■「粘膜蜥蜴」 今度は戦争だ! (読感)

本作を読み終わり、感想を書く為表紙の画像を検索しようとしたアガサ。
「・・・とかげ・・・ ん・・? ・・何蜥蜴だったっけ・・?」
さっき読んだタイトルがもう抜けたアガサ。 さっき泣いたカラスがもう笑った、みたいな?そんなライトな感じ?(どんなだよ)
で、確かドロドロした印象の単語だったよなぁ、と思いつつ「溶解蜥蜴」で検索。
が、それらしいものは何も出てこない。
仕方ないので前作のタイトルで検索。
はい、「溶解人間」ドーン!!
「溶解人間」
掃除夫が街の片隅で見つけたボロきれと得体のしれないドロドロの物体、それこそが「溶解人間」スティーブのなれの果ての姿であった。 路上の汚物がすっかり掃き清められた頃、土星に向け新たな探索船が発進したニュースに世界中は歓声につつまれていたの・・・ (きまぐれムービーシアター様より)
違うよね!ていうか、この光景前も見た!!(←前作の時もタイトル失念して溶解で検索した)
もうねぇ、なんというか、自分の記憶力のふがいなさに絶望ですよね。
いや、傍らにおいてる文庫本見ろよ、って話なんですけどね。
ちなみに前作と本作のタイトルはどちらも「粘膜」。
河童が頑張る「粘膜人間」と、爬虫類人間が頑張る「粘膜蜥蜴」になっております。
そもそも“粘膜”がついてる理由がいまいちわからな・・・ いやなんでもないです。
あらすじ・・・
第壱章 「屍体童子」
庶民の真樹夫と大吉は、大金持ちの雪麻呂の家に招待されてウハウハになるが、ちょっとしたアクシデントで大吉が死亡。
慌てた雪麻呂から「この後始末をしなければお前も殺す」と脅された真樹夫は、牛刀を片手に途方に暮れるが、そこに出兵中の兄・美樹夫の幻が現れ・・・。
第弐章 「蜥蜴地獄」
東南アジアのナムールに駐屯中の美樹夫に、ある重大任務が言い渡される。
それは、軍部にとって大事な金づるである下衆野郎・間宮を、チャラン村まで護衛するという危険な仕事だった。
有能な部下2人と共にジャングルの奥地にあるその村へ向かう美樹夫だったが、反日ゲリラや獰猛な動植物に行く手を阻まれ、やっとの事でたどり着いた村もまた既に、住民すべて皆殺しにされており、その死体は一様に陵辱の跡があったのだった。
そして、その犯人たちが現れたとき、美樹夫は想像を絶する恐怖を味わう事に・・・。
第参章 「童帝戦慄」
雪麻呂は従姉の魅和子を熱烈に愛していた。
魅和子は雪麻呂の人生の全てであり、何としてでもモノにしたいと願っていた。
しかし魅和子は、雪麻呂と同じように求婚してきた雪麻呂の従兄・清輔との間で心を決めかねており、悩んだ末、とうとう2人に最後の手段である「ガチンコ対決」を提案してくる。
つまり、雪麻呂と清輔で正々堂々と戦い、勝った方が魅和子と婚約出来るというのだ。
どんな手を使ってでも、魅和子の愛を勝ち取ろうと画策する雪麻呂と清輔の戦いは熾烈を極め、死人を出しながらもついに雪麻呂に軍配が上がるのだが、そこに意外な人物の横槍が入り・・・。
いろいろと、前作と共通した要素が散りばめられている本作。
第2次大戦っぽい戦争真っ只中のパラレル日本。
巨大な力を持つ性悪な少年。
異形のクリーチャー。
男と逃げた母。
怪しげな幻覚剤。
これらの素材を使って、前作同様、読んでいる人の神経を逆撫でするエグいストーリー展開が、テンポよく描かれます。
が、あまりに強烈だった前作(粘膜人間・感想)の印象が強かったせいか、今回は若干物足りなさを感じてしまいました。
