青年は、なんだかんだあってサッカーの試合に出場するのですが、なんと過剰な金的攻撃を受け外科的処置を施される事に。
で、施されて気絶した拍子に、夢を見ました。
回想・その2
1293、バイエリッシュ山脈。
ゾンビっぽいヴァーさんの処刑に立ち会ってたら、なんかとばっちり食ってどんどこしょ。
無事手術を終えた青年は、医者に「ちょっと試しに立ってみろ」と言われました。
立ったのですが痛みの余り気絶して、夢を見ました。
回想・その3
1942、スターリングラード。
森の木陰で戦争してたら、敵と遭遇してどんどこしょ。
青年の父は、何を隠そう今日が誕生日でした。
父は、痛手を負った息子(青年)を家につれて帰り、庭で拾ったなんかの本を与えておきました。
何故ならパーティの準備で忙しいから。
回想・その4
1578、スコットランド。
わらわらと出てきた大人とゾンビっぽいのが、野っぱらでどんどこしょ。
誕生日パーティでは、久しぶりに再会した友人たちが酒くらって絡んでゲロ吐いて色目使って大暴れです。
そしてその中の一人である冴えないオヤジは、どうやらもう一人の美女と昔恋仲だった模様。
回想・その5
4年くらい前。
冴えないオヤジと美女が、裸でどんどこしょ。
青年はする事もないので本を読んでいました。
すると突然青年の額が割れて、
回想・その6
たぶんスゴい前。
ゴルゴダの丘っぽい所で処刑されたキリストっぽい人が、マリアっぽい人から謎の油を注入され、復活したっぽい。
で、弟子っぽい人たちに「福音書を書けコンニャロウ」と指示するっぽい。
という夢を見ました。
すると、本から針金やら鉄の杭やらが飛んできて、青年の体をズタズタに切り裂きました。
なんか判らんが、いきなり盛り上がってきたよコレ!
一方、宴もたけなわだった誕生日パーティはと言うと、ボーイフレンドとSMプレイを楽しんでいた筈の娘(青年の姉)が突如乱入してきた事でぶち壊しになっていました。
取り乱している娘が言うには、この家にゾンビの群れが侵入して来ているとの事。
「ちょww おまwww 何言ってんの」 的な態度の父でしたが、実際にゾンビの群れが壁を突き破って乱入したのを目の当たりにして豹変。
やっとこさ建てたマイホームになんて事してくれんの? と。
このテーブルいくらだったと思ってんの? と。
まだあと25年もローン残ってんだかんね? と。
ゾンビとか悪魔とかの問題じゃないだわよ? と。
・・まぁ、そんな感じで、人類の滅亡か存続かを懸けた壮絶な闘いが、民家の納屋で地味に繰り広げられる事に。
果たして彼らは、悠久の時を超え蘇った堕天使・プリムトスの復活を阻止し、見事人類の未来を守る事が出来るのでしょうか?!
・ ・ ・
・ ・ ・ ・
って言うか、プリムトスって誰やね――――ん!!
よろしかったら

さてさて、御大ロメロの傑作とは当然の事ながら無関係な “勝手に姉妹品”シリーズ の本作。
ロメロとかPJとか知らないから・・・。 オレは、オレだから!
と言ったか言わないか(たぶん言ってない)はさておき、イッテンバッハの強気な姿勢が色濃く映し出された野心作と言えるでしょう。
野心と言うか、リスペクト?(『NOTLD』『ブレインデッド』への)
と言うか、やったもん勝ち?
そうですよね・・・ 人生、やったもん勝ちですよね・・・
深い・・この映画深いっスよ・・イッテンバッハの兄貴・・・
・・・
・・すみません、ぼく、大きなウソをつきました。
深くなんかないよ!
要するに、イッテたんがやりたい放題・さん散らかしにしてくれた結果がコレだよ!
例によって小汚いよ!
グロいんだよ!
よい子のみんなは絶対観ちゃダメだかんね!!ヽ(#`д´)ノ約束だお!
なんと言うか、コレを観ると
先日観た 『ハウス・オブ・ブラッド』 がどれだけちゃんとした映画だったか
と言う事がよおく判りますね。
本作に比べれば、あちらなんて格調高い文芸大作ですよ。
『日の名残り』 ですよ!
サー・アンソニー・ホプキンスですよ! (←あくまでモノの例えです)
安っぽい映像。
唐突すぎる回想ーン。
基本的に血色が悪いだけのゾンビ群。
無意味に強い脇役。
主人公の不在。
中途半端なギャグ。
前後の脈絡関係なく始まる大虐殺。(と言っても相手はゾンビですが)
そして驚いた事に立派なエロもある。
よく言えば「盛り沢山」、言い換えれば「詰め込みすぎ」な内容なのに、前半は危うく寝オチしてしまいそうな程の、このテンポの悪さはどうだ?
