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『ジオストーム』

2018年01月27日
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あらすじ・・・
2019年、異常気象による大規模災害に悩まされていた人類は、ついに肌の色や宗教の違いなどを乗り越え、あるひとつの解決策を選択すべく一致団結した。
その策とは、気象を管理できる衛星をわんさか設置してお天気を操ろうというもの。
自然の摂理は神のみぞ知るものだが、人間が作ったものなら人間によってコントロールできる。
これでもう、悪天候に振り回されることはない。
だが、人類は忘れていた。
機械がどれだけ完璧であろうとも、それを操る人間は、決して完璧などではないということを・・・。




※ 以下あたりまえのようにネタバレしています


めんどくさいやりとり一切抜きで、さっさと宇宙にいくアルマゲドンが観てみたくないか!
感動はしたいけど、ブルース・ウィリスも帰ってくるアルマゲドンが観てみたくないか!
そんな全世界のほしがり屋さんたちよ、括目せよ!

これ
(ジオストーム)が答えだ!!!


・ というわけで、「死なないアルマゲドン」こと『ジオストーム』を観てきましたよ! 死ななかったよ!父ちゃん無視のイチャイチャもないよ!いやぁ、じつに気分がいいですね!

・ アルマゲドンも相当バカな映画でしたが、本作はさらに輪をかけたバカっぷりで、全編通して「そうじゃねえだろ」のつるべうち。

・ まず、現実の世界で起きているような異常気象がさらに大規模になったような世紀末映像が紹介されます。 あちこちで起きる大洪水に大干ばつ。 スペインでは熱波で一日に200万人もの死者がでる事態。 環境破壊を見て見ぬふりしてきた代償がこれなのか。 あながち絵空事ではない大災害に、心がざわめきます。 さすがにヤバい。 そろそろ本気ださないと、人類ヤバい。

・ そこで本気だした人類は、話し合いの結果気象コントロール衛星の製作に着手するというね。 おい!そうじゃねえだろ!

・ 環境破壊が原因なのに、そっちはめんどくさそうだから天気だけいじっちゃおうぜっていうノリはなんなんだ。 その場しのぎで根本的な解決をはかる気ゼロな感じはなんなんだ。 バカなのか。 全員バカなのか。

・ またその、世界17か国共同で作ったという衛星ネットワークがすごいし、国際宇宙ステーションの規模もものすげえんですよね。 地球のまわりを覆うように張り巡らされた数千もの衛星からなる網。 何年かければこんな巨大なシステムが完成できるというのか。 まさか1・2年で作ったとか言うんじゃないだろうな。 っていうか、そんなもん作れるぐらい一致団結できるんなら、環境問題に取り組む方がよくないか。 労力をそそぐところ、間違っていませんか。

・ 豪快すぎる現実逃避の末、気象をコントロールする時代に突入した人類。 ネットワークを構築した立役者がアメリカンだったため、管理もアメリカ主導で行われていましたが、軌道に乗ってきた3年後をめどに、主導権は国連に移されることに。

・ ところがあと2週間で管理権移行というところで、突然衛星が不可思議な暴走をはじめ、世界各地で異常気象が勃発。 事態の収拾をはかるべく、システム開発の責任者ジェラルド・バトラーさんが宇宙へ駆り出されるという運びとなるわけです。

・ 映画開始早々、気象コントロールシステムの責任者になって、システムの責任者クビになって、もういっかいシステムを熟知している者として宇宙に送り出されるジェラルドさんのこのスピード感ね! まわりくどいこと一切なしですよ! 「えらい人→ただのおじさん→えらい人→宇宙!」、その間わずか30分! ゴネない酔わない打合せしない!

・ いざ宇宙行く時も、発射台にピャーっと行って、スペースシャトルにピャーっと乗ったらもう国際宇宙ステーションですからね。 スープカレー食べたくなっちゃったから北海道行ってくるわ、ぐらいな気軽さで宇宙に行ける男、それがジェラルドさん。

・ で、てっきり宇宙ステーションに着いたジェラルドさんが(主に拳による)トラブル解決を始めると思うじゃないですか。 悪巧みをしているテロリストを、ひとりボコりふたりボコり全員まとめて宇宙送りにするのだと。 ところが、待てど暮らせどボコらないんですよ。 なんとジェラルドさん、拳ではなく頭脳を使うんです・・・!

・ そりゃそうですよね! ジェラルドさんは傭兵でもSPでもなく、技術者として宇宙に行ったのですから! てなわけで、宇宙ステーションを「おっかしいな~」とつぶやきながら徘徊するジェラルドさんに代わり地球で体を張るのは、ジェラルドさんをクビにした張本人である弟と、その婚約者である大統領のシークレットサービス。 いいのか! ジェラルドさんはそれでいいのか! だいじな大統領を他人任せにしておいていいのか!

・ ここね、ジェラルドさんのひとり舞台だと思いきや、互いに似た性格で同じ職種だったからこそ長年ギクシャクしてきた弟さんにも、充分な見せ場が設けられていたところがすごくよかったんですよね。 早くに両親を亡くした兄弟が、それぞれに抱いていた不満や尊敬や愛情。 地球の危機に絡めてこの兄弟の絆の修復もサクッと描いてしまうこの手腕。 なんとも鮮やかじゃないですか。

・ おまけに、弟さんとその婚約者のロマンスまで盛り込み、しかもきちんと成立させているのですからホントすばらしいですよね。 ちなみに、アクションシーンで一番気を吐いていたの、婚約者ですからね。 結婚よりも仕事を優先するぐらい忠誠心の塊だった彼女が、「国務長官が大統領を亡き者にするため衛星をハッキングしたんだ!」という無茶苦茶な情報を「オレがそう言ってるんだから信じるよね?!」と恋人に言われた瞬間「オッケーわかった」と鵜呑みにして、なんの迷いもなく大統領を拉致するというこのバカさ加減! 物わかりのよさに定評がありすぎるだろ! 素直か!

・ もちろん、宇宙のジェラルドさんもただウロウロしているわけではありませんよ! 地球での真犯人探しが進まないことに業を煮やしたのか、アクションしなけりゃ意味がないと思ったのか、徐々に本領を発揮し始めますからどうぞご安心を。 コンピューターウィルスによって暴走した衛星システムが地上に異常気象アタックをお見舞いし始めると、その衛星にスペアの衛星をぶつけてぶっ壊す作戦を指示したり、内部で悪いやつの手助けをしていたチンピラに鉄拳制裁したりと、いつもの物理攻撃方向へ華麗に転換するジェラルドさん! ですよねー! やっぱそうですよねー!!

・ 宇宙でなにをどれだけ壊そうと、どうせ全部スペースデブリになるだけなんだからいいっしょ? といわんばかりの思い切りの良い崩壊シーンも見ごたえばっちり。 国際宇宙ステーションに駐在していた世界各国の技術者は、みんなスペースシャトルで脱出できるので犠牲もゼロなんだそうですよ。 やさしい世界ですね。 

・ 一方、地上の生き物には全くやさしくないという、この徹底したアンバンランスさ。 マグマが噴き上がった香港とか、スーパー冷気に襲われたアフガニスタンとかリオ・デ・ジャネイロとか、大津波に襲われたドバイとか、大竜巻に飲み込まれたムンバイとか、雹が降り注いだ東京とか、めっちゃ雷落ちてたオーランドとか、気象関係なくふつうにレーザービームで攻撃されていたロシアとか、小学校の学期末ごろの雑巾かというぐらい雑に扱われていましたが、それでいいんですよ。 火事と地球崩壊は江戸の花だ、と生前わたしのおじいちゃんもよく言っていたものです。 まぁ、おじいちゃん、生まれも育ちも岡山なんですけどね。

・ ストーリーをまとめたくなったら自爆装置を出せ、といういにしえより伝えられし習わしに従いカウントダウンを始める国際宇宙ステーション。 アメリカの大事なことは全部大統領に丸投げしとけ、という先人の知恵を活かしたご都合設定により、すべての全権を委ねられるアンディ・ガルシアさん。 宇宙ステーションが自爆するのが先か、衛星による地球破壊が先か、大統領がコンピューターの解除をするのが先か。 一刻を争う状況の中、一刻を争っているとは思えないほど進んだり進まなかったりする時間軸に沿って繰り広げられる、人類の生き残りをかけた闘い。 ノルもノラないもあなた次第。 この潔さが、実にいい。 

・ でね、すんでのところで地球が助かるのは最初からわかっているからいいとして、注目すべきは真犯人の動機じゃないですか。 せっかく作った衛星システムにウィルスを仕込んで、危うく人類滅亡させかけたアメリカ合衆国国務長官ことエド・ハリスさん。 一体なにが目的だったのでしょうか。 

・ 実はエド・ハリスさん、アンディ・ガルシアさんを亡き者にして、自分が大統領になろうともくろんでいたんですね。 気象衛星に攻撃させていたのは自分にとって邪魔な国と地域で、それらを一掃した後その罪を大統領に着せた上で異常気象に襲わせ、まんまと後釜に座ってやろうと。 でもね、エドさんってば、アンディ・ガルシアさんごと始末しようとしていたんですよね。 ガルシアさんが死んでたら衛星の暴走は止められなかったし、そしたらうっかり自分も滅亡の危機だったわけですよ。 かろうじてガルシアさんの生体組織を使って衛星を止めたとしても、そこまでのジオストームで地球半壊だし、宇宙ステーションもほぼ全壊だし、そんな状態で大統領になってなにがたのしいのか全くわからない。 火中の栗拾うどころのレベルじゃねえぞ。 Mなのか。 エドさんは自分をとことん追い込みたいタイプのアレなのか。

・ だいたいね、コンピューターウィルスは大統領でなくても(えらい人なら)誰でも仕込めるのに、それを初期化できるのは大統領の生体認証のみってどういうシステムやねん。 大統領が原型を留めたまま死ぬ可能性以外受けつけないシステムなんやねん。 誰やねん考えたの。 

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(※ 考えた人・・・ディーン・デブリンさん/代表作・・・『インデペンデンス・デイ』『GODZILLA』)

・ そっか、じゃあしょうがないか!

