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『スパイラル:ソウ オールリセット』(シリーズ9作目)

2021年09月10日
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(※ 公開直後ですが以下全編ネタバレしていますので、もしオチを知りたくないという方がおられましたら是非ご鑑賞後にお読みいただけますとさいわいです)



【一行あらすじ】
謎の仕置き人が悪徳警官を血祭りにあげます。

【主なゲーム】
舞台・・・・地下鉄の線路
被験者・・・ボズ
ルール・・・天井から吊り下げられた固定器具に舌を挟まれた状態で、線路の上に置かれた椅子に立たされています。 地下鉄が通過するまでに椅子を蹴って全体重を舌にかけ、なんとか舌をちぎりましょう。 間に合わなければミンチになります

舞台・・・・ジャンキーの隠れ家
被験者・・・フィッチ
ルール・・・指をワイヤーでがっちり固定された状態でバスタブに浸かっています。 水位が増して銅線に触れ感電するまでに機械を動かし、指を引きちぎりましょう。 間に合わなければ電流でこんがり焼きあがります

舞台・・・・警察署の地下資料室
被験者・・・アンジー
ルール・・・顔にふきんをかけられた状態でベッドに固定されています。 顔面の上の蛇口からまもなくあつあつの蝋が流れ出しますので、固まって窒息するまでに脊髄を切断しましょう。 間に合えば下半身まひで済みますが、間に合わなければ顔が溶けます

舞台・・・・元模型屋の肉屋
被験者・・・シェンク
ルール・・・???
結果・・・全身の皮を剥がれます

舞台・・・・使われなくなった石鹸工場
被験者・・・ジーク
ルール・・元相棒のピーターが天井から吊り下げられています。 今からベルトコンベヤーに並べられた空き瓶が、順番に粉砕マシーンに投入され、その破片がピーターめがけて発射されますので、なるべく早く鍵を見つけ降ろしてあげましょう。 間に合わなければ失血死します

舞台・・・・使われなくなった石鹸工場
被験者・・・ジーク
ルール・・・父親のマーカスが天井から吊り下げられ、全身の血を抜かれています。 手持ちの銃には一発だけ弾が入っているので、なるべく早く天井の的を撃ち、父親を降ろしてあげましょう。 的を外すか間に合わなければ失血死します


【主な登場人物と注記事項】
■ ジークさん・・・サウスメトロ署の刑事/同僚を告発して以来12年間ぼっち飯/クリス・ロック/おとうさんだいすき
■ マーカスさん・・・ジークさんのおとうさん/ サミュエル・L・マザーファッカー・ジャクソン/サウスメトロ署の元署長/鉄道模型だいすき
■ シェンクさん・・・サウスメトロ署の新人刑事/警察学校を主席で卒業/ジークさんの相棒/マーカス元署長を超リスペクト
■ アンジーさん・・・サウスメトロ署の若き署長
■ ピーターさん・・・サウスメトロ署の元刑事/事件の証人を撃ち殺す悪徳刑事/ジークさんに告発されて心機一転ボランティア活動に打ち込む
■ ジョン・クレーマー・・・ジグソウ式自己啓発セミナー創案者/世が世ならオンラインサロン作るタイプ/小規模な相撲部屋程度の人数の弟子をとる/死んでなお影響力を発揮/溶接の腕に自信あり

【お亡くなりになったみなさん】
① ミンチになったボズ刑事
② 感電死したフィッチ刑事
③ 窒息死したアンジー署長
④ ガラスの破片で失血死したピーター元刑事
⑤ SWAT部隊にハチの巣にされたマザーファッカー元署長

【生き残ったみなさん】
① ジーク刑事
② シェンク刑事


【補足】
・ サウスメトロ署、いくらなんでも腐敗しすぎやろ

・ 毎回ジグソウおじさん独自の判断基準、もしくはそれに準拠した大岡裁きが行われてきたSAW(ソウ)シリーズですが、今回えらばれた悪人はなんと警官! まぁねー!罪のない人を殺すことにかけては全米ナンバーワンですもんねー!(失礼なイメージ)(事実とは異なります)

