すきなものだけでいいです
映画への愛情溢れる、ネタバレ満載ツッコミ満載レビューです。イラストも徐々に増えて行くのだぁっ!!(予定)
2008'01.26 (Sat)
『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』

・ ・ ・
エラだぁ・・・?

まさかの「エラ」発言にトッドが切れた!
(このイラストはフィクションです)
あらすじ・・・
俺の名前はスウィーニー・トッド。
復讐の為に、地獄の底から帰還した男・・・。
・・・あの、地獄って監獄ね、監獄。 ・・牢獄?監獄?ま、いっか。
愛する妻と娘を奪う為、無実の罪で俺を終身刑にした悪徳判事・ターピン。
ヤツをこの手で始末する為なら、どんな悪魔の諸行でも俺はやり遂げる事が出来るだろう・・・!
無力で哀れなベンジャミンは死んだ!
俺は今や、復讐の悪魔・スウィーニー・トッドさまなのである!
と言う訳で私は今、15年前に住んでいた借家に来ています。
親切な家主・ラベット夫人はなんと、私の仕事道具を保管してくれていたようですよ!
待たせたな!我が友!我が剃刀よ!
お前がヤツの喉元を切り裂き、我が身にかの血を降り注いでくれる日が待ち遠しいぞ!
とは言え、どうやったら判事の髭を剃る様なファンタスティックなシュチュエーションになるんでしょうか。
監獄暮らしが長かったせいで、名案がギガント浮かばなス。
すると、見かねたラベット夫人が、素晴らしい計画を考えてくれました。
街一番の床屋と、民衆の面前で髭剃り対決をして、見事打ち負かせばいいのですね。
そうすれば一気に知名度が上がって、判事も髭を剃りに来るだろう・・と。
なんと造作も無い事よ!
15年の歳月をものともしない我が腕を、しかと見るがよい!
いや、負けたその腕を恥じる事など無い。 街一番の床屋よ。
なぜなら俺さまこそは悪魔に魅入られし髭剃りテクの持ちぬ
え?ベンジャミンて・・・ なんで私の名前を知って・・
なんと街一番の床屋は、15年前私の元で見習いをしていた少年の成れの果てだったらしいですよ!
やだやだ!狭い街なんだからぁもう!
この俺を脅迫してきた床屋に対して、掛ける情けなどあろうものか。
俺は激昂に身を任せ、床屋を打ちのめしたのだった・・・何度も・・・何度も・・・。
あぁ、ラヴェットさん! いや違うんですよ。コレはその何と言うか出来心というか正当防衛と言うか・・。
歌にするならば
♪おれ〜の〜カミソリが〜復讐を求めて〜♪どいつもこいつも〜み〜な殺しぃぃ〜♪
イヤすんません。ホントすんません。
今すぐ死体、片付けますんで。ホント。
しかしその時、運命の天使・・いや、悪魔が俺に奇蹟を与えたもうた!
なんと髭剃り対決の評判を聞きつけた判事が、早くも俺の店にやって来たのである!
目の前のイスに横たわる、我が宿敵。
なんと無防備で、なんと愚かしく、なんと醜い面構え!
今はこの、復讐が成就する瞬間に酔いしれるとしよう。
彼の口ずさむ歌声に、しばし声を重ねるとしよう・・・。
って歌ってたら、邪魔が入ってもうた――!!
歌――っ! バカバカ馬鹿――っ!!
すんでのところで判事を逃してしまい、失意のどん底な俺。
しかし、ラヴェット夫人の励ましもあり、ある意味色んな方面で吹っ切れた俺は、切れ味鋭い我が友と共に世の中の諸悪を根絶する方向へ。
つまり、歌にするならば
♪おれ〜の〜カミソリが〜鮮血を求めて〜♪どいつもこいつも〜み〜な殺しぃぃ〜♪
イヤすんません。ホントすんません。
その前にまず、床屋の死体ですよね。
ラヴェット夫人は、死体の後始末の方法に名案があると言う。
夫人の経営するミートパイ屋では、慢性的に肉不足が続いていた。
ならば不要なこの肉を、そのパイに利用して何が悪い?
いいとも! 確かに名案だ!
これぞまさに、コロンブスの卵的発想ではあるまいか!!・・意味は知らんが。
こうして私は、来る日も来る日も剃刀を振るい続けたのです。
ある時は純粋に髭を剃る為に。
またある時は喉元を掻き切る為に。
ただただひたすら、憎い判事が再び店を訪れるその日まで・・・。
♪今日も〜ランキン〜グで〜健闘中〜♪
いやぁ、とても面白かったですね!
ジャックスパロウ・ファンと見うけられるのレディーの皆さんが、予想以上の流血ショーに対し、微妙な顔つきで劇場を後にする姿を見るのが!