早送りの誘惑に打ち克った自分を、誰も褒めてくれないので自ら褒めちぎりたい気持ちでいっぱいです。
しかし、そんな緩みっぱなしの展開を一転させる衝撃シーンによって、早送りボタンの上でウズウズしていたアガサの手に緊張が走りました。
上記のあらすじに書いた、“回想・その6”の事です!
そもそもイッテたんの妄想夢芝居(物語設定)によると、
昔々のその昔、天国から「やってらんねぇよ」とばかりに抜け出した、プリムトスという堕天使(悪魔)がおりまして、人間を根絶やしにして地上を支配しようと言う野望のもと、何百年かおきに復活しては、人間に戦争を起こさせておったそうな。
プリムトスの得意技は「生と死のコントロール」。
つまり、死んだ人間を生き返らせる事が出来るなんてお茶の子さいさいな訳で。
で、神の子・キリストが磔にされて命を落としたその夜も、彼を蘇らせたのは、見かねたマリアが使ったプリムトスの秘薬だったのだと。
つまりイッテたん曰く、
キリストを生き返らせたのは悪魔だった
んだぜ? と。
こやつ・・・やりおったわい・・((((;゚Д ゚)))アワワワ
恐るべしドイツのやんちゃ野郎。
バチカンに全力で喧嘩を売ってしまいました。
これはもう、 『ダヴィンチ・コード』 どころの騒ぎじゃないですよ。
ヘタしたら暗殺者が差し向けられてもおかしくない。
そりゃあ発禁にもなるわ!
映画上の設定とはいえあんまりな暴挙っぷりに、アガサ・完全覚醒.。゚+..。゚+.
そしてその後の展開は一気に破綻の一途を辿り、いつの間にか大量発生していたゾンビの群れと、マイホームを壊されて憤慨中の父ちゃんが、血で血を洗う大屠殺大会。
飛び散る血潮も零れる腸も、まぁ小汚いったらないですね。
さあさあよっといで! イッテたんの本領発揮祭り開催中だよ!!
そんなこんなで、狭いことこの上ない納屋の中で、人類の存亡を懸けた死闘が繰り広げられる訳なのですが、
前述の冴えないオヤジが豹変したり、
プリムトス(の化身)が乱入してきたり、
戦車がなだれ込んで来たり、
とまぁなんやかんや色々ありまして、無事人類は勝利を収めるのでした。
そうなんです。
収めちゃうんです。 だってプリムトス超弱いんですもの。
どこかの輸入スナック菓子みたいな名前が微笑ましいプリムトス。
チェダーチーズ味、タコス味、サルサソース味が絶賛発売中!
女性に嬉しいファットフリータイプも新登場! 的な雰囲気を醸し出すプリムトスは、完璧に蘇る為に人間の子を一人チョイス。
その子の血が流された時、なんか仕組みはよく判らないけど復活します。
そんなプリムトス君、生と死の支配者なんですが、自分自身は生身の体なので撃たれたら死にます。
斬られた場合も死にます。
人生いたって平々凡々。 それがプリムトス流。
なんの脅威もねぇな・・コイツ・・。
ドッと疲れました。
でも、やっぱりキライじゃないんだよなぁ・・こういうの・゚゚・*( ´艸`)*・゚゚・
まぁ、とにかくデタラメで纏まりが無くて小汚くてどうしようもない
皆さんもその辺の気持ちを酌んであげましょうね。
ほら、映画界にはこういう人も必要なんですよ・・きっと。
と、思いっきり母性を擽られたトコロで、今回のレビューはお開きとさせて頂きます。
快く貸して下さった盆踊りさん(あ、名前出しちゃった)、本当にありがとうございました。


『ストリッパーVSゾンビ』
2008年10月05日

原題は勿論違いますが、大した問題ではありません。
こんにちは。
先日レンタル屋さんで、気になって気になって仕方なかった 『ストリッパーVSゾンビ』 を借りてしまいました。
そんなダメ人間のアガサです。
で、どうだったのでしょうか?