・ ジェラルドさんの奮闘、弟さんの健闘、婚約者さんの激闘により回避された人類の危機。 しかし、ジオストームこそ免れたものの、気象をコントロールしていた衛星システムはすべて破壊され、立て続けに起きた大災害で世界の大都市はボロボロです。 岐路に立たされた人類。 さあ、どうする。 この非常事態にどう立ち向かう。 

・ そして世界は再び、肌の色や宗教の違いなどを乗り越え、あるひとつの解決策を選択すべく一致団結しました。 その策とは、気象を管理できるもっとすごい衛星をわんさか設置して今度こそきっちりお天気を操ろうというもの。

・ そうそう、次はね、ウィルス仕込まれないようしっかり気をつけてね、初期化の必要があったときすぐできるように、パスワードをジェラルドさんの生年月日かなんかにしといてね、 っ て そ う じ ゃ ね え だ ろ ! !

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(※ 劇中これみよがしに電気自動車が出てきたので、いちおう環境にも配慮した世界になっているんですよ、ということなのかもしれない)

・ というか、権力欲にとりつかれたひとりのアホなアメリカ人がしでかしたせいで、こんがり焼かれたロシアとかバッキバキに凍らされたリオとかその他もろもろの国とか、よく許してくれたなぁと思いますよね。 うそやろ?ってなりますよね。 国務長官が?マジで?おまえんとこの国どうなってんの?って国連で吊し上げ必至じゃないんですか。 やさしい世界ですね・・・。

・ ということで、真面目に環境破壊を問題視している感は醸しつつ、その実とことん不真面目で不謹慎なバカ騒ぎが続く本作。 ノレない人は本気で腹が立つかもしれませんが、「地球が派手にぶっこわれる映画サイコウだぜー!FOOO!」というわたしのような人間にはたまらない娯楽作でした。 必要なものはすべてあって、なくてもなんとかなるものはなにもない。 なんつうか、改めて「観たかったものがきちんと描かれている」ことって当たり前にみえるけどとても大切なことなんだなぁ、と思いました。 センキュー!デブリン監督! 今後もコンスタントにこういうやつおねがいします!

・ 最後になりましたが、本作は子役がめちゃくちゃすばらしかったということもお伝えしておきたいと思います! ジェラルドさんの娘さんを演じていたタリタ・ベイトマンさん、ホントにうまい! バカの詰め合わせみたいな作品(※ほめ言葉)なのに、気づいたらはんなりと感動してしまっていたのは、主にタリタさんの演技力のおかげです!

・ あと、「ジェラルドさん、どっこい生きてたわ」のシーンで、ビックリしたのと嬉しいのとで目をまんまるにしていた弟さんがめちゃかわいかったこともご報告させていただきます。 頭に手を乗せて口ぽかーんって開けてるんですけど、冗談かっていうぐらいかわいかったです。 あのシーン切り抜いて下敷きに入れたい。

・ みなさんもキリキリとした生活のちょっとした息抜きに『ジオストーム』いかがでしょうか。




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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

2017年12月27日
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あらすじ・・・
宇宙の片隅で隠遁生活を送っていたルークの居場所がついにレイアにバレます。



以下、ネタバレしていますので、ご鑑賞後の方か、未鑑賞だけどあんまそういうの気にならないからバレててもいいよという方のみ、このままお進みください。
あと、流れ弾的に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』のネタバレにも触れてしまっていますが、ホントすみません。




おもえば、イヤな予感は前作『フォースの覚醒』の時点で既にありました。
10年ぶりに再開されたスター・ウォーズ・サーガ。
原点のひとまずの終結といえるエピソード6の続きがついに観られる、しかもお馴染みの面々の続投も無事に決定。
いやがうえにも高まっていたファンの期待。
興奮と緊張のあまり自律神経を崩しつつ向かった映画館で私が目にしたのは、相棒チューバッカの前で無残に殺されるハン・ソロの姿でした。
ハンにライトセーバーを突き立てたのは、他ならぬ彼とレイア姫の息子であるカイロ・レン。
驚きと悲しみに押しつぶされそうになったわたしでしたが、愛され続けてきたキャラクターを殺す、という思い切った選択は、新たな神話の始まりに際しての製作者の決意のあらわれなのだろうと自分に言い聞かせ、『フォースの覚醒』の誕生を祝福したのでした。
しかし、時間が経つにつれ、本当にあの選択は間違っていなかったのか? という気持ちがわたしの中にチラつき始めました。
ハンの退場だけではなく、あんなにかけがえのない存在だった相棒をうしなったはずのチューイが、やけにあっさりレイのお供の座に収まっていたのも不安要素のひとつだったのかもしれません。
本当にハンを殺してしまう必要はあったのか?
JJの野郎、取り返しのつかないことをしでかしてくれたんじゃなかろうか? と。
イヤな予感がする。
なんだかとてもイヤな予感がするぜ。

そして迎えたエピソード8。
二年前ほどではないものの、緊張で指先をキンキンに凍らせながら挑んだ『最後のジェダイ』。
わたしの目に映ったのは、隠遁島から一歩も出ることなく命の最後を迎えた、ルーク・スカイウォーカーの姿だったのでした。

いや、わかるんですよ!
今回の新シリーズ、テーマは「古いものを壊す」なんですよね!
これからもずっと、「遠い昔、はるか彼方の銀河系で」繰り広げられた物語を続けてゆくというディズニーの、固い決意! 
ディズニー・リゾートの方とも連動して半永久的なアレをやっていくぞ、という強い気持ち! くいっぱぐれないぞ、という! おまえをぜったいに手放さないぞ、という! そのために新キャラを投入し定着させて、新規ファンも取り込んでいくぞ、と!
まぁ、そういったいやらしい話は抜きにしても、とにかく偉大すぎるオリジナル・シリーズを超え、肩を並べるためには、昔からのファンへのくすぐりに傾注していてはいけないのだと、そう判断したのでしょう! わかる!
オリジナル・シリーズからの決別、そしてフレッシュな面々や名もなき面々による再構築、それこそが新時代のスター・ウォーズなのだ・・・!
思い切っていいますけど、そ ん な こ と 誰 が 頼 ん だ ん だ よ !



(※気分的にはこんな感じ)


もうね、いいです! 
懐古厨と罵られてもいい、老害と蔑まれてけっこう!
わたしは、わたしはね、いろいろつらいことがあって一度はフォースを拒絶したルークが、レイの驚くべき才能と熱い正義心にうたれ、あの美しい孤島でベスト・キッドか酔拳かっていうような訓練を施すシーンが観てみたかった! 
そうしているうちに、自らもジェダイ騎士としてなさねばならないことに向き合おうという気持ちになってゆくトコロが観てみたかった!
ハンが老境パイロットとして、ますますお盛んにミレニアム・ファルコン号を飛ばすトコロが観てみたかった!
欲をいえば、レイア姫がフォースを操るトコロも観てみたかったんですよ!

オーケーオーケー、ちょっと落ち着こう。
たしかにルークは最終的に、最後のジェダイ騎士として持ちうる力のすべてを出し切り、最高すぎる闘いを魅せてくれました。
これぞジェダイ・マスター、というシビレるような格闘。 
でも、肝心のレイがそれ見てないから! 
カイロ・レンにもなんか伝わってる風なトコ、なかったから! 
捨て身の授業なのに誰にも届いてない! 
受け取ったの映画館に来てたお客さんとファースト・オーダーのみんなだけ! もってえねえなおい!

たしかにハンも、『フォースの覚醒』でミレニアム・ファルコン号に戻ってきましたよ。 
今となっては長すぎる死亡フラグにしか思えない見せ場もたくさん与えられていましたけど、だからって殺されてもなぁってぼかぁ思いますよ! だったら見せ場少なめで死なない方がいい!
たしかにレイア姫もフォースを使っていましたけど、ちがうちがう、そうじゃない! やってほしかったのソレじゃない感がすごい!
っていうか、今年一番ソレ見たかったの、ヨンドゥです! あーあー!ヨンドゥの世界にもフォースあればよかったのになぁ!

水平線に沈む大きな二つの太陽。 
それを眺めていたルークの身体がやわらかくかすんで消えてゆく。
主をうしなったローブはふわりと空に舞い上がる。
わたしの頬をとめどなくつたう涙は、「もうルークに会えることはないのだ」という深い喪失感による涙でした。
やっと会えたのに、もう会えない。
待ちに待ってスクリーンに帰ってきた前作、ルークの出番はエンディングタイトル前の1分弱。 セリフはありませんでした。
すべてはこのエピソード8に。 
そう思っていたのに、これからレイの師匠として、今までのポンコツマスターたちとはひとあじ違う教えを授けてくれると思っていたのに、ほとんど教えてあげられないまま逝ってしまった。
クレイトでの闘いで、レンにジェダイの底力というか格の違いを見せつけたあと、「また会おう」って言ったじゃないですか。
今回のはあくまで第一回戦なんじゃないですか。
次回、今度は実体でレンとレイとルークがあいまみえるんじゃないんですか。
こんなことになっちゃったら、次出てくるとしても半分すけすけの霊体だし、ジェダイ・マスターって霊体になったら責任感から解き放たれたからなのかなんなのか、じゃっかん適当ぶっこむ傾向、あるんですよね。 頼りになりそうで、ならない。 おい、聞いてるのかそこの緑の、おまえのことだぞ。

もっといろいろ話してほしかった。 失敗も成功も迷いも確信もぜんぶ伝えてほしかった。
本編の大半が「帰れ!」「島から出ていけ!」の一点張りで、やっと何があったのかを話初めたら今度はレイが「あー、なんかもうレンと直接話すからええですわ」っていなくなっちゃうって、どうなんですか。
クワイ=ガン・ジンがオビ=ワンに見せたように、オビ=ワンがルークに見せたように、ルークがジェダイとしての在り方、闘い方をレイに示すシーンがなぜなかったのか。(レイが見ていない間にあったのか)
それとも、レイはフォースのアンテナがバリ3だから、ルークとレンのクレイトでの一部始終を全部受信できていたというのか。
まあね! 遠距離でもレイとビデオチャットできちゃいますもんね! 通信状態めちゃ良好ですもんね!