ジョニデだし〜
チョコレート工場のコンビだし〜
まぁ言ってもミュージカルだし〜
そう思ったか?
ちょっぴりブラックなミュージカルだと思ったか?
思い知るがいい!我らがR指定の底力!!
ヒャーッヒャッヒャ(`∀´)ヒャッヒャッヒャ
と、非スプラッターな女性の皆さんを軽く敵に回した、被スプラッターのアガサですこんにちは。
ちなみに一緒に観に行った非スプラッターの友人は、観終って
『ナイトメア・ビフォア・ザ・クリスマス』 みたいな感じなんだろうと思ってたのに・・・
と言っておりました。
まぁ、ちょっとダークなイメージ+ミュージカルと言う事で 『ナイトメア・・』 を想定するというのは自然な成り行きだと思うのですが、あれも仮に実写で作ってたらかなりエグイ作品になってるでしょうからねぇ・・・。
なにせ、主役の骸骨が蛆の湧いたクリーチャーに囲まれて歌い踊る映画ですから。
ともかく、カリブ後初の主演作に、こんな血みどろ復讐劇を選んだジョニー・デップもさすがですし、相変わらずスタジオに全く阿ろうとしないティム・バートンの姿勢にも拍手喝さいです。
(※以下ネタバレアリ)
妻を卑劣な手で奪われ、人生を踏みにじられたトッド(ベンジャミン)。
九死に一生を得てロンドンに生還したトッドは、残りの人生を復讐のみに捧げる事を誓います。
剃刀を片手に「俺のと〜も〜だ〜ち〜」と歌う姿が、実にキ印っぽくてイイ!
妻と娘を奪われたトッドの、常軌を逸した復讐劇。
そして、その復讐劇よりもさらに前面に押し出されていた、報われない恋。
トッドは妻・ルーシーへ。
ラヴェット夫人はトッドへ。
小間使いの少年はラヴェット夫人へ。
それぞれの思いが強すぎたが為に、物語はより残酷に、より悲劇的に進んで行く・・・。
妻・ルーシーはトッドに。
ラヴェット夫人もまたトッドに。
小間使いの少年はそんなトッドを。
強すぎた思いが生んだ多くの死は、一見救いが無いようにも見えますが、実はトッドにとってはハッピーエンドだったのではないか、と思います。
理性を捨て、人を人として扱う事を止めた時点で、トッドの末路は「無残な死」でしかなかったし、そんな怪物の様なトッドが、最も愛する者を殺めてしまった事もまた防ぎようの無かった事。
全ての復讐を遂げ、愛する妻に寄り添って迎えた自らの死は、彼にとって申し分ない最期だったのではないでしょうか。
もしも仮に、ラヴェット夫人と共に生き延びていたとしても・・・。
トッドの人生に何が残っていると言うのでしょうか。
共犯者ラヴェット夫人との愛情の無い日々?
死刑台に登るのを待つだけの日々?
それこそが、既に死んでいるのと変わりない日々なのでは?
この作品では、トッドが奪われた娘のその後も重要なポイントになっており、宿敵・ターピンに“養女”という建前で捕らえられていた娘に、トッドの知り合いの青年が一目で恋に落ちたことから
ターピン 「てめぇこんにゃろぅ!よくも俺の養女を!」
青年 「なんだとこのロリコンオヤジ!」
という、激しい恋の鞘当も展開するのですが、正直その恋はおまけ程度でしか無い様に感じました。
その証拠に、トッドが妻を掻き抱いて事切れるシーンがこの作品のラストシーンであり、ターピンの魔の手から逃げ出した娘と青年のその後までは描かれていません。
あくまでこの物語は、トッドの愛と復讐の物語なのですね、きっと。
ま、君たち若いんだし、・・・後はなんとでも頑張っとくれ!
と言うティム・バートンの強いメッセージが込められ・・・ (違うか)
若かりし頃、エマ・トンプソンとケネス・ブラナーの仲を裂いた事で有名だったヘレナ・ボナム=カーター。
『猿の惑星』 での捨て身の猿メイクの頃は、今度はリサ・マリーとバートンを引き裂くか!このどろぼう猫!