圧倒的存在感とパワーを兼ね備えていた主人公・雷太に比べ、今回の主人公である雪麻呂は、少し小粒というか、小物なんですよね。
もちろん、とてつもなくイライラさせられる良キャラである事は間違いないのです。
政治家や軍部までも言いなりにさせられる様な、強大な権力を持つ父の威光を笠に着て、銃は持つわ、大人をグーパンチするわ、煙草は吸うわ、女は抱くわ、もう我儘し放題の雪麻呂。
12歳のガキのくせに、女中相手に性欲処理とか・・・ もしモモ太(※モモ太=前作に出てきた童貞河童)が聞いたら大変な事になりますよ。
たぶんタコ殴りの刑ですよ。
もしくは羨まし過ぎて泣いちゃうんじゃないの、と。
女体欲しさにさめざめ泣く童貞河童・・・うへえ!!(←想像しただけで鬱陶しい)
きちんと叱ってくれる大人がいなかったせいで、他人の気持ちを全く思いやる事の出来ない少年に育った雪麻呂と雷太は、生い立ちまでもが似ているものの、なんでも自分の拳で実際に痛みを伴いながら切り開く雷太に対し、雪麻呂が持っているのはあくまで「権力」なので、手下にやらせるとか、軍部の上層部に手回しするとか、恫喝するとか、とにかく卑怯極まりない。
愛する魅和子の為、ついに自身の拳で戦わざるを得なくなった時も、掴み掛かってきた相手に迷う事無く金的攻撃。
反則じゃん。
いや、命がけの勝負ですから、別に金的でもなんでもいいのですけどね。
終始この調子で卑怯な方法ばかり使うので、雷太に感じた様な魅力は感じられませんでした。
「悪いんだけど、なぜか惹かれる」みたいな。 そういう吸引力は。
この悪童・雪麻呂が同級生相手にかっこつけようとしたせいで、死人が出たり、それが生き返ったりと大騒動が繰り広げられるのが第壱章で、続く第弐章では貧乏な真樹夫の兄・美樹夫が未開の地で命がけの大冒険を体験することに。
この第弐章が実に面白く、強引に植民地化したアジアの田舎を舞台に、まじめな日本兵である美樹夫と彼を振り回す民間人・間宮、そして実直な部下たちの人間模様が、息もつかせぬスピードと適度なグロとをもって描かれてゆきます。
この作者さんは、人間のイヤなトコロを膨らませるのが本当にうまいのですよね。
間宮の下衆さ加減がハンパないお陰で、物語にぐいぐい引き込まれてしまいます。
そして、彼らに襲い掛かる反日ゲリラの姿無き攻撃。
もう、完全に気分はランボーです。
なんとかたどり着いた村での、ヘルビノ(爬虫類人間)との摩訶不思議なやりとりも、「食人族」っぽくて面白かったですねぇ。
因果応報なオチは、ちょっと大人しすぎる気がしましたが。
で、最後の第参章で、ここまでの登場人物が一堂に介し、ドロドロの愛憎劇が展開されるのですが、若干話がまとまりないかなぁ、と。
いろいろ広がった話がどう纏まるのかと、残りのページ数を見ながらハラハラしていたのですが、案の定最後がバタバタになってしまい、そこに至るまでの伏線をきちんと回収し、なおかつ溜飲の下がるオチだったかどうかと言うと、ちょっと肩透かしな感じが否めませんでしました。
(※以下盛大にネタバレ)
クライマックス、美樹夫や爬虫類人間の下男・富蔵を引き連れて、ナムールにあるヘルビノの集落にやってきた雪麻呂が知った、衝撃の真実。
それは、男と駆け落ちしたハズだった雪麻呂のお母さんは、実はマッドな外科医である夫(雪麻呂の父)に捕まり、罰として脳を富蔵に移植されていた!という事。
つまり、富蔵の中身はおかあさんだったのです!
ま、そいつは確かに衝撃展開だけども!!