・・・だからオレは言ったんだよ。 魂の声に耳を貸せ・・とな。
オロロ――。・゚・(*ノД`*)・゚・。――ン
あらすじ・・・
アメリカ某所。
違った。 某研究所。
某博士が地道に開発を進めていた“癌の特効薬”が、今まさに完成しようとしていた。
じゃなくって、まだマウスでの実験程度だった。
うーん・・・ でも結構頑張っていた。
ところでこの博士は、何かの縁で知り合った街のチンピラに、薬物中毒依存を断ち切る薬をプレゼントしていた。
気分は小さなサンタさん。
チンピラはいつもの様に、博士のラボに無断侵入しつつ薬をおねだりして、博士がちょっと目を放した隙に勝手に薬を調合してしまった。
博士はそれに気付かず、そのまま薬を渡してしまった。
何を隠そう、それを飲むと“依存症克服剤”の筈が逆にとっても気持ちがハイになってしまうのだった。
ありがとう、いい薬です。
チンピラはいい薬を手に入れたので、自分の借金返済用に売りさばこうと画策。
しかし、裏社会の実力者である別のチンピラに、上手い事取り上げられてしまう。
しかし、“チンピラ”ばっかで判り辛いな。
“チンピラB”って事でどうだろう?
どっちが“B”なのかが判り辛い。
・・・今の無し。
実はチンピラは、別のチンピラに取り上げられる前に、馴染みの売春婦に薬の一部をくすねられていた。
その売春婦は、これまた別の売春婦に薬を分け与えており・・・
・・またか。
“売春婦・よし子”でもいいだろうか?
外人さんだったね。 ソーリーソーリー。
そうこうしているうちに、薬を摂取した
いきなり吐血し、ゾンビっぽく生肉に喰らいつく売春婦たち。
何が起こっているのか判らないまま、ストリッパーたちは決死の覚悟で逃げ惑う。
そうそう、ストリッパーが出てくるんだった。
なにせストリップ小屋が舞台だもんでね。
一体現場では、どんな珍現象が巻き起こっていたのか?
説明しよう! 実は博士が開発していた“癌の特効薬”の仕組みというのは癌細胞だけを壊してしまう成分を持っていたのだが依存症克服剤と混ぜ合わさった事により癌細胞のみならず体中の細胞を破壊してしまう力を持ってしまったのである!ほんで壊した細胞を再生する力まで持っていた為一度死んだ人間が再び立ち上がるという事態を引き起こしてしm
・・・ま、いいか。
とにかくゾンビでした。 めでたしめでたし。
景気づけに

都会の方ではもうじき、 『ゾンビ・ストリッパーズ』 と言うそそるゾンビ・タイトルが公開される様ですね。
本作は、販売会社の空気の読める仕事っぷりのお陰で、それに先駆けて早くもDVDリリースされる事となった、お得感たっぷりな一本となっております。
なんと上映時間も、本家が94分なのに対し、たったの82分!
お得やわ~ あんた、ホンマにお得な映画やわ~
(※自棄になっている訳ではありません。)
エンドクレジットを眺めていると、なんだか得体の知れない疲労感に包まれたのですが、きっと鑑賞前に飲んだ抗ヒスタミン剤のせいですね。
本作のせいだなんて、そんな筈あるわけが無い!
あと、中盤のゾンビ化現象の謎が解き明かされる重要ポイントの辺りで、猛烈な睡魔に襲われたのですが、それも抗ヒスタミン剤のせいでしょう。
今度耳鼻科に行ったら、先生に猛抗議しておきたいと思います。
とにかく、ストリッパーは乳がキレイだと再確認出来た、とても勉強になる映画でした。
でも、乳はちょっとしか出ないんですけど。
ちょっとしか出ないんですけど。
ホントにちょっとしか出ないんですけどね!
・・・こんな事(ストリッパー設定なのに露出減)になるんだったら、
製作するのやめちまえ!
いや、
ストリップとか関係なく、映画制作そのものを
とにかくやめちまえ!(←本音)
いえ、もう借りようと心に決めた時点で、こうなる事は全て判っていましたので、こんなモノを観てしまったと言う事実も、今ではいい思い出です。
人生を彩る、様々な出会いと別れ・・・
素敵ですね:*:.。.:*(´∀`*)*:.。.:*:
ま、もう二度と出会いたくは無いですけど!
そんなこんなで予想通りの出来映えだった 『SVZ』 なのですが、
ちっちゃい規模で広がってしまったゾンビ化をどうやって収拾させるのか?