ここまで長々とおつきあいいただき、ありがとうございます。
読み進めて下さったかたは、そろそろ「わかったわかった、おまえは最後のジェダイ否定派なのだな」と判断されている頃だと思います。
ところがどっこい、わたし『最後のジェダイ』めちゃくちゃすきなんですよね!


これまで述べたように、「うそやろ・・」という展開はてんこ盛りでした。
「またもや取り返しのつかないことを・・・」という歯がゆさも感じました。
「なんで年寄り(わたし)をここまでいたぶるんや・・・」というやるせなさもありました。
でも、そういった気持ちとほぼ同量の、「最後のジェダイさいこうやんけワレ!!!」という興奮もあったのですよね!

鑑賞後、いろいろな人から「最後のジェダイどうだった?」と感想を求められたのですが、そのたびにわたしの心は「一言でいえるかっつうの!!!」という葛藤に襲われ、悩んだ挙句「いいところもショックなところもありましたけど、おおまかにいうとよかったです」と答えるのが精いっぱいでした。

「さいこー!」と「なんつうことをしてくれたんや」の間にあるもの、それがわたし。
いうなれば、わたしはフォースなのです。 
ホウキは無理ですが、掃除機ぐらいならいつでも自由に操ってしんぜましょう。 いでよ、ルンバ!
(スン…) 
・・・みてください、これがフォースの力です・・・!
(※混乱しています)

たとえば、師弟としてのやりとりには大いに不満があるものの、ルークがフォースを閉じ、ジェダイは滅んだ方がいいという考えに至っていたという点には、わたしはとても納得しています。

『ジェダイの帰還』で父・ベイダー卿と和解し、帝国軍も倒したルークはジェダイ・マスターとして民衆の尊敬を集めていた。
妹レイアとハンの間に生まれたベン・ソロ。
まばゆすぎるほどのフォースを持つベンを、いっちょ自分の後継者として育ててやろうと思ったルーク。
どうせだったらと可能性のありそうな子どもたちを集めて、ジェダイ寺院を設立するも、修行を施せば施すほど、日に日に甥っ子の心は闇で満たされてゆき、ついには先々とんでもない悪鬼になるであろう未来を感じ取ってしまった。
以前、「もしもタイムマシンで過去に戻ることはでき、ヒトラーの子ども時代に出会ったら、あなたは彼を殺しますか?」というアンケートが世間をにぎわせたことがありました。
ルークはまさに、この問題に直面してしまった。 しかし、ソースは自分の直観力のみ。 しかも相手は愛する妹の子ども。
一瞬の逡巡ののち、怒涛のように押し寄せる後悔。

この瞬間、ルークは「誰もが敬い憧れるジェダイ・マスター」の脆さを痛感したのではないでしょうか。
「そんなもんクソだ」と。
甥っ子ひとり救えないどころか、臭いものに蓋をしようと思ってしまうマスターのどこが偉大なんだ、と。
その後、ルークは身内にも行き先を告げず自問自答の旅にでて、最終的に辿り着いた島・オクトーでついに最初のジェダイ寺院を見つけた。
そこで傷心のルークにとどめを刺したのは、「そもそもルークの父・アナキンをダークサイドに走らせたのも、ジェダイ・オーダーだったといって過言ではなかった」という事実だったのではないでしょうか。 
たぶんね、書物に書いてあったか、地下の洞窟の鏡の間で見ちゃったんじゃないでしょうかね。
銀河中からリスペクトされ、高潔で強くて絶対的に正しいとされてきたジェダイ・オーダーは、その正しさと伝統ゆえにまあまあ歪んだ側面を持っていた。 簡単に言うとめっちゃ独善的だった。
ジェダイ最高評議会を組織して、銀河共和国にもひとこと物申せる影響力を持ち、めっちゃブイブイ言わせていたその最盛期に、ダークサイドの台頭に気づかず、パルパティーンの野望を野放しにしてしまっていた、緑のあいつ率いるジェダイ・オーダー。
「ジェダイ・マスターってすごい力があるはずなのに、なんであんなすぐそばにいたパルパティーンの腹黒さに気づかないの?」
という(いままでは空気を読んで黙ってきた)わたしの長年の疑問に対する正しい回答。
それがルークの口から語られたシーンは、最高に驚きで、最高に溜飲の下がる瞬間でした。
そりゃあね、「もうええわ」ってなりますよ。 
「なんなん、ジェダイなんなん」ってやさぐれたくもなりますって。

先代たちがしくじってきた、自分も甥っ子相手にしくじってしまった、そして抜群の可能性を秘めた新弟子も手放してしまったルーク。
「なにもかもジェダイ・オーダーがわるいんや!」とやけになってジェダイの聖地と奥義書を燃やそうとして、結局できなくて、そしたらヨーダが出てきて「こんなものはこうじゃ」ってビリビリドカーンって焼き払ってくれる、この一連のシーンの「お・・・お・・おまえなぁ!!!」感!! 三周ぐらいまわってさいこうでした!!

「失敗こそは最大の師だ」という言葉の説得力ね! 
「おのれの失敗を弟子に見せてさしあげなさい」「わしらは弟子に超えられるためにあるのじゃ」ってヨーダがいったときの、「で す よ ね ー ! ! 」感、さいこうでしたよね! 失敗だらけの人生でしたもんねー!
誰よりもジェダイ・マスターを名乗ってきたことを恥じ、はよ滅んでしまえばいいのになーと思っていたのは、他らなぬヨーダ自身だったのではないかと、わたしは思います。
エピソード2・3の時のつやつやCGではなく、旧シリーズ同様パペットで蘇ったヨーダの、あの飄々とした表情!
ルークの額を木材でガッとやる愉快な仕草!
わたしが観たかったヨーダはコレなんだよ!と、劇場で膝を打ちまくらずにはいられませんでした!
もしも、次回のエピソード9にルークが霊体として登場するのであれば、ついでにヨーダも出てくれていいんですよ!
なんだったらアナキンも出てきて、レンに直接ごめんなさいしちゃえよ! 
「わしがこじらせてたせいでごめんなさい」って!


観たかったといえば、レイとレンの共闘も本作で一番ガッツポーズを決めたシーンでしたよね!
そこに至るまで、ずっと遠距離恋愛みたいなことしていたんですよ。
「最初の出会いはサイアクだった・・・でも・・話すうちにわかったの・・・ アイツほんとはわるいヤツじゃないって・・・」みたいなアレね!! 「バカ女!」「バカ男!」(ただしどちらも目がハート)みたいなアレ!
誰に反対されても、自分だけは相手のことを信じたい。
そんな一心で敵陣に乗り込んでゆくのは、『ジェダイの帰還』のルークと同じ。
そして、一度は相手と相いれないものの、敵のボスに苦しめられていたら救いの手を差し伸べられるトコロも同じ。
敵味方の立場を超え、自分にとって大切な存在を守るため一緒に敵に立ち向かうのも同じなんですよ! これで燃えなくてなんで燃えろというのか!
鑑賞していたのが劇場にひとりだったら、立ち上がって拍手していましたよね! 
それぐらい興奮しましたし、正直、このシーンと惑星クレイトのルーク降臨シーンだけで、映画料金2500円の価値が充分にあったといっても過言ではない。(※前夜祭で観たので特別料金でした)

そもそも、ルークやレイア姫やハンの扱いには納得できない部分があったものの、今回の目玉はカイロ・レンとレイの関係性の変化でありまして、ロマンス小説の主人公みたいな描かれ方だったレイはさておき、カイロ・レンの登場シーンはすべてさいこうだったのですよね!!
父親まで殺したのに、「そのばかげたヘルメットをとれ」とか「ダースベイダーの再来だと思ってたけど買い被りだったな」とかスノーク師匠にボロカス言われて、挙句「なんだかんだいってルーク・スカイウォーカーが重要パーソン」って自分の存在を否定されちゃうレン。
そんな矢先、かつて自分をフルボッコにした勝気な女性レイと交流したことで、「いままでずっと年上のいうことに従ってきたけどろくなことになってない。 思い切って才能ある若者と組む方が将来性があるのではないか」という考えが芽生えたのではないか。 
ついでといっちゃあアレだけど、レイかわいいし。 
おっさんと組むよりやりがいありそうじゃないですか。 
生みの親を殺し、育ての親を捨て、師匠を斬ったカイロ・レン。
過去のしがらみをことごとく抹殺し、とっくに心の平穏が訪れていいはずなのに、いまだレンの心はライトサイドとダークサイドの間で千々に乱れています。
だって、レンはいつまでも孤独なままだから。

カイロ・レンに関して語られてきたこと。
幼いころからフォースの才能があった、スノークに目をつけられていた、ルークに指導してもらおうと思ったけど、既に手遅れだった、などは、すべて周囲の人の言葉なんですよね。
わたしは、今回レン自身がレイに語ったことがすべてだと思うのですよ。
親もとから離され、ジェダイの騎士になるべく日々修行に励み、さみしさを見せれば「ジェダイは感情をあらわにしてはいかん。ダークサイドに堕ちるぞ」と教育され、なんとか自分の心に折り合いつけて孤独に耐えていたある日、殺気を感じて目を覚ますと、そこには伯父で師であるルークが鬼の形相でライトセーバーを振り上げる姿。
鬼の形相だったんですよ。
ルークが実際どんな表情をしていたのかは問題ではないんです。
レンの目にはそう映った。 それが問題なんです。


レンは自分の力が正当に評価され、ただしい人生へと導いてもらうことを望んでいただけなのではないか。
みんなが勝手に期待し、勝手に慄き、勝手にさじを投げてゆく中、やっと現れ手を差し伸べてくれたのがレイだったのですよ。
その手を、レイの望む形で掴むには、あまりにレンの心は歪みねじ曲がってしまっています。
手を掴みたい。 でも、もう引き戻せない。

共闘を終え、「一緒に天下とろう」とレイに申し出た時のレンのすがるような表情。
「頼む」と絞り出すようにつぶやくレンを観ていたら、もうたまらんですよね! よっしゃわかった!おばちゃんでよかったらどこでもついてくで!
(ルンバなら操れるで!)