「おかあさん」として放った最後の一言で、なぜかしんみりしちゃうけども!!
だけれども、それを踏まえると、今まで読んできた雪麻呂と富蔵との珍妙なやりとりがあまりに無茶苦茶になってしまい、素直に「ほほう!そんな新事実が!」と思えないのですよ。
自分の息子がどこぞの女相手に性欲処理しているのを、枕元でデンデン太鼓を叩いて応援とかしちゃってましたからねぇ。
それも、
「フレフレぼっちゃん! ナイスボーイの憎いやつ! イケイケぼっちゃん!モダンボーイの洒落たやつ!」
くらいの声援ならまだしも
「カチカチ (ピー)! ビンビン (ピー)! 雪麻呂ぼっちゃん日本一!」(※自主規制の為ピー音入り)
て。
で、その後も行為を終えた息子に自信を与える為に、言葉を尽くして息子のムスコを褒め称えるという念の入りよう。
「ぼっちゃんの (ピー) は太くて長くて艶があって最高でやんすよ! (ピー) した時の反り立ち具合なんかも (ピー) で (ピー) に・・」
ってねえよ!!(ノ`Д)ノ:・'∵:.┻┻
もうねぇ、ヤダ!
こんなおかあちゃんヤダ!!
いくら諸事情の為、自分の正体を隠して接しているとはいえ、12歳の息子に掛ける言葉じゃないですよね。
おまえ・・、もうちょっと・・ほら・・だから、なんか色々さぁ・・・・まぁ、とにかくちゃんとしろよ!!
ていうかちゃんとしてあげて!お願い!!
最後まで読んだ後で、もういちどザっと読み直す(おかあちゃんと息子の会話として読む)と、また新たな衝撃が走ること請け合いの、ある意味斬新な小説だったのかもしれません。
うそです。
という事で、先にも書いたように若干物足りなさを感じたり、行間に張り詰める緊張感や勢いもやや弱いような気はしますが、思わず胸焼けを起こしてしまいそうなグロシーンや、全く感情移入出来ないいけ好かない登場人物などが、この作家さん独特の表現によって非常に魅力的に描かれていますので、まぁまぁ楽しめるのではないでしょうか。
前作と比べる事自体、間違っていますしね。(←ここまでの文章を全否定)
とりあえず、デビュー以来2作続けて“少年”を主役に持ってくるという、無類の少年好きな作者さんが、次回でどんな物語を紡ぐのか、非常に気になるトコロであります。
ちがうちがう、ヘンな意味でなくて。
あと、次はどんな粘膜になるのかも気になるトコロであります。
思い切って、「胃粘膜」なんかどうでしょうかね。
うそです。
※ちなみに無事探し当てた画像はこちら

「粘膜!粘膜!」と唱えながら、書店へGO!
♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →

「・・・とかげ・・・ ん・・? ・・何蜥蜴だったっけ・・?」
さっき読んだタイトルがもう抜けたアガサ。 さっき泣いたカラスがもう笑った、みたいな?そんなライトな感じ?(どんなだよ)
で、確かドロドロした印象の単語だったよなぁ、と思いつつ「溶解蜥蜴」で検索。
が、それらしいものは何も出てこない。
仕方ないので前作のタイトルで検索。
はい、「溶解人間」ドーン!!