という疑問点に、なかなかパンチの効いた回答を挙げてくれていました。
なんと、ゾンビを破壊する薬を間違って摂取してしまった男(ヒーロー的役割)が、自らの体をゾンビに齧らせる事でそのゾンビを倒すのです。
男に齧る為、キレイに行列するゾンビたち。
一口齧るごとに、薬が効いて凄まじく爆発するゾンビたち。
齧られ続けている筈なのに、結構元気な男(ヒーロー)。
これ(爆発描写)がもっとひっちゃかめっちゃかで、臓物パーティ状態だったなら・・・。
もしかすると 『ブレインデッド』 に近いノリの、隠れた名作になっていたかもしれません。
・・・ま、うそですけどね。
皆さんも、レンタル屋さんで迷った時は、絶対に魂の声に耳を傾けて下さい。
決して目の前の、面白パッケージに惑わされませんように。
でないとその夜、 『悪魔の毒々バーガー 』 を観てしまう様な羽目になりますよ・・。+゚(ノ∀`)゚+。 (←全然懲りてない)


『DIARY OF THE DEAD』
2008年09月29日

実は、かなり以前にとある方からお借りしていたものの、なんとなく観るのが勿体無い気がして先送りにしていた 『DIARY OF THE DEAD』 。
貧乏性でどうもすみません。
で、日本公開を目前に控え、ついに封印を解いて鑑賞に至ったのですが・・・
・・・これ、原語版だったのな・・・orz(そりゃそうだ)
最近「DS英語漬け」をおさぼり気味だったナマクラ脳のアガサには、ちょっぴりほろ苦な大人テイストだった御大の新作(※つまり英語が難しかった)では、果たしてどんなゾンビ渦が広がっているのか?
話半分でレッツ感想!!
※ 公開前につき、オチバレなしの安心設計 ※
あらすじ・・・
それは突然始まり、あくる日には全てが変わり果ててしまった。
大学の卒業課題の為、山奥でホラー映画の撮影をしていたジェイソンたちは、ラジオから流れてきたニュースにその耳を疑った。
ラジオは、「世界中で死者が蘇えり、人を襲い始めている」と伝えていたのだ。
信じない者、慌てて家に帰る者、テロや災害のニュースに慣れっこになっていて動じない者。
色んな反応が飛び交う中、とりあえずジェイソンは学生寮に残っている筈の恋人・デブラを迎えに向う。
既に無法者による強奪が始まっていた女子寮で、何とか無事に生き延びていたデブラから 「実家にいる家族と合流したい」 と頼まれたジェイソンは、撮影班の学生達と共にデブラの実家に向う事に。
テレビから流されてくる偽りの報道や、ネット上のあちこちで公開されている陰惨な動画。
どこからも答えを導き出せないまま、ひたすらにデブラの実家に辿り着く事だけを目指し、屍を超えて行く学生達。
ジェイソンは、そんな彼らの様子を、何かに取り憑かれたかの様に撮影し続ける。
その動画をネットで公開する事が、世界を救う小さな一歩になると信じて。
やがてジェイソンたちは、多くの犠牲を出しながらやっとの思いでデブラの実家に到着するが、そこではさらなる絶望が、彼らを待ち受けていたのだった・・・。
よろしかったら

御大はホントにゾンビが好きなんですね。
私も大好きです。
もうこうなったら、御大とけっこんするしかないか!(←結論を急ぎすぎ)
若い頃は自分と違うタイプに惹かれていたものですが、最近は自分と嗜好や思考が近い人に惹かれてしまいますよね。
・・・と、よく言いますよね。(←各方面にむけてのフォロー)
と言う訳で、危うく御大に海を越えてプロポーズしそうになってしまいましたが、言葉の壁が大きすぎて断念しました、アガサですこんにちは。
ロメロ御大が過去に描いてきたゾンビ作品は、どれも人間の本質を私達に突きつけるモノでした。
極限状態下に於いては、人間と言うものがどれだけ浅はかで、愚かで、脆くて、醜悪な生き物になってしまうかと言う事を、冷静な眼差しで描いてきた御大。
それらの、剥き出しの本能の前では、人を思いやる気持ちや守りたいと言う気持ちまでが、見事に踏みにじられ、裏切られる。
この悲劇の舞台は、なにもゾンビである必要はありません。
感染でもいい、テロでもいい、核戦争でもいい、とにかく最悪の極限状態下なら、どんな舞台設定でも描く事の出来るテーマなのではないでしょうか。
そこを、敢えてゾンビ化現象下にする御大のゾンビ愛ったらもう・・・。
そうですねぇ、喩えるなら、もしもロメロたんがドリフのメンバーだったならネタ会議の度に
「もしもゾンビが板前だったら・・・」
とか
「もしもゾンビが銭湯の番台だったら・・・」
とか提案して、そりゃもう長さんに怒られていたのではないでしょうか。
「荼毘だこりゃ。」ってね!