レンがダースベイダーに憧れた気持ち、わかる気がします。
大人の都合で母から離されひとりぼっちになり、ちゃんとしたジェダイ騎士になることを期待され、抑圧され、人生を制約され、いうこときかないとダークサイドに堕ちるぞと脅される。
レンとアナキンは似ている。
わたしにはふたりが、信頼していた大人たちに見放されて、心に壁をこしらえた、かわいそうな青年に見えました。
だからもうね、レイは一緒にいてあげたらいいんですよ! 方向性は違っても、もっと一緒の時間を過ごして、その中で逆影響を与えていけばいいじゃないですか! だいじょうぶだいじょうぶ、レイならできるって!

ただ、そう思えば思うほど、やっぱりレンがハン・ソロを殺さなければならなかった理由が、弱い気がするんですよね。
「過去を捨てる」とか「目的のためなら大切な人でも殺す」って言っていましたけど、まぁ、そうなんでしょうけど、殺っても殺ってもふっきれてないですからねぇ。 すげえ無駄に死んだ感がするんですよね・・・
スノークかファズマさんにその役を預けるのではダメだったのか。 
レンは救いも加担も出来なかった、という立ち位置で。
もしくは、どうしてもレンを親殺しにするのなら、いっそのこと、生まれ持っての純粋悪なんだっていうことにしてくれた方が飲み込みやすいですね!
めちゃくちゃ悪そうに、なんだったらライトセーバーべろべろ舐めまわしながら「オレは混沌より生まれし悪の落とし子・・・!」とかやってくれたら、「じゃあしょうがないな!」ってなりますよ! 少なくともわたしはね!


どうでしょうか。
わたしの複雑な気持ち、読んで下さったあなたに伝わったでしょうか。
『最後のジェダイ』はすきなところもかなしすぎるところもたくさんありすぎる、本当にすごい作品でした。

次回、霊体となったルークが出るのか出ないのか、そもそもあんな統制のとれていないファースト・オーダーがこのあと何年組織として存続出来うるのか、っていうか絶対早い段階で内輪もめするだろ、という心のざわざわと共にまた二年後をたのしみにしたいと思います。

最後に、我らが愛するプリンセスに心からの感謝を。





― おまけ ―

・ ポー・ダメロンとはなんだったのか。

・ ダメじゃないロンであることを存分に見せつけたオープニングシーン、レジスタンスのはねっかえりとしてプリンセスに心配されちゃう序盤シーン、他ならぬレイア姫が選んだ臨時代理を信用せず先走っちゃう中盤シーン、思慮の浅さが招いた数々の失敗から成長し、次世代のリーダーとしてのポジションを確立する終盤シーン。 きっと次回、ポーはレイア姫に代わりレジスタンスの指揮をとるのでしょう。 しかし、「なぜわたしを見るの?彼について行きなさい」というセリフはもともとあったのでしょうが、今となってはあまりに重い一言ですね。 

・ ローズ・ティコとはなんだったのか。

・ レジスタンス界の天童よしみ。 このよしみはとてもよく働くいいよしみですね。 「何者でもない誰かが歴史を変えてゆく」という本作のテーマを体現するもうひとりのヒロインでした。 「これ以上死んだ英雄はいらない」というレイア姫の気持ちとも重なる行動は、一瞬「おまえなにしてんねん」と思わずにはいられませんでしたが、フィンがあのまま特攻する様なんて観たくもありませんでしたし、もちろんあれで大正解なのですよね。 ありがとう、仲間を助けてくれてありがとう。 ホントにね、命あっての勝利なんですよ。 ただ、最後のキスは唐突すぎて「それいらんやろ」ってなりました。 そこキス、いりますか? とってつけたようにロマンス小説みたいになるの、なぜなんですか。

・ ハックス将軍とはなんだったのか。

・ 小物感がたまらない、本作のムードメーカー。 レンに消されないよう、ホントいつまでもがんばってほしい。 ただ、しょっぱなのギャグシーンはやりすぎだと思います。 ユーモアのあるシーンはたのしいけれど、行き過ぎるとコントになっちゃう。

(※ だいすきな動画ですけど、このノリを本編でやられるとちょっと違う気がします・・・)

・ ホルド提督とはなんだったのか。

・ 敵か味方かローラ・ダーン。 レジスタンスの紫ババアことローラ・ダーンさん、マジさいこう。 「もしかしたら敵に内通しているのでは・・?」と観客を惑わせるキャラクターであるためだけに本音を言わせてもらえなかった紫ババア。 ローズとは真逆にレイア姫がやってほしくなかった特攻で散ったりと、いまだ登場の必要性には謎が残ります。 でもいいんです。 ローラ・ダーンだから。

・ スノーク最高指導者とはなんだったのか。

・ 劇団スノークの看板役者。 「わしはなんでもお見通しじゃ」と高らかに笑いながら、その見通していたはずのレンくんにバッサリ斬られちゃう、本作最大のコント・シーンの主役。 今回初めて団員たち(赤備え)も活躍させてもらいました。 よかったね! 解散公演でしたけどね!

・ キャプテン・ファズマとはなんだったのか。

・ なんだったの??!!


・ テミリ・ブラッグとはなんだったのか。

・ フィンとローズが途中立ち寄ったカジノ、カント・バイト。 そこで奴隷として働かされていた子どものひとりがテミリ・ブラッグくん。 本編の最後、指にローズからもらったレジスタンスの指輪をはめたブラッグくんが、フォースを使う姿が映し出されました。 ブラッグくんはホウキをライトセーバーのように握りしめ、星がまたたく夜空を凛とした表情で見つめます。 彼が新たな希望であり、その希望はきっと彼ひとりではないのだろう、と一筋の光が差し込むようなラストシーンでした。

・ ミディ=クロリアンとはなんだったのか。

・ マ ジ で な ん だ っ た の ? ? ? ! ! !

・ わたしの認識の中では、フォースとは昔ヨーダが言ったように「あらゆるところに存在しているもの」だったので、正直ミディ=クロリアンが登場した時は度肝を抜かれました。 本作も、「血統主義からの決別」みたいに言われていますが、「え、もともとフォースって血族だけの遺伝なの?」っていう感覚があったわけで。 違いますよね? ジェダイ・オーダーって、みんな親戚なわけじゃないですよね? 才能を見染められたキッズが全宇宙からスカウトされてたんですよね?

・ そんな想いがあっただけに、今回レイが特別な出自を持たない普通の子だったことも、ブラッグくんがフォースを無意識に操っていたのも、当然そうあるべきことだと思いましたし、ミディ=クロリアンで手の届かないところにいってしまったものが再び戻ってきたようでうれしかったです。 きっと宇宙のあちこちにはたくさんのブラッグくんがいて、彼らはルーク・スカイウォーカーの伝説に憧れ、宇宙を救うべくレジスタンスとして立ち上がるのでしょう。 エピソード9は10年後ぐらいの物語になるのかもしれませんね。 レイア姫もまた、すでに伝説となっている近い未来で、ポー・ダメロンが率いるレジスタンスには若く正義心に燃えたフォースの使い手が集っています。 彼らをまとめるのはレイなのでしょうか。 ルークのもとからレンが連れ出したフォースの使い手たちと、新しきレジスタンス(反乱軍)たちの闘いが観られるであろうエピソード9。 静かに、その時が訪れるのを待ちたいと思います。

・ なにはともあれ、あと何回でも観たいぐらい心に残る作品でしたよ! わたしはやっぱりスター・ウォーズがすきです! 




過去の感想
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(エピソード7)
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(エピソード4の前に起きていたこと)



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『メッセージ』

2017年05月22日
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あらすじ・・・
ある日とつぜん、“それ”は現れた。
地球上の12の都市、その上空に佇む“それ”。
どこからやってきたのか、なんのためにやってきたのか、どのようにしてやってきたのか、なにひとつわからない。理解できない。
希望と怖れと焦りから、世界中が混乱を極める中、一人の言語学者に白羽の矢が立てられる。
“それ”の目的は、世界の破滅なのか、それとも救済なのか・・・。




(※ 以下ネタバレしていますので、鑑賞前には読まないでいただけるとありがたいです。 ほんとうにすばらしい作品なので。)




・ 冒頭、カメラは暗い天井から静かな湖を抱く大きなピクチャーウィンドウへと視点を移し、「あなたの物語は、この日はじまったと思っていた」というセリフが流れます。 その後映し出されるのは、生まれて間もない赤ちゃんのちいさな手をそっと握り、いとおしそうに見つめる母の姿。 

・ 赤ちゃんはあどけない幼児になり、幼児は屈託なく笑う女の子になり、女の子は思春期らしさを身につけたとがった眼差しの少女になり、そして少女は、髪がごっそりと抜け落ちた痛ましい姿でベッドに横たわる若い女性になり、彼女のそばには「もどってきて」と滂沱の涙を流す母の姿。 もうダメでした。 わたしにはこれだけで、もう、つらすぎてダメでした。

・ わたしとわたしの娘の事情をここにこまごまと書く必要はありません。 ありませんが、書ききれないほどのことが今までにあったことは事実で、冒頭のシーンは非常にリアルな痛みとしてわたしの心を締め付けましたし、自分と娘との十数年がフラッシュバックして、嗚咽が漏れるほど泣いてしまいました。 幸いなことに娘は命をうしなわず今まで生きてこられました。 でも、そうではなかったかもしれないのです。 わたしよりもずっと早く、旅立ってしまっていたかもしれないのです。 

・ 物語は、この「母」とおぼしき女性が政府の命を受け、数学者の男性と共に未知なる生命体とのコンタクトを任されるという、ありそでなさそな展開へと歩を進めていきます。 まだ哀しみから癒えていないのか、生命体の繰る表意文字を分析していても、ふとした瞬間娘の声や気配を感じてしまう女性。 蛸のような生命体の姿は、娘が作っていた粘土細工を思い起こさせ、書類をめくる音は娘に読み聞かせた絵本の記憶をよみがえらせる。 いつでもどこでも、女性の中には娘との愛情に満ちた数十年があり、その美しい日々が突然奪われた哀しみがあるのです。 もちろんそうでしょう。 時間は慈悲深く、同時に残酷なものだから。