「溶解人間」
掃除夫が街の片隅で見つけたボロきれと得体のしれないドロドロの物体、それこそが「溶解人間」スティーブのなれの果ての姿であった。 路上の汚物がすっかり掃き清められた頃、土星に向け新たな探索船が発進したニュースに世界中は歓声につつまれていたの・・・ (きまぐれムービーシアター様より)
違うよね!ていうか、この光景前も見た!!(←前作の時もタイトル失念して溶解で検索した)
もうねぇ、なんというか、自分の記憶力のふがいなさに絶望ですよね。
いや、傍らにおいてる文庫本見ろよ、って話なんですけどね。
ちなみに前作と本作のタイトルはどちらも「粘膜」。
河童が頑張る「粘膜人間」と、爬虫類人間が頑張る「粘膜蜥蜴」になっております。
そもそも“粘膜”がついてる理由がいまいちわからな・・・ いやなんでもないです。
あらすじ・・・
第壱章 「屍体童子」
庶民の真樹夫と大吉は、大金持ちの雪麻呂の家に招待されてウハウハになるが、ちょっとしたアクシデントで大吉が死亡。
慌てた雪麻呂から「この後始末をしなければお前も殺す」と脅された真樹夫は、牛刀を片手に途方に暮れるが、そこに出兵中の兄・美樹夫の幻が現れ・・・。
第弐章 「蜥蜴地獄」
東南アジアのナムールに駐屯中の美樹夫に、ある重大任務が言い渡される。
それは、軍部にとって大事な金づるである下衆野郎・間宮を、チャラン村まで護衛するという危険な仕事だった。
有能な部下2人と共にジャングルの奥地にあるその村へ向かう美樹夫だったが、反日ゲリラや獰猛な動植物に行く手を阻まれ、やっとの事でたどり着いた村もまた既に、住民すべて皆殺しにされており、その死体は一様に陵辱の跡があったのだった。
そして、その犯人たちが現れたとき、美樹夫は想像を絶する恐怖を味わう事に・・・。
第参章 「童帝戦慄」
雪麻呂は従姉の魅和子を熱烈に愛していた。
魅和子は雪麻呂の人生の全てであり、何としてでもモノにしたいと願っていた。
しかし魅和子は、雪麻呂と同じように求婚してきた雪麻呂の従兄・清輔との間で心を決めかねており、悩んだ末、とうとう2人に最後の手段である「ガチンコ対決」を提案してくる。
つまり、雪麻呂と清輔で正々堂々と戦い、勝った方が魅和子と婚約出来るというのだ。
どんな手を使ってでも、魅和子の愛を勝ち取ろうと画策する雪麻呂と清輔の戦いは熾烈を極め、死人を出しながらもついに雪麻呂に軍配が上がるのだが、そこに意外な人物の横槍が入り・・・。
いろいろと、前作と共通した要素が散りばめられている本作。
第2次大戦っぽい戦争真っ只中のパラレル日本。
巨大な力を持つ性悪な少年。
異形のクリーチャー。
男と逃げた母。
怪しげな幻覚剤。
これらの素材を使って、前作同様、読んでいる人の神経を逆撫でするエグいストーリー展開が、テンポよく描かれます。
が、あまりに強烈だった前作(粘膜人間・感想)の印象が強かったせいか、今回は若干物足りなさを感じてしまいました。
圧倒的存在感とパワーを兼ね備えていた主人公・雷太に比べ、今回の主人公である雪麻呂は、少し小粒というか、小物なんですよね。
もちろん、とてつもなくイライラさせられる良キャラである事は間違いないのです。
政治家や軍部までも言いなりにさせられる様な、強大な権力を持つ父の威光を笠に着て、銃は持つわ、大人をグーパンチするわ、煙草は吸うわ、女は抱くわ、もう我儘し放題の雪麻呂。
12歳のガキのくせに、女中相手に性欲処理とか・・・ もしモモ太(※モモ太=前作に出てきた童貞河童)が聞いたら大変な事になりますよ。
たぶんタコ殴りの刑ですよ。
もしくは羨まし過ぎて泣いちゃうんじゃないの、と。
女体欲しさにさめざめ泣く童貞河童・・・うへえ!!(←想像しただけで鬱陶しい)