・ ジークさんが所属するサウスメトロ署の刑事も、フィクションなのをいいことに「汚職・証拠偽装・偽証・隠蔽・手抜き捜査・民間人射殺」などなど、ほんまもんのおまわりさんが観たら気分を害すること間違いなしの悪行三昧で、唯一それをよく思わないジーク刑事は孤立化するという救いのなさ。 ええんかこの設定で。

・ そんな中発生した刑事の虐殺事件。 今は亡きジグソウおじさんのやり方を模した殺人ゲームの真犯人とはいったい・・・! というのが今回のお話なのですが、さすがにおじさん出てきませんでしたね! 写真だけの登場で、「実はおじさんには新弟子がもうひとり・・・」みたいないつものアレはありませんでした! 「新弟子とはいっても初期メンだったので、シリーズ1作目の舞台裏からおったんですわ・・・」みたいな後出しジャンケンはありません! よかった!よかったのか?!

・ いやよかったんですよ。 だって正直頭打ちでしたもん。 トビン・ベル(おじさんの中の人)を出さないとファンがうるさいし、3作目の時点で亡くなっちゃってる以上回想でしか出せないし、そうなると弟子を登場させるしかないよね?という商法だけでかれこれ5本も作りましたが、さすがにそろそろ限界ですよ。 でも、じゃあひとつだけ聞きたいが、やめるという選択肢はなかったのかい?

・ シリーズ1作目で度肝を抜かれ、世界狸寝入り選手権王者のファンになってしまったわたしなんかだと、ジグソウおじさんあってのシリーズだという感覚があるので、もうえんちゃうか、と思うわけですよ。 前回の「ソウ・レガシー」なんか相当ひどかったぼんやりしていましたし。

・ で、その前回の感想に「こんなんやったら弟子じゃなく、単にジョンの思想に感化されて勝手にジグソウを襲名した人ってことにする方が潔いと思います」と書いちゃってるわけなのですが、いざ今回「勝手に意志を受け継いじゃった」若者が出てきてみるとこれまた微妙でね・・・ もうこれ、ジグソウじゃなくていいじゃん・・・

・ おもしろ謎マシーンの謎システムによる処刑シーンを描くにはSAWシリーズを名乗るしかないのか? 勝手な正義心に燃えた犯人が殺人ゲームを始めるには豚マスクをかぶるしかないのか? おじさんとさよならした時点でやめるべきではなかったのか。 わたしは今回、大いにがっかりしました。 こんなに心躍らなかったSAWは4年ぶりだ。

・ よかった点もありました。 たとえば冒頭の地下鉄シーン。 これは本当に痛くて絶望的で予想通りの破壊力があってよかった。 「もしかしたら今回イケるんちゃうか?」、そんな予感が漂った瞬間でした。 でもその後クリス・ロックさんが出てきてからは、ずっとしょっぱい顔してスクリーンに向き合っていたわたしですよ。 だってすげえありきたりなんだもん。 おもしろくないわけじゃないけど、特におもしろいわけでもない。

・ 自らライオンズゲートの副会長に「SAWシリーズやりたいねん!」と売り込んだクリス・ロックさんはやる気に満ちあふれ、画面から「うち、今SAWに出てまんねん!みんなが憧れてるホラーシリーズの新作やってまんねん!」という歓喜の声が聞こえてくるかのような熱のこもった演技を披露します。 ただし、内容は「はねっかえりの刑事と非協力的な刑事の衝突」というありがちなドラマですし、ちょいちょい入るダーレン・リン・バウズマン監督お馴染みのガチャガチャ映像による咆哮がまあまあダサいので、「それはええからはよ次のゲームやってくれや・・」という祈りにも似た気持ちに。

・ やっと出てきた次のゲームはというと、指はホールドされているけど足もとがどうなっているかわからない仕組みで、「あれ?これバスタブから身体だけだせば感電しなくね?」と湧き出る邪念。 あと、あのワイヤーって指に食い込まされてるのかなぁ? だったら引っ張っても皮が引きちぎられるだけで指ごと抜けなくない? 骨まで達するぐらい食い込まされてるの?