と、憤っていたアガサでしたが、何だかすっかりバートン色に染められ(元々の資質かも?)魔女顔が定着しちゃいましたね。
今や、ヘレナ以上にバートン作品にしっくり収まる女優は居ないのではないでしょうか。(←褒め言葉)
ジョニー・デップと共に、これからもバートン作品でそのエラを存分に輝かせて頂きたいものです。
狂気と悲恋と笑いと、何より素晴らしいアラン・リックマンの美声に彩られた、至福の1時間59分でした。
テーマ : スウィーニー・トッド - ジャンル : 映画
2007'05.24 (Thu)
『カタクリ家の幸福』

大傑作と出逢ってしまいました

いつも、アガサの脱線レビューにお付き合い頂き、どうもありがとうございます。
そして、コメントまでも残して下さる皆様、ホントありがとうございます。
さらに、アガサにとっておきの映画をお奨めくださった方々、スーパーありがとうございます。(“超”と言いたい)
で、皆様のそんなお奨め作品を、行きつけのレンタル屋で探して見てはいるのですが、これがなかなか見つからないんですね。
サントラ魂 様がお奨め下さった、『デッドリー・フレンド』『片腕サイボーグ』『SFバイオノイド』『アクエリアス』。
フレコ 様がお奨め下さった『ヘルハウス』『血の祝祭日』。
ストレイト 様がお奨め下さった『アメリカン・ゴシック』
ゆうかパパ 様がお奨め下さった『アンデッド』『マニトゥ』。
あと、kurosuiさん のレビューを読んで、レンタルを決意した『MAY−メイ−』。
・・・もうねぇ、全滅なんですよ。
向かいのホームも路地裏の窓も、こんなトコにいるはずもないのに探しましたよ。
でも、見つからないんですよ。。・゚・(*ノД`*)・゚・。
(ちなみに、以前に 水鳥の巣 様がお奨め下さった『ドラキュラ二世』は、youtubeにてただ今1/3程度鑑賞中です)
今でも、レンタル屋に行くたびに「ひょっとして見落としていたかも」と、再度チェックしているのですが、やはりどれも無いんですね。
・・・なんだか、国家レベルの嫌がらせの様な気がしてきました。
100%他力本願発言で申し訳ないのですが、上記の作品に関する有力情報(あそこのネットレンタルにはあったよ・・等)をお持ちの方、是非コメント欄でヒソヒソっと教えて下さいませ。
その他、「このホラーを観逃しちゃぁいないかぃ?」「このホラーは最強ですぜ」と言ったお奨め情報をお持ちの方も、よろしかったら是非お寄せ下さいませ。(もちろん非ホラーでも
)と言う事で、そんな国家的陰謀の最中、アガサがいつもお世話になっている 蔵六さま のブログで教えて頂いた『カタクリ家の幸福』をめでたくも鑑賞出来ましたので、そのレビューをば・・・。
あらすじ・・・
「大きな道路が出来るから、繁盛する事間違いなし!」と言う将来の華々しい展望と共に、辺鄙な山奥でペンションを始めたカタクリ家。
家族を愛するバカ真面目な父、父を心から愛する朗らかな母、男気溢れる祖父、コブ付き出戻りの姉、前科者でニートの弟、ブサイクな孫の5人は、来る日も来る日も、来ない客の為にペンションを磨き上げる日々でした。
ある日、そんな閑古鳥だらけのペンションに初めての客が訪れます。
しかしその客は、陰気な事この上なしでいかにも訳ありの中年男。
それでも念願のお客様を向かえ、浮き足立つカタクリ家の面々でしたが、朝になっても客は起きる気配がありません。
そこで客室を覗いてみると、なんとそこには
「客室の鍵に付けてあるキーホルダーを持参したナイフで削って尖らせ、そのキーホルダーを自分の首にぶっ刺して」
自殺をした客の姿が・・・。
ナイフ持ってんなら、どうしてそれで刺さないんだよ!
という、弟の正しいツッコミも虚しく、一気に奈落の底に突き落とされるカタクリ家。
しかし、前向きな父はくじけませんでした。
「人生を懸けたペンションで、自殺者が出るなんて許せない・・・!
そうだ、捨てよう!
こっそり山に埋めちゃおう!!」
ナイスアイディアに沸いた父・母・祖父は、反対する弟を尻目に、中年男の死体を裏山に埋めてしまうのでした。
無事、危機を脱出した(?)一家でしたが、それ以来カタクリ家のペンションを訪れる客は、何故か次々と死体と化して行き、裏山の死体もどんどん増えて行ってしまいます。
一方、そんなカタクリ家の秘密とは裏腹に、ついにペンション脇の道路建設予定が現実のモノとなる事に。
工事が始まる前に死体、どかさなきゃ!
いや、その前に、
死体、どこに埋めたっけなぁ・・・。
ピンチに陥ってアップアップのカタクリ家。
しかしまだその先には想像を絶するような史上最大の危機が、彼らを待ち受けていたのです。
とにかくまず最初に謝りたい。
三池崇史監督に、こんかぎり謝りたいです。
ナメててごめんなさい。
もうしませんから許して下さい。(何を?)