・ しかし謎の生命体とのコンタクトが重ねられるとともに、徐々にこの女性の現実と幻の境はあいまいになってゆきます。 いや、あいまいであることが明らかにされてゆきます。 わたしが女性の記憶だと思っていたものは、女性にとって「どうして何度も何度も見てしまうのかわからない夢」であり、現実をさえぎるように飛び込んでくる強烈かつ身に覚えのないイメージであった。 「この子はだれ・・?」 女性が口にした瞬間、わたしはこの作品に仕掛けられた驚きの事実に気づき、はっと息をのみました。

・ 本作はSFで、哲学的で、スーパー頭のいい言語学者が人類と宇宙人を救う話です。 ちょっとやそっとの頭の良さじゃないですよ。 だって、言語学者がいるのはアメリカだけじゃないはずなのに、アメリカ以外の国はちっとも研究が前進しない感じですからね。 

・ 宇宙船があらわれた世界12か国で、それぞれの映え抜き言語学者やなんかすごい博士とかが解読に躍起になる。 そりゃもう総力戦ですよ。 すげえ寝ずに解析してたはずなんですよ。 それなのに全然宇宙人との会話が進まない。 挙句、ひとつの国が「もうええ!まどろっこしいことなんてやってられへん!戦争や!撃ち落としたったらええんや!!」ってなった途端、あっという間に右にならえなんですよ。 お粗末すぎて話になんないですよ。

・ アメリカにスーパー頭がいい言語学者がいたおかげで、無事生命体の言語も習得し、なんだったらそれが意味する宇宙の真理みたいなものにも気づき、最終的には時間という概念にとらわれず、現在過去未来から必要な時に必要な情報をピックアップしてしまう能力をゲットし、見事宇宙戦争を回避させてくれてよかった。 地球上にひとりだけでもスーパー頭がいい人がいてよかった。 マジであぶないとこだった。

・ 正直いうとわたしは、「3000年後に自分たち(宇宙人)を襲う危機を地球人に救ってもらうには、今現在紛争だ金融だ資源の奪い合いだでくだらない争いを繰り返す地球人をひとつにまとておく必要があるので、あえて12の都市に分散して現れ、変な意地を捨て一致団結しないと解けないような謎をばらまき、代表としてスーパー頭のいい誰かに理解させる」という宇宙人のウルトラ先読み大作戦が納得できるようでできなくてですね。

・ 時間を超越している宇宙人的には、将来絶対に理解する人が出てくることがわかっているからこそ実行したのでしょうけど、万が一理解されずに中国のリーダーが好戦的なままだったら地球終わってたんじゃね?なんてことをついつい考えてしまったんですよね。 もうちょっと簡潔なやつなかったの? 「武器を使え」とか言われたら、そりゃ「はあ?」ってなるじゃん! 「武器?ははーん、ひょっとして未来を読む力のことですか?」ってなかなかならないと思うよ!

・ なので、SF的な部分はいいです。 原作も読んでいないので、細かいところは理解できていないと思いますし。 ただ、「宇宙人」という存在を使って描きたかったのは、未知の言語・種族・考え方を理解しようとする主人公の姿だったのだろうと思った。 わからないものを力でねじ伏せようというのではなく、言葉で、共感で寄り添おうということは、人間だけに与えられた能力そのものなのではないか。 かなしいかな、近年すっかり失くしてしまいつつある能力だけれど、本来わたしたちはそれを持っているはずだ、と。 そう理解しました。

・ それよりもわたしが圧倒的に打ちのめされたのは、先にも書いた「愛するものをうしなう」ということ。 想像したくもないその悲劇がいつか間違いなく訪れるのだと、もしもあらかじめわかっていたら、ということなんですよね。

・ 冒頭のシーンは、主人公が見た未来の自分。 生命体との遭遇と理解によって得た力は世界を救うと同時に、彼女の瞳にこれから経験するであろう悲劇的な現実を突きつけてしまう。 人生で最も大切な存在の誕生。 そして早すぎる別れ。 つらいなら、選ばなくてもいい。 素晴らしい日々と耐えがたい程の苦痛が一緒に訪れるとわかっていながら、あえてそれを選ぶ必要はない。 さあ、どうする? あなたなら、どうする?

・ いつか離れ離れになる日がくるとわかっているなら、一緒の時を過ごさない方がいいのか? 自分よりも先に旅立ってしまうぐらいなら、いっそ出会わない方がいいのか? 喜びの代償として哀しみに耐えなければならないのなら、なんの喜びもない人生を送る方がマシなのか? わからない。 わたしにはわかりません。 だって、現実の世界では将来のことなど知りようはないから。 

・ ただ、もしも主人公のように、未来を知ってしまったとしたら。 心の底から愛する人が、自分よりも大切な存在が先立ってゆくのを見守るしかないとわかってしまったら。 それでもわたしは、愛することをやめられはしないだろうと思うのです。 何が起きてどんな別れがまっていようと、いつだって今この時を生きるしかない。 今目の前にいる人に愛をそそぐしかない。

・ 主人公もまた、先で待っている苦しみを知りつつ、パートナーとなる男性の愛を受け入れ、子どもをもうけることを決意します。 うしなう哀しみよりも、愛する喜びを選んだのだろう、と思いました。 それがどれだけつらい選択だったか、けれど、どれだけ尊い決断だったか。 主人公の凛とした眼差しに涙がとまりませんでした。 

・ 主人公を演じたエイミー・アダムスさんがほんとうにすばらしく、ありえない設定の役にこれほどの説得力を与えるとは・・・と唸らされました。 すべての仕草、言葉、目線が力をもっている。 「あなたの物語」を「わたしたちの物語」に感じさせてしまう。 彼女を支える数学者役のジェレミー・レナーさんも知的で包容力があってすてきでした。 だからこそ余計に、彼らが回避できない苦しみを思うとつらくてしかたありませんでした。 いつか彼女の元に戻って欲しいと思うけれど、それは難しい未来なのだろうか。

・ 暖かい色と静かな色を使い分けた映像も見事でした。 宇宙船の造形がお菓子のばかうけに似ていると話題でしたが、なんつうか、本作の静かな哀しみと「ばかうけ」という字面があまりにかけ離れていて、わたしにはいまいちピンときませんでした。 角のないモノリスですよね、あれね。

・ 未来が見える能力は現実にないのでアレですが、情報というものはほんとうに厄介で、一度知ってしまうと無視するのは非常に困難なものでして。 真偽のほどはさておかれ、耳に入った瞬間からその人を支配してしまう。 本作で爆薬を仕掛けた兵士もそうでしたが、「そうかもしれない」は予防接種にもなりうるし、猛毒にもなりうるのだなぁ、とあらためて感じました。 






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『パッセンジャー』

2017年04月18日
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(※ 以下、いきなりネタバレしています)






あらすじ・・・
クリス・プラットが宇宙で死にます。


・ と、いうわけで『パッセンジャー』を観てきたのですけども、なんつうかすごい映画でしたよね。

・ ドラマの舞台は、地球を離れ別の星への移住を決意した5000人もの人々を乗せた宇宙船・アヴァロン号。 ある日その船に隕石のかけらがぶつかり、メインコンピューターがぶっ壊れるところから物語はスタートするのですが、とにかく恐ろしくテンポのいい本作ゆえ、誰がどう起きるんだろうなんてまどろっこしい前フリは一切省かれ、開始後3秒(※個人的体感)でクリス・プラットの冬眠装置が解除されてしまいます。

・ 120年間冬眠したまま惑星間移動するはずだったのに、たった30年しか眠らせてもらえなかったクリス・プラット。 最先端人工知能が試算してくれた結果、到着まで残す年数は90年。わかっとるわ。最先端じゃなくても小学生でも引き算できるわ。

・ この時点で既に館内で寿命をまっとうすること大決定です。 クリス・プラットかわいそう。 その後やらかす行動を思うとかわいそう心が激減するけど、まだこの時点ではじゅうぶんかわいそう。

・ で、技術者でもあるクリス・プラットは、なんとかもう一度冬眠ポッドに入ろうとしたり、乗組員たちを起こそうと奮闘するのですが、事故やエラーをまったく想定せずに作られたとしか思えない最先端ポンコツ船・アヴァロン号相手には、何をやっても糠に釘もしくは暖簾に腕押し。 万策尽きたクリス・プラット、ついには広大な宇宙に身を投じることで、人生から退場することをも考えてしまいます。 

・ わたしたちもね、ひとりぼっちだなぁ、と感じる瞬間って、決して少なくないと思うんですよね。 もしくは、一人でも生きて行ける、と言い切ってしまう瞬間。

・ 寄り添う人がいなくても、趣味に没頭していれば生きて行ける。 友達がいなくても、好きなことに打ち込んでいればそれだけで幸せ。 ほかになにもいらない。 

・ でも、もしかしたらそれは、ひとりのつもりでも実際はひとりではないから、耐えられているのかもしれないなぁ、と。 話し相手がいなくても、自分が生きている世界にはだれかがいる。 直接触れたり接したりしていなくても、そこここに人の気配を感じる。感じられる。 だってここはたくさんの人が生きるひとつの星だから。

・ そうではなくて、もしも本当に、自分以外だれ一人いない、生き物一匹いない世界だったとしたら、コンピューターしか存在しない世界だったとしたら、そんな中においても「ひとりで生きて行ける」と言い切れるのだろうか。 

・ わたしには無理だと思うのです。 ひとりでいるのはすきだけど、わたしがすきなのは、あくまで「自分で選んだ孤独」という状態だから。 

・ クリス・プラットみたいな状況に放り込まれたとしたら、と考えただけでおそろしいし、ホント耐えられない。 ああ、かわいそう。 早く起きてしまったのはクリス・プラットのせいではないというのに。 まぁ、追い込まれた結果彼がしでかしたことを思い起こすだけでお釣りがくるぐらい酷い展開があるのでかわいそうとか言ってられないんですけど、まだギリかわいそう。

・ すんでのところで死を思いとどまったクリス・プラット。 彼の目に映ったのは、この世のものとは思えないほど美しい女性の姿でした。 

・ 冬眠ポッドの中で120年(残り90年)の眠りにつく美女の名前はオーロラ。 調べてみると美しいだけはなく、知性も教養も申し分ない完璧超人だったことから、クリス・プラットは彼女の存在を勝手に生きるよすがとし、新たな生活を始めるようになります。

・ しかし、当然のことながら、ひとりぼっち生活を続けるクリス・プラットが理想の美女を見ているだけで満足できる期間なんてたかが知れており、悩みに悩んだ結果悪魔的所業を行ってしまったクリス・プラット。 そう、オーロラを勝手に冬眠ポッドから目覚めさせてしまったのです。 彼女が選んだ未来を勝手に書き換えたクリス・プラット。 過ごせるはずだった人生を自分の都合で奪い取ったクリス・プラット。 返せ!さっき浮かんだオレの「かわいそう」を返せ!おまえみたいなやつは、頭部をバールのようなもので殴られてしまえ!!そして宇宙で死ね!!