・ 舌が根元からちぎれる荷重や指が骨の関節から肉ごと引っこ抜ける荷重とか、もちろん計算したうえで設計しているんでしょうし、そもそもSAWシリーズの謎マシンの仕組みは深堀しないというのが大人の節度というものなので、これ以上は言うまい。 

・ ただ、空き瓶粉砕マシーンに関してだけは言わせてほしい。 あれ、コンベヤー上に並べられた瓶を叩き落せばよくね?

・ ドラマはありきたり、ゲームは残酷度こそほどよいものの設定が雑(いくら内部の犯行だとはいえ、警察署の資料室に蝋をぐつぐつ煮えさせて自動で吐出するマシンをどうやって仕込んだんだよ。搬入経路おしえてくれよ。工期何日だったんだよ)、ではSAWシリーズに欠かせないツイストはどうだったのかというと、これがもう、未だかつてないほどのひねりのなさで。

・ あのひどかったぼんやりとした前作ですら、時間軸や小道具を使ったミスリードがあったのに、今回真犯人を誤解させるような伏線は一切なし。 これみよがしに携帯を借りたり、家族をアピールしておきながら一切登場させなかったり、挙句には「ルールを説明すらしないゲームによる殉死」偽装ですよ。 現場に到着したら死体だけがあり、周囲は入れ墨だけで本人と確認。 他のゲームでは再生していたテープも全部流さないとか、お客さんを騙す気がないにもほどがあるだろ。

・ で、いよいよ真犯人登場ってなったら、主人公が適当に入った部屋に普通に立ってやんの。 堂々顔出ししてやんの。 まずはシルエットで・・とかすらないんでやんの。 どういうことなんだよこれ。 クリス・ロックさんの見せ場を考えるので頭いっぱいになってたのか。 せめてもう少し満を持してくれよ。 こっちは気持ちよく裏切られたかったんだよ!

・ 申し訳ないけど、今回の新作は本気でSAWシリーズを再起動させるものではなく、クリス・ロックさん用の接待映画に近いものだったように感じました。 手錠でつながれてそばにノコギリが落ちてるシーンだって、緊迫感もへったくれもないじゃないですか。 あれぜったい「あの伝説のノコギリシーンやらせてくれんの?やったー!」用だろ。 わかるよ、わかる、わたしだってやれるもんならやってみたいから。

・ というわけで、わたしがテンションあがったのは、冒頭の地下鉄シーンとクライマックスのマザファッカー兄貴ハチの巣シーンぐらいですかね。 あと、テーマ曲。 サントラを聴きながら映画館に向かうぐらいすきなので、必然的にしんみりなりました。 満足か満足でないかと聞かれたら、「別もんと思えば満足」なので、オールリセットという邦題はある意味正しかったのかもしれません。

・ リセットされているので、過去作を観ていなくても覚えていなくても全く問題ないですよ! やったね!!

・ 最後に、SAWシリーズといえば凝ったデザインでお馴染みのパンフレットですが、今回は特に加工のなされていない普通に小ぶりなサイズのパンフレットでした。
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感染症とその対策に振り回され、苦しい選択を迫られることも多かったであろうこの1年半、過去にならって変形デザインにするかを検討されたのかどうか、わたしには知るすべもないのですが、きっとね、お金がかかると思うんですよ、ああいう凝ったやつ作るのって。 正直一瞬、「あ、普通のやつだ」って思いましたよ。 でもすぐ反省しました。 公開延期や公開縮小が日常的になってしまった昨今、そもそも作られない作品も少なくない中こうして充実した内容のパンフレットを製作していただけたことに感謝したいものです。 もしいつかSAWシリーズが戻ってきて経済状況がよくなっていたら、またいっちょド派手なやつお願いします!!アスミック・エースさん!!





関連感想・・・『シリーズまとめ』(1~7作目)
『ジグソウ:ソウ・レガシー』(8作目)
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