きちんと叱ってくれる大人がいなかったせいで、他人の気持ちを全く思いやる事の出来ない少年に育った雪麻呂と雷太は、生い立ちまでもが似ているものの、なんでも自分の拳で実際に痛みを伴いながら切り開く雷太に対し、雪麻呂が持っているのはあくまで「権力」なので、手下にやらせるとか、軍部の上層部に手回しするとか、恫喝するとか、とにかく卑怯極まりない。
愛する魅和子の為、ついに自身の拳で戦わざるを得なくなった時も、掴み掛かってきた相手に迷う事無く金的攻撃。
反則じゃん。
いや、命がけの勝負ですから、別に金的でもなんでもいいのですけどね。
終始この調子で卑怯な方法ばかり使うので、雷太に感じた様な魅力は感じられませんでした。
「悪いんだけど、なぜか惹かれる」みたいな。 そういう吸引力は。
この悪童・雪麻呂が同級生相手にかっこつけようとしたせいで、死人が出たり、それが生き返ったりと大騒動が繰り広げられるのが第壱章で、続く第弐章では貧乏な真樹夫の兄・美樹夫が未開の地で命がけの大冒険を体験することに。
この第弐章が実に面白く、強引に植民地化したアジアの田舎を舞台に、まじめな日本兵である美樹夫と彼を振り回す民間人・間宮、そして実直な部下たちの人間模様が、息もつかせぬスピードと適度なグロとをもって描かれてゆきます。
この作者さんは、人間のイヤなトコロを膨らませるのが本当にうまいのですよね。
間宮の下衆さ加減がハンパないお陰で、物語にぐいぐい引き込まれてしまいます。
そして、彼らに襲い掛かる反日ゲリラの姿無き攻撃。
もう、完全に気分はランボーです。
なんとかたどり着いた村での、ヘルビノ(爬虫類人間)との摩訶不思議なやりとりも、「食人族」っぽくて面白かったですねぇ。
因果応報なオチは、ちょっと大人しすぎる気がしましたが。
で、最後の第参章で、ここまでの登場人物が一堂に介し、ドロドロの愛憎劇が展開されるのですが、若干話がまとまりないかなぁ、と。
いろいろ広がった話がどう纏まるのかと、残りのページ数を見ながらハラハラしていたのですが、案の定最後がバタバタになってしまい、そこに至るまでの伏線をきちんと回収し、なおかつ溜飲の下がるオチだったかどうかと言うと、ちょっと肩透かしな感じが否めませんでしました。
(※以下盛大にネタバレ)
クライマックス、美樹夫や爬虫類人間の下男・富蔵を引き連れて、ナムールにあるヘルビノの集落にやってきた雪麻呂が知った、衝撃の真実。
それは、男と駆け落ちしたハズだった雪麻呂のお母さんは、実はマッドな外科医である夫(雪麻呂の父)に捕まり、罰として脳を富蔵に移植されていた!という事。
つまり、富蔵の中身はおかあさんだったのです!
ま、そいつは確かに衝撃展開だけども!!
「おかあさん」として放った最後の一言で、なぜかしんみりしちゃうけども!!
だけれども、それを踏まえると、今まで読んできた雪麻呂と富蔵との珍妙なやりとりがあまりに無茶苦茶になってしまい、素直に「ほほう!そんな新事実が!」と思えないのですよ。
自分の息子がどこぞの女相手に性欲処理しているのを、枕元でデンデン太鼓を叩いて応援とかしちゃってましたからねぇ。
それも、
「フレフレぼっちゃん! ナイスボーイの憎いやつ! イケイケぼっちゃん!モダンボーイの洒落たやつ!」
くらいの声援ならまだしも
「カチカチ (ピー)! ビンビン (ピー)! 雪麻呂ぼっちゃん日本一!」(※自主規制の為ピー音入り)
て。
で、その後も行為を終えた息子に自信を与える為に、言葉を尽くして息子のムスコを褒め称えるという念の入りよう。
「ぼっちゃんの (ピー) は太くて長くて艶があって最高でやんすよ! (ピー) した時の反り立ち具合なんかも (ピー) で (ピー) に・・」
ってねえよ!!(ノ`Д)ノ:・'∵:.┻┻
もうねぇ、ヤダ!
こんなおかあちゃんヤダ!!