・ オーロラの人生を変えてしまったという事実をひたすらに隠し、「不運なふたり」としてアヴァロン号での共同生活を始めるクリス・プラットとオーロラ(ジェニファー・ローレンス)。 機械トラブルでたまたま起きてしまったのだと思っているオーロラは、自分より一年も早く目覚めてしまい孤独をこらえて生きてきたクリス・プラットを尊敬するようになり、尊敬はいつしか愛へと変わるのでしたが別の意味で目を覚ませジェニファー・ローレンス!機会をトラブらせたのはそいつだぞ!甘いマスクと「自分、不器用スから・・」みたいなシャイな笑顔に騙されるな!はやく!はやくバールのようなものをおみまいしておやんなさい!!

・ 予告を観た時には、ふつうにふたりともが事故で目覚めてしまうのだと思っていたわたしにとって、この非情な展開は本当に衝撃でした。 先に目覚めたクリス・プラットが、ジェニファー・ローレンスを道連れにするかどうかで迷いに迷いまくっている間中、「たのむから思いとどまってくれ・・!」と願わずにはいられませんでしたし、なんだかんだ言ったってまさかやらかしはしないだろうと思いましたし、いざ工具を携えてジェニファー・ローレンスの冬眠ポッドの横に膝をついた時ですら、きっとこの瞬間に別の隕石がぶつかるのだろうと信じていました。 いや、信じたかった。 だって、あまりに酷い行為だから。

・ のちに事実を知ったジェニファー・ローレンスも、「人生に対する殺人だ」、と責めていましたが当然ですよね。 自分で「よし、明日死ぬぞ」と決めるのと、他人に「おまえは明日死ぬ」と言われるのでは大違いですし。 たとえ「人は遅かれ早かれ必ず死ぬ」ということに違いはなかったとしても。 

・ と、いうことで、よくこんな酷なストーリーを思いついたなぁとビックリしながら観ていたのですが、実はわたしはドン引きすると同時に、この作品をべらぼうにおもしろいと感じていたのですよね。 

・ クリス・プラットの宇宙ひとりぼっち生活から、ジェニファー・ローレンスとの格差カップルいちゃいちゃ天国になり、そこからまた一気に緊迫感あふれる密室ホラーのような空気になったかと思うと、今度はサバイバルSFアクションのごとくスピーディな展開に。 バランスとアンバランス、心地よさと不快感、美しさと醜悪さが見事に混ざりあい、心のどこかにしっくりしない何かを抱えたまま最後まで突っ走ってしまう、この強引さ。 これは彼らの選択が正しいかどうかにジャッジを下す映画ではない。 彼らの数奇な運命を観ながら、「人生」というものについて考える映画だったのかもしれないなぁ、と思ったのです。

・ そもそも、アヴァロン号に乗り込むこと・惑星移住するという契約書にサインした時点で、彼らの人生は終わっていたのではないでしょうか。 だって、片道120年ですよ。 いわゆる「自分が一緒に生まれてきた時代」の移り変わりを見ることは叶わないわけじゃないですか。 往復240年かけて生まれ故郷に戻ったとしても、そこには「自分が居た時代」の痕跡など、もうないのですから。 仮に移住が成功していたとしても、それは彼らが一度「その時代の中で死んだ」のちに、別の時代で得た「別の人生」なのではないでしょうか。 

・ 人生って、時代を生きることでもあるんじゃないかとわたしは思います。 自分がたまたま生まれてきたこの時の流れの中で、自分という人間を構成した文化、価値観を共にした仲間、守ってくれた人、守りたい人、その始まりと終わりをつなぐのが、人生なのではないかと。

・ 家族や友人たちを捨て、アヴァロン号に乗り込んだジェニファー・ローレンスは、地球における自分の人生に見切りをつけたのですよね。 このままここにいても自分は生きていると言えない。 だから地球での人生をいったん終わらせ、過去から来た人間として未来に関わろうとした。 そこでなら、生きていられると思った。 

・ ところが、孤独のあまりあたまがおかしくなってしまったイケメンに目をつけられてしまったが為に、ジェニファー・ローレンスが思い描いていた人生設計は無残に破壊されてしまう。 彼女がもともと持っていた「地球で何不自由なく一生を終える」運命と、大枚をはたいて入手した「未来の世界でタイムトラベラー的なかっこいい人生を送る」運命は消え去り、手元に残されたのは「クズをバールのようなもので殴殺したのち、ひとりぼっちで死ぬまで生きる」運命か「むかつくクズをシカトしつつ広いようで狭い宇宙船の中死ぬまで生きる」運命か、もしくは「クズを赦していっしょに死ぬまで生きる」運命だけです。 自分で書いてみてアレだけどなかなかどうしてひどい選択肢だな。 やっぱり一回バールのようなもので殴っとこうぜ!なぁ、ジェニファー!

・ その後、ひとりの人物が(今度はホントに)偶然に目覚めてしまったことから、答えが出せないジェニファー・ローレンスと、彼女に対する罪悪感により孤独死を覚悟したクリス・プラットの運命は大きく動き出すことに。 その人物とは、甲板長のローレンス・フィッシュバーンです。 

・ 船長ではないものの、いちおうアヴァロン号の責任者のひとりであるフィッシュバーンは、先の二人よりももっと悲惨な目覚め方をしたせいで起床後まもなく死期を迎えてしまうのですが、いかにも年長の責任者らしい重大なふたつのことを残してゆきます。 若いもんへの小粋なアドバイスと、全アクセス権が与えられたIDパスです。

・ アドバイスはさておき、IDパスは死活問題だからよかったねー!! マジでこれなかったら全員死んでたからねー! 甲板長は結果的に長い人生、このタイミングでふたりにこれを渡すために歩んできたってことなんだなぁ・・・と思うと切なさが限界値突破するけど、人間の役割なんてそんなもんっていういか、脇役ってそんなもんっていうか、アンディ・ガルシア(※)に比べれば全然マシな気がするのでここはひとつドンマイってことにしときましょうかね!

・ アドバイスもね、ジェニファー・ローレンスにとっては重要だったのですよね。 クリス・プラットを赦せるはずがない。 答えなんて出しようがない。 でもあと90年間宇宙船にいるという現実も変えられない、という中、ジェニファー・ローレンスはすでに、うっすらと覚悟を決めていたのかもしれない。 

・ どうせどこかでいつか死ぬなら、いま生きているこの瞬間をすこしでもマシにしよう、と。 一生自分のテリトリーの中にこもり適当な人とつきあって死んでゆくのと、知ることのなかった世界でめちゃくちゃ波長の合う人とつきあって死んでゆくのでは、どちらがマシな人生だろうか。 彼との出会いは、たしかに自分が送るはずの人生では起こりえなかったけれど、それが起きたということにはなんらかの意味があるのではないか。

・ ジェニファー・ローレンスの中のたったひとつのわだかまり、スルーできない点は「勝手に起こされた」という点だった。 実際、それを知るまでは、宇宙船でのたったふたりきりの一生も悪くないと思い始めていたのだし。 赦せるきっかけがあれば・・・・当事者以外の目線からの一言があれば・・・ そんな時フィッシュバーンからかけられた言葉。 ありふれた言葉でしたが、ジェニファー・ローレンスにとっては十分だったのかなぁと思いました。

・ ジェニファー・ローレンスは、自分の身に起きた「目覚めるはずではなかったのに無理やりに起こされてしまった」という事実を受け入れることは出来なかった。 そこはやはりもう、どうしても無理だった。 

・ しかし、「何の落ち度もないのに、新天地で自分の技術を生かせると信じていたのに、誰かに必要とされる人生を夢見ていたのに、不幸な事故で起こされてしまい、孤独のままに死んでゆくことを宣告された」クリス・プラットの現実を受け入れたのではないでしょうか。 彼の現実を受け入れたから、彼とともに死ぬまで生きることを選んだ。 自分を必要とする彼と、彼を必要とする自分とで、今いる場所を一生過ごすのにいくぶん「マシ」な場所へと変えることを決めた。 そして次へとつないでゆくことを。

・ 彼女の決断はとても難しいことですし、この作品を観て最後まで「ないわー」という方も多いと思います。 それもまたひとつの選択ですよね。 わたしはアリだと思いました。 ロマンティックには程遠い、エグいハッピーエンドでしたが、そんないびつさもこの作品の魅力だと思いましたし、他人を赦したり、他人の運命を受け入れちゃうという壮大さがすごいなぁと思いました。 あと、しのごの言わせない勢いのエネルギー炉の暴走とか、宇宙こえーとか、把手がメチャあちいとか、木を植えるのはいいけど土どっから持ってきたんだよとか、アーサーかわいいとか、そういうのもよかったです。 ホント、ゾッとしたりホッとしたり忙しい映画でした!おもしろかった!