↑つまんねぇ・・・.。* ゚ + 。・゚・(ノД`)
(しかもゾンビは土葬の場合のみだから、荼毘じゃないし。)
ええと、気を取り直して。
で、今回もまた現代社会に“ゾンビ化”という強力爆弾が投下される事で、様々な悲劇が展開してゆくのですが、実はこれが結構肩透かしだったりするのですよねぇ。
何故かと言うと、「身勝手なメンバー」「身内のゾンビ化」「軍の横暴」「強奪者と化した人々」などと言った、今までのゾンビ作品で散々目にしてきた事柄が、今回はかなりアッサリ目に描かれるのです。
血糊もそんなに多くない。
派手な暴動もない。
愛憎絡んだゴタゴタもない。
ゾンビとの心温まる交流も、勿論無い。
主人公とその仲間たちは、実に淡々と車を走らせ、強奪者をかわし、屍たちの脳ミソをぶちまけて行く。
ですので、「物足りない」と言われれば、確かに否定は出来ません。
大きな山場も無く、“気がつけばエンドクレジットだった”というような印象も、感じなくは無い。
ぶっちゃけあの頃が懐かしい。(どの頃だよ)
では今回の見所は何なのかと言うと、皆さんもうすっかりご承知でしょうが “POV方式” という点なのですね。
ドキュメンタリー監督を密かに目指していたジェイソンは、このゾンビ化現象を千載一遇のチャンスと考え、全てを記録する事を決意します。
あわよくば、これがきっかけで一流監督に仲間入り出来るかもしれない。
この動画を観た人が、何かの生き延びるヒントにしてくれるかもしれない。
自分は、ヒーローになれるのかもしれない。
そんな淡い期待と若さゆえの正義心から、周りがドン引きなのも気に留めず、ひたすらカメラを回し続けるジェイソン。
そしてその行為は、徐々に常軌を逸した情熱を持ち始める。
10数年前に論議が巻き起こった「ハゲワシと少女」の写真や、つい数ヶ月前に起きた秋葉原通り魔事件での写メ騒動で深く考えさせられてしまうのが、“報道(記録)優先か?”“人命優先か?”と言う点。
本作のジェイソンも、目の前で友人が襲われようと、死に瀕していようと、躊躇することなく撮影を続けます。
たとえ恋人に制止されても、決して止めようとはしない。
ジェイソン自身は、それを“報道人としての義務だ”と思い込んでいたのでしょうか。
しかし、異常な執着心でカメラを放そうとしないジェイソンを見ていると、彼はカメラのレンズを通して陰惨な世界を観る事で、現実逃避していたのではないかと言う気がしてなりませんでした。
手に触れる距離にある現実が、まるでテレビやパソコンのモニター上で見る光景の様に感じれる事で、ジェイソンはなんとか正気を保とうとしていたのではないかと。
だから彼は、ファインダー越しの目撃者でいる事が止められなかったのではないかと。
そして、彼の周りの学生たちもまた、ジェイソンの行為に冷ややかな目線を送るものの、いざカメラを手渡されると、撮影の手を止める事が出来なくなります。
これもまた、ジェイソンと同じ心理が働いてしまったのではないでしょうか。
じゃなかったら、あと考えられるのは大人の事情だけですけど・・
んな訳ないよね?ね、ロメロたん!(大人の事情=POV方式を死守する為)
ジェイソンが撮った映像や、その他大勢の一般人が撮った、生の映像・・・。
大手のマスコミが流すそれとは違い、何の操作もされていない筈の映像ですが、しかし結局、撮影した人間の目線でしかない・・。
撮影者が見逃した瞬間や、気付かなかった死角には、また違った真実が潜んでいるかもしれないのです。
それに、ネットの普及により数え切れない程の動画(映像)が鑑賞可能になったとは言え、その中には明確な答えなど無いのも事実。
多くの人が死んで行く惨状や、人が人で無くなる瞬間を見て、あなたは何を感じ、選択するのか?
「世界の終わりが来たんだ・・死ぬしかない」
と思うのか
「自分だけは人間性を保てるよう頑張ろう」
と思うのか
「ゾンビなんか皆殺しにしちまえ!」
と思うのか・・・。
映像は、確かに色んな現実や情報を与えてくれますが、「じゃあ自分は何をどうすべきなのか?」という答えは、結局自分で導き出さないといけない。
だったらジェイソンやその他大勢の志(動画うp)は無意味なのか? と言う訳でもないのですが。
うーん・・・難しいなぁ。
御大は今回も、とても大きな課題を突きつけてくれた様な気がします。
もしくは、難しく感じるのは「英語が理解出来てないだけ」かもしれないので、字幕版が公開されたら必ず観に行こうと思います!