いくら諸事情の為、自分の正体を隠して接しているとはいえ、12歳の息子に掛ける言葉じゃないですよね。
おまえ・・、もうちょっと・・ほら・・だから、なんか色々さぁ・・・・まぁ、とにかくちゃんとしろよ!!
ていうかちゃんとしてあげて!お願い!!
最後まで読んだ後で、もういちどザっと読み直す(おかあちゃんと息子の会話として読む)と、また新たな衝撃が走ること請け合いの、ある意味斬新な小説だったのかもしれません。
うそです。
という事で、先にも書いたように若干物足りなさを感じたり、行間に張り詰める緊張感や勢いもやや弱いような気はしますが、思わず胸焼けを起こしてしまいそうなグロシーンや、全く感情移入出来ないいけ好かない登場人物などが、この作家さん独特の表現によって非常に魅力的に描かれていますので、まぁまぁ楽しめるのではないでしょうか。
前作と比べる事自体、間違っていますしね。(←ここまでの文章を全否定)
とりあえず、デビュー以来2作続けて“少年”を主役に持ってくるという、無類の少年好きな作者さんが、次回でどんな物語を紡ぐのか、非常に気になるトコロであります。
ちがうちがう、ヘンな意味でなくて。
あと、次はどんな粘膜になるのかも気になるトコロであります。
思い切って、「胃粘膜」なんかどうでしょうかね。
うそです。
※ちなみに無事探し当てた画像はこちら

「粘膜!粘膜!」と唱えながら、書店へGO!
♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →
■『イングロリアス・バスターズ』


★★★★☆
鬼畜VS鬼畜。
あらすじ・・・
第1章「ナチ占領下のフランスで」
ナチス親衛隊のハンス・ランダ大佐は、今日もきびきび仕事をこなす。
今回訪れたのは、丘の上の一軒屋。
酪農業を営むラパディットさん一家です。
「こんにちは〜。 ちょっとお邪魔しますよ〜」 「は、は、はい、ど、どうも」
・・・あやしい。
どう見てもあやしいですよね。
それもその筈、実はラパディットさん、フランス人のくせにユダヤ人を匿っているらしいんです。
しかし、優れた探偵としての才能をも持つランダ大佐には、すべてお見通しなのです。
という事で、あっという間にラパディットさんから自供を引き出し、軒下のユダヤ人は皆殺し。
少女を一人見逃してやりましたが、ま、それはランダ大佐の器の大きさって事で。
かっこいいですよね。 ランダ大佐。
第2章「名誉なき野郎ども」
圧倒的乱暴さで、ヨーロッパ全土を統治下に置こうとふんばるナチスドイツ。
しかし、最近とあるアメリカ人特殊部隊がそんなナチスに揺さぶりをかけてきているのです。
彼らの名は“バスターズ”。
ナチスのメンバーを人間と見なさず、ありとあらゆる残忍な手口で殺しまくる、非道な集団です。
なんでも殺しの締めとして、必ず頭の皮を剥ぐとか剥がないとか。
おっかないですね。 “バスターズ”って。
あ、ランダ大佐はたぶんどこかでユダヤ人を殺してます。 出てきませんけど、間違いないです。
ホントできる男ですよね。 ランダ大佐。
第3章「パリにおけるドイツの宵」
第1章でランダ大佐に見逃してもらっていた少女ですが、今ではすっかり大きくなって、パリで映画館を営んでいます。
なにもそんな目立つトコロで働かなくても、と思うのですが、ま、仕方ないですね。