・ 土のこと書きましたけども、ホント最後のアレ、繁殖とか増殖とかしすぎじゃないですかね。 繊細な機器とか設備とかじゃないの? 根っこが伸びたらどうなるの? アスファルト突き破ってでてくるド根性大根みたいになっちゃうんじゃないの?

・ あと、やっぱりどう考えてもアヴァロン号を送り出し移住計画をおすすめしているホームステッド社のうさん臭さね!!

・ 移動中の船内から、本社があるであろう地球に送ったメールが届くまでに10数年て!送受信合わせたら70年弱ですってよ奥さん!誰に、何を聞けっちゅうねん!!それもう送った瞬間ダイイングメッセージになっとるやないか!!本社のやつもはなから読む気ないだろ!

・ わたしなんかはね、そもそもその移住計画自体ホントに成功してんのか?って思っちゃいますよね。 だって、往復240年かかるんですよ? 何年前から惑星を改造して居住に最適なよう開発して、実際人類が移住し始めている設定なのかわかりませんけど、ちゃんとそれ確認とれてるの? あっちで無事に暮らせてるって、衣食住整ってるって、証拠あるの? 最初に行って帰ってきた人から、話聞いてる?

・ 「着いたー?」って確認するまでに最短でなんぼほどかかるんだっていう話ですよ? こういっちゃなんですけど、送り出すだけ送り出して宇宙船どっかで爆発するようにしててもバレっこないじゃないですか。 で、移動と移住のために超高額な費用を先に回収しとけば、半分以上はまる儲けとかね。 そういや、劇中「ホームステッド社の資産が銀河的額」みたいなセリフ、ありましたよね。 謀ったな! ホームステッド社め!謀りよったな!!

・ 一切の機械トラブルを想定していない人工知能とか、なんかもう考えれば考えるほどにホームステッド社がヤバい会社なんじゃないかという不安がこみ上げてこないですか? 宇宙を120年も飛んでたら、隕石ぐらい当たるだろ。 なんで船員交代で冬眠させずに全員一気に寝させてんねん。 のんきな会社か。 ちょっと!まじめにやってよ社長!!(誰が社長か知らんけども)

・ とまぁね、言いたいことは山のようにありますが、アンディ・ガルシア(※)のことを思えばだいたいのことはマシなんじゃないかと思えるようになりますので、本作におけるアンディ・ガルシアの存在はマジで貴重ですよ! ということをお伝えして、今回の感想はおしまいにしたいと思います。 



(※)オスカーノミネーション俳優アンディ・ガルシアの雑すぎる扱いが拝めるのは『パッセンジャー』だけ!

  


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『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

2016年12月17日
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あらすじ・・・
反乱同盟軍の精鋭部隊ローグ・ワンが帝国軍の最終兵器「デス・スター」の設計図を手に入れます。


【「すきなものだけでいいです」管理人・アガサ氏による涙の謝罪会見 一問一答】

先日、 『スター・ウォーズ』 シリーズの外伝として公開された 『ローグ・ワン』 を鑑賞したばかりのブログ管理人・アガサ氏が、興奮冷めやらぬままに自らの誤認識について緊急会見を行った。

会見での一問一答は以下の通り。




「このたびは私事のことで、このような場を設けさせて頂き、大変恐縮致しております。 また、日ごろからブログを見て下さっている皆さまには、平素より格別なお引き立てを賜り有り難く厚くお礼申し上げたいと思います。」

--今回謝罪したいということだが、そもそも何についての謝罪なのか

「 『ローグ・ワン』 に対して勝手に抱いていた浅はかな想像を深く恥じ入っての謝罪でございます。」

-- 『ローグ・ワン』 についてどのようなイメージを抱いていたのか

「まずは、「どうせ過去の遺産で食ってくアレでしょ」という思い込みでございます。 本作が「スター・ウォーズ外伝」である、ということや、事前に見聞きしていた「ダース・ベイダーが出るらしい」という情報から、わたくしの中に「まあねーそこいらへんのキャラ出されたら、たいがいの事は許せちゃうもんねーなんかもうありがたやーってなっちゃうもんねー」とお馴染みのキャラクターやイベントを散りばめて、おっさんやおばさんをホイホイ釣っちゃおうというアレだと決めつけていた部分があったと思います。」

--実際にはどうだったのか

「たしかにお馴染みのあれやこれやは出てきました。 しかし、それは冷静に考えれば至極当然のこと。 なぜなら本作は、エピソード3とエピソード4の間を埋める正当な「外伝」。 個人的には未だに違和感が拭えきれていないエピソード1のキンピカ宇宙船(ナブー・ロイヤル・スターシップ)ではなく、愛すべきガタピシ号(スターファイター群)が活躍していた時期の物語なのですから。 マシンも、ドロイドも、パイロットも、そして帝国軍のえらい人もみんな出るべくして出ているだけのことなのです。 安易なホイホイ装置ではないのです。」

--ダース・ベイダーについてはどうか

「ベイダー卿に関しても、まったく非の打ちどころのないゲスト出演っぷりでした。 出るタイミングも出ていた量も言う事なし。 存在感をアピールしつつ、本作においてスポットをあてられるべきはどこなのかを充分にわきまえた引き際。 ポスターで絶妙に見切れていたことが全力で納得できる出演内容でした。」

--昨年 『フォースの覚醒』 を観たあと、こっそり家族に「アレだぜ、あいつらハンソロ出しときゃいいと思ってんだぜアレ」と洩らしていたようだが・・

「たしかにそういったようなことがあったかもしれませんが、あいにく記憶にはございませんが、しかし、もしあったとすればわたくしの不徳の致すところでございます。 あと、ハンソロはともかく本作のベイダー卿は絶妙だったことを重ねてお伝えしたいと思います。」

--ストーリーに関してはどうか

「ストーリーに関しても、大きな誤認識といいますか、思い込みがあったことをお詫び申し上げたいと思います。 エピソード1~3が作られると知った時、また、実際鑑賞した時に抱いた「まあなーアナキンがベイダー卿になることはわかってたもんなー」というわずかなガッカリ感。 それをいまだに引きずっていたことが主な原因でございます。」

--つまりどういうことか

「設計図が最終的に反乱軍の手に渡ることは、みなさんご承知だと思います。 そういうことです。」

--もう少し詳しい説明を

「なんだかんだいって、孤高の女戦士がアウトローな仲間たちのリーダーになって、華麗に設計図を盗み出すんだよな、ぐらいに思っていました。 いまは深く反省しております。 たしかに大まかに言えばそのようなストーリーでした。 しかし、しかしその裏にまさか、あそこまで深いドラマがあったとは・・・」

(ここでしばらく涙がとまらなくなる氏)

--深いドラマとは

「デス・スターの設計図が反乱軍に手に渡るまでには、名もなき戦士たちの活躍があった。 それが今までのわたしの認識でした。 しかし、そうではない。 そうではないのです。

(再び号泣)

彼らは誰ひとりとして、「名もなき」などではない。 ひとりひとりに立派な名前があり、守りたい大義があり、ゆずれない誇りがあり、愛するものがいる。 本作を観たことで、過去のシリーズ、中でも、原点であり傑作としても名高いエピソード4が、より一層すばらしい作品だと思えるようになってしまった。 誤解を恐れず申すならば、 『ローグ・ワン』 はある意味本家を超えてきた、と言っても過言ではないのです。」

--ある意味、とは

「もちろん、 『スター・ウォーズ』 シリーズはどれも大好きですし、最高におもしろい作品です。 いままでもこれからも、わたしにとっては大切な宝物。 そして、今回 『ローグ・ワン』 も同じように、わたしに欠かせない作品になった、ということです。 わたしにとっても、きっと 『スター・ウォーズ』 という壮大なサーガにとっても。」

--もう少し具体的に言えないか

「すみません・・・ 本当にそれだけは・・・ ただ、小さい頃「デス・スター弱えーーーー なんでミサイル撃ち込まれたぐらいでぶっこわれるのーー超弱えーーー」とエピソード4を観て笑っていた自分を叱ってやりたい気持ちです・・ デス・スターがあんなにすぐぶっこわれていた理由・・ それはな・・・ それはなぁ・・・っ!」

(激しく嗚咽し始める氏)

--他に謝罪したいことは

「ドニーさんの役名がなかなか覚えられなくて、職場の同僚に「ほら、あの、おしゃれモデルが愛用してるスーパーフードみたいな・・」って言ったことを心からお詫び申し上げたいと思います。 それチアシードな。」


--ドニー・イェン氏に関しては他にも心配していたことがあったそうだが

「そうですね、これも勝手な心配でしかなかったのですが、わたくしの中には過去にドニーさんが出演されていた 『ブレイド2』 の記憶というものが、今でも鮮明に刻み込まれておりまして、ハリウッド出演を喜ぶと同時に、スノーマンのアレを繰り返して欲しくない、というかまたあんな扱いだったらどうしよう、というようなノー・モア・スノーマン的な感情が抑えきれなかったのだと思います。 もちろん、すべて杞憂でございました。 あらためてお詫び申し上げます。」

--ドニー・イェン氏の出演は成功だったのか

「成功も何も、めちゃくちゃ需要な役割でしたし、めちゃくちゃいい役割でしたし、ドニーさんだったからこそ、チアルート・イムウェはここまですばらしい人物になったのではないでしょうか。 ドニーさんさいこう! ドニーさん超さいこう!! これはもう、ちょっとしたドニーさん祭りですよ!わっしょいわっしょい!!!」

--殺陣はどのくらい魅せていたのか

「それ聞きますか?! それ聞いちゃいますか?!!! ドニーさんの役どころは盲目の修道僧なんですよね! ほんで、ジェダイの騎士なき時代においても、一途にフォースを信じているピュアな守護者なんです! プリプリでピュアピュア! 宇宙に咲く最強の華、ピュア・ドニー!!」