あぁ・・・そうなんだよねぇ・・どこかに英語を母国語の様に操りゾンビ愛に溢れるメガネ男子がいてくれればねぇ・・・そしたら隣で同時通訳して貰いながらメガネも堪能できて一石二ちょ・・なあんてね!やだなぁ、うそうそ!(←各方面にむけてのフォロー)
あと、アガサが今回一つだけ気に入らなかったのは、グロ映像がほとんどCGだった点。
華麗に散る血飛沫は確かにスタイリッシュなのですが、もっとおどろおどろしい血糊の方が好きですねぇ・・なんと言うか、粘っこい(赤血球が多そう)というか・・・。
いつまでも、あらゆる角度(目線)からゾンビ化現象を描こうとする御大の生き様に敬意を表すると共に、次はもっと手作り内臓ぶちまけバージョンになる事を切に願って、今回のレビュ-を終わらせて頂きたいと思います。
そうそう、御大に傾倒する各ホラー界の著名人が、ちょいちょい声の出演をされているトコもお聞き逃しなく!
中でも、「世界の終わりの始まりだー!ハレルヤ!」と狂信的に喚き散らすスティーヴン・キングの熱演は、超ノリノリで必聴です☆
本作を快く貸して下さった○○さん、本当にありがとうございました。


『ゾンビリアン』
2008年07月01日

ゾンビ+エイリアン=ゾンビリアンなんだってさ! 面白いよね!
こんにちは、アガサです。
たまたま手元にレンタル無料券があったので、普段はなかなか理性が邪魔をして借りられない地雷を踏んでみようと、店頭で一番芳しい地雷臭を放っていた 『ゾンビリアン』 を借りて参りました。
どれだけ芳しいかって?
はい、パッケージの殺し文句にご注目!
「 史 上 最 悪 の 融 合 体 」
だってさ!
はっはっは! 笑とけ笑とけ!!て、笑えるか━━!!ヾ(`Д´)ノ
あらすじ・・・
ある夜、大空を隕石が横切り、世界は一夜にしてゾンビで埋め尽くされた。
何故か奇跡的にゾンビ化を逃れる事が出来たスティーブと恋人のミミは、これまた奇跡的に真人間のままだった数人のコミュニティに転がり込む事に。
鉄の柵で守られたコミュニティ。
その柵をぐるりと取り囲むゾンビたち。
水や食料が尽きてゆく中、スティーブたちを次々と襲う不可解な現象・・・。
しかし、彼らは本当の恐怖にまだ気付いてはいなかった。
やがてゾンビたちの体にある異変が現れ始めた時、スティーブたちは戦慄の事実を知る事となるのだった・・・!
アガサ・・お前・・無茶しやがって・・!

なんでしょうね・・この複雑な気持ちは。
例えるなら、
ホントに佐野史郎にそっくりだったよ? と散々聞かされていた、取引先の営業マンにやっとお会いする事が出来たら、なんとホントにそっくりだったのだけれど、佐野史郎は佐野史郎だからいいのであって、“リアルに佐野史郎に似ているサラリーマン”と言うのは“ただの地味な中年”なのだと言う事にいまさらだけど気付いたのであった。
でも、やっぱ基本メガネさえ装備されてれば、好きになっちゃうんだけどね!