『着信アリ』『ゼブラーマン』が余りにアレな出来(あくまでアガサの主観です)だったので、「世界に名だたる三池崇史たぁこんなもんかい」なんて舐めきっていました。
ホントの崇史を知らずに、勝手な事言ってゴメンね。
あたし、崇史の事誤解してたみたい・・・。
どこを切っても、ど変態。
変態の金太郎飴状態、それが三池崇史と言うものなんですね。
映画の初っ端から始まる、可愛げのないクレイアニメによる食物連鎖。
そのシーンだけで、“人生のなんたるか”という諸行無常を全て表現しきってしまいます。
その後は、頭のネジがゆるんだようなカタクリ家の一面による、能天気なミュージカルのオンパレード。
家族が揉めたらミュージカル。
客が死んだらミュージカル。
警察が来てもミュージカル。
事あるごとにミュージカル&ミュージカル&スペクタクル&ミュージカル。
昔聴いた様な、昭和心を刺激しまくるナンバーの数々と妙ちくりんなダンスシーンは、最初は失笑モノでしたが徐々にハマってしまい、最後には大爆笑。
そして観終わる頃には口ずさむように・・・
。グロテスクな中年の魅力の沢田研ニ。
日本版キャスリーン・ターナーの名を確実なモノにした松坂慶子。
パンツ丸出しでの大車輪にまで挑戦した西田尚美。
切れのあるダンスでせっかくの男前が台無しの武田真治。
ブサイク過ぎる子役の宮崎瑶希ちゃん。
そして、共演者から一人浮いていながら、いつの間にか画面をピリっと引き締めて、尚且つ言動がいちいち面白い丹波哲郎。
どの方も立派な社会人でありながら、どうしてここまで自分を捨て切った演技が出来るのでしょうか。
「家族が泣くかもなぁ・・」とか、思わなかったのでしょうか(特にジュリー)。
自らのキャリアに終止符を打ちかねないリスキーな役柄を、必要以上の情熱を以って大熱演したカタクリ家の方々・・・。
・・あんたら、・・・ステキすぎるぜ・・!!
口から魂が抜け出てしまった、丹波哲郎のシーンを思い出すだけで、この先軽い試練なら越えられそうな気がします。
日本映画界は、惜しい人物を亡くしていたんですね・・。(今さらですが)
観ているうちに、なんだか自分の頭の中から何かが溶け出してゆくような、そんな危険なユルさに満ちている本作。
限りなくキワモノ寄りのキャスティングながら、出演者の本気度が実に心地よく、その上「人生って素晴らしい! 家族って素晴らしい!」と吹き込んでくれる、とても贅沢な作品でした。
やっと、三池崇史監督の本来の姿が観られて、そしてそれがこんなに素晴らしくって、アガサは幸せ者です。
これはもう、他の作品も観ないと・・・!
でも、この作品の元ネタである韓国映画『クワイエット・ファミリー』も実に気になりますねぇ。
あぁ・・
どれから行こうかしら・・

最後に、「ミュージカルコメディと呼ぶにはエゲツナさ過ぎる死に顔の皆さん」を観て、『妖怪大戦争』に於いて「子供ターゲット映画のクセに大人気なくエグイ面相の妖怪」を多数登場させていた点に大いに納得出来ました事を、わたくしごとながらご報告させて頂いて、今回のレビューはこれにて終了です。
ご清聴ありがとうございました。
2007'02.18 (Sun)
『ドリームガールズ』
第79回アカデミー賞・助演女優賞、助演男優賞、歌曲賞、美術賞、衣装デザイン賞、音響賞ノミネート
一世を風靡したSPEEDの解散後、NYに渡って7年・・。
人知れぬ努力が実を結び、ヒトエが大きくなって戻ってこようとは、一体誰が予想したでしょうか!
おめでとう! 仁絵ちゃん!!
おめでとう!! HITOE´S 57 MOVE!!
・・・え?
・・違う人?
助演女優賞にノミネートされてたのって、元SPEEDの仁絵ちゃんじゃなかったんですか?