--ドニー・イェン氏のファンに対してひとこと

「僭越ではありますがわたくしからひとこと申し上げさせて頂けるならば、本作でドニーさんは名実ともに「宇宙最強」の座を手に入れたのではないでしょうか。 まさか幼いころからだいすきだった 『スター・ウォーズ』 の世界と、大人になってからだいすきになったドニーさんがひとつに結ばれる日が来ようとは・・・ 感無量でございます。 あと、本作を観たあとは、ドニーさんの真似をして「I'm one with the Force, and the Force is with me.」とつぶやきながら横断歩道を渡りたくなること請け合いだと思いますが、くれぐれも青信号もしくは周りでベイズばりにサポートしてくれる人を確保しておかれますよう、お願い申し上げます。 赤信号や信号機のない車道では試されませんよう、お気を付けください。」

--危険行為を助長するつもりなのか

「わたくしならば、真似とはいえ薄目を開けておくぞ、とだけお伝えしたいと思います。 本気でやったらダメ、ぜったい。」

--他の出演俳優に関してはどうか

「その点に関しましても、心から申し訳なく、深くお詫びいたしたいと思います。 ポスターを見て「華が無くね・・?」とか思ってすみませんでした。 K-2SOに対しても「これ浦沢直樹のマンガに出たやつじゃね・・?」と浅はかな感想を抱いてしまったこと、お詫びの言葉もございません。」

--具体的にはどのマンガか

「大変申し訳ありませんが、お答え出来かねます。 記憶があいまいなので・・・ たぶんなんかロボットのやつだと思います。」

--浦沢直樹とスターウォーズ、どちらが先だと

「それはもう、申し上げるまでもございません。 すべてはわたくしの不徳のいたすところと、猛省しております。 そもそも、見た目のことなど関係なく、K-2SOというキャラクターはぶっちぎりの文句なしでございました。 キュートでシニカルで気は優しくて力もち。  これは本作だけではなく、 『スター・ウォーズ』 シリーズに共通していることですが、わたしたちがお互いを理解しようとし、信頼しようとすれば、異種族、異生物間だけではなく、ドロイドと生き物との間においても友情は成立する。 それはとても尊いことである、と、心から痛感させられました。」

(思い出したように滂沱の涙を流し始める氏)

--今後 『ローグ・ワン』 を観直す予定はあるのか

「本当は初回を観たあと、そのまま二回目に突入するつもりでしたが、諸般の事情により断念いたしました。 もちろん、また日をあらためて鑑賞したいと思っております。 お金と時間の許す限り。」

--最後に何かあれば

「 『ローグ・ワン』 は、 『スター・ウォーズ』 を観た事がある方だけではなく一本も観た事のない方でも、決死の密使アクションとしても親子・友情のドラマとしても充分おたのしみ頂けます。 そして、前後のエピソードをご存じの方にとっては、驚きと納得に満ちた2時間14分になることでしょう。 ただただ息をのみ、ただただ総毛立ち、ただただ落涙するばかりの傑作。 最高オブ最高。 数十年後、「自分は 『ローグ・ワン』 を劇場で観た」、と誇りに思えるような逸品だと、わたくしは思います。 どうぞ、お気軽に劇場へ足をお運びくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。」







- 以下ネタバレを含む追記 -

・ 冒頭、惑星ラ・ムーに住む元帝国軍科学者ゲイレンのもとをクレニック長官が訪れるシーンの残酷なまでの美しさ。 もう、この時点でわたしは完全に『ローグ・ワン』に心を奪われてしまいました。 今までの『スター・ウォーズ』では観た事のないようなクールなオープニング。 これはやべえぞ・・ 

・ そのあとはずっと「わー」ってなったり「クスッ」となったり、おいおい泣いたりの繰り返しでしたよね。 ぜんぜん無駄なシーンないんですもん。 「あれ?」と思ったシーンも見事に回収されてゆくし、またその回収が超納得&号泣。

・ そりゃそうなんですよね。 ずいぶん長い間、反乱軍はいいやつ、帝国軍はわるいやつ、みたいな小学生並みの認識でいましたけど、反乱軍がいい人揃いの清廉潔白な正義の戦士なわけはないんです。 だってこれは戦争なのだから。 華々しく戦闘機で攻撃に向かうパイロットたちがいる一方で、相手の裏をかくため汚い手をも使わざるを得なかったスパイもいた。 もちろん、彼らは喜んで汚れ仕事を引き受けていたのではありません。 しかし、全ては「平和」のため、と心を殺して任務に当たっていた。 罪悪感に押しつぶされそうになっても、胸の奥を疑念の影が覆いそうになっても、その手を血で汚し続けた。

・ 生まれた頃から戦争状態の中反乱軍に拾われ、他に行く場所も生きるすべも知らなかったキャシアン。 彼と同じように「大義」のため生きてきた戦士たちの葛藤と生き様にショックを受けると同時に、これが戦争なんだ、とあらためて思いました。 

・ ジンもまた、幼い頃両親を失って以来、過激な革命の戦士に育てられてきた女性で、それがどれだけ異様な状況だったかということは彼女の高すぎる戦闘能力からもよくわかりました。 相手の攻撃に当たり前のように反応するジン。 戦わずしては生き延びれなかったであろう彼女の十数年間の壮絶さに心が痛みます。

・ 一緒に逃げるはずだった母親に見捨てられ(きっとゲイレンを置いてジンと一緒に逃げる手はずだったのでしょうが、ギリギリで娘だけを逃がし、自分は夫のもとに行ったライラ。 それは夫婦愛かもしれませんが、ジンにしてみれば捨てられたも同然なのではないでしょうか)、父とも生き別れとなり、育ての親であるソウからも置き去りにされたジン。 最初、デス・スターという銀河にとって危険な兵器の存在を知らされたとき見せた彼女の無関心さが、そんな生い立ちにあることは言うまでもないですよね。  なんでもうちょっとまともな保護者を用意しなかったのかライラよ・・・ よりにもよって革命家とかさぁ・・・ レイアはよかったね、まあまあまともな養父母でね。 まぁ、最終的にはレジスタンスの将軍になっちゃいますけどね。

・ 道義よりも任務を優先してきたキャシアン。 自分が生きることだけを優先してきたジン。 そんなふたりがそれぞれに抱えてきた感情を知り、自分たちが信じる何かのため、誰かのために戦うことを決意する。 こんなもんね、泣くなって言われても泣きますよ。 中盤からけっこうな頻度で泣きっぱなしでしたよ。

・ もうとにかく、登場人物たちが心を開いてからの友情・愛情・大爆発がすごい! キャシアンとジン、キャシアンとK-2SO、K-2SOとジン、ドニーさんとベイズ、ボーディとキャシアン、ひとりがみんなのために、みんながひとりのために、みんながみんなのために、文字通り命を懸ける。 全員の見せ場で胸が滾り、全員の散る姿に涙がとまらない。 すげえドラマですよ! 『スター・ウォーズ』って、実はすげえドラマだったんですよ!

・ 彼らとあわせて、父ちゃん役のマッツ・ミケルセンさん(この父ちゃんがデス・スターに仕込んだ復讐がホントすごい!もう二度とエピソード4を昔と同じ気持ちで観られない!)(※もちろん褒め言葉)やクレニック長官役のベン・メンデルソーンさんなどの俳優さんたちがみんな、、21世紀に作られた『スター・ウォーズ』新作とは思えないような昭和顔だったトコロもよかったですよね・・・。 違和感ないわー エピソード4の直前に作られたって言われても全く違和感ないわー

・ ただしターキン総督、おまえはダメだ。 CG顔にもほどがある。 そっくりさん探してきて、その部分だけやり直しの刑な!

・ アクバー提督と同じモン・カラマリ出身のラダス提督が、アクバーさんとちがってイケイケドンドンでかっこよかった。

・ ドニーさんの最高具合がわたしの語彙ではどうやっても言い表せません。 いつもの棒っきれで、ストームトルーパーをばったばったと倒すだけでもたまらんのに、ライトボウでタイファイターまで撃ち落としたりするんだぜ・・・? しかも後ろ手だぜ・・・? 信じられないだろ・・見えてるみたいだろ・・・盲目なんだぜ・・・

・ ヤバそうなAT-ACT出てきたけど、ドニーさんなら棒っきれであのひょろい四足ぶっ叩いてやっつけちゃうんじゃね?と思った瞬間が、わたしにもありました。 (さすがに無理でした)

・ ドニーさんとベイズさんのやりとり、全部が1億点満点でした! 「気をつけろよ」「だいじょうぶ、お前がいるから」とかマジで!劇場でギエエエエエって叫ぶのこらえるのに必死でしたから!! ギャレスよ・・・貴様おれたちの正気を搾り取る気か・・! このブロマンスがすごい・2016!

・ もうさぁ! この際ドニーさんも誰かのパダワンにならせてあげてよ! アニーのミディ=クロリアン、ちょこっとでいいからドニーさんに分けてあげてよ! 余るほど持ってるんでしょ! っていうか、最後のくだりなんか言わば半分ジェダイになっていたも同然なんだから、死後もスケスケシースルー状態で出させてあげてよ!!!

・ ここまで希望と絶望が容赦なくさらけだされた、悲惨とも言っていいゲリラ戦を描いたからこそ、フォレスト・ウィテカーさんが演じた革命家ソウ・ゲレラという人物のありようにも説得力が生まれるんですよね。 戦争は汚い。 戦争は非情だ。 両足を失い、友人たちを失い、呼吸器なしでは生きていけない体になったソウは、もうひとりのダース・ベイダーだったのかもしれません。 

・ 「敵」に負けないため暗黒面に落ちたソウは、もはや誰も信じることができない。 猜疑心と怒りと憎しみという、ダークサイドの必須感情を支えに、帝国軍だろうと反乱軍だろうと、前に立ちはだかるものはすべて倒そうとするソウ。 彼をふたたびライトサイドに引き戻したのは、娘のように愛していたジンの存在だった。 ジンを逃がし、すべてを受け入れたようにデス・スターの攻撃の前に立つソウの姿が、ルークに救われたアナキンに重なり、「もう少し早ければ・・」と深い悲しみがこみ上げました。 

・ 書いているうちに泣きそうになってしまったので、近いうちにおかわりしに行こうと思います。 とにかく超さいこうでした! ありがとう、ギャレス監督!ありがとう才能あふれるキャストのみなさん!そして製作スタッフの方々! The Force Will Be With Us. Always!





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