というくらいの複雑さ加減でしょうか。
うん・・コレ判りづらいよね・・ わしもそう思う。(←ならば何故書いた)
まぁつまり、ゾンビモノとしてもエイリアンモノとしても中途半端で、脚本もガッタガタ、映像もガッタガタ、オチもガッタガタな、文字通りの
おまwwジェイク! やっちまったな!ヘ(゚∀゚*)ノ(※ジェイク←監督)
とも言い切れない、歯切れの悪さも残ってしまうのです。
一説によると、この歯切れの悪さはすなわち「実はそこそこ面白いのかも」という可能性を示唆しているのかもしれないのですが、アガサはツンデレなのでそこは無視する事にします。(←大人としてあるまじき発言)
一番の魅せ所(たぶん)である、エイリアンとゾンビの融合について説明しますと、
・ 凍結された寄生虫の集合体(←隕石)が、地球の上空を通過。
↓
・ 大気圏の熱でチンされた寄生虫が、全国各地に飛散。
↓
・ 寄生虫を吸い込んだ人々が、初期症状としてゾンビ化。
↓
・ ゾンビだから、一応人を喰う。
↓
・ 体内で成長した寄生虫が、ゾンビ腹を食い破って誕生。
と言う設定らしいですね。
わあ、すごい。こりゃ斬新だね。(←棒読み)
寄生虫とゾンビ化の関連性が、説明されているようでなんの説明にもなっていない点が、大人が考えた脚本とは思えないくらい自由な発想で素晴らしいと思います。
あと、この寄生虫は、奇跡的にゾンビ化を免れていたおにゃのこにも寄生してしまうのですが、どうもそれは“処女”限定イヴェントらしいので、全国の中・高校生のモラル感を試す、いいリトマス紙代わりになるかもしれません。
と言う訳で、この作品は是非とも全国の学校で、総合教育の一環として上映して頂きたいですね。
自分が何を書いているのか、段々わからなくなってきました。
低予算な事を包み隠そうともしない、天晴れな程の手抜き撮影の潔さ。
死んだり生き返ったりして、映画としての設定に一貫性のないキャラクターたち。
21世紀に作られたとは思えないような、ハリボテ宇宙人の造形美。
まさに若さと情熱にのみ支えられた、意欲作だと言っていいでしょう。
是非次からは、youtubeか何かの上で発表して頂ければ・・・。
そうすれば更なる被害拡大は避けられるのではないでしょうか。
あと、罪作りな邦題もね。
ええと・・・。
本当はもっとツッコミどころが満載だったのですが、なんだか日にちが経てば経つほど(※鑑賞したのは先週の金曜日だった)どうでもよくなってしまいましたので、今日のトコロはこの辺で勘弁してやろうと思います。
投げやりですみません。
もしも気になった方は、勇気とお金を振り絞ってレンタルされるか、アガサに個人的に問い合わせでもして頂けたらと。
ま、どちらにしても、スルーするのが一番賢い選択かとは思いますが。(←キッパリ)
さて、こんなモノは悪い虫に刺されたとでも思って、昨日録っておいた 『ヘルレイザー/ワールド・オブ・ペイン』 を観てやんぜ!
よいこのみんなも、夏の性悪な虫には気をつけようね!!


『レイク・オブ・ザ・デッド』
2008年06月19日

魔が差した。 (岡山市在住・30代・自由業)
どうもこんにちは、こころはいつもフリーダム・アガサです。
ここ最近、なんだか気分がすこぶる低調だった為、
いっちょ湖でも喰らってみっか?ww
とばかりに、前々から気になっていた 『レイク・オブ・ザ・デッド』 を借りてみました。
・・・つまり、日本の有名な格言に例えるなら、 魔が差した という事です。
後 悔 は し て な い 。
あらすじ・・・
13年ごとに、呪われた湖からゾンビが揚がってくんだとよ!
どうです?今回のあらすじは短いでしょ?

体が不自由な父親を、母親と共に献身的に介護していたヒロイン。
その彼女がたった一度だけ羽目を外したその夜に、不幸な事故で亡くなってしまった両親。
罪悪感から、両親の幻覚に悩まされるヒロイン。
彼女は現実逃避の為別荘地に逃げ込むが、その湖畔の地では恐ろしい現象が起きようとしていた。
80年ほど前、人工ダム建設の為この湖に沈んだ町があり、それ以降13年おきの13日の金曜の晩に、何故かこの湖では謎の水難事故が起きていたのだ。
そして、今年でちょうど、犠牲者の数は13人目。
最後の犠牲者を迎える前に、怨霊たちは各自一人ずつ新たな犠牲者を作り出そうとしていた。
13組の事故に、同じ状況での13組の新たな犠牲者。
13と13が一揃いになった時、呪いのパワーは更新され、それ以降彼らは13と言う数字にも、湖と言う場所にも縛られる事無く、思う存分殺戮の手を広げる事がでkr
・・ゴメン、責任者ちょっとこっち来てくれるかなぁ?(-_-#")
詳しいあらすじを書いてはみたが、何がなんだかわからない。
お前は一体全体、どうしてそんなに “13” にご執心なのだ?
「13年ごとの13日の金曜日」 辺りまではまだよいとしよう。
その 「13組の元祖被害者が新たにもう13組を追加」 って、どゆこと?
で、その 「“13”のツーペアが揃ったら呪いの力が無制限になる」 の辺まで来ると、もうアガサの脳内は一気にカオス状態に。
へえへえ。 理解力が低くて悪うござんしたね。
“13” にまつわる謎と、そもそもの怨念の根源となった人工ダムの誕生秘話について、ヒロインに負けじと頭を捻っていたアガサなのですが、残念な事に中盤以降は、さらに睡魔と言う最強の敵まで出現。
さあ、勝利を勝ち取るのは“13” か? それとも睡魔なのか?