ぎゃぼ! (←流行に乗っかってみました)
私が仁絵ちゃんだと信じきって、祝杯を捧げていたその女性は、どうやらジェニファー・ハドソンと言う新人女優(歌手?)だったようです。
どうりでねぇ・・。
歌の上手さ具合が、仁絵ちゃんっぽく無いと思ったんですよねぇ・・。
でもって、ダンスの微妙なズレ具合は多香子ちゃんっぽかったし・・。
いやぁ、失敬失敬。
(折角観に行ったオスカー候補作のレビューが、こんなんで果たしていいのでしょうか・・)
あらすじ・・・
1962年、デトロイト。
“ドリーメッツ”と言うグループ名で、スターを目指して頑張っていたエフィー、ディーナ、ローレルは、泣かず飛ばずの日々に失望が隠せませんでした。
しかし、ある日カーティスという中古車ディーラーが、彼女達の才能に目をつけ、マネージメントをかって出た事で、運命は一転し始めます。
地元のスター、ジェームズ・アーリーのバックコーラスに抜擢された“ドリーメッツ”は、その歌唱力とパフォーマンスで、徐々に人気を博し、ついには念願のデビューを果たす事になります。
しかし、その条件としてカーティスが提示した内容は、
「グループ名を“ザ・ドリームス”に変更する」
と言う事と、
「リードボーカルをエフィーからディーナに変更する」
というものでした。
実力では勝っているものの、ビジュアルではディーナに勝ち目は無い・・。
そんな厳しい現実を受け入れる事が出来ないエフィーは、カーティスやディーナ、ローレルに当り散らす日々。
デビュー後の人気は上々だった“ザ・ドリームス”でしたが、エフィーの不満は募るばかり。
レコーディングや収録に穴を開けてしまうエフィーに、とうとうカーティスやディーナ達の我慢に限界が訪れ、“ザ・ドリームス”はエフィー脱退の日を迎えてしまうのでした。
新メンバー加入で、益々人気に拍車が掛かる“ザ・ドリームス”。
しかしその栄光の陰で、大プロデューサーに成り上がっていたカーティスのワンマンっぷりは激しさを増し、周りのディーナや、ジェームズ、ローレル達との間には明らかな亀裂が生まれ始めていたのでした。
“ザ・ドリームス”の夢列車は、どこに向かってゆくのでしょうか・・
最後の一行が、欽ちゃんみたいになってしまいましたが、その辺は読み飛ばして下さい。
この物語は、“ドリーメッツ”の3人とカーティス、ジェームズ・アーリーとその老マネージャー、エフィーの兄である作曲家・CCと“ザ・ドリームス”に新規加入したミシェル、と多くの人物が織り成す集団劇であり、誰か一人に肩入れする様な作りになっていません。
その為、
「ブサイクだった為にバックコーラスにまわされ、さらに恋人も寝取られる」
と、非モテの皆さんが涙無しでは見られない様な生き様のエフィーも、自己中で自信過剰なとってもヤな女に描かれていて、観ていてどんどん嫌いになって行くと言うこれぞムービーマジック!
しかし、そんな嫌悪感を一気に吹き飛ばしてしまうのが、エフィー(ジェニファー・ハドソン)の歌唱力。
女としての鬱陶しさが頂点に達した時に彼女が歌う、『and I’m telling you I’m not going』(別れてやるもんか)の凄まじいほどの迫力と言ったら・・・!
その歌声は、私の体の細胞一つ一つにしがみついている様でした。
そしてそれがグラグラと震え、魂の底から揺さぶられるような感情が流れ込み、気が付くと涙が止まらなかったのです。
“歌”の力って、すごい・・!
ビヨンセの歌唱力が素晴らしいのは、周知の事実でしょう。
その美しさもまた、誰もが認めるところでしょう。
しかし、その世界の歌姫ビヨンセが霞んでしまうような、ジェニファーの歌声。
まさにソウルの塊。
これが本当の歌姫と言うものなのです。
日本で“歌姫”だ“和製ディーバ”だなんて言われてその気になってる若造たち!
謝れ!エフィーさんに謝れ!!
こんな素晴らしいパフォーマンスを魅せたジェニファー・ハドソンは、助演女優賞ではなく主演女優賞なんじゃないでしょうか。
確かに、彼女のドラマの部分での演技力を、特別どうこうは思いませんでしたが、そのパフォーマンスは台詞よりも饒舌に、エフィーの感情を表現していたと思います。
彼女がどうして助演扱いなのか、まずはそこの辺りを、映画芸術科学アカデミーにとっぷりと聞いてみたいものですね。
素晴らしい作品を観れて、とても幸せな一日でした。
2006'10.14 (Sat)
『プロデューサーズ』
母さん・・・
マシュー・ブロデリックが歌が上手いのは良く判った訳で・・・。
ネイサン・レインが芸達者なのも、良く判った訳で・・・。
・・・なのに何故・・
なぜこんなに胸が苦しいんでしょう・・・。
A. 胸焼け
『シカゴ』 『オペラ座の怪人』 ・・・。
近年のミュージカル・ブーム再来に拍車をかけるが如く、ブロードウェイの大ヒットミュージカル 『プロデューサーズ』 が、満を持して映画化!
ミュージカル界のアカデミー賞、トニー賞12部門制覇の実力をしかと観よ!!