どこに出しても恥ずかしくない身分証明書を持っていたお陰で、堂々と商売していた彼女なのですが、ある日映画好きの若き兵士に見初められてしまいます。
兵士はペーペーの下っ端だと思いきや、連合軍兵士を300人以上も殺した英雄でした。
おまけに空気の読めない童貞でした。
女心を知らない童貞兵士は、自分で主演したプロパガンダ映画のプレミア試写会を、彼女の劇場で行う事を上層部に掛け合っていました。
喜ぶとでも思ったのでしょうか。
さすがの童貞クオリティですね。
ユダヤ人の彼女にとっては迷惑千万な申し出だったものの、よく考えたら皆殺しにされた家族の復讐ができるいい機会なので受けることにしました。
もちろんラブラブな彼氏と相談の上ですよ。
あちゃー。 お気の毒ー。
そうそう、ランダ大佐ですが、ちゃっかりパリに戻ってきて、上層部の護衛を任されています。
さすがに彼女があの時の少女だと言う事までは気づきませんでしたが、そんなのわかりっこないですよ。
いまや完全にメスですからね。
どんまいどんまい。 ランダ大佐。
第4章「プレミア作戦」
ナチスの上層部が大集合して、新作プロパガンダ映画の試写会を開く事は、連合軍にも知れ渡っていました。
もちろんこんな好機を逃すはずも無く、連合軍は“バスターズ”とドイツ人人気女優スパイを使って、映画館の爆破作戦を行う事に。
フランスの奥地で落ち合う段取りだったイギリス人中尉と“バスターズ”たちだったのですが、運悪く、待ち合わせのお店でナチスがパーティを開いていたからさあ大変。
あっという間に正体がばれ、激しい銃撃戦の末イギリス人中尉やドイツ系“バスターズ”は死亡。
なんとかドイツ人女優は生き残ったものの、プレミア上映会に同行出来るメンバーはドイツ語が話せない“バスターズ”のみ。
果たして“バスターズ”は無事任務を遂行することが出来るのでしょうか?!
・・え? ・・・ランダ大佐?
あー、えっとね、さすがは名探偵ランダだけあって、銃撃戦の跡からドイツ人女優が絡んでいる事を推理し、そこに“バスターズ”が噛んでいる事まで探り当ててしまいました。
マジ半端ないですよね。 ランダ大佐。
もうあれだ。 抱いてホールドオンミー。
第5章「巨大な顔の逆襲」
時は来る。
プレミア試写会の日が、ついにやってきたのです。
童貞兵士は、彼女をモノに出来る事を期待して。
ナチスの上層部は、ヒトラーに満足して貰える事を祈って。
“バスターズ”は暗殺作戦が成功する事を確信して。
彼女は復讐が果たされる事を願って。
ヒトラーは面白い映画が観れる事を楽しみにして。
そして、ランダ大佐は、ある思惑を胸に秘めて。
様々な想いが小さな映画館に集まった時、はたして歴史はどう変わるのでしょうか・・・。
そして、ランダ大佐の思惑とは・・・。
よろしかったら
早速で恐縮ですが、以下ネタバレです。
今まで、ナチスが題材の映画はそこそこ観てきたものの、鑑賞後にどこか煮え切らないというか、モヤモヤするというか、歯切れの悪さを感じていた。
その理由はきっと、
「どれだけ映画の中の登場人物が頑張っても、ヒトラーは暗殺されないし、戦争も簡単には終わらない」
という事実がわかってしまっているからだろうと思う。
そして、きっとタランティーノもそう感じたのだろうと思う。
で、「だったらヒトラーぶっ殺せばいいじゃん」と。
そうかぁ・・・
そうだよね!!(゚∀゚)ナットク!