睡魔が強いか“13”の総取りか?!
赤勝て!白勝て! 色とりどりの万国旗がはためく下、今、睡魔が堂々のゴールイン!
勝っちゃったよコレ。
・・・いやぁ、冗談冗談!
何とか持ちこたえましたよ? 何とかね。 やだなぁ!あはは! (←棒読み)
しかしまぁ、件の “13” に関しましては、アガサが生まれるずーっとずっと前から忌み嫌われていた事は承知の上でしたし、悪の代名詞みたいなポジションの数字ですのでいいとして、今作で一番問題なのは 「ゾンビ発生のそもそもの原因」 がハッキリしないトコロなのではないでしょうか。
昔むかしに地域住民を巻き込んで、無理からダムを作ってしまった事に端を発する怨霊現象
と言いきって貰えれば、こちらもすんなり受け入れられるのですが、どうもこの地域住民たちは、自由意志で集落に残ったらしいのですね。
つまり、誰に無理強いされたでもない、誰に嵌められた訳でもない、完全なる駄々っ子タイプだった訳です。(ちょっと違うか)
「ヤダヤダ>< おら、ここがいいんだもん><」 的なノリで。
で、13日の金曜日に起こり始めた水難事故の第1例目の被害者が、その集落に済んでいた老人だったらしいのですが、なんで彼が第1犠牲者になったのか判らない。
「家でこっそり非道い事をしていたらしい」という台詞があるものの、どんな事だったのか、その行いと水難事故との関連性はあるのか、そこら辺が全く持って闇の中。
いや、そもそもこんな風に書いているこの説明文自体が、果たして本編と合っているか判らない。
だって半分夢の中だtt・・ (モゴモゴ)
そして、意味ありげに出てくる、少女の霊。
ヒロインはその少女を見て、それが亡霊なのか、生きている人間なのかが判らず、困惑します。
何故なら彼女は両親の死のせいで、常に目に見えない筈の存在たちの姿に怯えていたから。
少女は自分に何を伝えようとしているのか・・・?
少女の姿が見えているのは自分だけなのか・・・?
観ているコチラも、思わず手に汗握る展開。
アガサの脳内も、俄然覚醒してきましたよ!
・・・と、思ってたら、なんとこの少女は双子だったのでしたぁ☆ テヘ♪
うん・・・アレだ・・、やっぱ責任者こっち来い。
つまり、ヒロインが見ていたのは、生きているバージョンと幽霊バージョンの2人の少女だった訳ですね。
「これは本物なのかしら・・・それとも幻・・?」
なんて悩んでいたのが、実にアホっぽくていいと思います。(←皮肉)
で、この双子ネタは結局最後までたいした効果を生み出せないまま、なんとなく終了しました。
それでよかったのでしょうか・・・ 私にはわかりません。
ただ、ひとつだけ言える事は、この双子は確実に一人の子役による二役だったに違いないという事です。
根限りどうでもいい情報ですね。わかります。
まぁですねぇ、要するに予想通りの展開だった訳ですよね。
『~オブ・ザ・デッド』 モノではすっかりお馴染みとなった、例のアレですよ。
出来の悪い我が子を見守る母のような眼差しで、テレビ画面を見つめるアガサの図。
そんなアガサに全米が泣いた!!(むしろ自分自身が泣く)
こうなることは、最初からわかっていたんだ・・・。
ただ、そこには何も残らなくても、一滴の血飛沫でもあがれば、それだけであたしは満足だったんだ・・・。
荒削りでもいい。 心地よい切株があれば・・・それだけで・・・。
ところがどっこい、よくよく考えてみればこの作品、タイトルもずばり 『レイク』 なんですよね。
レイク=湖。
湖での事故死=溺死。
つまり、出てくるゾンビはみんな水死体。
血飛沫とは縁遠いゾンビさんだったんだね!
なるほど納得!!(゜∀゜)b
(※この後小一時間泣いた)
最後に、特典でついていたメイキングの中で、本作のプロデューサーが 「これは低予算だけど最高の出来さ!」 などと、すごく “なんかやり遂げた顔” をしていたのを見て、
お前の口の中、今すぐ口内炎だらけにな~あれ☆
と、軽く呪詛を唱えてしまった事をご報告して、今回のレビューを終わらせて頂きたいと思います。
アガサが人柱になっといたから、いいこのみんなは絶対借りちゃダメだお!!