と、プロデューサーズのプロデューサーが言ったかどうかは判りませんが、しかと観させて頂きました。
もともとは、1968年に作られたコメディ映画『プロデューサーズ』がまずあって、それをミュージカル化して舞台で上映されたものが大ヒット。
舞台のオリジナルキャストをほぼ再現して、舞台の演出・振り付けをしたスーザン・ストローマンが、そのままメガフォンを執った。
と言えば、面白くないわけが無い!! のでしょう。
いえ、実際面白かったです。
脱力系コメディ作りでは右に出るもののいない、巨匠メル・ブルックスならではの、ゆるーいギャグの数々。
モンティパイソン好きの私には、お婆ちゃんの軍団が街を闊歩するシーンなどは“グレバッパ族”に見えてしまって、胸がキュンキュンです。
そして、楽しい音楽の洪水。
煌びやかなライト。
軽やかなステップ。
・・ただねぇ・・・。
オリジナルを重視した、そのオリジナルメンバーが、どうにも濃すぎて胸焼け必至なんですよねぇ・・・。
あらすじは、
落ち目のブロードウェイ・プロデューサー ビアリストックが、たまたま知り合った真面目な会計士 レオを唆して、大金を手に入れる算段を立てます。
その方法とは・・ 打ち切りになるような大コケするミュージカルを作って、集めた資金をこっそり持ち逃げしよう。
と言うモノです。
理論はよく判りませんが、要するにサギです。
マルチです。
ヒトラーを賛美するような、非常識極まりない脚本を選び、悪趣味炸裂のゲイの演出家(とその仲間達)を雇い入れ、ネオナチを主役にキャスティングして、大コケする要素はバッチリです。
いよいよ幕が上がり、始まったヒトラー万歳ソングを観た観客たちは、余りの不謹慎さに席を立ち始めますが・・。
主役のヒトラーが登場した途端、場内は爆笑の渦。
それもその筈、幕が開く直前に骨折したネオナチの替わりに、舞台に立ったヒトラーの代役は、なんとゲイの演出家だったのです。
あまりにリアルなゲイの、面白おかしい仕草や歌で、不謹慎なはずだった舞台はたちまち風刺の効いたブラックコメディに早変わり。
大ヒットしてしまった舞台のせいで二重帳簿が警察にバレ、ビアリストックは逮捕されます。
上手くその場から隠れる事が出来たレオは、大金をまんまとせしめブラジルに高飛び。
金髪美女をも手に入れて、この世の春のレオと、留置所で裁判を待つ身のビアリストック。
しかし、裁判の日、有罪確実と見られていたビアリストックの前に現れたのは、高飛びした筈のレオ。
そのまま逃げればいいのに・・・。と誰もが思う中、レオはビアリストックとの友情によって、自分の人生が救われたと語り、ビアリストックもまた、レオとの出会いで初めて真の友情に目覚めた事を認識します。
二人仲良く刑務所に送られたビアリストックとレオ。
一足先に刑務所に入っていたネオナチの脚本家と共に、新たなミュージカル作りに励み、そのお陰で恩赦が与えられた三人。
晴れて自由の身になったプロデューサー達は、改めてブロードウェイに新作ミュージカルを掛けるのでした。
とまぁ、文字にすると面白くもなんとも無い(←暴言)物語が、マッタリと続く事2時間14分。
舞台で観ればサービス満点だったのであろう歌の数々も、映画で観ると何故だかサービス過剰に見えてくる。
これぞムービーマジック!!
いりませんか? そんなマジック?
普通、ミュージカルを観ていると、「もっと歌を!」とか「もっと踊りを!」と、ミュージカルシーンがいくらあってもまだ欲しいくらいの気持ちになるものなんですが、この作品のミュージカルシーンは「なんだったら削ってくれてもいいよ」くらいの気持ちになってしまいました。
きっとそれは、主役の二人の濃さなのでしょう。
舞台そのまま(に見える)オーバーな演技で、冒頭から飛ばしまくりなのは、体積を7割り増しにした川平慈英のようなネイサン・レイン。
ただでさえ八の字の眉毛が、ヘタしたら5時35分の眉毛になりそうな勢いの熱演です。
そして登場した瞬間は、熱すぎるネイサンに対して抑えの役割なんだろう、と思わせるような真面目な面持ちだったマシュー・ブロデリックまでもが、慈英に対抗するかのように飛んだり撥ねたり奇声を発したり白目を剥いたりと、お前はアッシュ※か?!と言いたくなる様な壊れっぷり。
※アッシュ・・・『死霊のはらわた』のヒーロー。
慈英×アッシュの、時代を先取るコレボレート。
ムチャクチャ暑苦しいですが
しかし、そんな真夏日更新のような主役2人の独演会が長らく続き、かなりキツイ感じになってきたその時、この作品の真の主役・真の救い主が現れたのです。
それがこのお二人。
向かって左・カルメン 右・ロジャー
生粋のゲイである、悪趣味全開の舞台演出家(とその助手)である、ロジャー
とカルメン
。
二人が画面に現れた瞬間、私の脳内麻薬がどっと放出され、謎の胸焼けはどこかに吹き飛んでしまいました。
もう、何から何まで全て最高!!