と言う訳で、今までに無い爽快さを味わうことの出来る傑作映画 『イングロリアス・バスターズ』 を鑑賞して来ました。
悪いナチスのやつらが沢山ぶっころされて、とっても痛快な作品です。
地球の歴史上、ここまで問答無用に「殺されてもよさそうな人たち」はいないですよね。
あまりにむごい事を行った連中だから、あまりに人道に反した事を行った連中だから、みんな心置きなく叩くことが出来る。
もちろん映画の中の“バスターズ”たちも、そんな世論を背に受けやりたい放題し放題。
「ユダヤ」というだけで、人間扱いせずに虫けらのごとく抹殺したナチスと、
「ナチス」というだけで、老いも若きも上官も新人もなぶり殺しにする“バスターズ”。
ほんと、ここらへんのタランティ−ノの容赦ないさじ加減ときたら、安っぽい感情移入や同情心を台無しにしてくれて最高だと思います。
復讐も野望も無為な殺戮も、大きな爆発と共に塵となって吹き飛んでしまう儚いもの。
“暴力”は、マジでやるものじゃないんだよ、と。
シャレでやるもんでしょ、と。
タランティーノにそう笑われているようで、とても心地よかったです。
個性あふれるキャストも最高だった本作。
終始ウケグチで、無骨だったりぶこつだったり時にブコツなアメリカン中尉を演じたブラット・ピットが素晴らしい。
バカっぽいのは演技なんですよね。 ていうかなんでウケグチ?
アンジェリーナさん、おたくの旦那さん、アゴ出てますよ、アゴ。
基本的に天邪鬼なアガサなのですが、このブラピは好きにならずにはいられませんね。
首に掻っ切られたあとがあったり、謎な過去を匂わしているのも魅力的。
みんな大好きイーライ兄貴も、自身の生い立ちを最大限に反映させた魂の演技を披露しています。
兄貴にヒトラーを蜂の巣にさせたのは、とても大きな意味がありますね。
タンランティーノの師弟愛(友情)も強く感じさせた、いいシーンだったと思います。
「ユダヤの熊」としてバット片手に登場するシーンの異常にテンションが高まる演出も、タランティーノなりの愛の表れだったのではないでしょうか。
ていうか引っ張りすぎじゃね?(※そこがいいんですけどね)
そして何より本作の一番の目玉はランダ大佐。
ちっちゃな体におっきな能力を兼ね備えているランダ大佐が、近年稀に見る好キャラクターなのです。
別に残忍な性格を持ち合わせているでもない、ユダヤが憎くてかなわないわけでもない、ヒトラーに心酔しているのでもない。
ただ自分の能力を信じ、その高さに酔っているだけのランダ大佐。
なので、ナチスが危うくなったら即座に鞍替えを決意するランダ大佐。
なんて潔いんだランダ大佐。
なんと連合軍に、ナチス上層部の暗殺を黙認する事と引き換えに、自分の命はもとより、地位の保証や年金の保証、終戦の立役者としての勲章、土地つき一軒家などなど、思いつく限りの安心材料を要求。
ちいさ!!(人としての器が)
いや、やろうとしている事(ナチスの壊滅)は大きいんですけどね。
スケールの大きい小ささとでも言うのでしょうか。 ようわからんな。
もう、このランダ大佐のキャラクターが完成した時点で、本作の成功は保障されたも同然だったのではないでしょうか。
それくらい面白くて、狭量で、非情で、有能なランダ大佐。
ティム・ロスが喜びそうなこの役を演じたのはクリストフ・ヴァルツさん。
まったく知らない俳優さんでしたが、今後はしっかり注意して観てゆこうと思います。
ということで、先にも書いたように、まったく史実には沿わない創作劇なのですが、悪いやつが情け容赦なく殺されて、最後は別の悪いやつが高笑いをするという、とても現実的な素晴らしい作品でした。
タランティーノはホント外さない人だなぁ。
最高の2時間32分を、ありがとうございました!( ´∀`)
追記:
そういえば、本作の予告でブロンドの女の人が頬に赤い線を引くシーンがあって、アガサはそれを見ててっきりゲリラ作戦か何かのペイントなんだと思っていたのですが、本編を見てみてたらその赤い線はのちに薄くぼかされてチークになったようです。
ていうか元の線引きすぎじゃね?(女子のみんなはこんなに引いてるの?チーク?)
やはり普段からお化粧しないと、疎くなってダメねぇ。 と、心にも無いつぶやきを漏らしつつ劇場をあとにしたアガサなのでした。
すっぴんばんざい。
♪♪どちらのバナーでもどうぞご遠慮なく♪♪ →