おすぎが試写室で狂喜乱舞した様子が目に浮かびます。
生きてて良かったね、おすぎ。
基本的に、映画に陽気なゲイが登場すると、それだけで気分が和むものですが、
ここまで素敵なゲイには、今までお目にかかった事がない!
ロジャー役のゲイリー・ビーチと、カルメン役のロジャー・バートは、どちらも舞台でのオリジナルキャストらしいですが、どっからみても本物のゲイにしか見えません。
ロジャー・バートは、見覚えがあると思ったら 『ステップフォード・ワイフ』 でもゲイの建築家で出てましたね。
ひょっとしたらホンモノなのかもしれません。
このゲイカップルが、ゲイの舞台職人チームを引き連れて華やかなレビューを披露するシーンは、本作で一番楽しいシーンでした。
その後も、ロジャーとカルメンが出てくるたびに、私は大爆笑!
この二人を主役にして、ずっと観ていたい・・・。
そう思ったのは私だけではない筈です。(少なくともおすぎは・・)
『シカゴ』で「あら、ミュージカルって結構カッコいいわね」と思った方には、余りハマらないかも知れないこの作品。
しかし、史上最高のゲイカップルを堪能できる、それだけでも、充分観る価値はあったと思います。
何でも、同じく映画の舞台化の再映画化(あぁややこしい
)で、ジョン・ウォーターズの『ヘアスプレー』も撮影中(?)だとか。
こちらも、舞台はだいぶんと濃い内容になっていそうですので、映画化が吉と出るか凶と出るか、若干心配です。
まぁ、トラボルタが“巨漢の母親役”という情報だけで、充分キワモノとして成立しているとは思いますが。
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マシュー・ブロデリックが歌が上手いのは良く判った訳で・・・。
ネイサン・レインが芸達者なのも、良く判った訳で・・・。
・・・なのに何故・・
なぜこんなに胸が苦しいんでしょう・・・。
A. 胸焼け
『シカゴ』 『オペラ座の怪人』 ・・・。
近年のミュージカル・ブーム再来に拍車をかけるが如く、ブロードウェイの大ヒットミュージカル 『プロデューサーズ』 が、満を持して映画化!
ミュージカル界のアカデミー賞、トニー賞12部門制覇の実力をしかと観よ!!
と、プロデューサーズのプロデューサーが言ったかどうかは判りませんが、しかと観させて頂きました。
もともとは、1968年に作られたコメディ映画『プロデューサーズ』がまずあって、それをミュージカル化して舞台で上映されたものが大ヒット。
舞台のオリジナルキャストをほぼ再現して、舞台の演出・振り付けをしたスーザン・ストローマンが、そのままメガフォンを執った。
と言えば、面白くないわけが無い!! のでしょう。
いえ、実際面白かったです。
脱力系コメディ作りでは右に出るもののいない、巨匠メル・ブルックスならではの、ゆるーいギャグの数々。
モンティパイソン好きの私には、お婆ちゃんの軍団が街を闊歩するシーンなどは“グレバッパ族”に見えてしまって、胸がキュンキュンです。
そして、楽しい音楽の洪水。
煌びやかなライト。
軽やかなステップ。
・・ただねぇ・・・。
オリジナルを重視した、そのオリジナルメンバーが、どうにも濃すぎて胸焼け必至なんですよねぇ・・・。
あらすじは、
落ち目のブロードウェイ・プロデューサー ビアリストックが、たまたま知り合った真面目な会計士 レオを唆して、大金を手に入れる算段を立てます。
その方法とは・・ 打ち切りになるような大コケするミュージカルを作って、集めた資金をこっそり持ち逃げしよう。
と言うモノです。
理論はよく判りませんが、要するにサギです。
マルチです。
ヒトラーを賛美するような、非常識極まりない脚本を選び、悪趣味炸裂のゲイの演出家(とその仲間達)を雇い入れ、ネオナチを主役にキャスティングして、大コケする要素はバッチリです。
いよいよ幕が上がり、始まったヒトラー万歳ソングを観た観客たちは、余りの不謹慎さに席を立ち始めますが・・。
主役のヒトラーが登場した途端、場内は爆笑の渦。
それもその筈、幕が開く直前に骨折したネオナチの替わりに、舞台に立ったヒトラーの代役は、なんとゲイの演出家だったのです。
あまりにリアルなゲイの、面白おかしい仕草や歌で、不謹慎なはずだった舞台はたちまち風刺の効いたブラックコメディに早変わり。
大ヒットしてしまった舞台のせいで二重帳簿が警察にバレ、ビアリストックは逮捕されます。
上手くその場から隠れる事が出来たレオは、大金をまんまとせしめブラジルに高飛び。
金髪美女をも手に入れて、この世の春のレオと、留置所で裁判を待つ身のビアリストック。
しかし、裁判の日、有罪確実と見られていたビアリストックの前に現れたのは、高飛びした筈のレオ。
そのまま逃げればいいのに・・・。と誰もが思う中、レオはビアリストックとの友情によって、自分の人生が救われたと語り、ビアリストックもまた、レオとの出会いで初めて真の友情に目覚めた事を認識します。
二人仲良く刑務所に送られたビアリストックとレオ。
一足先に刑務所に入っていたネオナチの脚本家と共に、新たなミュージカル作りに励み、そのお陰で恩赦が与えられた三人。
晴れて自由の身になったプロデューサー達は、改めてブロードウェイに新作ミュージカルを掛けるのでした。
とまぁ、文字にすると面白くもなんとも無い(←暴言)物語が、マッタリと続く事2時間14分。
舞台で観ればサービス満点だったのであろう歌の数々も、映画で観ると何故だかサービス過剰に見えてくる。
これぞムービーマジック!!
いりませんか? そんなマジック?
普通、ミュージカルを観ていると、「もっと歌を!」とか「もっと踊りを!」と、ミュージカルシーンがいくらあってもまだ欲しいくらいの気持ちになるものなんですが、この作品のミュージカルシーンは「なんだったら削ってくれてもいいよ」くらいの気持ちになってしまいました。
きっとそれは、主役の二人の濃さなのでしょう。
舞台そのまま(に見える)オーバーな演技で、冒頭から飛ばしまくりなのは、体積を7割り増しにした川平慈英のようなネイサン・レイン。
ただでさえ八の字の眉毛が、ヘタしたら5時35分の眉毛になりそうな勢いの熱演です。
そして登場した瞬間は、熱すぎるネイサンに対して抑えの役割なんだろう、と思わせるような真面目な面持ちだったマシュー・ブロデリックまでもが、慈英に対抗するかのように飛んだり撥ねたり奇声を発したり白目を剥いたりと、お前はアッシュ※か?!と言いたくなる様な壊れっぷり。
※アッシュ・・・『死霊のはらわた』のヒーロー。
慈英×アッシュの、時代を先取るコレボレート。
ムチャクチャ暑苦しいですが
しかし、そんな真夏日更新のような主役2人の独演会が長らく続き、かなりキツイ感じになってきたその時、この作品の真の主役・真の救い主が現れたのです。
それがこのお二人。
向かって左・カルメン 右・ロジャー生粋のゲイである、悪趣味全開の舞台演出家(とその助手)である、ロジャー
とカルメン
。二人が画面に現れた瞬間、私の脳内麻薬がどっと放出され、謎の胸焼けはどこかに吹き飛んでしまいました。
もう、何から何まで全て最高!!
おすぎが試写室で狂喜乱舞した様子が目に浮かびます。
生きてて良かったね、おすぎ。
基本的に、映画に陽気なゲイが登場すると、それだけで気分が和むものですが、
ここまで素敵なゲイには、今までお目にかかった事がない!
ロジャー役のゲイリー・ビーチと、カルメン役のロジャー・バートは、どちらも舞台でのオリジナルキャストらしいですが、どっからみても本物のゲイにしか見えません。
ロジャー・バートは、見覚えがあると思ったら 『ステップフォード・ワイフ』 でもゲイの建築家で出てましたね。
ひょっとしたらホンモノなのかもしれません。
このゲイカップルが、ゲイの舞台職人チームを引き連れて華やかなレビューを披露するシーンは、本作で一番楽しいシーンでした。
その後も、ロジャーとカルメンが出てくるたびに、私は大爆笑!
この二人を主役にして、ずっと観ていたい・・・。
そう思ったのは私だけではない筈です。(少なくともおすぎは・・)
『シカゴ』で「あら、ミュージカルって結構カッコいいわね」と思った方には、余りハマらないかも知れないこの作品。
しかし、史上最高のゲイカップルを堪能できる、それだけでも、充分観る価値はあったと思います。
何でも、同じく映画の舞台化の再映画化(あぁややこしい
)で、ジョン・ウォーターズの『ヘアスプレー』も撮影中(?)だとか。こちらも、舞台はだいぶんと濃い内容になっていそうですので、映画化が吉と出るか凶と出るか、若干心配です。
まぁ、トラボルタが“巨漢の母親役”という情報だけで、充分キワモノとして成立しているとは思いますが。
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